ミルディーヌ「まずはどこに行くんですか?」
レイ「そうだな。ギムナジウムでやっている『みっしぃパニック』はどうだ?」
ミルディーヌ「『みっしぃ』というと、前に通商会議で行ったクロスベルのマスコットキャラですよね?」
レイ「ああ。ちなみに内容は9つある穴からランダムに出てくる『悪みっしぃ』を叩いてスコアを競う物だ。簡単に言えば、モグラ叩きゲームだな。」
ミルディーヌ「面白そうです!行きましょう!」
そして2人はギムナジウムに向かい、部屋に入ると驚いた。なんと『みっしぃパニック』とは教室を丸々使ったゲームだったのだ。
ミルディーヌ「ではレイ兄様、まずは私が行きますね。」
そう言ってミルディーヌはハンマーを持ち、ゲームスタートの合図で『悪みっしぃ』を叩いていくが徐々にテンポが速くなり、後半は近くに現れる『悪みっしぃ』しか叩けなかった。
ミルディーヌ「ううっ……残念です。後3体『悪みっしぃ』を叩けば設定されたスコアを突破出来ましたのに……」
レイ「教室を丸々使ったゲームだから瞬発力と敏捷性が求められるんだな。なら、次は俺がやろう。」
今度はレイがハンマーを持ち、ゲームスタートの合図で『悪みっしぃ』を叩いていく。そして徐々にテンポが速くなっていくが、レイは焦る事なく正確に『悪みっしぃ』を叩いていき……
レイ「これで、フィニッシュ!!」
時間切れになり、満点を叩き出したレイ。そして景品としてみっしぃのぬいぐるみを何故か4つも手に入れ、そのうちの1つをミルディーヌに渡した。
―中庭
『みっしぃパニック』を終えた2人は屋台で販売していた飲み物を購入し、中庭のベンチで飲んでいた。
ミルディーヌ「まさか満点を叩き出すなんて、さすがレイ兄様です。」
レイ「俺の武器は使う時はいやでも瞬発力と敏捷性が必要になるからな。それより、次はどこに行く?」
ミルディーヌ「そうですね~」
ミルディーヌが次にどこに行こうかと悩んでいると…
ユーシス「レイじゃないか。」
ユーシスが偶然にも中庭を通りかかり、話しかけてきた。
レイ「ユーシスか。どうだ、ちゃんと楽しめてるか?」
ユーシス「まぁ、そこそこな。」
そしてユーシスはミルディーヌの方を向いて一言
ユーシス「お久しぶりですミルディーヌ嬢。今日はわざわざ来ていただき、ありがとうございます。」
ミルディーヌ「いえいえ。ドライケルス帝が作った士官学院の学院祭ですから、例えどんな障害があろうと馳せ参じますわ。(本当はレイ兄様が誘ってくれたからですけど♥️)」
レイ「そうだユーシス。ちょっと頼まれてくれないか?」
そう言ってレイは自分の横に置いてあった3つのみっしいのぬいぐるみの内、1つをユーシスに渡す。
ユーシス「何だ、この猫もどきは?」
レイ「ギムナジウムのゲームの景品でクロスベルのマスコットキャラの『みっしぃ』だ。さっきミルディーヌとやってきたんだが、満点を叩き出したら4つももらってな。」
ユーシス「それを何故俺に?」
レイ「お前からミリアムに渡せという事だ。ミリアムもお前からのプレゼントなら喜ぶだろ?」
そう言われて一瞬、戸惑うユーシスだが観念したようで…
ユーシス「分かった。それと俺はこの後、馬術部の手伝いがあってな。良ければ来るがいい。」
とだけ言って去っていった。
ミルディーヌ「レイ兄様、ミリアムさんというのは?」
レイ「情報局の人間で宰相直属の〈
ミルディーヌ「なるほど。」
セリーヌ「ずいぶん楽しそうね。」
2人が再び飲み物を飲み始めると足元に美しい黒い毛並みと尻尾にリボンをつけた猫―セリーヌがいつの間にか来ていた。
レイ「おっ、セリーヌも来ていたのか。何か気になる事でも?」
セリーヌ「ええ。旧校舎が気になって仕方ないのよ。」
レイ「俺は2回しか入ってないが、確かに妙な気配は感じるな。」
ミルディーヌ「えっと、レイ兄様…その猫は……」
2人「っ!?」
〈Ⅶ組〉の中でエマ以外でセリーヌが喋れる事を知っているのはレイだけ。なのでいつもの癖で普通に話してしまった。
レイ「こっ、これはな……」
セリーヌ「にゃ…にゃぁ~」
何とか誤魔化そうとする2人だがミルディーヌは眼差しはセリーヌを捉えて離さない。
セリーヌ「にゃぁ~……(汗)」
ミルディーヌ「使い魔さんですか?」
2人「っ!?」
ミルディーヌの言葉に2人は再び驚かされた。
セリーヌ「何で知ってんのよ!?」
ミルディーヌ「魔女さんには使い魔がいると昔話によく出てきますから。でも凄いですねレイ兄様、まさかこんなお友達までいたなんて!」
そう言ってミルディーヌはセリーヌを自分の膝の上に乗せて背中を撫でる。
セリーヌ「ちょっ、止めなさいよ!?にゃ…フニャアァァァ~」
ミルディーヌ「ウフフ。気持ちいいですか~♥️」
