【完結】迅雷の軌跡   作:カオスカラミティ

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特別実習スタート

-次の日

レイは誰よりも早く目が覚め、玄関先のソファーに寝転がっていた

 

レイ「いつもの癖で早く起きてしまった。暇だ」

 

その時、誰かが階段を降りてきた

 

リィン「少し早かったか。それにしても、今日まで全くアリサに謝れなかったな。ハアァ~…」

 

レイ(まだ謝罪してないのか)

 

アリサ「あら?」

 

リィンがアリサに謝れなかった事を呟いていると当人が現れた

 

リィン「アリサ!?」

アリサ「リィン!?」

 

すると2人はモジモジし始め、何か話そうとしている

 

レイ(焦れったいな)

 

そして遂に…

 

アリサ「ごめんなさい!どうして謝るの?!」

リィン「ごめん!どうして謝るんだ?!」

 

同時にお互いが謝罪の言葉を発し、お互いが驚く

 

その後、ラウラとエリオットも合流する

 

エリオット「でも本当に良かった~。2人とも仲直りして」

 

アリサ「別にケンカしてたわけじゃ…」

 

ラウラ「それにしてもレイはまだ降りてこないな」

 

リィン「そういえば…。起こしに行った方がいいな」

 

そう言って2階に上がろうとリィンだが…

 

レイ「その必要は無い」

 

ソファーに寝転がっていたレイがムクリと起きあがり、皆が驚く

 

リィン「レ…レイ?!」

 

アリサ「貴方いつからそこにいたの?!」

 

レイ「リィンが降りてくる前から」

 

アリサ「って事は私達の話を……///」

 

レイ「しっかり聞いたが安心しろ。言いふらすつもりはない。それより早く駅に行こう」

 

レイは荷物を持って駅へ向かい、その後を仲間達が追いかける

 

レイ「ケルディック行きの切符を5人分お願いします」

 

駅員「はい」

 

駅員はすぐに5人分の切符を取り出す。どうやら既にサラ教官の根回しは済んでいたようだ

 

レイ「行くぞ」

 

皆が駅に入るとちょうど列車が来て5人はそれに乗り込む

 

-列車に揺られる事、数十分。一行は目的地に到着した

 

アリサ「トリスタから近いからあっという間だったわね」

 

ラウラ「この後はどうするのだろうか?」

 

サラ「ならついてきなさい」

 

振り返ると自分達が出てきた駅の出口からサラ教官が現れた

 

リィン「なぜ教官がここに?」

 

サラ「最初くらいは手助けしてあげようと思ってね」

 

その後、サラ教官の案内で宿泊場所の〈風見亭〉に到着し女将から特別実習のの内容が纏められたプリントを受け取り、5人は実習を開始した

 

-数時間後

エリオット「疲れた~」

 

ラウラ「薬剤調達に導力灯の交換、魔獣退治。なかなか充実していたな」

 

アリサ「それは貴女とレイだけよ…」

 

リィン「にしてもこれは…」

 

レイ「どうかしたか?」

 

リィン「いや、何でもない」

 

5人がケルディックに戻ってくると何やら大市が騒がしい

 

レイ「どうしたんですか?」

 

町民「場所を巡ってケンカだってよ」

 

それを聞いて5人が騒動の中心を見ると確かに男2人が言い争っていた

 

ラウラ「リィン、止めねば」

 

リィン「そうだな」

 

オットー「お主ら、何をしておる?」

 

2人が男達を止めようとした時、この大市の元締めであるオットーが仲裁に入る

 

2人「元締め…」

 

男達の話によると2人共、同じ場所を使う許可証を持っていたようだが元締めは交互に場所を使うという案で2人の怒りを収める

 

-オットー宅

オットー「君達がヴァンダイクが言っていた〈Ⅶ組〉だね?」

 

レイ「俺達を知っているという事はヴァンダイク学院長とは旧知の仲ですか?」

 

オットー「その通りじゃ」

 

その後、オットー元締めからケルディックの現状を聞いた5人は風見亭へと戻った

 

レイ「四大名門の一角が増税と露骨な嫌がらせか」

 

ラウラ「さすがに問題だろう」

 

