【完結】迅雷の軌跡   作:カオスカラミティ

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あまり長くならないように頑張ります


第1章・レイの学院生活開始
レイの学院生活


レイの学院生活

 

Ⅶ組が発足してから2週間が経過した。サラ教官の宣言通りハードな日程ではあるが、鉄道憲兵隊の業務に比べたらまだ楽な方だった

 

だが、問題が全く無いわけではない。リィンとアリサ、ユーシスとマキアスだ。

 

アリサはこの前のトマス教官の授業でリィンに答えを教えようとしていたので、何とか仲直りをしようと努力しているのは分かった。まぁ、どちらかが切り出せばこの問題はすぐに解決するだろう

 

しかし、問題なのはユーシスとマキアスだった。貴族と平民の溝は深いと分かってはいるがその溝がオリエンテーリングのせいでさらに深くなってしまったのだ。おかげで居心地が悪く、喧嘩が勃発する度に誰かが仲裁に入る

 

こちらの仲直りはしばらく時間がかかりそうだ

 

〈レイの日記より〉

 

そして今日の授業が全て終わり、今はHR中

 

サラ「は~い、皆今日もお疲れさま。明日は自由行動日になるわ。部活に打ち込むもよし、朝から晩まで寝るもよし。各自自分の為になる事をやりなさい」

 

レイ(1日中寝るのはおかしいだろ。まぁいい、2週間ぶりにミルに会いに行くか)

 

サラ「それと4日後に実技テストを行うから体調を整えておくように。それじゃ委員長、挨拶して」

 

エマ「起立--礼」

 

委員長となったエマの挨拶でHRは終了し、皆は教室を出て行く

 

レイ「さて、部活の見学に行くか」

 

その後、レイは本校舎を出て部活をしているグラウンドやギムナジウム、学生会館を回る

 

-1時間後

 

レイ「色々見て回ったがこれと思う所が無かったな」

レイ(まぁ、良さそうなのは料理部だが俺は教えてもらう側じゃなく教える側だからなぁ)

 

レイの料理の腕はプロレベルですからねbyクレア

 

レイ(仕方ない。しばらくは帰宅部でいいか。その方が寮の管理人もやりやすいし)

 

?「よう後輩君」

 

背後から声をかけられ、振り返ると頭にバンダナを巻いた青年が立っていた

 

レイ「俺に何か用ですか先輩?」

 

?「いやな、何か考え事しながら立ってたから先輩としてアドバイスをと思ってな」

 

レイ「お気遣いありがとうございます。でももう解決しましたので」

 

?「そうか。ところで話は変わるがお前さん〈Ⅶ組〉の生徒だよな?ならお近づきの印に面白い手品見せてやるよ。ちょいと50ミラコインを貸してくれ」

 

レイ「どうぞ」

 

レイは財布から50ミラコインを出して先輩に渡す

 

?「サンクス。んじゃ、よーく見とけよ」

 

そう言って先輩はコインをピンッと上に飛ばし、両手を動かして落ちてきたコインをキャッチする

 

?「さて問題。コインはどっちの手にあるでしょう?」

 

レイ「どちらの手にもありません」

 

?「えっ…」

 

レイが先輩の両手を開くとそこには確かに50ミラコインは無かった

 

レイ「50ミラコインはこの中に。」

 

先輩の足下に置いてある袋に手を突っ込み、再び出すとレイの手には50ミラコインが握られていた

 

?「あはは……(汗)よく分かったな。今まで誰にもバレた事ないし、さっきの後輩君も分からなかったのによ」

 

レイ「動体視力には自信があるので。というか俺以外の〈Ⅶ組〉のメンバーにもやったんですか?」

 

?「まぁな。とりあえずその50ミラコインは返すぜ」

 

先輩はそう言うがレイは何故かその50ミラコインを先輩に投げ渡す

 

レイ「差し上げますよ。お近づきの印に」

 

?(見事にやり返されたか(汗))

 

レイ「ところで先輩の名前は?」

 

?「おっと悪い、まだ名乗ってなかったな。2年V組所属クロウ・アームブラストだ」

 

レイ「腕が爆散しそうな名前ですね」

 

レイの言葉にクロウはずっこける

 

クロウ「お前なぁ……」

 

レイ「冗談ですよ。それじゃ俺はこれから晩ご飯の用意をしなければいけないので失礼します」

 

レイはクロウに一礼して第3学生寮へと帰って行く

 

クロウ「特殊なクラスにいるだけあって本当に変わった奴だな~。まぁ、良いや。50ミラコイン儲けたっと」

 

そう呟いたクロウも第2学生寮へと帰って行く

 

 

-第3学生寮

 

その日の夕食はレイとエマが作り、夕食が終わると各自部屋に帰っていった

 

レイ「さて、武器の手入れをするか」

 

皆の前で使っていた「鉤爪」と本当にヤバい時にしか使わない2つの武器の手入れを始めるレイ

 

-1時間後

 

レイ(手入れ完了。後は鉤爪だけだが……)

 

鉤爪の手入れを始めようとした時、レイは立ち上がって部屋の扉を開けるとリィンが立っていた

 

レイ「お前か。何の用だ?」

 

リィン「あ、いや…学生手帳を渡しに来たんだ」

 

レイ「サラに押しつけられたか?」

 

