それでは、現在攻略中の彼らをどうぞ。
「よっ、はっ、揺らすぞ」
俺はいま、仲間と共に森での探索をする。
木に登り、木の実を採る。それ以外にも薬草など多く手に入れた。
「相変わらず器用だなテイルは」
「ALOでもこれで踏破したからな」
「ボクも木登りしようかな?」
そんな中、俺はアイテムの中にあるあるアイテムが気がかりだ。
中には知らないものもある。だが………
(………なぜこれがある)
そのアイテムは《姫しずか》だ。
内容もほぼ変わらず、この世界の姫が愛したものと書かれている。
もう《マックストリュフ》や《ツルギバナナ》も驚かなくなった。
(どういうことなんだ)
ともかくこれらはシリカにでも持って行こう。最近肉まん屋は繁盛しているらしい。
俺が渡した素材は、料理に使うとプラス効果を得られるもので、それで味良しの店として繁盛していた。
いまのところバフをもたらす素材がなんなのか、他のプレイヤーには分からないため、シリカはいまてんてこ舞いで忙しい。
「帰ったらなにしようか」
「ボクは勉強だよ」
「勉強か、確かSAO帰還者の学校のテスト受けるんだよな。少しは教えられるよ」
「あれ~、テイル。頭いいの?」
「一応は」
前世で勉強の大切さは嫌って言うほど知ったから、かなりできる方に成長した。
勉学ができることに驚かれる中で、そんな平和の中、時間が過ぎる。
◇◆◇◆◇
またフィールドで探索し終え、カフェでゆっくりしていると、
「最近だが《黒の剣士》って、マナーが悪いプレイヤーがいるらしい」
「………」
それを聞いて顔を上げる。
小耳にはさんだが、キリトではないが、そう言う通り名のプレイヤー『ジェネシス』が、モンスターを横取りする。
表も裏も真っ黒だから、そう呼ばれているらしい。
「………」
帰還者にとって、《黒の剣士》はキリトのことだ。
まあ呼び名なんて、どうでもいいだろうが、
(気になるのは、そのマナーが悪い奴が、この子に攻撃しないかだな)
「テイル、次の言葉ですが」
「………」
色々知りたがるプレミア、俺にできるのは彼女に正しい言葉を教えることぐらい。
「そう言えば……」
「? なんでしょうか」
「前に乗馬したことを、覚えているか?」
「はい」
静かな会話だが、プレミアその会話のテンポは、ちょうどいいと俺は思う。
「また乗せる機会があれば、散歩に出ようか?」
「散歩、ですか……。はい」
そんな彼女と会話しながら、適当に過ごす………
◇◆◇◆◇
「六つの石、女神に祀る、か………」
キリトからプレミアのクエストが進んだことを教えられた。
加護を受けると言う謎のクエスト。
プレミアが加護を受けることによって、話が進むらしい。が、
「二人とも、プレミアに変な会話してないよな」
「してないよっ!」
「普通に女の子の話してるだけだよっ、もう」
少しずつ人との会話から、言葉を覚えるが、少しズレたことをいうらしいとキリトから聞き、二人に怒られた。
………俺じゃないよな?
