レイは今、鉄道憲兵隊の軍服ではなく、パーティーに着ていくようなダークスーツを着てクロスベルの中央広場に来ていた
レイ(なぜこんな事になった?)
話は1日前に遡る
―1日前・午後
レイ『これで事後処理は全て終わったな。ロイド、そっちはどうだ?』
ロイド『ああ、こっちも終わったよ』
ティオ『ランディさんとエリィさんも終わったようです』
レイ『よし。それじゃオリヴァルト殿下とオズボーン宰相に報告してくるか。ロイド達は先に帰ってて良いぞ』
ロイド『すまない。』
ティオ『ありがとうございます』
そして全ての事後処理を終えたレイは先にオズボーン宰相に報告し、その後オリヴァルトとミュラーがいる部屋を訪ねる
レイ『失礼します』
オリヴァルト『ああ、レイ君。今回もお疲れ様。』
ミュラー『まさか〈赤い星座〉の団長の娘を退けるとはやるな』
レイ『運が良かっただけです。それより事後処理が完了したのでその報告に』
オリヴァルト『そうか、お疲れ様。ところでこの後はどうするんだい?』
その言葉にレイは意味がわからないといった顔になり、オリヴァルトに尋ねる
レイ『どうするも何も、〈通商会議〉が終わったのでエレボニアに帰ろうと思っていますが?』
オリヴァルト『何だって!?レイ君、何を言ってるんだい!?ここは魔都とはいえクロスベルだよ!!大型新人リーシャ・マオがいる〈アルカンシェル〉に保養地ミシュラムにある大人気の〈ミシュラム・ワンダー・ランド〉等々、楽しそうな所がたくさんあるのに!!』
オリヴァルトはレイに詰め寄りながらクロスベルで人気の場所をあげていく
レイ『近い近い!!つまりは何が言いたいんだアホ皇子!!』
オリヴァルト『つまりだね、せっかくクロスベルにいるんだから可愛い彼女を連れて本格的なデートをしたらどうかって事だよ』
レイ『なっ!?///』
オリヴァルト『〈アルカンシェル〉は今、やってないけど〈ミシュラム・ワンダー・ランド〉は年中やってるからね。はいこれ』
そう言ってオリヴァルトは何かのチケットを2枚、レイに渡した
レイ『〈ミシュラム・ワンダー・ランド〉のチケット?ずいぶん用意が良いな』
ミュラー『こいつはこういう事に関しては早いからな。だが今回は私もこのお調子者と同じ意見だ。いつも憲兵隊の仕事か、トールズで勉強しかしていないと聞く。これを機に少しばかり羽休めをしてもバチは当たらないと思うぞ』
レイ『……。分かりました。お二方がそこまで言うなら。』
オリヴァルト『楽しんでおいで~』
そして現在に至るという事になる
レイ「一応、以前のデートで私服と共にミルディーヌに見繕ってもらった服を着てきたが…変じゃないよな?」
ミル「お待たせしましたレイ兄様」
レイ「ああ、ミルディーヌ……っ!?」
ミル「あら?どうしました?」
レイ「あ、いや……ミルディーヌの服…」
※ミルディーヌの服は閃Ⅲでのドレスです
ミル「これですか?せっかくクロスベルでレイ兄様とデートするので気合いを入れました♥️似合いませんか?」
レイ「い、いや凄く似合う…。綺麗だぞ」
ミル「ありがとうございます♥️それでは行きましょう♥️」
そして、2人は船に乗って保養地ミシュラムへ向かう
―船内にて
ミル「それにしても〈アルカンシェル〉が見れないとは残念ですわ…」
レイ「まぁ、こればかりは仕方ないな。またやってる時に来よう」
ミル「はい♥️あっ、もう到着するみたいですよ」
船がミシュラムに到着し、2人は〈ミシュラム・ワンダー・ランド〉に向かって歩く
ミル「ここが〈ミシュラム・ワンダー・ランド〉ですか。噂通り楽しそうな所ですね。さっ、レイ兄様早く行きましょう」
レイ「そんなに急がなくても遊園地は逃げないって」
