ソードアート・レジェンド   作:にゃはっふー

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いろんな人に感謝しながら、できた話です。

どうぞよろしくお願いします。


第15話・水の都のバトル

 馬を歩かせ、集落らしき水の都に来る。

 

 その美しさにプレミア、シリカ、リーファは言葉を無くした。

 

 岩壁を削った造形美、美しい水の集落に驚く一同。

 

 そしてしばらく待つ。

 

「よお、凄いところじゃないかここっ」

 

「ホント、綺麗なところ。キャラバンはあったけど、ここも凄くいいね」

 

 キリトとアスナが興奮が収められずに驚きながら来て、続いてクライン、シノンにリズも連れてこられた。

 

「けど内容はパーティー戦らしいクエストなんでしょ、アイテム補充したわよ~」

 

「ほらよ、テイルたちの分もしっかりとな♪」

 

「ありがとうございます」

 

「きゅる♪」

 

 アイテムを補充し、リーバルがこちらに来る。

 

 するとクエスト承諾メニューが現れた。

 

「内容は」

 

「タイトルは《水の乙女》か。怪物により恐怖に包まれた都、生贄に捧げられそうになる少女を救えか。ベタだけど、難しいか?」

 

「ともかく」

 

 全員で顔を見合わせて、選択を受ける。

 

「君ら、そろそろいいかな? 代表の方が君らをお呼びでね」

 

「ああ」

 

 俺に話しかけてきたので代わりに頷く。

 

「ここのパーティーリーダーは」

 

「テイルでいいだろ、最初に来たのは君だし」

 

「………分かった」

 

 そうなるよな、話しかけてきたのも俺メインだし。

 

 そして案内された先で、

 

「ッ!!?」

 

 クラインに電流が走る様子が見えたが、俺は別の意味で驚く。

 

 そこに一人の美しい少女がいた。

 

 長く深紅の色を持つ髪、瞳の色も独特でほんのり化粧をした綺麗な女性。

 

 腕や服に装飾を付けていて、ティアラのようなものを身にまとう。

 

 あの服を思わせる服を纏い、ふわりとスカートを翻す。

 

「始めまして、この都の領主の娘……。名を『ミファー』と言います」

 

 それに顔色は変えなかったが、驚愕する内容だ。

 

「領主ということは」

 

「話は聞いていますか? 私はこの都を収める『ドレファン』。いまこの都には怪物が大事な湖に住み着いています」

 

「それは」

 

「その湖は神聖なものでね。この都に魔獣が襲われないようにするものだったんだ」

 

 だがその湖事態に怪物が居座り、その効力を無くす。

 

 結果魔獣が都に攻め込むようになり、その怪物も食べ物を求めて襲うようになる。

 

「認めたくは無いけど魔獣くらいはどうにかできる。だけど怪物はお手上げなのさ」

 

 怪物から放たれる爆発する魚を抑え込むため、奴に食わせる食べ物を渡していた。

 

 だけどそれも尽きかけ始め、ついに生贄を出すしか無くなる。

 

「それで私を捧げることになったのです」

 

 弱々しいがはっきりと、彼女はそう言う。

 

「いけねえ……、そんなのいけねえよ!」

 

 クラインは立ち上がり、すぐに領主にはっきり言う。

 

「領主さんよ任せてくれッ、その怪物っていうの、このオレたちが必ず退治するぜっ」

 

「ま、君たちがエサになれば、まだ時間稼ぎくらいできるからね」

 

 リーバルは隠す気も無く、そんなことを呟く。

 

「リーバル、私たちの問題に、関係ない人を」

 

「いいじゃない、彼ら、自分から退治するって言うんだしさ」

 

 ミファーがリーバルに抗議するが、彼は態度を変えず、俺は前に出て、

 

「ともかく、その怪物退治をやらせてくれないか」

 

「………すみません」

 

 領主はそう短く言い、せめて遠方より援護する話をし、戦いの場である情報を話してくれる。

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

「できれば弓矢をくれればいいのだけど」

 

 シノンはそう言い、まあまあとキリトが落ち着かせながら、話を纏める。

 

「つまるところイベント戦で、水辺か水中戦の可能性があるな」

 

「そうなると、少人数が前に出て様子見。攻撃パターンを見てから全力か」

 

「死に戻りなしを前提にするなら、俺と君でパターンを確認した方がいいな」

 

 キリトはそう言い、俺は頷く。

 

 この世界のNPCは蘇生されない。もしかすればここで俺たちが倒れればミファーは変わる可能性がある。

 