エリオット「アルバレア公爵家当主…。ユーシスのお父さんだよね?いっそユーシスに相談するわけには…」

 

リィン「難しいだろうな。当主の決定は絶対だ」

 

アリサ「ましてやアルバレア家は皇帝家の次くらいの権力を持っているでしょうしね」

 

エリオット「やっぱり無理か~」

 

全員、何も妙案が思いつかず、その日は早めに寝る事にした

 

-翌日

リィンが日課の素振りをしに行こうとすると丁度ラウラも出て行くところだった

 

リィン「ラウラも素振りか?」

 

ラウラ「日課だからな」

 

リィン「俺もだよ」

 

ラウラ「……。迷いもあったが聞いておこう。そなた、なぜ本気を出さない?」

 

リィン「えっ?」

 

ラウラ「そなたの剣、そして太刀筋……『八葉一刀流』に間違いないな?剣仙ユン・カーファイが興した東方剣術の集大成とも言うべき流派。皆伝に至った者は「理」に通ずる達人として〈剣聖〉とも呼ばれるという」

 

リィン「詳しいんだな。帝国ではほとんど知られてない剣術なのに…」

 

ラウラ「父に言われていたのだ。『剣の道を志すならば、いずれ八葉の者と出会うだろう』と」

 

リィン「『光の剣匠』が?はは、光栄というか恐れ多いというか。……。俺は…ただの初伝止まりさ。確かに一時期ユン老師に師事していた事もある。だが剣の道に限界を感じて老師から修行を打ち切られた身だ」

 

ラウラ「えっ…」

 

リィン「その…だから手を抜いている訳じゃないんだ。八葉の名を汚しているのは重々分かっているけど……これが俺の限界だ。誤解させたのならすまない」

 

ラウラ「リィン、私に謝る必要はない」

 

レイ(謙虚な奴だと思っていたが、謙虚『過ぎる』奴だな)

 

レイが2階から2人の様子を見ていると、地元の人間が慌てて風見亭に入ってきた。どうやら昨日大市でケンカしていた商人達がまたケンカしているらしい

 

リィン達はケンカを仲裁する為に大市に向かうが…

 

アリサ「これは…」

 

リィン「一体何があったんですか?」

 

町民「朝来たらあの2人の店が破壊されて商品も盗まれたんだって」

 

エリオット「そんな事が…」

 

2人の商人の店が見るも無惨に破壊されていた。そして2人の商人がお互いの胸を掴み、ケンカがヒートアップしそうになった時…

 

「こんな早朝から何事だ!騒ぎを止めて即刻解散しろ!」

 

レイ(領邦軍か)

 

隊長らしき人物が部下を4人率いて大市に現れた。元締めが彼らに状況を伝えると隊長は「2人を逮捕しろ」という耳を疑う言葉が飛び出す

 

レイ「ちょっと待って下さい。何故そうなるんですか?」

 

隊長「いがみ合う2人が同時にお互いの荷物を持ち去り、屋台を破壊したという事だろう」

 

レイ(可能性は0じゃないが、余りにも強引過ぎる。これが領邦軍のやり方か)

 

そして隊長は最後に騒動を続けるなら逮捕すると言われ、商人2人は黙ってしまう

 

レイ(これで確信した。昨日の同じ許可証が2枚あった事、今回の窃盗は間違いなく領邦軍が絡んでるな。後は確かな証拠を掴むだけ…っとその前に)

 

レイは人混みから離れ、屋台の影に隠れて懐からARCUSを取り出し小声で何かを呟く

 

レイ「頼んだよ」

 

通信が終わり、ARCUSをしまって屋台の影から出ると領邦軍からの理不尽極まりない要求で騒動は沈静化していたがリィン達はまだ納得していなかった

 

アリサ「にしても領邦軍のやり方があそこまで露骨だったなんて…」

 

レイ「下らないプライドがあるせいだろ。それより、この後どうするんだ?」

 

レイの言葉に皆、黙ってしまうがリィンが驚きの言葉を発する

 

リィン「今回の事件、俺達で調べてみないか?」

 

エリオット「ええっ?!」

アリサ「私達で?!」

 

ラウラ「私は構わないぞ」

 

レイ「俺も異論は無い。まずどこから始める?」

 