リィン「あぁ…って教官を呼び捨てにするのはまずいだろ」

 

レイ「俺の場合はOKなんだ」

 

リィン「意味が分からないんだが…」

 

レイ「分からなくていい。用はこれだけなら失礼するぞ」

 

リィン「遅くに悪かったな」

 

レイは扉を閉め、鉤爪の手入れに戻る

 

-30分後・鉤爪の手入れを終了したレイは明日の自由行動日の為に早めに就寝した

 

 

-翌日・自由行動日

 

レイ(さて、帝都に到着したらまずはオリヴァルト殿下に会わなければな)

 

朝6時に起きたレイは身支度を整え、一階に降りるとそこには昨日学生手帳を届けてくれたリィンが何かの書類を見ていた

 

レイ「何を見ている?」

 

リィン「あっ、レイか。実はトワ会長が纏めたトリスタや学院からの依頼を見ていたんだ」

 

レイ「ちょっと見せてくれ」

 

レイはリィンから書類を受け取り、内容を見る

 

レイ(簡単な物から、かなりヤバそうな物まであるな)

 

リィン「興味があるなら一緒にやるか?」

 

レイ「やってみたいが今日は帝都に行く用がある。また次の機会に誘ってくれ」

 

リィン「そうか。分かった」

 

その後、レイは列車に乗り帝都へ向かった

 

-帝都ヘイムダル・バルフレイム宮にて

オリヴァルト「やぁ、待たせてすまないねレイ君」

 

応接室で待っていたレイの前にオリヴァルト殿下が現れる

 

レイ「フッ!」

-ズンッ!!

 

するとレイはいきなりオリヴァルトの腹に強烈なパンチをくらわせた

 

オリヴァルト「ゴフッ!!な…何をするんだいレイ君?」

 

レイ「自分の胸に聞いて下さい」

 

オリヴァルト「……。何かあったかい?」

 

レイ「マスタークオーツ(怒)」

 

その言葉にオリヴァルトは苦笑いしながら話し始める

 

オリヴァルト「ああ!マスタークオーツね!すまないね、うっかり渡し忘れて!これが君のマスタークオーツ『オロチ』だよ」

 

レイ「『オロチ』……ですか」

 

オリヴァルト「本当は『ムラクモ』とどっちにするか迷ったんだけど君は相手の急所を的確に攻撃するからクリティカルが起きやすい。よって、攻撃力を上げる『オロチ』にしたのさ」

 

レイ「ありがとうございます。それでは…」

 

オリヴァルト「帰る前にアルフィンに会ってやってくれないか?」

 

その言葉にレイは若干顔をしかめたが、すぐにいつもの冷静な顔に戻る

 

レイ「わかりました。それでは失礼します」

 

-アルフィンの部屋の前

レイ「失礼します」

 

?「レイさ~ん!」

 

-ドグッ!

 

レイ「ゴフッ!」

 

扉をノックしてから入ると、いきなりレイの腹にアルフィンの頭が直撃し本人はその場に崩れ落ちる

 

レイ「ア…アル、何度も言うようにいきなり抱きつくのは……止めてくれ」

 

アルフィン「ごめんなさい。久しぶりにレイさんに会えたので……。それにしてもレイさんは運が良いですわ。今、丁度エリゼとミルディーヌが私の部屋に来ているんですの。さっ、入って下さい」

 

アルフィンに誘われ、レイは部屋に入ると確かにエリゼとミルディーヌがいた

 

エリゼ「あっ、レイ大尉」

 

ミルディーヌ「レイ兄様!!」

 

レイ「久しぶりだなミル。それにエリゼ嬢も一年ぶりですね」

 

エリゼ「はい。一年前はお疲れさまでした」

 

そしてレイがミルの方を見るとゆっくりとミルが抱きついてきた

 

ミルディーヌ「レイ兄様、2週間ぶりですね」

 

レイ「ああ、約束しただろ?」

 

アルフィン「ウフフ、何だか良い雰囲気ですわね~。何だったらお二人で帝都をデートしてきますか?」

 

レイとミルディーヌのやり取りを見てアルフィンがとんでもない提案をしてくる

 

ミルディーヌ「な、何を言ってるんですか姫様!!」

レイ「あまり、とんでもない事をサラッと仰らないで下さい!!」

 

アルフィンの言葉に二人は顔を赤くして反論する

 

その後、レイはミルディーヌ・アルフィン・エリゼ達と色んな話をした後、帰りの列車に乗ってトリスタに帰還した

 

 

 

レイ(現在7時30分、恐らく皆は晩御飯を終えているだろうな)

 

そう思いながら第3学生寮に入ると…

 

サラ「お帰り~」

 

玄関フロアに設置されているソファーに酒を飲んでほろ酔い状態のサラが座っていた

 

レイ「また大量に飲みましたね」

 

サラ「まぁね~。それよりこんな時間までどこに行ってたのよ~」

 

レイ「帝都の知り合いの家に行っていたのですが久しぶりに会ったので話が弾んでしまい、こんな時間になりました」

 

サラ「もしかして恋人~?」

 

レイ「そんなものですかね。それじゃ、俺は疲れたのでもう寝ます」

 

サラ「お休み~」

 

そしてレイは自室に戻り、寝間着に着替え就寝した


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