ソードアート・レジェンド   作:にゃはっふー

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第25話・ガンファイトレース

 スタートまで待つは、蒼いコートを翻すガンマン。

 

「なんか色々な人がボクらを見てるね」

 

「幸運のニュービーだからな」

 

 この噂だけは先行して先に進む中、ユウキと共に、

 

「勝つか」

 

「うんっ」

 

 こうしてレースが始まった。

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

 レースが始まる前、転移でランダムにビークル、乗り物の取り合いのステージが決まる。

 

 俺たちは幸運にも街並みの中であり、すぐに事前に話した通りに動く。

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

「レースが始まったのに、まだ誰もレースコースに入らないな」

 

「その前にまだ銃撃が可能です。ですので、有力なレーサーをビークルを手に入れる前に潰す作戦の方もいるのでしょう」

 

「そうね~、このレースはかなり過激らしいから、レース前は百組ほどいても、レースが始まるときには半分以下にもなってることがあるわ」

 

 そんな中、一番先にマシンに乗り、動き出す選手が続出し、レースコースに入り中、彼らも動き出す。

 

「マスターですっ」

 

「乗り物は、バイクね」

 

「あれは」

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

「よし、配置に着いたか」

 

「考えることは一緒でしたね」

 

 レース開始時、すでに銃撃戦が始まった。理由は狙撃ポイントの奪取。

 

 自分たちのスコードロンのチームを勝たせるため、あえてマシンに乗らず、狙撃に専念するチームもいた。

 

「ここから狙撃する、いまから来る選手は」

 

 マシンに乗った選手はナビにより映るため、すぐに確認する。

 

「幸運のニュービーです」

 

「新人か、悪いが、奴の幸運も今日までだ」

 

 そう言いスナイパースコープで相手のマシンを見る。

 

「あれは、高速バイクっ!? やはり素人か」

 

 高速バイクは文字通り、バイク型の中でトップレベルの速さを誇るが、耐久力が全くない。

 

 このレースは攻撃も可、そんな貧相なマシンではすぐにクラッシュする。

 

「マシンを狙いますか?」

 

「ああ、いや、せっかくだ。選手を狙うぞ」

 

 数分間、こちらの銃口の前を走るマシン。

 

 真正面から狙撃を避けるのは、

 

「あのスピードだ、気付いたころには終わる」

 

 そう彼らは思っていた(・・・・・・・・)

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

「そろそろ狙撃が来る、くっついてろ」

 

「うんっ」

 

 ユウキが後ろで張り付く中、静かにスピードを上げ、バイクがうなる。

 

(車輪があるバイク、高速で運用するテクニック)

 

 現実でもバイクに乗る。そして、

 

(あの世界でもな)

 

 そう思いながら、狙撃の気配を感じた。

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

 ハンドルとスピード、ブレーキを操り、身体とマシンをずらして、狙撃を躱す。

 

「……はあ?」

 

「狙撃に気づかれたっ!?」

 

「予測線で見切られたのかっ!?!」

 

「狙撃だぞっ、撃て撃て撃て撃てえぇぇぇぇぇぇ」

 

 狙撃にて今度は赤い狙撃線が無数彼らを捕らえるが、弾丸が放たれる瞬間、全て見切られたかのように避けられる。

 

「あのスピードでどうしてクラッシュしないッ!」

 

 バイクが一瞬後ろ向きに走行するようなテクニックを披露する中、彼らの狙撃ポイントは走り抜けた。

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

「ちっ、なにしてるんだか!」

 

「こうなれば後ろからやっちまえっ」

 

 彼らのチームの乗り手が後ろから迫る中、それに彼らは驚く。

 

「はあ?」

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

「よっと」

 

 ユウキはバイクの上(・・・・・)に立ち、静かに微笑む。

 

 光剣を光らせ、静かに、

 

「いつでもいいよっ」

 

「ああ」

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

「射撃可のレースで光剣だとっ、ふざける」

 

 瞬間、スピードを一気に落とし、急接近するバイク。

 

「なっ……」

 

 回転するようにバイクがうなり、その上で平然としているユウキ。

 

「ハッ!」

 

 ユウキの斬撃を受け、一組がリタイアする。側にいた選手もそれに驚き、すぐに射撃するが、巧みにかわされ、斬られる。

 

「乗り心地は」

 

「問題無し♪ 空飛んでるときと同じだよテイル」

 

