(俺はまだ弱い。まだまだ強くならなければ)
巨大な岩を二つずつ両腕で支えながら、ゾロはそう考えていた。
(あのヒヒに手こずるようなら、俺はまだまだだ)
彼が特訓をしていたのは島の奥、森の中。ペローナの邪魔が入らないところを探して特訓している。ミホークはたまに見に来るが、数分修行を見守るとすぐに離れる。ゾロは孤独をあまり気にしていなかった。第一この島にはミホーク、ペローナとゾロの他に人はだれもいない。
岩を一つずつ増やそうとゾロが立つと、強力な気配を森の奥に察した。ついに使えるようになった見聞色。それによって何か強力な気配に気づいた。
(ミホークか?いや…)
ゾロはまだ半信半疑だった。ミホークは今日すでに一回来ていたし、1日に二度くるとは考え難い。ペローナがこれほどの気配を出すとも思えない。
「誰だ!」
思い切って声に出して見ると、答えは意外と早く帰って来た。高速で飛ぶ斬撃という形で。
「なるほど」
ミホークのイタズラかと思いゾロも刀を二本抜く。
「二刀流・鷹波(たかなみ)!」
広く浅い斬撃が森の奥に飛ぶ。それによって木々が倒され、斬撃の元が見えた。ゾロはその正体がそもそも生物なのかということに疑問を持ったが、それ以前にミホークでないことに違和感を感じた。
(なんだあの一頭身のマスクを被った奴は!それよりもあんなに強い剣士がこの島にいたのか!)
驚きはすでに歓喜に変わり、久しぶりにゾロの戦闘狂の顔が出た。
「むん!」
一頭身の剣士はそう叫ぶと、その金色の剣を横に振った。するとその斬撃が空気に放つ衝撃のせいか、広い真空波がゾロに向かって飛んだ。
「!」
思わず剣を縦にして受けると、それが間違いだったことに気づいた。真空波から相手へと集中を戻すと、敵の剣士はすでに自分と目と鼻の先まで来ていたからだ。
「ドリルスラッシュ!」
かなりの速さと勢いをもって突きを繰り出して来る。だが、それをゾロは見切り、剣を構えた。
「二刀流・砂紋(さもん)!」
左上から右下へ繰り出される重く、早い叩きつけは、謎の剣士を地面へと叩きつけるかと思われた。だが剣士はそれを自身の剣で止め、いきなり空中で回転した。
「シャトルループ!」
ゾロの刀の下をくぐり抜けられ、ハッと気づくと剣士はすでに自分の上にいた。よく見ると、剣士の背には翼が生えている。
(野郎!最初からこれが狙いで…)
考える暇もなく、剣士は頭上から全力の斬撃を落として来る。ゾロは一瞬考えると3本目の刀を抜いた。
「三刀流・竜巻!」
広範囲に斬撃の嵐を生み出すこの技は、相手が上だろうが下だろうが関係ない。大量の斬撃を浴びせ、空中からはたき落とす。
剣士も流石にこの斬撃の数には参ったらしく、バサッと翼を広げたかと思うと斬撃の射程範囲から離脱した。しかし流石は腕利きの剣士、すぐさま剣を構えると、技を放った。
「ムーンカッター!」
三日月状の斬撃を放ち、大技を放ったあとのゾロを襲う。少し疲れて来たゾロは反応が遅れ、剣で斬撃のほとんどは防いだものの、あまりを直接食らってしまった。
斬撃の破片が当たったところから血が少し出、それにゾロが少し焦ったそぶりを見せたせいか、仮面の剣士は勝負のつけどきとばかり一気に突っ込んだ。
「コンドルダイブ!」
翼を目一杯広げ、最高級の加速をつけて一気に突っ込む。剣を先頭に突っ込んでくるその姿は、他人から見れば弱った敵を襲う猛禽類にしか見えないだろう。
しかしこの男、ゾロには違うものが見えた。勝利を確信し、守りをおろそかにした隙だらけの敵、と。
「刀狼流し…」
ゆっくりと、しかし堅実に、メタナイトの突きをそらす。そしてそれによって隙ができた瞬間、全力を放ってゾロは斬りかかった。
「三刀流・虎狩り!」
荒く重い一撃を剣士は止めきれず、吹き飛ばされ木に叩きつけられた。
「これで五分五分だな」
剣士は起き上がると、本気を発したような目をした。
「悪かった。私はお前を舐めていたようだ」
そう言い剣士は黄金の剣を構える。今までとは明らかに目が違う。
「俺も同じさ。で、お前はなんつー名なんだ?」
剣士は少し言うかを迷って、言ってもどうでもないと判断したのか仮面の下から声を発した。
「名乗るほどの名ではないが、メタナイトと人は言う」
そう言うと、メタナイトは一気に斬りかかって来た。
まだまだ前半ですよ〜
感想お願いします。後半待っててください〜