 それは嫌だ。彼女が、あの彼女ではないのは理解できるが、それでも抵抗を覚える話。

 

「オレはやるぜっ、ミファーさんのためにもな!」

 

 うるさいのがいるため、シノンとリーファ、リズが呆れ、俺はリズに槍の替えを頼む。

 

「そうか、あんたなら騎乗して戦えるもんね」

 

「そうなると剣より槍がいいから」

 

「そうなると、俺は状況によっては離れていた方がいいな。サポートはするよ」

 

「ああ頼む」

 

 そして戦闘の準備並び、この都で情報を集める為に、一度解散する。

 

「ああクライン、あんたミファーさんに聞きに行くの禁止ね」

 

「なんでだよッ」

 

「あんたじゃちゃんと聞かないからよ」

 

 リズとシノンにそう言われ、クラインは黙り込み、キリトは話をつづけた。

 

「それじゃ、プレミアはどうする」

 

「わたしはミファーと言う人から話を聞きたいです」

 

「俺もリーバル、たぶんそっちは最初に関わったプレイヤーの方がいいだろう」

 

「なら私も付いて行きます。お兄ちゃんはアスナさんとシリカちゃんとで」

 

「その方がよさそうだな」

 

「それじゃ、時間を決めて、合流しましょう。怪物退治も、私たちがアクション起こさなければ発動しない、って保証もないしね」

 

 アスナの言う通り、こういうのに時間をかけ過ぎて、突然怪物が暴れ出したとか言われて呼び出されても困る。

 

 こうしてすぐさま別れ、行動に移った。

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

 彼女の部屋へと案内され、彼女から怪物の話を聞く。

 

 内容は、触手のようなものの中に目玉があり、触手に触れたものは食われてしまう。

 

 配下に爆発する魚がいて、それを大量に放つ。

 

 湖は周りを滝に囲まれた場所で、周りは崩れた遺跡が水没してたりする。足場少なく、聖なる馬の力を借りなければ行き来はできない。

 

「テイル、わたしたちは戦う際どうすれば」

 

「俺はいいが、キリトたちは誰に乗せてもらうしかないだろう」

 

「お話は私から付けておきます」

 

 そしてリーバルに会う為、その書類を書きだすミファー。

 

 見た目人間の少女だが、やはりあの『ミファー』を連想する。

 

「あの、すいませんが、あなたはなぜ、怪物の生贄になったのですか」

 

 リーファは少し悲しそうに聞くと、彼女は凛として胸に手を置き、はっきり告げる。

 

「私には弟がいます、領主の跡を継ぐのはあの子で十分。このようなことを民の方々に押し付けるわけにはいきません」

 

 恐怖はあるのだろう。だがリーファの問いかけに、しっかりと答える。

 

 やはりなにがなんでも攻略しなければいけないな。

 

 そう思っていると、プレミアが絵本を見つけた。

 

「これは」

 

「それは……、私の好きな、勇者と異種族の姫様の、恋の物語です」

 

「それは」

 

「はい。種族が違うこともありますが、勇者様にはすでに大切にする、同じ種族の姫様が居ます。それでも勇者を慕う、異種族の姫様の物語です」

 

 そう言い、本を手に取り抱きしめるミファー。

 

 そんなところまで似ていることに違和感を感じながら、彼女には、

 

「安心してくれ」

 

「えっ」

 

「俺たちが怪物を倒す」

 

「はい、任せてください」

 

 それを聞き、最初驚くが、すぐに頭を下げ微笑んだ。

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

「僕らがするのは、怪物への弓矢の攻撃と、馬で君らを怪物にけしかけることだね。問題ないよ、君は……一人で問題ないね」

 

 リーバルの方も、本質が同じなら、彼は仲間を守ることを優先しているだけだ。

 

 ともかく話を聞きながら、怪物は水底に身体半分を沈ませ、触手だけ伸ばしているらしい。

 

 目玉と爆発する魚だけを放出して、ともかくメインアタッカーは俺になるようだ。

 

「ともかく、やるんならきっちり倒してくれよ。僕らも手を貸すんだからね」

 

「ああ」

 

「………」

 

 難しい顔でこちらを見ながら、軽く舌打ちする。

 

「君、友達少ないだろ。何でもかんでもできる奴って、僕嫌いなんだよね」

 

「テイルは良い人です」

 

「はいはい、だからなお悪いんだよ………」

 

 後半プレミアには聞こえていないが、彼は念入りに弓矢を整備する。

 

 弓の発射や、場所などの指示はこちらの要望を聞く。シノンに言って、彼女の指示を聞くように話を通しておく。

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

 広い開けた空間で、滝に囲まれた湖の真ん中に、透明な触手が浮いている。

 