「なら次は前だ」

 

「OKっ」

 

 テイルに捕まりながら、バイクと言う足場のみで剣を振るう《絶剣》は、即座に近づく敵選手を切り裂く。

 

「くっそ、なんだあのチームっ!」

 

「まずいっ、スピードの出はあっちが上だぞ!??」

 

 それだけでなく、その高スピードの中、アサルトを取り出し、的確に射撃するテイル。

 

 その様子に選手たちは絶叫した。

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

「そんな、ことって」

 

「あらあら……」

 

 デイジーとツェリスカは驚き、

 

「………」

 

「凄いです、マスターとユウキ」

 

 クレハとヒカリもまた、驚きを隠せない。

 

「《絶剣》と《蒼炎》のコンビか、そりゃ絶叫もんだろうな」

 

「キリトくんっ」

 

「あっ」

 

「そうえん……、それってサラマンダーの剣士で、噂じゃALO最強の剣士の名前っ。えっ、テイルが……」

 

 キリトはあーと、仲間たち、クラインたちは首をかしげた。

 

「クレハちゃんたちは知らなかったのか?」

 

「いやけど、テイルなら」

 

「知り合いでも秘密なことは秘密にしてそうですもんね」

 

「………納得しました」

 

 クレハはそういう中、剣士を乗せ、騎馬を操る剣士を睨む。

 

「………彼奴が………」

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

「くそこのままじゃっ」

 

「ニュービーにやられてたまるかっ、あれ使えあれっ」

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

「……キリトがミスった気がする」

 

「えっ、キリトはいま関係なくない?」

 

 少し俺をまたぐ形でユウキがバイクの上に立つ。

 

 その時、爆発音が響き、前の方を見ると、爆破で前の建物が倒壊する。

 

「って、まずいよっ」

 

「ユウキ前に来い」

 

「えっ」

 

「早く」

 

 前の方に座り込むユウキ。すぐに抱きしめ、身をかがめてスピードを上げる。

 

「って、いくらなんでも」

 

「すぅ……」

 

 そのまま隙間へと滑り込むように車体を傾け、UFGを前の道路、安全圏へと放つ。

 

 隙間をすり抜ける中、絶叫するユウキ。

 

 身体を起こすのはUFGと片腕でどうにか戻させ、無理矢理突破した。

 

「ふう」

 

「………」

 

「どうした?」

 

「い、いや、にゃんでもない……」

 

 少し頬を赤くするユウキ、すぐに後ろへと戻る。

 

 少し怖かったのかな?

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

 高スピードで走り、トップの位置を確認する。

 

 しばらくすればまた狙撃ポイント、トップとの差を確認して、

 

「スイッチ」

 

「うんっ」

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

「あれは」

 

「ユウキと運転を入れ替えたっ!?」

 

「ゆ、ユウキバイク運転できるのっ」

 

 アスナが青ざめるが、喜々としてハンドルを握る。

 

 キリトはコースを確認すると、

 

「ここからはほぼ直進だ。他の妨害選手は狙撃者だけ」

 

「それにスピードも落として、ユウキでも走行可能状態にしたってわけね」

 

「スナイパーライフルを持ちますっ」

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

「落ち着けっ、相手は初めてから間の無い素人。走行中のバイクの上から正確に狙撃なんて不可能だっ」

 

 そう言って、立ち上がるスナイパーは、

 

「っ!?」

 

 瞬間、クリティカルヒットし、その場でポリゴンになった。

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

「一」

 

 ユウキの運転は良いとは言えない。

 

 かすかに揺れ、安定しない走り。だがそれがどうした?

 

 構わず撃てばいいだけだろう。

 

「二、三、四五六七八」

 

 脈拍も安定してるし、こういうことには慣れている。

 

 連射、速射、瞬殺の繰り返し。

 

 どんな状況下でも的確に敵を射貫く。

 

 それはスナイパーライフルでも同じだった。

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

「………は?」

 

 シノンは驚愕し、仲間たちも驚いていた。

 

 狙い澄まして撃つのはいい、できるだろう。だがそれを速射による連射に驚く。

 

 キリトはここで彼の悪いところを思い出す。

 

 それは本人は進んで役を買って出ず、頼まれたことしかしないこと。

 

 タンクならタンクしかしない。それ以上のことが可能であろうとしないのだ。

 

「相変わらず、引き出しが多いな」

 