クエスト発生条件が何なのか不明のまま、あーだこーだ話し合う。
そんな中、《アインクラッド》にまつわる話、《聖大樹》のことが話に出るが、
「まあ、あっちは巫女の話だけどな、しかも二人いるし」
「二人………少なくても見かけてはいないな」
そんな話をしながら、フィールド探索の話になり、アイテムやエネミーの話をする。
(………まさかな)
僅かに引っかかりがあるものの、それを放置し、俺は話を進める。
SAOの世界設定とプレミアが関係するとは、思えなかったから………
◇◆◇◆◇
「………フィールドはやっぱり広いな」
「そこはゆっくりするしかないね、っと」
ユウキとで探索していると、よくわからないプレイヤーがいる。
「あれって」
高笑いしながらエネミーを狩っているが、唐突にログアウトしたように消えた。
「あれは………、まさか《デジタルドラック》」
このゲームを始めてから、嫌な予感ばかりして、色々調べていて知る、VRの影。
聞いていた通り、嫌なものだ。
「それって………」
「現状、俺たちが使うアミュスフィアは安全面は保証されてるけど、中には改造するプレイヤーがいる」
プレイヤーはあらゆる感覚をアミュスフィアに預けているようなもの。
悪質なプレグラムにより、覚せい状態になるもの。そんなプレイヤーがいるらしい。
「不正プログラムか、やっぱり新たな技術は光と闇はあるもんか」
「なんかやだな………。どうして楽しいゲームで、そんなことするんだろう」
ユウキは悲しそうにそう言う。健康な身体を持ちながら、そのようなものを使う気持ちなんて、理解できないだろう。
俺はユウキの頭を撫で、ともかく気持ちを切り替える。
「テ~イルっ♪ 次はボク、バフしてみたい」
「ああ」
そんなことをしながら、フィールドを探索し続けた。
◇◆◇◆◇
「んじゃ、今日も今日とて、必ずレアドロップがあるという」
「もう驚かないな……」
あれからだいぶ攻略、クエストが進む中、いまだに驚かれるらしい俺のドロップ率。
そんな会話をしていると、ユウキがなにやら格闘をしている。
格闘と言っても、キッチンでだ。
「よっ、とっ、はっ!」
「調理スキル上げか」
「うんっ♪ おいしいの作るよっ!」
ユウキが元気に返事をし、アスナがシノンたちと共に調理する。
その様子にアスナは微笑みながら、
「テイルたちもどう? たまには戦闘スキル以外も上げてみたら」
「俺たちは食べるの専門だからな……。テイルはどうだ?」
「まあ材料もある……」
「そう言えば、前にユイちゃんとしてましたもんね」
アスナがむ~と、少し悔しそうに見ている。娘と料理を想像してからだ。
「何事もチャレンジだよキリト♪ テイルもするよ。ボクらの料理、どっちがうまいか勝負だよ♪♪」
ユウキからそう言われながら、
◇◆◇◆◇
「うまあぁぁぁいっ♪」
そう言い、喜ぶのは他のメンバーたち。
「凄い………ほぼ初期値でこのレベルの料理って」
アスナが驚かれるが、まあ現実でもできるし、夢で鍛えたし………
「凄いよ♪ どうやって覚えるの」
「感」
「えっ」
「感覚」
リーファたちが驚くが、悪いがほんと、こういう経験は前世のたまものだ。
正直誇れることなのだろうか分からない、自力では手に入れた物事だが………
だが料理に対しては、骸骨の戦士。彼の試練でまあした。
ホント、防御力上げたり、色々レシピを覚えたりしたよ。
そんな会話や思いの中、さっと次の料理を出す。
「おぉ、また新しい料理か!」
「テイルこのまま店開いたらどうだ? いい腕してるぜお前」
「シリカに任せるよ」
クラインとエギルがそういう中、また高得点らしき料理を作り出す。
アスナは少し悔しそうにうなり、キリトも満足そうに食べる。
「これうまいな、この肉なんだ」
「熊」
「熊か、熊っ!?」
「熊の肉は、基本だ」
「なんの基本ですかっ!?」
ともかくもう一度料理を作るため、奥に引っ込む。
その際ユイちゃんとアスナが加わり、キリトも少しアイテム整理に部屋に戻る。
◇◆◇◆◇
「はうわ……、テイルさん、料理も勉強もできて、ほんと凄いですね」
シリカが感心しながら食べていて、リズも、
「まあこの中じゃ、三番目に年上だっけ?」
「エギルさん、クラインさん、それを除けば年上ですね。大学生って話ですし」
リーファがそう言えばと思い出し、ユウキがうんと頷く。
「リアルで会ったのは」
「俺の店で、キリト。あとはユウキにアスナ、ここにいないレインだろうな」
エギルの言葉に確かにと頷く。
彼はユウキの病気で骨髄移植をして、同じ病院に入院していた。
ユウキのお見舞いに行ったアスナと、エギルの店を知り、顔を出したくらい。
それ以外では自分たちは彼を知らないなと、改めて思う。
「テイルで知ってるのは、キリトと少し似てるくらいだよね」
「そうですね、頼りになる、お兄さんです」
「そうだよね、向こうがお兄ちゃんならよかったー、は、いまいないときは言わなくていいか」
そんなことを話しながら、会話していると、
「オネーサン的には、キー坊から乗り換えるチャンスじゃないカナ」