 キリトたちも騎手がいる馬に相乗りさせてもらう。リーバルを含め、弓兵が五人がシノンの指示。残りは槍を持つ騎馬兵。

 

 プレミアを乗せている方だけ、ある意味気になる。だがいまは気にしていられない。

 

「まずは俺が先陣を切る、キリトたちは慣れないだろうから、しばらく俺が戦う。援護射撃とバフを頼む」

 

「分かった、みんな、用意は良いかっ」

 

 キリトの号令に、アスナたちがバフをかけて、俺は突進する。

 

 俺の予想が高ければと思いながら近づくと、無数の触手が現れ、その中に目玉が一つある。

 

(もう話したが、あれがまずの弱点だろ)

 

 足場を気にしながら、まず俺がタゲを取り、弓兵で目玉を狙う。

 

 キリト、クライン、リーファが分かれ、スイッチの待機。

 

 リズとシリカ、プレミアは、

 

「水面、爆弾三体ですっ」

 

 俺に指示を出して、下から迫る爆弾魚を避ける。

 

 こうして無数の触手が出る中、

 

「いまよっ」

 

 正確に弓矢の指示を出し、着実にダメを与える。

 

 無論可能なら、

 

「でやッ!」

 

 槍で俺も攻撃に参加する。

 

「ゲージが見えないっ、ともかく注意しろ!」

 

 そしてリーバルの矢が目玉を捕らえた瞬間、巨大な悲鳴が響き渡る。

 

「離れろッ!!」

 

 すぐに離れ、体制を整える。

 

 水面が荒れ、突然現れるのは、

 

(こいつは《覚醒多触類オクタイール》っ!!? まさかまさかと思っていたが)

 

 巨大な長い魚であり、こちらに向かって水面から飛び出し、巨大な口を開き迫る。

 

 それを避けながら、タゲはいまだ俺のようだ。

 

「ハッ、スウ」

 

 水面を駆けて、突進する。

 

「今度はゲージが見えているっ、狙いは目玉!!」

 

 さすがキリト、まだ背中に目玉があるのに気づいた。

 

「うまく誘導してっ」

 

「了解ッ」

 

 迫る攻撃を避けつつ、シリカとリズ、プレミアの爆弾の指示を的確に聞く。

 

「アスナそろそろスイッチする、テイルの回復準備」

 

「スイッチ」

 

「待ってましたッ」

 

 三人が変わって動き出し、水面から飛び出す際に斬り込みだす。

 

「大技じゃなく、的確にダメージを与える。弱点狙いはシノンたちに任せ、タゲを取らせないようにするんだっ。シリカたちの指示も忘れるな!」

 

「分かったよっ」

 

「おうとも!」

 

 俺はアスナの下に行き、回復サポートを受けながら、次に備える。

 

 キリトたちは三人で飛び出すオクタイールに苦戦はする。やはり自分の足場では無く、騎馬による戦いになれていない。

 

「バフ掛け終え後、参戦する」

 

「分かったわ、キリトくんっ、テイルさん回復後前線復帰!」

 

 的確に目玉を狙う弓兵たち、その時、

 

「タゲ取られたっ」

 

 シノンの指示を聞き、バフが間に合い、駆けだす。

 

「はっ!」

 

 すぐに真横に着き、槍で目玉を突く。

 

 悲鳴を上げ、タゲが俺に変わり、すぐに応戦するが、爆弾魚の指示が多い。

 

「クライン、プレミアは俺と共に爆弾魚の除去。テイルのサポートをする」

 

「了解!」

 

「分かりました」

 

 攻撃を加え爆発させる音の中、的確にオクタイールのゲージを削る。

 

「ゲージはっ!?」

 

「あと一本半っ」

 

 その時、真正面から突進してくるオクタイール。すぐにグラニを操るが、

 

「! 爆弾来ますっ」

 

「!?」

 

 指示が遅れ、側で爆発する魚。

 

 それに驚き、グラニの操作を誤った。

 

(まずい)

 

 そう感じながら、この場合どうするかすぐに切り替えた。

 

 グラニだけを攻撃から抜け出させ、俺は飛ぶ。

 

「テイルっ!?」

 

 持っていたロープを取り出し、すぐにそれをオクタイールに引っ掛ける。

 

 そのまま目玉の側に来て、短剣を取り出す。

 

「こうなればッ」

 

 水中に入りながら俺を振りほどこうとするオクタイール。

 

 だが水中だろうがなんだろうが、しがみついて斬り続けるのは何度もした。

 