セリーヌ「まさかあたしがこんな小娘に~。」
レイ(さすがミルディーヌ。一瞬でセリーヌを……(汗))
―数分後
セリーヌ「コホン。とにかく、私が使い魔っていう事はあんた達だけの秘密にしといてよ?まだバレるわけにはいかないんだから。」
ミルディーヌ「もちろんです♥️」
レイ「それで旧校舎の事だが、何が気になるんだ?」
セリーヌ「全ての準備は整っていて後は待つだけなんだけど、なかなか始まらないなぁと思ってね。」
レイ「始まらない?何がだ?」
セリーヌ「まぁ、その時が来たら分かるわよ。今は学院祭を楽しみなさい。私も適当に楽しませてもらうから。」
レイ「分かった。何かあれば呼びに来てくれ。」
セリーヌ「ええ。そうだ、明日のステージ、せいぜい頑張りなさい。」
それだけ言うとセリーヌはミルディーヌの腕から抜けて人混みの中に消えた。
―本校舎1階
シャロン「あら、レイ様。随分とたくさんの荷物ですね?」
レイ「シャロンか、ちょうど良かった。この2つの『みっしぃ』の内1つ貰ってくれ。」
シャロン「よろしいのですか?」
レイ「構わない。というか1つは姉さんにあげる予定で1つ余るからな。お前さえ良ければだが。」
シャロン「ウフフ、それではありがたく頂戴しますね。」
レイ「これで後は姉さんの分だけだな。ところでシャロン、あそこにいるバンダナは何をしているんだ?」
シャロンに『みっしぃ』のぬいぐるみを渡した後、近くにいる周囲を見渡してメモ帳に何かを書き込んでいるクロウがいた。
シャロン「何でも出し物と出店の場所を確認していると、後はどこが空いているかというのを調べているみたいですわ。」
レイ「なるほどな。」
それだけ言うとレイはクロウに近づいていく
クロウ「フムフム、なるほどな。今ならここが狙い目か。」
レイ「普段の授業もそれ位、真面目にやってほしいなクロウ。」
クロウ「ウオッ!?驚かすなよレイ。良いだろう別に。俺はお前と違って彼女いねぇんだからよ。」
クロウの言葉にレイは目を細めて追及する。
レイ「という事はやはり…」
クロウ「当然、この学院祭で可愛い子をナンパするための――」
レイ「そうか……。トワ会長に連絡する。」
クロウ「ストップ!!それだけはやめてくれ!!」
ARCUSを取り出そうとした腕を掴まれ、必死に懇願するクロウ。どうやら去年も同じ事をしてトワに叱られたようだ。
レイ「まったく…。ところで東方茶屋をしているクラスがあるらしいがどこか分かるか?」
クロウ「おう、それならあそこだ。」
クロウが指差した先には東方風の門構えをした場所があり、レイとミルディーヌの目的地だと分かった。
ミルディーヌ「ありがとうございます。それではレイ兄様、行きましょうか。」
―東方茶屋・雅
ミルディーヌ「このお茶菓子美味しいですね。」
レイ「抹茶もなかなか飲みやすいな。」
ミルディーヌ「それにしてもここまで本格的な物を作るなんて凄いですね。本当に東方の茶屋に来た気分です。」
ミルディーヌの言う通り、Ⅳ組の教室は東方らしく中央に石によって作られた囲いがあり、店も木造で作られていた。
アリサ「あら、レイとミルディーヌさんじゃない。」
リィン「2人ともここで休憩か?」
名前を呼ばれて振り向くとリィンとアリサが同じように抹茶とお茶菓子を堪能していた。
ミルディーヌ「あら、そちらもデートですか?」
アリサ「ちっ、違うから!!///」
レイ「ハハハ……」
レイ(おもいっきり否定しているが、傍目から見れば普通にデートだぞアリサ。)
リィン「そうだ。2人もおみくじを引いてみないか?」
ミルディーヌ「おみくじって確か、女神に祈願して運勢を占う東方の文化ですよね?」
レイ「なるほど、なかなか面白そうだな。」
リィン「それじゃ2人とも、開運おみくじか縁結びおみくじのどちらかを選んでくれ。」
ミルディーヌ「どう違うのですか?」
アリサ「開運は吉凶、縁結びは恋愛関連を占うものよ。」
レイ「なら俺達は縁結びの方を引くか?」
ミルディーヌ「そうですね、先の事を考えたらその方が良いかもしれませんね。」
そして2人は縁結びおみくじの箱に手を入れ、1枚の紙を取り出す。
ミルディーヌ「大吉ですね。」
レイ「俺も大吉だ。」
『共通の目的を持つ者と進むのが良し。苦難の先には幸あり』
アリサ「凄いわね。全く同じ内容よ。」
ミルディーヌ「それだけ私とレイ兄様は強い絆、いえ愛で結ばれているというわけです♥️」
その後、ミルディーヌとレイは残りの出し物を楽しんだ。そして夕方になり……
レイ「それじゃ、俺は明日のステージの為に旧校舎に向かう。ミルディーヌはキルシェに泊まってくれ。」
ミルディーヌ「分かりました。頑張って下さいねレイ兄様♥️」
そう言ってレイはリィン、アリサと共に旧校舎へ向かった。