突然その言葉が部屋に響いて、全員が食べ物を詰まらせる。
「んぐっ………、あ、アルゴさんっ!?」
「いきなりなにを言ってるのかなっ!?」
「いっや~、またバフ料理の情報が出回ってないカラ、聞きに来たってワケダ」
「それよりもっ、さっきの言葉です!! わた、私とキリトくんは兄妹ですよっ!」
「いやもういいカラ。正直アーちゃんと言う果てしない大きな壁があるのだから、諦めて近場の花の方がいいゾ」
「ななな、なにを言ってっ!?」
「第一、テイルモテモテだゾ」
『えっ!?』
その話は流して聞いていたクラインも混ざり、ユウキも驚く。
エギルは呆れながらため息を付き、空になった皿を片付けながら言う。
「よく考えろお前ら。顔立ちもいい、背丈も高く、頭もいい、性格もいい。そのうえ資金とかの管理から考えて、ありゃ、無駄使いしない男だな」
「そんな奴がモテない方がおかしいゾ。もうすでに裏でファンクラブができてるんダ。彼奴のスクショが売れててナ」
「売ってるのアルゴさんじゃないですよね?」
アルゴは何も言わず、にこにこしていて、ユウキがそわそわとそちらを見る。
「はいはーい、前に肩こり気にしてて聞いたんだけど、スポーツの助っ人して疲れたって言ってたよ。後々で調べたけど、運動神経もいいみたい」
ストレアから新たな情報を聞き、アルゴはメモを取る。
「これで恋人がいないのは、確かに女から見れば有力物件だな」
「だからって」
「私たちは別に」
「そう言うのを求めている」
「訳ではありませんっ!!」
リズ、シリカ、リーファ、フィリアがそう宣言し、ストレアは楽しそうにしている。
「あたしはテイルのことも好きだよ~? 料理おいしいし、キリトみたいに優しいし」
「わたしもテイルのことは好きですよ」
よく分からないものの、ストレアとプレミアはそう言い合う。リズたちも別に嫌いではないと言っている。
「いや、オネーサン的にはキリトガールズたちには諦めて、近くの有力物件をオススメしたかったんだけどネ」
「誰がキリトガールズよ!?」
「このままじゃテイルも誰かに取られるゾ?」
「それは別に構いませんよ!」
ユウキがそわそわしている中、なにも言わず、ただなにか言いたげな顔をしている。
「ところで情報屋として、誰が有力候補なの?」
ストレアがそんなことを聞くと、
「一番有力なのはレインとルクスだナ。SAOの頃からの付き合いだし、最近じゃあ、まあ一人とユイちゃんかナ?」
その時一瞬ユウキを見て、ユウキは気づかず料理を食べている。
だがそこでユイが出て来て、アスナが顔を出す。
「アルゴさんユイちゃんがどうかしましたか?」
「アーちゃんは過保護だナ、こうなると有力候補が断然トップのようダ」
「料理ができました~」
第二候補が料理を持って現れ、テーブルに置かれ、アスナはそちらに。
クラインは静かに、
「ところで、マジで彼奴にファンクラブあるのかよ」
「マジダ。SAOだって、彼奴にホレたプレイヤーが多いゾ。ほとんど低年齢プレイヤーだけど」
「それはそれでだめなんじゃ………」
リーファがさすがに呆れ、それよりも沈黙を守っていたシノンが、
「そもそも、キリトに似ているだけって言う理由で、彼を選ぶこと自体間違いじゃないのかしら?」
「そうよそれそれッ」
リズがその通りと食いつきながら、アルゴはえ~と遠い目をする。
「キリトガールズたちがあまりに不憫だから………」
「いい加減にキリトガールズと言うのやめてくださいっ」
「シリカはどうダ? ピナと仲良くやってるじゃないカ」
「テイルさんはそう言うのじゃありませんっ。ま、まあ、頼れるお兄さんなのは認めます」
「私も、キリトくんより年上ですし、そういう感覚です」
「あたしだって、彼奴はどちらかと言えばレインでしょ! あたしがどれほど難しい注文をレインからされたことか」
「まあ、彼ってエギルやクライン並みに年上っ、って感じだからね」
フィリアの言葉に頷くキリトガールズを、涙がホロリとするアルゴ。
そんな中キリトと共にテイルが調理場から出て来る。
「アルゴか、なんの話をしてるんだ?」
「キー坊、少しナ。現実を見ないのは辛いヨ」
「いいからそこまで話終わりよっ」
リズはそう言い、テイルはなにか無表情で手に料理を持ったまま立っている。
「? どうしましたか」
「………」
「ああそうだっ、俺が持ってたのも調理できてなっ。名前も《スタミナ包み焼きキノコ》って名前なんだ♪」
嬉しそうに言い、味はうまいと言いながらテイルから受け取り、テーブルに置く。
「キリト、やっぱりこれはお前だけにとどめた方が」
「なに言ってるんだテイル、結構うまいし、このまま食べようぜ♪」
「いいのか」
「?」
◇◆◇◆◇
とりあえず料理している間なにかあったか分からないが、みんな楽しそうにしている。
料理も好評であり、いいのだが………
調理中、キリトが妙な食材を渡してきて、それを調理して出す。正直、いいか分からない。
だがキリト、なぜ《ガッツガエル》系を多く持っていたのだろう?
