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赤犬は、困っていた。
「あれは…なんじゃろうか…」
さっきからかなりの長い時間をかけて空から落ちている物体。見た感じでは膨らんだり縮んだり、プカプカ浮かびながら落ちているように見えるが…風船か?ピンクの風船…それがなんでここに?まさか革命軍の新型兵器か?
サカズキはちょうど今日の仕事を終えたところで、サボっていたクザンをどやして帰ろうとしたところ、
空からプカプカと降ってくるピンクの物体を見かけたという訳である。
「赤犬さん、ここで何をしてるんですか?」
となりから聞くのは鮫切包丁を背にもったバスティーユ中将。
「いや、あれがなんなのか気にのうとるんじゃが…」
バスティーユ中将も空を見上げ、同じような物体を目にかける。
「はて、あれは?風船か何かでしょうか…」
「それは儂も考えたんだが…」
「黄猿さんとセンゴク元帥が留守なんで、一応あなたが最高責任者です。落ち落とせと命令すればそうしますが…」
(わしが最高責任者?確かに儂と同等か上の位の奴らはみんな出張っちょるが、確かだれか…あ、青キジか。あれはまあ、あれじゃな)
「とりあえず少数の精鋭を待機させておけ」
「はっ…あ、鳥が…」
赤犬がはっと空を見上げると、カモメのような鳥がピンクの物体に接近していた。
「風船なら割れるが…」
しかし結果は赤犬が思った通りに行かなかった。ピンクの風船は突如縮み、鳥を取り込んだ。
(な!)
すると謎の物体はいきなり翼を生やし、全速力でこちらに突っ込んできたではないか。
「バスティーユ!今すぐ精鋭を呼べ!」
「はっ!」
しかし少し遅かった。全速力で飛び降りてくるピンクの物体は、すでに地面すれすれだった。
「ちっ」
赤犬も急ぎ落下地点に行こうとするが、ピンクの物体はまるで何かを嗅ぎつけたかのように地面に衝突する直前で宙返りをすると、すごい速さで本部の建物に向かって飛んで行った。
サカズキもつい近くにいた海兵に怒鳴った。
「本部に至急連絡!未確認物体がそちらに飛んでいると!
」
すると本人はマグマに姿を変え、全速力で本部へと戻って行った。途中数回引火したが、海兵が消してくれると信じて本部に向かう。
赤犬が本部にたどり着くと、そこは地獄絵図と化していた。主に食堂を中心に、食べかす、武器、海兵などがそこら中にちらかり、中心を見ると例の翼が生えたピンクの物体ががつがつと食料を食べ尽くしているではないか。
「おんどれ…」
赤犬がここまで怒ると手がつけられなくなる。周りも止めることはできないと悟って、消化器を多めに用意するだけだ。
「ここは海軍の敷地じゃ!何をしとるかぁ!」
流石の気迫にピンクの物体も食べるのをやめ、話し始めた。
「え〜っと、僕は…カービィ。空から落ちてたら鳥がいて、それをコピーして、ここに飛んできたらここの食堂からいい匂いがして、ここに飛んできて食べ始めたら、そこの人たちが邪魔をしたから、コンドル頭突きとフェザーガンで吹き飛ばしたの」
えらく簡潔で、訳のわからない説明だなと赤犬は考えながら、一つの結論に達した。
(怪きは排除するまで。今は儂が最高責任者じゃ)
「ここの料理美味しいね。コックさんの腕がいいんだ」
照れるコックを横目に、赤犬は命令を下した。
「全軍に命令!カービィとか言うピンクの生物がこの正義の中心、マリンフォードに侵入した!すぐに捕縛しろ!場合によっては殺してもかまわん!」
「ペポ?僕を殺す?」
そう聞くとカービィも笑った。
「ああ、鬼ごっこか。やるやる〜」
そう言うとカービィは翼を羽ばたかせ、食堂から飛び抜けた。
「追え!」
こうなると赤犬の剣幕に逆らえる者は一人もいない。できるだけ早めに敵を排除して、本部が大火事にならないことを祈るだけである。
現在本部にいた中将や少将、そしてその配下の精鋭たちが、競ってカービィを追う。しかしカービィはそれをものともせず、悠々と飛び回ってる。
「プ…飛び回ってるだけじゃつまんないよ。僕も戦う〜」
そう言いながらカービィは構え、地面に飛び降りた。
「ばくげき落下!」
ものすごい速度でふってくるカービィを止めることは不可能だった。衝撃で一ダースほどの海兵が吹き飛ばされ、数名が負傷した。
再びカービィが飛びあがると、こんどは斜めに構えた。
「コンドルダイブ!」
勢いを伴って斜め上から突進してくるカービィに、海兵はなすすべもなくやられていくだけである。
「どけいお前ら」
鮫切包丁をかかえたバスティーユがカービィに迫るが、カービィは翼を外し、近くにあったグローブをコピーした。
「ファイター!」
赤いハチマキを頭に巻いた一頭身は、臆することなくバスティーユに突っ込んだ。
「スピンキック!」
包丁が振り下ろされる前に、カービィは素早く走り蹴りを入れ込んだ。それで懐にもぐりこむと、下から上への構えをし、
「ライジンブレイク!」
強烈なアッパーカットを決める。バスティーユの巨体も空へ打ち上げられ、カービィがそれを見逃すわけがなかった。
「バルカンジャブ!」
小刻みにくるパンチの連打がバスティーユを地へと叩きつける。
「おのれ…」
ついに怒り狂った赤犬が大技を放つ。
「大噴火!」
巨大な火山岩が打ち出され、カービィに向かって飛ぶ。カービィは赤いハチマキを捨てて、巨大な溶岩を吸い込もうとしたが…
「ペポ…でかい…」
あまりの質量に吸い込めず、少し困った顔をした。
「えい!頑張り吸い込み〜」
吸い込む量が増加し、無理やり溶岩を飲み込んだ。
「ファイア!」
頭から炎が吹き出て、火を吹き散らす放火魔へとカービィは化した。
(何者じぁ…)
「バーニングアタック!」
火の玉へと変化したカービィは、取り巻く海兵たちをそれぞれ焼き尽くして行く。
「火だるまスピン!」
今度は頭の炎を大きくしながら回転を加えた。それによって海兵がさらになぎ倒されて行く。
「本部の精鋭をなんだと思うちょるんじゃ…」
覇気を右腕に伴い、強烈な一撃をカービィにお見舞いした。
「冥狗!」
カービィを腹から吹き飛ばし、状況を逆転させる。
「貴様…舐めるのもいいかげんにせい!」
ファイアが外れたカービィは次のコピーを探すのに必死になるが、赤犬に勇気ずけられた海兵たちが勇戦する。
「ペポ…なにか…なにか…」
カービィが困ってる頃、海軍本部に一人の伝令が走っていた。
「出撃してください。マリンフォードは今大変です」
「へぇ。出撃したら仕事しなくてもいい?」
「は、はぁ。多分」
「じゃ、ひと頑張りするか」
そう言いながら席をたったのはクザンこと青キジである。
ただのピンクの一頭身を撃破するために、二人の海軍大将が戦闘に出た。
…思うんですけど、カービィ強すぎないですかね?
作者がアイデアを持っているのはメタナイト、カービィ、デデデ大王&ワドルディだけですが、他に描いて欲しいキャラがあったらどうぞ感想等で。