リィン「そうだな。まずは屋台を破壊された商人達に話を聞こう」

 

そしてリィン達は屋台を破壊された商人達に話を聞きに行く

 

-数分後

レイ「商人ハインツは装飾品を、商人マルコは加工食品を売ろうとして被害にあった。内容は売る物の違い以外は全く同じだな」

 

アリサ「やっぱりあの2人のどちらかが犯人とは思えないわね」

 

リィン「しかし犯行時刻に大市には誰1人いないから目撃者がいない」

 

ラウラ「手詰まりだな」

 

すると今まで黙っていたエリオットがある提案をする

 

エリオット「ねぇ、こうなったら領邦軍に話を聞きに行かない?」

 

ラウラ「領邦軍に?」

 

レイ「良いかもしれない。昨日元締めの話では揉め事には干渉しないはずなのに今回は干渉してきた」

 

アリサ「確かに怪しいわね」

 

リィン「よし、行こう」

 

その後、一行は領邦軍詰所で隊長に話を聞くが、エリオットの機転で窃盗犯と領邦軍がグルだと確信した

 

レイ「しかしエリオット、うまくやったな」

 

アリサ「ホントよね。『マルコさんが扱っていた装飾品の行方はどうなるんですか?』って聞いたら…」

 

ラウラ「『装飾品を扱っているのはハインツとかいう商人だろう?』と申したからな」

 

リィン「これで確実に領邦軍と窃盗犯がグルだと分かったな」

 

エリオット「後は盗まれた商品がどこにあるかだね」

 

その後、5人はケルディックの住民に聞き回るが、なかなか有力な目撃情報が見つからなかった

 

 

一方、今から30分程前の鉄道憲兵隊詰所では

 

クレア「はい、クレアです。どうしたのレイ?何か掴んだの?」

 

レイ『実はケルディック駐屯の領邦軍が犯罪に関わっているようなんだ。一応出動準備を整えておいてくれないか?』

 

クレア「分かったわ」

 

レイ「頼んだよ」

 

レイとの通信を終えたクレアは導力電話の受話器を取ってボタンを押して通話する

 

クレア「ドミニク少尉ですか?第3小隊に出動準備をさせておいて下さい。よろしくお願いします」

 

そして、時間はレイ達が情報収集している時に戻る。レイ達は有力な情報を手に入れていた

 

レイ「理不尽にクビにされた自然公園の管理人の話によると昨夜、この公園に後任の管理人が大量の木箱を運び込んだらしい」

 

5人は自然公園の門に近づくが門には内側から南京錠がかけられていた

 

アリサ「南京錠ね。しかも内側から…」

 

エリオット「どうしようか?」

 

ラウラ「私に任せるが良い」

 

そう言ってラウラは大剣を出して構える

 

アリサ「まさか…それで…?」

 

ラウラ「うむ。多少は音が出るだろうが…」

 

リィン「いや、俺がやろう。俺の方がもっと静かに出来る」

 

ラウラ「そうか」

 

リィンの言葉にラウラは大剣をしまって下がり、入れ替わりにリィンが門の前に立つ。すると門の前に立ったリィンはラウラの方を向いて一言

 

リィン「ラウラ、今朝はすまない」

 

ラウラ「私に謝る必要はないと言ったはずだぞ」

 

リィン「いや、謝ったのは剣の道を軽んじる発言に対してさ。考えてみれば『ただの初伝止まり』なんて失礼だ。剣の道を極めようとする人や剣を教えてくれた師匠に対しても…」

 

ラウラ「そうか。そなた、剣の道は好きか?」

 

リィン「好きとか嫌いとかじゃないな。あるのが当たり前で自分の一部になってるからな」

 

ラウラ「そうか」

 

わだかまりが無くなり、2人は微笑む

 

リィン「それじゃいくぞ。八葉一刀流、四の型・『紅葉斬り』!」

 

-キィンッ!