 キリトの言葉に、狙撃者をだいぶ撃ち終える。

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

「前見えてきたよっ」

 

「このままカーブは曲がれるが? まだ数人スナイパーいる」

 

「だいじょうぶっ」

 

「ならいい」

 

 スピードでカーブを曲がる中、ユウキは一瞬判断ミスした。

 

「ぶつかるッ」

 

 その瞬間、スローモーションに入る。ここでするべきことは、

 

「ふんッ」

 

 そう言われたので彼は激突しかかった壁を蹴り飛ばし、それと同時に狙撃した。

 

「うそっ!!?」

 

「撃破」

 

 バランスも崩さず、狙撃を淡々とこなす男。

 

 時々UFGでカバーしつつ、滅茶苦茶な走行をしていた。

 

「……! 後ろから来る」

 

「って、うえっ!?」

 

 ユウキに覆いかぶさるように、バイクのハンドルをユウキの手ごと握りしめて、バイクを運転し出す。

 

 すぐにバイクが激突しようと接近してきて、車体が浮く。

 

 山なりのコースに、空中の滞空時間、相手のバイクを蹴り飛ばし、手を伸ばす選手を蹴り飛ばして、車体を着地させた。

 

「すごっ、凄すぎないテイルっ!?」

 

「………やれるから」

 

「練習してもやれないよっ」

 

 エンジンを鳴らし、スピードを上げた。

 

「と、そろそろ作戦やらないと」

 

「うんっ」

 

 トップスピードを維持するために、選んだ作戦。

 

 それをしながら先に進む。

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

「なかなかやるのう若者よ」

 

「ここからはスピード勝負か」

 

 老人のようにアバターの男女が側に、別に車を走らせるプレイヤーが一人。

 

 少なくても彼らの攻撃は避けられる、その隙を付ける自信はある。

 

「アタシら《シルバーファング》に勝てるかね」

 

「ワシには勝利の女神が乗っておるぞ」

 

「それはこちらも同じだ」

 

「にゃっ」

 

 そう言い合い、ただのスピードバトルに入る。

 

「て、てい」

 

「このまま姿勢低く」

 

 耳元で言い、そのまま真っ直ぐ、ただまっすぐ走る。

 

 ゴールに並ぶビークルたち、先にゴールラインを超えたのは………

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

 バイクを止め、モニターを見る。

 

 高速バイクを選んで正解だった。

 

「勝った」

 

 会場が拍手喝さいが鳴り響き、テイルは気にせず、頬をかく。

 

 そう静かにしていると、老人アバターの二人組が近づいてくる。

 

「負けたか……」

 

「お前さんら、初っ端からハイスピードじゃったろ、燃料はどうしたんだい?」

 

「他のバイクから燃料だけ頂戴して、走行途中で補充した」

 

「ほう」

 

 感心されながら、ユウキはと、

 

「? どうした」

 

「………テイルのバカ」

 

 顔が真っ赤で、そう言われ、よくわからないがご機嫌斜め。《シルバーファング》の二人に苦笑され、ヒカリ、レインから苦情を言い渡された。

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

「はははっ、彼はやっぱりすごいなっ」

 

「楽しそうですね」

 

「ああっ、ほんと。こんな気持ち久しぶりだよ」

 

 イツキはモニター録画した映像で、テイルの映像を見る。

 

 安定しない位置からの狙撃、ハイスピードによる激突を、蹴りで回避。

 

 走行しながらの燃料補給に、バイクの走行技術に体術。

 

 それを見ながら、久しぶりに面白いとはしゃいでいた。

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

「まさか優勝するなんて」

 

「おめでとうございます」

 

「ツェリスカ、デイジー。ありがと」

 

「それで、本当に光剣でよかったのかしら」

 

「ああ、ステータスも振り分けて、装備する準備もできてる。しばらくしたらちゃんと活用する」

 

「すぐに装備できなくて残念だよ」

 

 ユウキは呟き、キリトがそわそわしていた。

 

「使わせてなんて言わないように」

 

「い、言わないよ。さすがに」

 

 そんな会話の中、光剣を確保して、アイテムボックスに置く。

 

 ともかく後はこのまま、パーツ集めとステージ解放だけになる。




速射、連射、後は力技。

引き出しの多い男であり、なぜかヒカリとレインに怒られるのは、映像で音声も拾われています。

それでは、お読みいただきありがとうございます。
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