◇◆◇◆◇
(話を進めてプレミアについて分かったのは、名前付けからしばらくして、その名前が登録されていて、キリトにべったりしてるんだよな)
相変わらず、キリトたちから外れると一人。
だがそれでもいろんな会話が耳に入る。
キリトらしき人物が、NPCを守るために翻弄する等々。
やはり彼らしい。
だが、
「なにも起きなきゃいいけど………」
いや彼のことだから起きるか。
やはり戦闘スキル上げようと、フィールドに出る。
◇◆◇◆◇
みんなと協力、他のプレイヤーを交えてボス攻略。そしてついに新たなエリアへと踏み込む。
「ここが未知のフィールドか」
滝と湖群がテーマらしきフィールドで、女性メンバーが全員はしゃぐ。
「幻想的な景色だね」
「水は透明できれいだよな」
キリトがそう呟く中、水に住まう魚がはねた。
俺は少し大きめの石を手に取り、投擲の応用で投げる。
「えっ!?」
魚は気絶して浮かび、それを何度かしてから取りに出向く。
全員が驚いていたが、俺は気にしない。
「テイルって、ほんと引き出しが多いな」
「慣れてるだけだ」
「ここのお魚ですね、おいしい料理にできそうだよ」
「本当ですねっ、テイルさん、いくつかもらってもいいですか?」
シリカに頷きながら、俺は《マックスサーモン》を渡す。
やはりここも俺の知る物がある。
探索して調べてみないとだめのようだと思い、辺りを見渡す。
「あれ、向こうに何かあるよ?」
ユウキの言葉に、全員が滝近くまでくる。
その滝に看板に『打たれ強き者、それを察するとき、幸運が降り注ぐだろう』と書かれていた。
「打たれ強きって、やっぱり」
「滝行だよね」
「幸運が降り注ぐってことは、幸運バフが付くのか」
「えっ、テイルがいるのに?」
「………幸運アップの装飾品か」
そんな話をしながら、クラインが滝行するため上半身の装備外してひと悶着があったものの、全員がすることに。
「かあぁぁ、冷てぇ!!」
「これは、かなり来るな………」
シリカが最初に抜け出したあと、フィリアやリズが次々と出ていく。
キリトと俺が残り、滝に打たれていた。
懐かしいな、骸骨の戦士のもとではよくやっていたな。豪雨の中で、モンスターとバトル。
「キリト頑張れーー」
「テイルも頑張って!」
だが気になる。察するってのはなんのことだ?
「うおぉぉぉ、早く振って来い、幸運!」
そうキリトが叫んだとき、瞬時に剣を抜く。
カンっという音と共に、全員が驚き、それを見た。
タライのような盾装備というネタ装備。
そして、それを防いだ俺。
その瞬間、滝が割れ、岩から片手剣らしいものが出現した。
「えっ、はっ? な、なに?」
「テイルさんがクリアしたってこと? お兄ちゃんはこれ?」
「そ、そんな………」
愕然とするキリト。キリトには悪いが、片手剣を抜く。
「しかもそこそこ強い、ネタ装備に隠された、クリアアイテム?」
「テイルさん凄い、よく気づきましたねっ」
「………ああ」
俺はそれに驚く。
それは《氷雪の剣》に似ていた。
そこそこ手になじむ。性能も強化を視野に入れればいい、属性武器は設定上ないからしかない。
だがこれはいいとかじゃないな。
なんなんだこのゲーム。次から次へと、前世の関係する物が出て来る。
と………
「………」
どこからか、視線を感じる。
「お兄ちゃん、もう一回はやめてね」
「いや、だって、片手剣っ」
「キリトくん………」
そんな会話をしながら、次のフィールドへと足を踏み込む………
「………」
俺は一抹の不安だけ残りながら、それを持ち進む………
この章にゼルダ要素入れすぎて、GGOはどうしようね。
それでは次回、お読みいただきありがとうございます。