その後、レイとミルディーヌは目一杯遊園地を楽しみ、夕方になるとクロスベルに帰ってきた
ミル「楽しい時間はあっという間に過ぎますね」
レイ「そうだな。だが案外楽しめた。今度は2人で完全プライベートで来よう。〈アルカンシェル〉がやってる時に合わせてな」
ミル「はい。」
?「あの…すいません」
2人が次のデートの約束をした時、1人のピンク髪の少女が話しかけてきた
レイ「ん?どうしたんだいお嬢ちゃん?」
?「私の妹と弟を知りませんか?」
ミル「迷子ですか?」
ミルディーヌの言葉に少女はコクンと頷く
?「行きそうな場所は全部探したし、人に聞いたけど見つからないの……」
レイ「よし、それじゃ俺達も探すのを手伝おう。良いよなミル?」
ミル「もちろんです」
2人の言葉に少女の表情が明るくなる
?「ありがとうございます!」
そしてレイとミルディーヌは少女と共にクロスベルのあちこちを歩いた〈歓楽街〉〈港湾区〉や〈裏通り〉まで調べた。しかし少女の妹と弟は見つからなかった
ミル「ここまで探して見つからないとなると…」
レイ「街道に出た可能性が高いな」
少女「そんな…」
その時、姿を透明にして少女の妹と弟を探していた邪神竜が戻ってきた
邪神竜(レイ、お前に言われていた迷い人だが…)
レイ(見つけたのか?)
邪神竜(うむ。しかし急いだ方が良いぞ。東の街道で狼型魔獣に襲われかけている)
レイ(なんだと!?分かった!)
レイ「とりあえず東の街道に出てみよう」
ミル「分かりました」
?「はい!」
そして3人が東の街道に出て少し歩くと少女が探していたであろう子供達を発見した。しかしその子供達は邪神竜が言う通り、狼型魔獣に襲われかけていた
ミル「レイ兄様!!」
レイ「任せろ!フッ!」
そう言ってレイはカイザークローを装備して1匹の狼型魔獣を切り裂き、子供達の前に立つ
レイ「俺から離れるなよ」
子供達「う、うん」
レイ「ダークグレイブ!!」
カイザークローを地面に突き刺し、狼型魔獣の真下からエネルギー状の鉤爪が現れて魔獣を貫いた
レイ「これで終わりだな。他に魔獣の気配も無いし」
?「ケン~!ナナ~!」
ケン・ナナ「お姉ちゃん!」
狼型魔獣を倒した直後に少女が子供達に駆け寄り、抱きしめる
?「バカ!心配したじゃない!」
ケン・ナナ「ごめんなさい…」
ミル「でも、ケガなくて良かったじゃないですか」
レイ「さて、いつまでもここにいたら別の魔獣に襲われかねない。クロスベルに戻ろう」
その後、子供達を保護したレイはミルディーヌと少女と共にクロスベルに戻り、少女達を自宅まで送り届けた
母「ご迷惑をおかけした上に家まで送り届けて下さって……」
父「本当にありがとうございます。ほらお前達も」
ケン・ナナ「助けてくれてありがとうございます!」
レイ「いえ鉄道憲兵隊として当然の事をしたまでです」
その時、少女がレイの前に現れて一言
少女「ケンとナナを助けてくれてありがとう。私、〈特務支援課〉と同じ位お兄さんの事を大好きで尊敬する!」
レイ「……。フッ。そうか、ありがとう。将来は彼らと同じ職場に?」
少女「はい!」
レイ「そうか。帝国人である俺に言われるのは複雑かもしれんが、頑張れよ」
その後、レイとミルディーヌは少女達の家族と〈特務支援課〉の面々に見送られて帝国行きの列車に乗り祖国へと帰った
少女「……」
父「おーいどうしたユウナ?帰るぞ」
ユウナ「は~い!」
ユウナ(私がロイド先輩達と同じ警察官になったらまた会いましょうね)
はい、という事でとある少女とは閃Ⅲに出てくるユウナ・クロフォードでした。せっかくクロスベルに来たんだから、ユウナとの共演も良いんじゃないかなって思いまして
次回は6章に入ります。長くなるか、短くなるかは私次第ですが、なるべく長くならないように努力します