 

リィンが太刀を振り抜くとキィンッ!と甲高い音が響き、南京錠は真っ二つに斬れた

 

エリオット・アリサ「えぇぇぇっ?!」

 

レイ「お見事。さすが八葉一刀流だな」

 

ラウラ「うむ。八葉の妙技、しかと見させてもらった」

 

リィン「初伝クラスの技だけどね。この奥に今回の犯人達がいるはずだ。慎重に行こう」

 

そして公園に入った5人は数分歩き、公園の最奥に到着すると開けた場所に4人組の男が木箱を背に何かを話していた

 

レイ「いたぞ。あいつらが窃盗犯で間違いない」

 

ラウラ「今なら油断しきっている。どうするリィン?」

 

リィン「もちろん突撃する」

 

アリサ「それじゃ行くわよ」

 

エリオット「僕も足手まといにならないように頑張るよ」

 

5人は各々武器を持ち、窃盗犯の目の前に現れる

 

男1「何だテメェらは?!」

 

リィン「トールズ士官学院特科クラス〈Ⅶ組〉の者だ!」

 

レイ「器物破損及び窃盗の罪で拘束する」

 

男2「慌てんな、相手はガキだ!」

 

そう言って4人組は導力銃を取り出して戦闘の構えを取る

 

レイ「皆はあいつらを囲むようにして戦え。奴らが中心に集まったら俺がトドメをさす」

 

リィン「分かった」

ラウラ「頼むぞ」

アリサ「ヘマしないでよ」

エリオット「頑張ってねレイ」

 

そして仲間達はレイの言う通りに窃盗犯達を囲むように戦い、遂に窃盗犯達は中心に集まった

 

レイ「くらえ!ダークグレイブ!」

 

その瞬間にレイは鉤爪を地面に突き刺し、窃盗犯の周囲にエネルギー状の巨大な鉤爪を出現させる

 

男3「なっ、何だこりゃあっ?!」

 

レイ「裁きの鉤爪さ。フッ!」

 

鉤爪にグッと力を入れるとエネルギー状の鉤爪は四方八方から窃盗犯を攻撃する。そして攻撃が終わると窃盗犯達はボロボロになっており、もはや戦闘は不可能だった

 

男4「ち…ちくしょう。話が…違うじゃねぇかあの野郎……」

 

リィン「さぁ、勝負はついた。盗んだ物を返し、大市の人達に謝罪してもらうぞ」

 

アリサ「フゥ~、これで一件落着ね」

 

ラウラ「ああ。」

 

~♪~♪

 

エリオット「ん?」

 

ラウラ「どうしたのだエリオット?」

 

エリオット「いや、笛の音が…」

 

エリオットがそう呟いた時、自然公園の奥から大地が震える程の雄叫びが轟き、どんどんリィン達の元に近づいてくる

 

レイ「総員戦闘体勢!!」

 

レイの言葉に全員が武器を構えた瞬間、森の奥から巨大なヒヒ型の魔獣『グルノージャ』が現れた

 

エリオット「な、何あれ?!」

 

アリサ「きょ、巨大なヒヒ?!」

 

リィン「皆、全力で撃破するぞ!」

 

皆「ああ!/うん!/ええ!」

 

その時、レイは近くの茂みで何者かが逃げる音を聞いた

 

レイ「すまん皆!ここは任せる!」

 

それだけ言うとレイは茂みに隠れていた人物を追う

 

レイ「止まれ!」

 

男「……」

 

レイ「今、仲間達が戦っている魔獣を呼び寄せたのはお前か?」

 

男「そうだと言ったら?」

 

レイ「お前を拘束する」

 

男「フフッ、残念だが捕まるわけにはいかない」

 

そう言って眼鏡をかけた男は笛を吹く。するとまたしても森の奥から先程のグルノージャより一回り小さいゴーディオッサーという魔獣が5体現れた

 

男「それでは彼らより一足先に死出の旅へと向かいたまえ」

 

それだけ言うと男は逃げていった

 

レイ「フッ、残念だがこいつらでは俺を倒すのは無理だ」

 

レイが凄まじい殺気を出した。その時…

 

クレア「レイですか?」

 

レイが振り向くとそこには義姉のクレアと数名の憲兵隊員がいた

 

レイ「姉さん、それにドミニク達か。丁度良かった。この先にこいつらより一回り大きな魔獣と戦っている学生達がいる。そいつらのサポートに行ってくれ」

 

「イエス・サー!」

 

ドミニク達はレイの命令通り、公園の最奥に向かうがクレアはこの場に残った

 

クレア「私は残るわ。久しぶりに姉弟のコンビネーションを見せてあげましょう」

 

レイ「OK」

 

そしてレイは鉤爪を、クレアは導力銃を構えてゴーディオッサーに挑む

 

レイ「シャアッ!」

クレア「ハッ!」

 

レイは近接、クレアは遠距離という絶妙なコンビネーションで確実にゴーディオッサーを倒していく。そして残りは2体となる

 

レイ「一気にいくぞ姉さん!」

クレア「ええ!ブリジットレイン!!」

 

-ズガァァァァンッ!!

