ソードアート・レジェンド   作:にゃはっふー

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始めよう、ベータ版というのは、いいものだ。

GGOより簡単だ、こちらはどうするの、爆弾しかゼルダ要素ないぜ………

ともかく、追加シナリオ編はやらない、あったことにするだけにしよう。

ホロウ・リアリゼーションへ、リンクスタート。


ホロウ・リアリゼーション編
第10話・始まるオリジン


 夢を見た、久しぶりのこの世界に、俺は驚く。

 

「鍛錬か? 先生」

 

 骸骨の戦士は何も言わず、いつものように剣を抜くのを待つ、というわけでもない。

 

 訓練で無いのなら体験か? だがそれでもなさそうだ。

 

「………なにか起きるのですか」

 

 それにも何も答えず、そして俺は夢から覚めた。

 

 朝日が部屋に差し込み、俺の胸に乗る我が家の猫、三毛猫のミケが我が物顔でいる。

 

「おはよう」

 

「にゃ」

 

 今日はバイトも無く、ゆっくりできるのにな………

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

 病院から退院間際の息子に待っていたのは、本当にユウキを引き取るかと言う、親の考えだ。

 

 本気なのは知っていたが、息子が入院中にほとんど話を纏めているのには驚いた。

 

「………」

 

「相変わらず表情筋が動かないけど、木綿季ちゃんがいれば変わるでしょ」

 

「まあ、手続きとか、ちゃんとしないとな」

 

 母さんも父さんもそんな会話の中、俺はもう一つの問題に直面する。

 

 ソードアート・オリジン。

 

 三千人の犠牲者を出したあのSAOに似た世界観でできた、ゲームだ。

 

 世間は無論、非難の声はあった。

 

 だがそれはすでに分かり切っていたことだろう、すでに手回しが回っているとキリトが言う。

 

「やあ」

 

「………」

 

 俺は軽く頷き、エギルの店で、彼と出会う。

 

 キリトこと、桐ケ谷和人。二つ下の主人公。

 

「テイルは《SA:O》に来るのか」

 

 静かに頷き、そうかと、

 

「みんなが心配だ………」

 

「こっちでもそんな感じなんだな」

 

 テスターとしてすでにセブンに話を付けている。

 

 運営は開発協力として、彼女の名前を借りていた。

 

 このゲームの目的は、フルダイブ技術の開発が目的とされている。本人もその技術の未来を見たいから貸したようだ。

 

 本来なら、この前世に無いこの技術に魅了されて遊びたいのだが。

 

 やはりSAOと同じ世界と言うのは心配する内容だ。

 

 前世の記憶を持ち、神様により転生された俺は、三つの特典を与えられていた。

 

 それを駆使して、デスゲーム、ソードアート・オンラインの被害を、僅かでも抑えたり、ユウキと言う少女の未来を確保したはずだ。

 

 そして自身が生き残る為、『ゼルダの伝説』と言う物語から、勇者リンクの力も渡された。

 

 渡されたと言うより、伝授されたと言うのが正しい。

 

 山登りから始まり、崖上りも、モンスターとの対戦も、何もかもが骸骨の戦士から伝授された。

 

「………」

 

 家に帰り、冷蔵庫からミルクを取り出して飲み干す中、その伝授の記憶を思い出す。

 

 内容は剣が刺さる黄昏の空間で、剣を抜くと彼の体験を、自分もまた体験すると言う内容。

 

 ボス戦を始め、崖上りも含まれていたり、色々体験した。

 

 今日のあれはなんなんだろう、正直彼は口数が少ない。まともに声を聴いたことは無い。

 

「………はあ」

 

 前世の記憶から、この世界は前世では創作物に近い世界であることを知る。

 

「………人気だったからな」

 

 どんな物語が彼に待っているか分からない、そうなると何かあると思った方がいい。

 

 そんなことを思いながら、彼に初日は無理だが次にログインすることを伝えたことを思い出していた………

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

 ソフトはセブンからテスターとして招待されて、レイン以外、ほとんどALOと変わらないメンバーらしい。

 

 彼女は元々ALOは、生き別れの妹セブンに会う為だ。そこまでする必要は無いと、リズベットに、俺の癖など、エクストラクエスト時に教えたらしい。

 

「これであんたも大丈夫でしょ」

 

 そう言われていた。ちなみに俺はさすがに自重し、エキストラクエストはしていない。セブンから残念がられた。

 

 ともかく、いまはもう二日目、ユウキたちもログインしている。

 

