【完結】迅雷の軌跡   作:カオスカラミティ

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予告していた通り、レイが力の一端を見せます


特科クラスⅦ組

先にダンジョンに入ったレイは苦もなく魔獣を倒していた

 

レイ「ハァッ!」

 

鉤爪の一閃で周囲にいた数十体の魔獣が消し飛んだ

 

レイ「やはりここの魔獣はそれほど強くないな。ところでいつまでついてくる気だ?」

 

レイの言葉にあきらめたのか、柱から銀髪の少女フィー・クラウゼルが現れた

 

フィー「よく分かったね?」

 

レイ「気配には敏感でね。それより何で俺を追いかける?」

 

フィー「皆の中で一番強いから何者か探っておきたい」

 

レイ「そうか。まぁ、好きにしろ」

 

そしてレイがダンジョンを進むとフィーも一定の間隔を空けてついてくるが…

 

レイ「……(汗)おい、ついてくるなら一定の間隔を空けてじゃなく横にいればいいだろ」

 

フィー「良いの?」

 

レイ「構わない。というか気になってしょうがない」

 

フィー「それじゃお言葉に甘えて」

 

その後、フィーはレイの横に立って移動し何故か戦闘も一緒にする事になった

 

-数十分後

レイ「終点だな」

 

フィー「みたいだね。でも…」

 

耳を澄ませると終点の部屋から戦闘音が聞こえてくる

 

レイ「どうやら俺達とお前以外はあの部屋で戦っているみたいだな。仕方ないから加勢するか。なぁ?」

 

そう言って後ろを振り向くと、そこには金髪の青年ユーシス・アルバレアが立っていた

 

ユーシス「フン、良いだろう」

 

そして三人が部屋に入ると残りのメンバーが石の魔獣『イグルートガルム』と戦っていた

 

レイ「石の魔獣『ガーゴイル』か」

 

フィー「仕方ないなぁ」

 

ユーシス「ARCUS駆動。エアストライク!」

 

ユーシスが風の弾丸を放ち、ガーゴイルの動きを止めてその一瞬にフィーが右足を、レイは左足を切りつける

 

マキアス「君達は!」

 

レイ「油断するな!」

 

ガーゴイルを取り囲むと全員が光に包まれ、一斉にガーゴイルに攻撃していく。しかしその攻撃が他の者達には当たらず、全てガーゴイルに命中する

 

リィン「今だ!」

 

ラウラ「任せるがよい!」

 

リィンの言葉に今まで攻撃していなかった青髪の少女ラウラ・S・アルゼイドが大剣を振り下ろし、ガーゴイルの首を切断した

 

そして切断された首は石に戻って消え、体も石に戻り消えた

 

レイ「蘇る気配無し。完全に消滅したようだな」

 

アリサ「やった~…」

 

エリオット「……。ねぇ今、何だか不思議な感覚になったんだけど……」

 

アリサ「そういえば…。戦ってる間、淡い光に包まれていたような…」

 

フィー「……」

 

ラウラ「ふむ、皆の動きが手に取るように『視えた』気がしたが…」

 

リィン「なんだか皆と繋がってるような…そんな感覚があったな。もしかしたらさっきのが…」

 

サラ「そう、それがARCUSの真価ってわけね」

 

声がした方を見るとサラがニコニコしながら階段を降りてくるところだった

 

リィン「サラ教官!」

 

サラ「いや~、やっぱり最後は友情とチームワークの勝利よね~。これにて入学式『特別オリエンテーリング』は全て終了~」

 

ニコニコしながら言っているが、戦っていた当人達は白い目でサラを見ていた

 

サラ「って何よ?君達のその顔は…?」

 

ユーシス「単刀直入に聞こう。特科クラス〈Ⅶ組〉……一体何を目的としているんだ?」

 

ラウラ「何故我らが選ばれたか…疑問ではあるな」

 

サラ「そうね。君達が一番の理由はその〈ARCUS〉にあるわ」

 

エリオット「〈ARCUS〉……」

 

サラ「この最新鋭の戦術オーブメントの真価は〈戦術リンク〉--先程、君達が体験した現象よ」

 

レイ「先程皆が繋がっていたようなあの感覚が?」

 

サラ「ええ。例えばどんな状況下でもお互いの行動が把握でき最大限に連携出来る精鋭隊……仮にそんな部隊が存在すればあらゆる作戦行動が可能になる。戦場においてそれがもたらす恩恵は絶大よ」

 

ガイウス「ふむ、確かに」

 

フィー「理想的かも…」

 

サラ「新入生の中でも君達は特に高い適性を示した。それが身分や出身に関わらずに選ばれた理由でもあるわ」

 

ユーシス「……なるほど」

 

マキアス「な、何て偶然なんだ……」

 

その後、サラは新入生達に特科クラス〈Ⅶ組〉に参加するかどうか聞く

 

そしてレイはその質問に目を閉じて考える

 

レイ(特科クラス〈Ⅶ組〉……平民と貴族が一緒のクラスか。初めての試みだからしばらくの間はギクシャクするだろうが、なかなか面白そうなクラスだ)

 

サラ「レイ、あんたはどうするの?」

 

サラの言葉に目を開けると自分以外の全員が参加を表明していた

 

レイ(俺以外の全員が参加か。なら…)

 

レイも一歩前に歩を進める

 

レイ「レイ・リーヴェルト、〈Ⅶ組〉に参加する」

 

サラ「全員参加ね。それではこの場をもって特科クラス〈Ⅶ組〉の発足を宣言するわ!これからビシバシしごいてあげるから楽しみにしてなさい!」

 

レイ「……」

 

その後、特科クラス〈Ⅶ組〉の10人は駅の横にある〈Ⅶ組〉専用の寮・第3学生寮に戻った

 

 

 

その日の夜、レイは1人で旧校舎に来ていた

 

旧校舎・階段部屋にて

 

レイ「いるのは分かっている。出てこい」

 

するとレイの目の前に〈Ⅶ組〉総動員で倒したガーゴイルと同種の個体が現れた

 

「ギシャアァァァァァッ!!」

 

レイ「やはりもう一体いたか」

 

ガーゴイルは爪を振り下ろし、レイを引き裂こうとするが彼は軽々と避ける

 

レイ「そんな攻撃は当たらない。くらえ、カイザーリッパー!!」

 

右の鉤爪にエネルギーを集めて放った赤黒い斬撃はガーゴイルの体をいとも簡単に切り裂いた

 

レイ「討伐完了」

 

一撃でガーゴイルを討伐したレイはこっそりと学生寮に帰り、姉に特科クラス〈Ⅶ組〉の事、紫電のバレスタインがいた事を報告して就寝した

 

 

 

 

 




次は幕間、つまり小話を書こうと思います

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