 

クレアのクラフトが2体のゴーディオッサーに命中すると動きが鈍くなる

 

クレア「今よレイ!」

レイ「ああ!カイザーツインリッパー!!」

 

腕をクロスして放った二重の斬撃が2体のゴーディオッサーを纏めて消し去った

 

レイ「完全に消滅したか」

クレア「他の魔獣が現れる気配はないわね。最奥に行きましょう」

 

そして2人が最奥に到着するとグルノージャを倒したリィン達が駆けつけた領邦軍に囲まれているところだった。領邦軍は倒れているニセ管理人よりリィン達の方が怪しいと言い、しかも抵抗するならバリアハートに送ると言い出した

 

クレア「その必要はありません」

 

《氷の乙女》と《迅雷》と恐れられている2人が現れたことに領邦軍は慌てている。そして2人が上手く領邦軍の隊長を言いくるめ、事なきを得た

 

レイ「皆、無事で良かった」

 

リィン「レイ、君も無事で良かった」

 

アリサ「ほんとよ。急にいなくならないでよね」

 

レイ「悪かったな」

 

するとクレアが皆の前に出てきて一言

 

クレア「弟がご心配をおかけしてすいません」

 

ラウラ「いや、気にしなくて良い」

エリオット「レイの実力なら大丈夫って思ってましたから」

 

リィン「いや、ちょっと待ってくれ。今弟って言いましたよね?まさか貴女は…」

 

クレア「申し遅れました。帝国軍・鉄道憲兵隊所属クレア・リーヴェルト大尉です。そちらにいるレイは私の義弟になります」

 

4人「えぇぇぇぇぇっ!?」

 

 

その後、クレアはケルディックの風見亭で聴取を行った

 

クレア「聴取への協力、ありがとうございました。今回の事件解決は貴方方のおかげです。オットー元締めもとても感謝していました」

 

アリサ「そんな…私達の方こそ協力していただいて…」

 

クレア「いえ、正直余計な事をしてしまったかもしれません。あらゆるトラブルも含めて〈特別実習〉かもしれませんから」

 

サラ「流石にそこまで考えてはないけどね~」

 

クレア「サラさん…」

4人「教官!」

 

クレア「お久しぶりです」

 

サラ「半年ぶりくらいかしら。それにしても《氷の乙女》のアンタがここに出張ってくるとはね~。それに、まさかとは思ったけど本当にレイがあの《迅雷》であんたの義弟だったとはね」

 

クレア「自慢の弟です。それでは皆さん、私達はこれで失礼します。特科クラス〈Ⅶ組〉私も応援させてもらいますね」

 

そう言ってクレアは駅に入り、その後サラ達も駅に入ってトリスタに帰還した。ちなみに帰りの列車ではレイが仲間達と教官に質問責めにあったらしい

 

 

その夜、ルナリア自然公園近くでは

 

仮面の男「やれやれ、あのタイミングで《氷の乙女》が現れるとは…。少々段取りが狂わされたな」

 

眼鏡の男「想定の範囲内だ。《鉄道憲兵隊》と《情報局》…その連携パターンが見えただけでも大きな成果と言えるだろう」

 

仮面の男「フフ、確かに。それではこのまま〈計画〉を進めるとしよう」

 

仮面の男はそう言ってこの場から去ろうとすると、眼鏡の男がポツリと呟く

 

眼鏡の男「全ては『あの男』に無慈悲なる鉄槌を下す為に」

 

仮面の男「全ては『あの男』の野望を完膚無きまでに打ち砕かん為に」

 

お互いに合い言葉のようなもの言うと、仮面の男は去っていった


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