ソードアート・レジェンド   作:にゃはっふー

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行くぞ、後のことは後で考えろ。楽しく、面白ければいいんだ。

ではどうぞ、ゼルダ強めで行きます。


第14話・驚きの出会い

 新たなフィールド探索中、やはり考え込むことが多くある。

 

 魚もそうだが、やはりアイテムがあの世界の物ばかり。

 

「テイルさん」

 

「きゅう?」

 

 シリカとピナが心配して話しかける。今日もお互い、バフ料理の情報を交換していた。

 

「すまない、考え事していただけだ……」

 

 料理がうまくいくとバフで、逆だとデバフ料理になる。

 

 シリカのはとても好評であり、魚も仕入れ始めた為、レパートリーが広がっていた。

 

 こんな日々の中、彼女はずっとこちらを見つめていた。

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

「テイルって、笑わないんだよね」

 

「そういやあ、そうだよな」

 

 ユウキの何気ない一言に、クラインはうんうんと頷く。

 

「そうかな? 何気ないことには、ちゃんと反応してるよ」

 

 アスナの言葉に、ユウキも頷く。

 

 だが、

 

「いやいや、それでも彼奴は。ああ、とか、うん、とか、そんなんばっかだぜ」

 

「確かに、不愛想と言うか、何と言うか……」

 

「本人が宣言した通り、口下手なのはもう分かってますけど」

 

「あんまり過ぎるってところがね」

 

 クラインの言葉に、アスナもなにも言えなくなり、シリカ、リズも頷く。

 

「それより、ここ最近難しい顔ばかりです。この前も食材の交換で、難しい顔をしてました」

 

「そう言えば、あの人、私たちと仲が良いけれど、まだちゃんと話し合ったりして無かったね」

 

「あっ、ならさっ♪」

 

 ストレアが嬉しそうに、なにか思いついた。

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

「………」

 

 ターゲットは物静かにショップを見て回る。

 

 手に《コハクの耳飾り》を手に取っていた

 

「あ、あのっ、テイルさんっ」

 

「シリカ……」

 

「お、おはな、お話がありますっ」

 

 そう顔を真っ赤にして、何か恥ずかしそうに話しかけられ、

 

「どうした」

 

 彼は無表情なのは相変わらずで待っていると、意を決して、

 

「す、すす、好きですっ」

 

 シリカは顔を真っ赤にして告白し、彼はそれを聞き、ぼりぼりと頬をかき、空を見上げ、そして静かにシリカを見る。

 

 真っ赤な顔のシリカに、

 

「ギャラリーはどこだ」

 

 すぐにそう呟いた。

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

「一番手ですぐにバレたね~」

 

「シリカがいきなり告白してきても、分かるぞ」

 

 一応彼らとの交友がある者なら、キリトに好意を寄せるメンバーぐらい、クラインじゃなくても分かる。

 

 それが急にこんなこと言いだすのは、

 

「俺が無表情だからって、無理に表情を変えさせようとしないでくれ」

 

 呆れながら言うと、ユウキとストレアはえぇ~と言い、周りは苦笑する。

 

「友達は少なくても、知り合いはいる。こんなことは一度二度じゃない」

 

「なんでえい、もうされてたのか」

 

「けどテイル、あまり笑わないと楽しそうに見えないんだもん」

 

「分かってくれていれば、俺はそれでいい」

 

「あっはは、まあテイルはその方がかっこいいって言う、女の子プレイヤーがいそうだし、このままでいいんじゃないかな?」

 

 フィリアの言葉に、女性プレイヤーはわーきゃー言い始める。

 

 テイルはぼーとして、ただ無口で通しているだけで騒がれる。それに少しクラインは羨ましそうに見ていた。

 

 そうしてたら、

 

「えーい♪」

 

 そう言ってストレアがぎゅーしてくる。

 

「どうどう? おねーさんにぎゅ~されるの」

 

「嬉しいよ」

 

 だが無表情であるためか、むむむっとうなり、うぎゃーとストレアが構ってくる。

 

 ユウキも楽しそうとか言って参加して、二人の首根っこを持って、キリトとアスナに渡す。

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

 メンバーはユウキ、リーファ、ストレアで、湖のフィールドを探索する。

 

「いつもここで魚の採取してるんだよねテイル。あたしたちもできるかな?」

 

「やろうと思えばできる」

 

「そう? どうやるの」

 

 ストレアがそう言い、俺は、

 

「まず魚影の集まりを見つけ、ソードスキルの準備……」

 

「テイルそれ違う」

 

 ユウキがすぐにそう言い、これが一番効率がいいんだが………

 

 そんなやり取りの中、広い湖を見つけ、奥が滝であり、滝音が聞こえる。

 

「向こう側いけないかな?」

 

「この辺りの岩壁は垂直過ぎて、登れるかどうかわからないし、一人じゃな」

 

「それじゃ、探索はここまでにして、一度戻りますか?」

 

