【完結】迅雷の軌跡   作:カオスカラミティ

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第6章・〈帝国解放戦線〉再び
〈通商会議〉の翌日


〈通商会議〉が終わった翌日、レイは鉄道憲兵隊の司令所に来ていた

 

クレア「ごめんねレイ。〈通商会議〉の警備で疲れているのに呼び出して」

 

レイ「それは別に大丈夫だよ。でも……」

 

クレア「でも……何?」

 

レイ「ミルディーヌに俺がクロスベルの〈通商会議〉の警備に行くと密告したのは姉さんだよな?(怒)」

 

クレア「っ!!それは~…将来レイと結婚したら彼女は私の義妹になるかもしれないでしょ?だったら…」

 

レイ「今のうちに姉としての株を上げておこうという魂胆か?全く、さすが演算機並の頭脳を持つ〈氷の乙女(アイス・メイデン)〉だな。」

 

クレア「あはは…(汗)コホン、それでレイを呼んだ理由なんだけど、これを見てくれる?」

 

そう言ってクレアは持っていた書類をレイに渡し、それを見たレイの目が鋭くなっていく

 

レイ「これは本当の事なのか?」

 

クレア「ええ、その証拠を掴む為に強制査察を検討しているの。レイには悪いけど一緒に来てくれない?」

 

レイ「いつ行く予定?」

 

クレア「一応来週を予定してるわ」

 

レイ「なら大丈夫か。学院長とサラに許可を取っとくよ」

 

その後レイは導力バイクに乗り、トールズに戻ってきた

 

レイ「さて、まだ昼だしクラスに顔を出すか」

 

―Ⅶ組・教室

 

レイがⅦ組の教室の扉を開いた瞬間…

 

エリオット「うわぁぁっ!!」

ミリアム「カッコいい!!」

 

ガイウス「ふむ…大したものだ」

フィー「結構凄いかも」

 

レイ「皆して声を大にしてどうしたんだ?」

 

マキアス「あ、レイ帰ってきたのか。実は来月の学園祭での出し物が僕達のとこだけまだ決まってなくてな」

 

リィン「その時、トワ会長が去年の出し物の映像を提供してくれたんだ」

 

レイ「それがこれか」

 

レイの視線の先にはトワ、クロウ、アンゼリカ、ジョルジュが演奏会(コンサート)を行っている映像があった

 

レイ「しかし聞いた事のない音楽だな」

 

クロウ「『ロック』っていうジャンルの音楽さ。あん時は盛り上がったな~。ゲリラライブしたんだぜ」

 

ラウラ「ふむ…我らでこれが出来ればⅠ組の小歌劇(オペレッタ)や他のクラスにも負けないものになりそだが…」

 

ユーシス「音楽といえばエリオットだが…こういうステージを俺達が実現出来る見込みはありそうか?」

 

エリオット「えっと…このクラス結構音楽出来る人いたよね?僕はピアノも弾けるから演奏担当は大丈夫そうだし、これで曲と歌詞を練ってボーカル担当を割り振れば……うんっ!ステージの方向性次第だけど十分良いものに出来ると思う!」

 

クロウ「俺は2年だから裏方に徹するが…期間限定とはいえⅦ組の一員…お前らが勝負に出るっていうなら全面的に力になるぜ」

 

リィン「クロウ…」

エマ「クロウさん…」

 

アリサ「……私、あなたの事ちょっと誤解していたかも」

 

レイ「お前ら、この超絶お調子者の言う事を信じるなよ。どうせまた…」

 

クロウ「あっ、ステージ衣装も俺に任せてくれよな!女子はなるたけ露出させるからよ♪」

 

アリサ「レイの言う通りだったわね。前言撤回(怒)」

 

出し物については何とかなりそうだが、その時マキアスが今月の〈特別実習〉がどうなるか聞いてくる

 

ユーシス「…フン、先月の実習の事を考えれば中止になってもおかしくはない」

 

レイ「その辺は今、行われている理事会で決定されるだろう」

 

マキアス「まぁ、それに身内が関わっているというのは…(汗)」

アリサ「どうにも落ち着かないわね(汗)」

 

エリオット「ガレリア要塞の一件から半月…〈帝国解放戦線〉の事があって鉄道憲兵隊の哨戒を大幅に強化したんでしょ?」

 

レイ「ああ。奴らの数々の行いから単なる革命家気取りの集団ではない事は明らかだからな」

 

フィー「貴族派が『テロリスト対策』で領邦軍の軍備増強だけじゃなくて『猟兵団』を雇ったって噂」

 

ユーシス「革新派やオズボーン宰相を狙い撃ちにする行動様式から…〈帝国解放戦線〉が貴族と何か関係があるのではないかという噂もあるがな」

 

クロウ「穏やかじゃないよなぁ。ま、それは帝国内だけってわけじゃねーけど。クロスベルも急に独立宣言とかするしよ」

 

リィン「帝国内外の緊張が高まる中……特別実習の実行は難しいかもしれないな」

 

ミリアム「え~、ボクまだ1回しか行ってないよー!」

 

レイ「遊びじゃないぞ」

 

そう言ってレイはポコンとミリアムの頭を叩く

 

エマ「先月の事を考えると慎重に行動すべきと思うのですが…」

 

アリサ「それでも特別実習あってのⅦ組(私たち)っていう感じもあるのよね…」

 

その時、理事会の結果を聞いてきたサラが入ってきた

 

サラ「お疲れ様。出し物は決まったかしら?」

 

リィン「教官…!理事会は…」

 

サラ「ええ、無事に終わったわ。ふふ…君たちの父兄はどうもスパルタねぇ。全会一致で〈特別実習〉の継続が決定したわ」


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