【完結】迅雷の軌跡   作:カオスカラミティ

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ダイニングバー〈F〉での話

領邦軍との騒動の後、クレアとレイは鉄道憲兵隊・ルーレ分所に戻ってきた

 

――夕方

 

レイ「全く、領邦軍はどこに行っても同じような奴ばかりだな」

 

クレア「仕方ないわ。彼らには彼らのやる事があるんだから。まぁ、最近はやり過ぎ感は否めないけど…」

 

レイ「いつか、とんでもない事をやらかすかもしれないな。まっ、その時は俺達がどうにかするしかないが…」

 

クレア「貴方と邪神竜の力があればどうにか出来るでしょうけど、あまり無茶はしないでね」

 

レイ「了解。ところでラインフォルト第一製作所に強制査察を検討中だって聞いたが…。そもそもラインフォルトグループの構成ってどうなっているんだ?」

 

クレア「ああ、貴方は知らなかった?ラインフォルトグループの構成図はね……」

 

そう言ってクレアは側にあったホワイトボードにラインフォルトの構成図を書いていく

 

第一製作所――鉄鋼/大型機械全般・貴族派

 

第二製作所――銃器/戦車/兵器全般・革新派

 

第三製作所――導力列車/導力飛行船・中立派

 

第四製作所――導力通信技術/戦術導力器・会長直轄

 

クレア「このようになってるわ。特に第一製作所と第二製作所はお互いに熾烈な競争をしていると噂されているの」

 

レイ「ここでも貴族派と革新派の争いがあるのか」

 

クレア「どこでも貴族派と革新派が争うなんて不毛としか言えないけどね。あっ、ところでレイはリィンさんのARCUS(アークス)の番号を知ってる?」

 

レイ「それはもちろん知ってるが、何故だ?」

 

クレア「今回の事で〈Ⅶ組〉が介入してくるかもしれないから釘を指しておこうと思って」

 

レイ「なるほど。それじゃ言うぞ」

 

そしてレイからリィンの番号を聞いたクレアはその場で通信し、夜にダイニングバー〈F〉に来てほしいと伝えた

 

レイ「夜に未成年をダイニングバーに呼び出す美しき女性。内容を知らない人が見たら7歳年下の彼氏を呼び出しているようにも見えるな」

 

その言葉にクレアは顔を真っ赤にして否定する

 

クレア「なっ、何を言ってるのよレイ!!///これは…危険な所に介入しないように…!!///」

 

レイ「分かってるって。にしても〈氷の乙女(アイス・メイデン)〉は恋愛ごとに関しては自慢の冷静さを失うんだな」

 

クレア「~~~っ!!レ~~イ~~!!(怒)」

 

その後、軽い姉弟喧嘩が勃発したがそれは別の話

 

 

――夜・鉄道憲兵隊・ルーレ分所

 

クレア「それでは行ってきます」

レイ「仕事サボるなよ?」

 

ドミニク「はい!もちろんです!」

カレン「お気をつけてクレア大尉!レイ大尉!」

 

貴族が着るようなドレスを着たクレアとダークスーツを着たレイはルーレ分所を後にした。そして2人が出ていった直後…

 

ドミニク「ハアァァ~。クレア大尉、いつも凛々しいですが、今回は更に美しさも加わって破壊力が半端ないです~///」

 

カレン「クレア大尉もですがレイ大尉もいつも以上にキリッとしておられて、あの姿で微笑まれたら即死ですよ~///」

 

自分達の部下である少尉がこんな話をしていたとかいなかったとか

 

――ダイニングバー〈F〉

クレア「リィンさんはまだ来てないようですね」

 

レイ「こんな時間だからな。まだレポートが書き終わってないんじゃないか?」

 

クレア「なら、しばらくはカクテルでも飲んで待ちましょう」

 

そして姉弟が軽くカクテルを飲んでから数十分後

 

リィン「お待たせしてすいません」

 

クレア「フフッ、大丈夫ですよ。あら?」

 

クレアが見た方には何故か銀髪の少女―フィーがいた

 

フィー「ども」

 

リィン「すいません。1人で来るはずが…」

 

レイ「構わない。大方、リィンの行動に疑問を感じたフィーが勝手についてきたんだろう?」

 

フィー「正解」

リィン「さすがだな」

 

レイ「姉さんには及ばないがな」

 

クレア「さて、早速話をと言いたいですがカウンターに4人は目立ちますね。奥に移動しましょう」

 

そして4人は奥のテーブルに移動し、リィンが話を切り出した

 

リィン「地方の治安維持は元々領邦軍の役割だったはずです。あなた方は――いえオズボーン宰相は一体何をしようとしているんですか?」

 

レイ「今の帝国に必要なのはより広い治安維持のネットワーク構築…それが出来るのは鉄道憲兵隊や情報局だけだ」

 

クレア「そして世間からどう囁かれようが閣下は――オズボーン宰相はある意味、誠実に行動なさっています。どこかの誰かたちのようにテロリストを支援するなどという一線を越えた事はなさらない」

 

リィン「っ!!」

 

クレア「“危機”の輪郭を見極め、できれば近寄らないでください」

 

レイ「それが今回、お前達〈Ⅶ組〉が実習で学ぶべき経験だろう」

 

 


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