 彼らの思いを裏切ることは許されないし、何かあるとしたら、キリトの側だろう。

 

 確証はある、彼はこういうことに巻き込まれやすいし、首を突っ込む。

 

 ならば、今度は彼の側で活動すればいい。

 

 そう考えながら、考え込む。

 

 何も無ければいいが………

 

「リンクスタート」

 

 こうして新たなゲームの世界、仮想へと足を踏み込む。

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

 ここははじまりの町に似ている。

 

 だが名称が違い、店の数も違う。

 

 それでもSAOに酷似した世界だと、俺は思いながら歩く。

 

(まずはキリトたちを探すか)

 

 フィールドにでもいるのだろう。彼ら、もとい彼はそういうものだと、僅かに分かる。

 

 よくよく考えれば、俺はアニメの主人公と肩を並べたりしてるんだよな………

 

 あまりにぐいぐい来るユウキや、キリトのリードのおかげで忘れがちだが、ある意味夢のような事態。

 

 ………

 

 なんか緊張してきた、このまま一人、ソロでやるか?

 

 そんなことを考え出していると、

 

「………」

 

 その時、視線を感じ、振り返る。

 

 誰かが人込みの中で、俺を見ている。

 

 その子のカーソルは………

 

 それを確認し終える前に、その子は消え、いつの間にか見失ってしまった。

 

 少し辺りを見渡すが、もういない。

 

 俺が見失った?

 

 骸骨の戦士から鍛える夢を見なくなり、気を抜きすぎたか。

 

 そう思っていると、メッセージが届く。

 

 道の端に行き、メッセージを見るが、

 

(誰が送った?)

 

 俺はまだ誰ともフレンド登録できるか分からないのに、運営か?と思いながら、開くと、

 

(これは)

 

 差出人はCとなり、スペルでこう書かれていた。

 

(私は戻ってきたアインクラッドに)

 

 それを見て、首をかしげた。

 

 これはイタズラ? ピンポイント過ぎる気もするが、これはなんなんだ?

 

 そう首をかしげていたら、

 

「見つけたっ!」

 

 嬉しそうにそう言われ、後ろから抱き着かれた。

 

 驚く中、後ろを見ると、

 

「フレンド登録しよ♪ テイル♪♪」

 

 嬉しそうな少女、ユウキだ。

 

 色々あって、この子とは本当に仲良くなった。

 

 俺が自重している頃、ALOの大会で、《絶剣》はその名を轟かせる。

 

 キリトすら倒し、最強の座についたが、ユウキがインタビューでもう、

 

「後は《蒼炎》にリベンジするだけだーーーっ!」

 

 そう言った所為で、《絶剣》と《蒼炎》と言う二つの名前が、ALOに轟き、もう街を歩けなくなった。

 

 それはともかく、

 

「はい、これでよし♪」

 

「これからよろしく」

 

「また一緒に冒険だねテイル」

 

 シノン、フィリアともフレンド登録し、武器を整え、まずはフィールドに出向く。

 

 そうして新たなゲームが始まった。

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

「テイル、レアアイテム手に入れやす過ぎない?」

 

「さすがに、チートはしてないわよね」

 

「いや………」

 

 全員俺が不正してないと知りながら、それ故に呆れていた。

 

 それは《カーディナルシステム》と言う、VRゲームを統制、制御するそれがある限り、エラーやバグ、アミュスフィアの不正プログラムなどは管理されている。不正はできない。

 

 だがまあ、穴があるんじゃないかと、前世の知識の所為で思い調べ出しているところだが。

 

「あれ、あれってキノコじゃないかな?」

 

「ホントだ、採れるかな?」

 

「あっ、採れた。採取アイテムだったよ」

 

 ユウキがそう言い、名前を確認する。

 

「えっとね、このアイテムは《ガンバリダケ》」

 

 それに俺の思考は停止しかけた。

 

「効果は、料理に使うとがんばりが回復するって」

 

「がんばりって、HPのことかな? どう思う?」

 

「いや……」

 

 ユウキは楽しそうに話している中、そのアイテムに覚えがある。

 

 まさかな………

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

 町に戻ると、途中でフィリアがお宝の気配がすると言い、すでに町の市場に出て行き、シノンとユウキとで歩いている。

 

「ははっ♪ なんか面白いアイテムいっぱい集まったね♪♪ テイルと一緒だと、アイテムが集まりやすいや」

 

「そうね、あなたリアルラックが高いのね」

 