 そのまま攻撃し続け、キリトが、

 

「激突するぞッ」

 

 それにすぐに離れ、水中に落とされ、岩に激突するオクタイール。

 

「射撃隊っ」

 

 すぐにシノンが用意していた射撃が一斉に放たれ、リーバルの矢が穿つ。

 

 その瞬間、悲鳴を響かせ、ゲージが消し飛び、ポリゴンへと変わり消え去った。

 

「助かった」

 

 同時に爆弾魚も消え、水中に浮いていると、グラニに近づいて、俺はほっとした。

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

 こうして領主の下に呼ばれる。都は賑やかな雰囲気で、クエストは成功したようだ。

 

「旅の方。怪物の撃退、見事です。これをどうかお納めくださいな」

 

「これは、聖石っ!? ここはプレミアのイベント場所だったのか」

 

 そう言うキリト、プレミアは祈りを捧げながら、石は光、側に。

 

「やはりあなたは《聖大樹の巫女》様でしたか。ならばこれは貴方の物です」

 

「ありがとうございます」

 

 祝いの席を用意されながら、みんながクエストクリアの表示に喜び、報酬も出た。

 

 だが俺はある意味、一抹の不安だけは残るが………

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

 他のメンバーもここまで運んでもらえるらしい、クエストクリアしたキャラとパーティーを組んだ者ならば、ここまで運んでもらえるらしい。

 

 アルゴはその情報に喜びながら、イベントボスだがおそらくこの様子では一度だけだろう。

 

 そんな中、俺は町を見て守っていると、

 

「あの」

 

「ミファーさん」

 

 その時、あの可憐な少女が現れ、ゆっくりと近づく。

 

「怪物退治、ありがとうございます。おかげで都は救われました」

 

「俺だけじゃない、貴方たちの力もあったから」

 

「そうですね、リーバルたちには感謝しなければ」

 

「あの場にはあなたもいましたよね?」

 

 それに驚く中、少しだけ目線を泳がせる。

 

「………どうしてお分かりに」

 

「騎馬の人が持つ槍、あなたのだけ特別性ですから」

 

 それにああと納得されるが、実際『彼女』が用いた槍だから。

 

 なにより、

 

「民の為に生贄の道を選んだ者が、大人しく待つとは思えない……」

 

 それに驚きながら、僅かに口を両手で多い驚いていた。

 

「凄いですね、まるで絵本の中の勇者様のようでした……」

 

 それに、その言葉は、嫌になる。

 

 その言葉だけは俺は背負いたくないと願い、懇願し、否定した言葉。

 

 その重みが一気に伸し掛かる。

 

「………俺は勇者になんてなるつもりはない」

 

 鉛のような重み、黒い感情がまとわりつく。

 

 勇者なんて、勇気なんて俺にはない。

 

 やめてくれ、なりたくない、俺はそんなもの背負いたくないんだ。

 

「だが」

 

 だけど、

 

「仲間くらいは守る、それだけできればいい」

 

 それだけは背負う。それくらいは背負ってみせるさ………

 

 聞きながら、ミファーは、

 

「それでも、あなたは………」

 

 だが途中で言葉を飲み込み、静かに微笑む。

 

 その頬が少し赤い気がしたが、気のせいだろう。

 

 いくら人間でも、似ている以上、彼女は勇者に恋していてほしい。

 

「これを」

 

 彼女はそう言い、腕につけていた飾りを渡して来る。

 

「これはこの都に深く関わる者しかつけないもの。なにかあれば我々が貴方たちの力になります」

 

「いいのか」

 

「私は替えの物を付ければいいだけですから」

 

 そう言われ、俺は両手にそれを装備する。一応話はつけるが俺が装備していいか聞かないと。

 

 能力はいいが、アタッカーばっかだからな。他にも付けた方がいい奴いっぱいいるよこれ。性能良すぎる。

 

 そんな会話をして、彼女たちと別れた。

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

 俺は勇者にはならない。

 

(俺はテイル、彼、先生じゃない)

 

 だけど………

 

 だからと言って、仲間を守ることに関しては、負ける気もない。

 

 そう心の中で思いながら、都にやってきた仲間たちの下に出向く………




必死に考えて、こいつしかいなかった。水中戦専用アイテム多い。

ソードアートオンラインは、自分が考えるよりも難しく、凄い場所だった。考え無しにユウキ救う話作ろうってのは甘かった。

そんな弱気ですが、多くの人が読んでくれてると思うと嬉しいです。この調子で頑張ります。

それでは、お読みいただき、ありがとうございます。
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