〈黒銀の鋼都〉ルーレ――鉄鋼と重工業により発展してきて人口20万のちょっとした小国の首都並みの工業都市
今回、Ⅶ組A班はこの工業都市で〈特別実習〉を行う事となる
―ルーレ空港
レイ「無事にルーレに到着だな。それじゃ俺はこれで…」
リィン「そうか。今回は鉄道憲兵隊の仕事でルーレに来たんだったな」
レイ「ああ。あまり公に出来ない仕事だから話せないがな。んじゃ、お前達は〈特別実習〉頑張れよ」
そう言ってレイは鉄道憲兵隊・ルーレ分所へと向かった
―鉄道憲兵隊・ルーレ分所
カレン「お疲れ様ですレイ大尉。意外に早く着いたんですね?」
レイ「オリヴァルト皇子が作った〈カレイジャス〉の処女飛行に乗せてもらったんでな。ところで姉さんはまだ?」
カレン「はい、後2時間ほどで到着する予定です」
レイ「そうか。ならその間に君達が調べた事を報告してもらおうかな?」
ドミニク「はい。それではまず……」
それから2時間後―
クレア「遅くなったわね」
レイ「お疲れ様、姉さん」
遅れて〈
クレア「ドミニク少尉やカレン少尉達は?パトロール?」
レイ「正解。〈貴族派〉に雇われた猟兵団が入り込んでいないか、見回りしてくるってさ」
その時、分所の外から何やら言い合う声が聞こえてきた
クレア「何かしら?」
レイ「行ってみよう。場合によっては俺達の力が必要になるかもしれない」
クレア「ええ」
その頃、ルーレ駅の前ではクレアとレイの部下達とノルティア領邦軍が言い争いをしていた
領邦軍隊長「ルーレ市の治安維持は我々ノルティア領邦軍の役割だ!貴公ら余所者がこれ以上大きな顔しないでもらおうか!」
カレン「余所者とは何ですか!!我々は正規の手続きを踏んで任務を遂行しています!!鉄道網が発達し、広域的な治安維持を行えるのは我々〈鉄道憲兵隊〉だけです!」
領邦軍隊長「市民の諸君!謎のテロリスト共が
〈鉄道憲兵隊〉と〈ノルティア領邦軍〉の言い争いで集まった野次馬の目の前で領邦軍が装甲車まで出してきた為、市民がざわめき始める。その時…
クレア「仰る通りです」
ドミニク「クレア大尉!」
カレン「レイ大尉も!」
領邦軍隊員「〈
領邦軍隊員2「〈
クレア「訂正しておきますが、我々は“地に足をつけぬ余所者”では決してありません。〈鉄道網〉という帝国全土をカバーする大動脈を通じていかなる地にも速やかに部隊を派遣…」
レイ「必要とあらば全部隊を数時間以内に集結する事が出来ます。それが鉄道憲兵隊の誇りであり矜恃でもあります」
クレア「そちらはそちらで、我々は我々で役割分担すれば良いだけの事…そうではありませんか?」
「ならば複数の場所で何かあったらどうするつもりかな?」
領邦軍隊長「こ、これはルーファス様!もうお帰りでしたか!」
四大名門の1つアルバレア家の者であり、ユーシスの兄であるルーファス・アルバレアだった
ルーファス「久しぶりだねレイ君。そして初めましてクレア・リーヴェルト大尉。どうやら私が何故ルーレに来ているのか――いや、どうやってルーレに来たのかが不思議なようだな?」
クレア「!……」
ルーファス「あらゆる鉄道網は君達の監視下にある。かといってルーレ空港に私が訪れた気配もない。答えは簡単――アルバレア家の専用飛行艇で来ただけさ。停泊させたのは街道外れだがね」
クレア「あ…」
レイ「なるほど…」
ルーファス「死角というものはあらゆる所に存在するもの。君達も、あまり自分達の優位性を過信せぬことだ」
クレア「…ご忠告、ありがたく頂戴いたします」
そしてルーファスの指示でノルティア領邦軍は装甲車を下げ、撤収していきクレアとレイも自分の部下達に撤収を命じ、ルーレ分所へと戻った