クレアとの夕食を終え、導力バイクでトリスタに帰ってきたレイは一度、公園前でバイクを止める。
レイ「到着っと。それじゃこのまま…」
邪神竜「レイ、腰のホルダーに入れているARCUSが光っているぞ。」
レイ「えっ?」
透明化している邪神竜がそう言ったので腰にホルダーからARCUSを取り出してみると確かに発光しており、その光はオリエンテーリングでガーゴイルと戦った時と同様のものだった。
レイ「何だこれは?」
邪神竜「レイ、学院の方を見てみろ。」
レイ「今度は何だ?」
再び邪神竜の言葉に今度は士官学院の方を見ると、奥の方から青白い光が空まで伸びていた。
レイ「位置的にあの光が発生している場所は旧校舎だな。大きさは……旧校舎を囲むくらいか。」
邪神竜「うむ。あの光はレグラムにあったローエングリン城と同じ現象だな。」
レイ「……。邪神竜、もしかして旧校舎で行われているのは……。」
邪神竜「レイの想像している通りだ。」
邪神竜の言葉にレイは「そうか。」と呟き、バイクを旧校舎へと走らす。
―旧校舎前
レイ「サラ教官。」
サラ「レイ、帰ってきたのね。」
レイ「ええ。リィン達は中ですか?」
サラ「そうよ。」
その時、旧校舎を囲んでいた青白い光が消えていき鳴り響いていた鐘も鳴り止んだ
レイ「どうやら終わったようだな。行きましょうサラ教官」
サラ「ええ。」
学院長とトマス教官を残してサラ、レイ、ジョルジュ、トワが旧校舎に突入する
―旧校舎・第7層
サラ「これは……」
トワ「な、何これ…?」
ジョルジュ「これは異空間?」
レイ「考えるのは後だ。そこにある転移装置で最奥までいけるはずだ。お前達も行くぞ。」
レイの言葉にサラ、トワ、ジョルジュと入口にいた残りのⅦ組メンバーは頷き、転移装置の側に来ると全員光に包まれ、第7層の最奥に到達した。
そして全員、奥に入ると先行したⅦ組メンバーが倒れていた。
トワ「っ!!皆っ!?」
倒れているリィン達を見てトワが駆け寄り、遅れてサラ、レイ、ジョルジュ、残りのⅦ組メンバーが駆け寄るがどうやら彼らは気絶しているだけのようだった。
レイ「体温、脈拍、共に異常無し。目立った外傷も無いな。」
トワ「良かった~。」
レイ「とりあえず起こしましょう。いつまでもここに寝かせておくわけにはいきませんから。」
サラ「そうね。」
その後、気絶しているⅦ組メンバーに声をかけて起こす。その際、サラのちょっとした意地悪があったが今は置いておこう。何故なら……
―ゴゴンッ!
部屋が揺れ、目の前にあった壁が動き出して扉のように開くと中には灰色の騎士人形が鎮座していた。
ユーシス「なっ!?」
マキアス「何だこれはっ!?」
ユーシスとマキアスだけでなくレイ以外のメンバー全員が灰色の騎士人形に驚いていた。
無理もない話である。それは人の7倍以上の大きさがあり、明らかに現代の技術レベルを超えている精巧な作り、圧倒的な存在感を放つ灰色の騎士人形が鎮座しているのだから。
レイ(邪神竜、これはやはり……)
邪神竜(ああ。
しばらく呆然と騎士人形を見ている皆だったが…
レイ「さて、どうやら旧校舎の異変は収まったみたいだし、明日は演奏会がある。この灰色の騎士人形は気になるが今は寮に戻って休もう。」
リィン「そうだな。」
アリサ「気にはなるけど……」
ラウラ「今は目の前のステージに集中だな。」
そして全員、旧校舎から出て学院長には明日旧校舎であった事を全て話すと伝えてそれぞれの寮に戻り、明日の為に眠った。
初めてヴァリマールを見た時、「何かガンダムみたいなのが出てきた!?」とビックリしましたね~