「ぬうん!」
ハンマーのおお振りで、半ダースほどの看守、次いで数体のブルゴリが押しのけられる!
「止めろぉ!」
「止めてみろ!」
数百体いるワドルディたちは、見かけとは違いかなり卑怯な人海戦術を取っていた。三人で正面から。二人が横から、そして後ろから二人。正面から陽動し、横から撹乱し、後ろの二人が飛びつき首をへし折る。
『バギッ』
このようにだ。
ブルゴリ相手にも、指示が出されたワドルディたちは恐れなく突き進む。剣や銃を手に取り、恐るべき冷静さと団結力で、怪力のブルゴリを仕留めていくのだ。
(なんてことだ…まるで訓練された軍のようだ)
それを見ながらサルデスは少し感心していた。が、その隙を見逃さなかった男が一人いた。
「爆裂デデデハンマー投げ!」
看守をなぎ倒しながら飛ぶそのハンマーは、道にあるもの全てを叩き潰す。無論、注意をそらしていたサルデスもだ。
「なっ…」
突然の遠距離からの一撃にサルデスも思わず防御が遅れ、他の看守と同じように地に伏せた。
看守たちの士気はこれによって下がったが、しかし同時にハンマーを失い武装がなくなったデデデ大王はただのカモに見えた。
「行け!」
「なんの!」
剛力のデデデ大王は、看守どうしの頭を掴み、ぶつけ、殴り倒し、格闘技で敵を倒していった。だがそれにも限界が見えたのか、やっと看守の手がデデデに届いた。
その時である。ハンマーが戻って来たのは。
「やっと来たか!」
ブーメランのごとくカーブして戻って来たハンマーを掴むと、即座に360度振り回した。
「ジャイアントデデデスイング!」
群がった看守達は一瞬で倒され、残った看守たちも撃破された。ワドルディたちが最後の数人の看守を倒したところで、監獄周りの看守は片付いたように見えた。
「行くぞい!」
デデデ大王を筆頭に、ワドルディたちは出口に突っ込む。しかしそこで待ち構えていたのは、新手の看守達。その中央に居座るのは一人の大男。マゼランである。
「一人残らず捕らえろ。一人残らずだ。行けッ!」
マゼランの指令の元に、看守達は統制を持って動き始めた。
「なんの、行けぇ!」
デデデ大王の号令と共に、数百体のワドルディが突撃する。
ここ、インペルダウン出口近くで、考えられもしなかった白兵戦が始まった。
デデデ大王は先ほどのように看守を倒すことはしなかった。それはただワドルディだけに任せ、じっとマゼランを睨んでいた。
「毒龍(ヒドラ)、毒の道(ベノム・ロード)」
遠距離も御構い無しにマゼランは一気に飛び込んだ。お得意の行動パターンで、デデデ大王に接近する。
「むん!」
負けじとデデデもハンマーを全力で振るが、マゼランはそれを手で応戦する。両者がぶつかり合うが、デデデ大王は少し押し勝っていた。
「ちっ」
マゼランは一度舌打ちをし、引き下がった。だがすぐに毒龍(ヒドラ)を出すと、それを数体に分けた。
「なんぞい?」
困惑するデデデ大王に、すぐさま毒の龍達が襲いかかった。
「むおお!」
一つ一つ、素早く、連続してくる毒の連撃に、防戦一方の戦いを強いられた。マゼランは力で負けていることを察し、すぐさま連続で、中距離から攻撃する手段に切り替えた。デデデ大王も自慢のハンマーで一つ一つの龍を消しとばすが、すぐさま新たな龍が生まれ、止まることのない連続攻撃を受け続ける。しかし、負けているわけではない。防御が崩されたわけでもない。戦いはマゼラン優勢、が勝負は決していないといった形で進んで行った。その時である。
「ハンニャバァール、参上!」
横槍を入れて来たのは現段階インペルダウン署長のハンニャバル。薙刀『血吸』を構え、マゼランに手一杯のデデデ大王を襲った。
「ちっ、横槍か…」
デデデ大王が入ってくる横槍を案じると、本当に横から槍が入って来た。ハンニャバルの血吸を止めたその槍は、すぐさま何十発もの突きをハンニャバルに送った。
その槍の持ち主はワドルディ。が、頭に青いバンダナを巻いている。他のワドルディとは一味違った雰囲気を持つワドルディ。
「わにゃ(はあっ)」
最後の一撃で薙刀ごとハンニャバルを突き倒すと、そのままハンニャバルに追撃を与えに行った。
「よくやった!」
デデデ大王もようやく反撃の手口を掴んだのか、空中に飛ぶと、回転しながらハンマーを振り回した。襲いかかる毒龍を全て押しのけ、マゼランに一撃を与える。
「どうだ!」
重い、強力な一撃をマゼランに与えると、マゼランは近くの壁に吹き飛ばされ、
ちょうどワドルディたちも白兵戦で有利に戦っていたところ、バンダナワドルディとデデデ大王の勇戦は一層彼らの士気を上げ、看守達を圧倒した。
しかし、後ろからドスンドスンと鳴る足音にその歓声は止まった。
獄卒獣の襲来である…
バンダナワドルディ登場、だがインペルダウン方も戦力を増強してくる。
ちなみにサディちゃんは今回入れません。