 そう言われるが、俺はそれより気になることがあるのだが………

 

 しかし、俺の運ね。俺の運は前世で使った………のだろうか? 正直判断に困るな。

 

「けど、こんなに運がいいと、逆も酷そうね。大丈夫かしら?」

 

「………酷いことになりそうだな」

 

「えぇ~。そうかな~」

 

 ユウキはそう言っていると、ユイちゃん一行を見つけた。

 

「テイルさん、ユウキ」

 

「アスナ、リズ、シリカ。リーファにユイちゃん」

 

「こんにちはテイルさん」

 

 ユイちゃんはここでもサポートキャラとして、みんなを援護するらしい。AIと聞くが、そう思えない。

 

 ならそれでいいか。そう思いながら、せっかくだからと、アイテムを鑑定してもらおう。

 

「早速で悪いけど、アイテムを鑑定してくれるかなユイちゃん」

 

「はい、わか」

 

 その時、ユイの顔がこわばる。

 

 あるアイテムを見た途端だ。

 

 ああこれは。レア度は高いんだけど、まさか三つも出るなんて。

 

「え、えっと………」

 

「………」

 

 ユイちゃんは言いにくそうな顔をし、リズが無言でこちらを見る。

 

 他の仲間たちはさっと少し間を作った。

 

「………どう」

 

「あ、あんたっ、あんたはあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」

 

「! !? どうしたリズっ」

 

「どうしたもこうしたもぉぉぉぉぉぉ」

 

 俺が手に入れたアイテム《白鋭の牙》と言うものは、物凄いレアアイテム。

 

 ドロップ率、0.07%。

 

 素材として使えば、特殊効果が付き、長く使えるらしい。

 

 ちなみにリズはこれを手に入れ、後々になればよく見かけると思い、売った。

 

「あんたは、あんたはあぁぁぁぁぁぁ」

 

「お、落ち着いてリズっ」

 

「絞まってるっ、テイルさんの首絞まってる!」

 

「……………」

 

 リズに襟を掴まれ揺さぶられ続ける、これのどこが運がいいか聞きたい。

 

 このまま初落ちするのか………

 

「あっ! パパっ」

 

「ユイ、ってテイルっ!? リズなにしてるんだっ」

 

「だって、テイルが、テ~イ~ル~が~っ」

 

 少し落ち着くと、キリトの側、こちらを興味深そう見ている子がいる。

 

「ちょっと、また女の子ひっかけてきたの!?」

 

 シノンの言葉に、僅かにアスナから殺気が立ち上る。

 

「そう言うのじゃないって! っていうかまたってなんだよまたって」

 

「あれ、その子のカーソルの色、もしかして」

 

 カーソルを見ると、その子はNPC。クエストを担当するキャラクターであることは分かるが、

 

(なんだ?)

 

 それにしてはなにか引っかかる。

 

 どうしてもというか、なにか、ALOのNPCとは違うなにかを感じた。

 

 そしてキリトから話を聞くと、NPCならなにかしらベースとなる話があるはずなんだが、

 

「それが無い?」

 

「ああ。クエスト開始時もクリア時も、それらしいことは一切発生しなくてさ。本当にその場所に連れていくだけのクエストなんだよ」

 

 そう言うのは、確か回数や特殊なことが起きれば変わるイベントかと言う話の中、ユイちゃんが気付く。

 

 どうも役柄や性格の設定、それらが値が設定されていないらしい。

 

 プログラムの不具合か、運営のミスかは知らないが、名前も何も無いクエストNPCキャラクター。

 

 そんな中、リズたちがこの子に名前を考えようと言う話になっていて、そんな話の中でその子の顔を覗き込む。

 

「………」

 

 こちらが見ていても、何も言わず、むしろこちらを観察するように見つめる。

 

 こうして彼女、『プレミア』。

 

 幕開けと言う意味を込められた名前を、この子はつけられた。

 

 本人は本当の名前を思い出せないと言う話で、訳ありNPCとして、こうして面倒を見る形でこの場はフレンド登録し終え、幕を下ろす。

 

「………」

 

 見つかったアイテム、全てがなにも無い少女、謎のメッセージ。

 

(嫌な予感が当たり出してないよな………)

 

 そう思いながら歩き出す。

 

 それらがすでに始まりであるとも知らずに………




主人公の親、木綿季を手に入れる準備はできてます。

そしてあのアイテム登場、どうなるのでしょうね。

それでは、お読みいただきありがとうございます。
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