 リーファの言葉に頷き、全員が一度引き上げた。

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

「結構探索したけど、採取アイテム豊富なフィールドだな。シリカ、テイル。この魚はどんな効果あるんだ?」

 

「それは《シノビマス》ですね、どうもモンスターから狙われにくくなるようです」

 

「へえ」

 

「キリトくん、魚の影にソードスキル使うからびっくりしちゃったよ」

 

「ふむふむ、それが一番なのか。あたしもやってみよ♪」

 

「いや絶対に違うと思います。お兄ちゃんとテイルさん、変なところがほんと似てますね………」

 

 リーファが呆れるが、俺はキリトがまたこっそりと《ゴーゴーガエル》系採取してる。

 

「採取系で、結構採取するプレイヤーは多いみたいだぜ。クエストもそうだけど、バッタ系とか面白いからな」

 

「おおっ、オレが手に入れた《ツルギカブト》ってのも、結構でけえのがいて、面白かったぜっ」

 

 そんな会話の中、一人のプレイヤーが近づいてくる。

 

「景気はよさそうダナ、キー坊」

 

 アルゴがそう言いながら現れ、こちらの戦利品を見る。

 

「おっ、新フィールドのアイテムカ。オレっちも欲しいから情報は高く買うゼ」

 

「それより、なにか用事があったんじゃないのか?」

 

「ああ、それも大事だガ、テイルにナ」

 

「俺か」

 

 静かに側に近づく。アルゴは俺の無口度は知っているので気にせず、

 

「テイルはあるモンスターをテイムしたらしいナ、それなんだが………」

 

「『グラニ』か」

 

 シグルドの愛馬の名前。最初は『エポナ』と名付けようとしたが、元ネタが説明できないといけなかったのでやめた。

 

 プレミアはその名前を聞き、嬉しそうに微笑む。

 

「あの子の話ですか?」

 

「ああ、実はあの馬、高難易度のクエストなんだ」

 

 まず野生のに気付かれないように近づく。

 

 次に騎乗し一定時間乗り続け落ち着かせる。

 

 他の方法でエサで時間をかけて懐かせるらしい。

 

「んで、いまのところはテイル以外にテイムした奴はいないって話ダ」

 

「その情報欲しさに、テイルの所に来たのか?」

 

「いいヤ。あの馬、別フィールドにも連れて行けるだロ? 実は新フィールドでいけない湖の場所があるんダ」

 

「あああそこ」

 

 ストレアの言葉に、俺もあの場所を思い出す。

 

 そして、

 

「どうもあの馬、水の上を歩けて、滝を上ったり、下ったりできるらしいんダ」

 

「えっ、それホントっ」

 

 目を輝かせるユウキたち、ある意味湖を馬で走るのはどんなものか、興味があるらしい。

 

 すでに野生のモンスターが行き来しているのが目撃されていて、プレイヤーも行けるのではと、その検証らしい。

 

「情報さえくれればオネーサンはいいんダ。報酬も出すゼ」

 

「そうか、試してみよう」

 

 そう頷くと、すぐに手を上げる者たちがいる。

 

 ユウキやプレミア、リーファやストレアはもちろん、未開拓地にキリトまで。

 

「待て、彼奴で運べるのは最低二人まで。最低あと一人だぞ」

 

「そうなると」

 

「うん、私も気になるし」

 

 そして静かに立ち上がり、拳を固め、全員がジャンケンを始めた。

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

 装備を槍に変え、シリカとピナ、プレミアを前に乗せて。後ろにはリーファを乗せている。

 

 愛馬に乗り、平然と野を駆け、湖の前に来た。

 

「それじゃ、行くぞ」

 

 全員が頷くのを確認して、手綱を引っ張り、先に進む。

 

「水の上を歩いてます」

 

 目を輝かせて言うプレミア。シリカもピナを抱きしめながら、リーファも頬を緩める。

 

 俺はそのまま走り、滝の前に来た。

 

「行けるか」

 

 そう聞くと、グラニは吠え、平気らしい。

 

「ハッ」

 

 そして一気に駆けだすと、ジェットコースターのように水の上を滑り、一気に進む。

 

 広い大きな滝で、意外と高く、そのまま滑り降りた。

 

「びっくりしたけど凄いよテイルさんっ♪」

 

「はひ………、凄いですねグラニちゃん」

 

「きゅる♪」

 

「凄いです………」

 

 リーファが後ろから抱き着きながら、水を滑るように先に進む。

 

 プレミアが寄りかかり、シリカは馬の首にしがみつく。

 

 そんな中槍を片手に、静かに進んでいくと、

 

「野生の子たちもいますね」

 

「ああ」

 

 水の上にいて、近づくと離れていく。

 

 その様子を見ながら、しばらく進んでいると、

 

「っ!? さすがに来たか」

 

「来たって………」

 

 その時、槍を振り回し、何かを弾く。

 

「いまの」

 

「後方四時の方角」

 

「敵っ!?」

 

 スピードを上げて陸地を探す。

 

 それに平行して馬の足音が聞こえ、同じように来る者達を確認する。

 

