【完結】迅雷の軌跡   作:カオスカラミティ

42 / 63
高速巡洋艦〈カレイジャス〉

その後〈自由行動日〉、〈実技試験〉を終えて次なる〈特別実習〉の初日になるが…

 

レイ「……」

 

リィン「なぁ、レイ。なぜ俺達はグラウンドに集められたんだ?」

 

アリサ「そうよ。朝イチに出発しないとルーレに到着するが夕方位になっちゃうわよ?」

 

レイ「まぁ、待っていろ。凄いものが見れるから」

 

ちなみに班分けは…

A班(実習地:鋼都ルーレ)

リィン、アリサ、、フィー、マキアス、エリオット、クロウ

 

B班(実習地:海都オルディス)

ユーシス、ミリアム、エマ、ラウラ、ガイウス

…となっている

 

数分待っていると、空から紅い飛行物体がグラウンドに降りてきた

 

エリオット「わああっ…!」

エマ「こ、これは…!?」

 

そして甲板には4人の男の姿が…

 

オリヴァルト「ようこそ〈Ⅶ組〉の諸君!アルセイユⅡ番艦――高速巡洋艦〈カレイジャス〉へ!」

 

その後、Ⅶ組はカレイジャスに乗り、実習地へと向かう事になった

 

ミリアム「すっごーい!おおきーい!ねーユーシス、学院がもうあんなに小さいよ!」

 

ユーシス「ぐっ…はしゃぐな!(怒)」

 

リィン「驚いたな…なんで今回の実習は駅じゃなくグラウンドに集合なのかと思ったら…」

 

マキアス「こんな最新鋭の船で実習地まで送ってくださるとは…」

 

アリサ「まさかここまでの開発にRF(ラインフォルト)が関わっていたなんて…。それもZCFとエプスタイン財団との共同開発ですって?」

 

シャロン「ZCF製の高性能エンジンを20器搭載したことによって最高時速3000CE/hを実現――3600CE/hの〈アルセイユ〉には及ばないものの、高い装甲性能と迎撃能力を誇っていますわね」

 

レイ(行き先がルーレとはいえ、ちゃっかりついてきてるし…。しかも〈カレイジャス〉の性能を把握してるし…)

 

ガイウス「〈アルセイユ号〉…オリヴァルト皇子がリベールから帝都に凱旋した時、乗っていたという船の事か」

 

エマ「〈リベールの白き翼〉ですね」

 

フィー「こっちは紅くてカッコいいかも」

 

Ⅶ組がアルセイユⅡ番艦〈カレイジャス〉について語っているとミュラーを伴ってオリヴァルトが現れた

 

オリヴァルト「ハッハッハッ、反応は上々のようだね。うんうん。これなら帝都市民へのお披露目も間違いなしだろう」

 

エマ「ありがとうございます。こんな素晴らしい船で送っていただけるなんて…」

 

オリヴァルト「君達を送るのはあくまでお披露目の処女飛行のついでではあったんだが…これだけ喜んでくれるとはなぁ~。このまま空中リサイタルなんてどうかなミュラーくん♥️」

 

ミュラー「たわけが…(怒)」

レイ「アホだろ」

 

リィン「あのそちらの方は…」

ラウラ「もしかして皇子殿下の護衛を務めているヴァンダール家の…?」

 

ミュラー「第七機甲師団に所属するミュラー・ヴァンダールだ。〈光の剣匠〉のご息女と八葉一刀流の使い手だったか。同じ剣の道を志す者として、こうして出会えて嬉しく思う。先日は皇子共々、世話になってしまったようだ。改めて礼を言わせてもらおう」

 

ラウラ「きょ、恐縮です!」

リィン「ヴァンダール家の方と…お目にかかれて光栄です…!」

 

ラウラ「それにしても驚きました…まさか父上がいらっしゃるとは…。しかも軍属でもない父上がどうしてこの艦の艦長を!?」

 

ラウラの言う通り、目の前には艦長帽を被った〈光の剣匠〉がいた

 

ヴィクター「フフッ、驚かせてすまなかった。色々と機密事項もあってな。それと…この艦はいかなる軍にも所属していない」

 

ユーシス「っ!という事は…“皇族の船”…?」

 

オリヴァルト「その通り。帝国軍にも領邦軍にも属さない第三の風をもたらす為の翼…。それを駆っていただく大任を子爵閣下にお願いした次第でね」

 

リィン「第三の翼…」

 

レイ「〈光の剣匠〉が艦長を務める帝国最速の速さを誇る翼か…」

 

クロウ「ハハ、“牽制役”としては最強と言えるかもなぁ」

 

トヴァル「ちなみに俺も情報収集のため参加させてもらっていてね。地上に残っているギルド方面との連絡も受け持っているんだ」

 

それを聞いたサラは冷や汗をかきながら、少し離れていく

 

サラ「ま、こういった役目はトヴァル向きではあるわよね~。あたしだと、どうしても切った張ったがメインに…(汗)」

 

 

リィン「このまま帝国全土を回られるおつもりですか?」

 

ヴィクター「うむ。帝国各地の緊張を和らげられるようにな。そして――〈帝国解放戦線〉とやらにも睨みを利かせたいと思っている」

 

その言葉に一同はある事を思い出す

 

フィー「確かに…飛行艇も使ってたし…」

 

レイ「我々、鉄道憲兵隊や情報局も動いていると聞いてはいるが…この艦ならそれとも違う形で彼らの動きを牽制出来るというわけか」

 

オリヴァルト「フッ、一石二鳥どころか三鳥四鳥といった感じだろう?」

 

ヴィクター「この艦ならば実習地までさほどかからぬ。館内を見学しつつくつろいでいくといい」

 

リィン「はい!ありがとうございます!」

 

その後、〈カレイジャス〉は帝都で処女飛行を行った後、それぞれの実習地へと向かう

 

その頃、〈バルフレイム宮〉の宰相執務室では…

 

レクター「ハハ、あれから2年近くか。あの放蕩皇子、まさかここまで漕ぎ付けてくるとはなぁ。しかもリベールの技術協力を受けた“アルセイユⅡ番艦”とは……。先月の通商会議でアンタに出し抜かれた事への意趣返しなったんじゃないか?」

 

オズボーン「フフ…まさかこんな手で食い下がってくるとは……。士官学院といい、なかなか愉しませてくれる。――正念場だオリヴァルト皇子。既に“遊戯盤”の準備は整った。ここから見事ひっくり返せるか。せいぜい足掻いてみるがいい――」


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。