「いま視認しました、数は四人っ。二人は弓矢です」

 

「エネミー側だけ弓矢装備なんだよな」

 

 そう冷静に槍を右手、左腕に手綱を巻き付け操った。

 

 槍はまあまあの物であり、静かに前を見ながら、リーファに合わせる。

 

「右側から」

 

 攻撃を弾きながら、陸路まで走る。

 

「もうすぐ陸路ですっ」

 

「そこに入れば飛び降りてくれ、その後は俺が対峙する。リーファ残り二人の武器」

 

「片手剣と槍です」

 

 陸地に乗り上げた瞬間、三人は指示通り飛び降り、そのままUターンし、川の上で激突する。

 

「片手剣はそっちに行く、任せるぞ」

 

「了解!」

 

 返答を聞き、弓矢のカバーを受けつつ、槍使い同士の激突が始まる。

 

「ハッ、でやっ!」

 

「くっ」

 

 相手はNPC、エネミーモンスターじゃない。ならば、

 

「なぜ俺たちを襲うっ」

 

「侵入者を攻撃して何が悪いか」

 

 会話を返した。そのまま、対峙して、

 

「いきなり宣告も無く攻撃か、俺たちは冒険者だ、ここを荒らしに来たわけでは無い」

 

「ふざけるな、悪いがここで捕縛させてもらう!」

 

 だが攻撃は本気であり、自分らはともかく、プレミアは危険だ。

 

 仕方ないので、馬を駆使して、槍を弾き、突進して馬を蹴る。

 

 驚いた瞬間、槍で乗っているNPCを叩き落した。

 

「うまいねっ」

 

 そう軽口をたたくのは、黒っぽい髪の、化粧を施したスカーフを巻く男が弓矢を構え、即座に落とす。

 

「へえ、やるな君。僕ほどじゃないけど」

 

 その口調と、顔のタトゥーみたいな顔。

 

 どこかで覚えがある。

 

「『リーバル』殿ッ、不審者にそんな悠長に」

 

 ………なに?

 

「そうは言うけどさあ、もう僕ら以外倒されたよ?」

 

 そう言い、片手剣の剣士も落とされ、取り押さえられている。

 

 暴れる馬は、シリカが落ち着かせ、その様子を見ながら、

 

「不審者と言えば不審者だけど、いま僕らの抱える問題と、関係ないんじゃないかな? ま、この状況で君らを守りながら戦うの僕無理だよ」

 

「それは……」

 

「それじゃ聞くけど不審者さん、君ら、水の都になにかご利用かな?」

 

「………なにも知らない、この先に何かあるか調べに来ただけだ」

 

「なんだい、まあ不審者なのは間違いないね」

 

 そう言いながら、俺は内心驚く。

 

 確かに口調や顔の模様など、彼を人間にしたような男だ。

 

 ともかく馬を操り、何か考える彼らから離れる。

 

「あの、私たちこの先に行っちゃいけないんでしょうか」

 

「ああ、ああうん少し待って、うん」

 

 何か考え込むリーバルは、何か思いついた顔でこちらを見る。

 

「君ら冒険者って言ったよね? 怪物とか倒せる?」

 

「リーバル殿っ」

 

「落ち着きなって、正直僕らだけじゃ、あの怪物倒せないんだし、彼らなら死んでも痛くないし、いいじゃないか」

 

 そんなことをさらっと言いながら、こちらに話しかけて来る。

 

「怪物退治?」

 

「そ。いま都がピリピリしてるのは、危険な怪物がいて、それを鎮めるために人柱を出さなきゃいけないの。んで、都の領主の娘が選ばれた。ここまで言えば分かるよね?」

 

「………代わりに怪物に向かって、死ぬか倒すかしろってことか」

 

「そう言う事、話が早くて助かるよ。かわりに君ら、他に仲間いる? 良ければ彼らも呼ぼうか?」

 

「………」

 

 少しそのまま歩き出して、リーファたちの下に近づく。

 

「クエスト、でしょうか? まだ発生してませんけど」

 

「仲間を呼ぶってのは、他にいるメンバーを呼べるようにするための処置だろう。メッセ飛ばせばキリトたちならすぐに来られるだろうし」

 

「なら、呼んでみます? 皆さん来たがってましたし、クエストも大掛かりそうですし、アイテムのことも考えて」

 

「だな。何人まで連れて来られる?」

 

 それに五人までらしく、メッセージを飛ばす。

 

 彼らの案内で先に水の都へと進むのだが、正直驚くことが多い。

 

(正直もうどーにでもなれ)

 

 そう思いながら、ピナが頭に止まり、そのまま水の都へと入り込む。

 

 そこでまた新たな驚きがあるが、この時も表情が働かなくってよかったと思った………




ちなみにテイル、リーファに抱き着かれても何とも思わない。この子精神大人だから、気にしない。

エポナにしてあげたかったけど、仲間からどういう意味?とか聞かれたらとか色々思い、結局有名どころを選ぶ。

それでは、お読みいただきありがとうございます。
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