キリト「狙撃銃持ちながらなら彼じゃなくても逃げるよっ」
ここ最近シノンの視線が痛い中です。
砂に覆われた孤島と言うフィールド攻略中。
「そう言えばユイちゃん」
「もぐもぐ、はい? なんでしょうか」
ユイちゃんと散歩している最中、俺はある疑問に行きついた。
カフェでケーキを幸せそうに食べているユイちゃんに尋ねるのは、
「ここもカーディナルによって、あれこれクエストができたりするのか?」
「あっ、はい。そうですね……。確かに、ここはALOなどと違い、カーディナルのシステムは違います。ですがシステムの中身は同じなので、プログラマーさんが確認をしますが、カーディナルが自動的にネットと繋がり、クエストなどを見つけますね」
そう言い、また幸せそうにケーキを食べ始め、俺は考え込む。
機械があると言うことは、奴らがいるのではないか?
そう思っていた。そう、俺の勘が囁く。
奴らがいるのではないかと思い、アルゴの元に出向いた。
◇◆◇◆◇
「キリト、アスナ。こんにちはです」
「こんにちは~」
「二人とも、いらっしゃい」
クレハとヒカリが現れ、キリトは首をかしげた。
「あれ? 彼は?」
「なにか思いつめた顔で、呼ばれている気がするから、ソロで狩りに出かけるとわけがわからないことを言っていたのです」
「すまない、本当によく分からないんだが………」
ヒカリの言葉に困惑しつつ、クレハも訳が分からないと文句を言って、今頃なにをしているか、首をかしげていた。
「少し心配ね、この前の大会でだいぶ目立ってたし、狙うスコードロンも増えると思うし」
「ですけど、いまステータスを整理して、剣と銃を装備してます」
「彼が剣か。なら心配ないな」
「………キリトさんたちは、彼奴のこと信用してるんですね」
クレハが少し思いつめたように呟くと、気付いたのはアスナだけで、キリトはそのまま、
「ああ、剣の腕は俺とユウキ。もしかしたらそれ以上かな? それであんな速射や連射できる腕前を持つなんてな」
「私もびっくりだよ」
「そう……なんですね」
クレハは少し思いつめたように呟きながら、荒野の空を見つめだす。
◇◆◇◆◇
「ひゃっはあああああああああああああああああああッ」
ピンチです。
マシンガンを放つ集団に出くわして、岩壁を背に、騒いでるのを耳にする。
「彼奴だぜっ、あのマシンガンアファシスの所有者はッ」
彼奴は確かにアサルトライフル系を持たせているが、ここ最近妙に弾薬の減りが早くて困る。
だが彼らは、
「狙いはウチのアファシスか」
「悪いがここで討ち取りッ、あのマシンガンアファシスは俺たち《全日本マシンガン」
その瞬間、爆発する音が鳴り響き、悲鳴が響き、なんだと思い顔を出す。
それはいた。
「………やあガーディアン」
そこには全日本マシンガンなんたらの人たちを焼き払った、前代未聞のエネミーとして有名な、長年狩り続けた相手がいた。
さあ、
「素材置いてけ………」
楽しみだすため、いざ行こう。
スナイパーライフルがレーザーが放たれる前に、速射で目を撃ち抜く。
レーザー攻撃に加え、蜘蛛のような動きで自在に動き周り、大勢いて攻撃力は高い。
ここは危険地帯として有名で、その姿形からあり得ると思ったが、まさにいた。
小型、大型、奴らガーディアンに、俺はフィールドに向かっていく。
その日からしばらく足蹴無く通い、ヒカリが自分も連れて行くように言い始めるまで、楽しんでいた。
◇◆◇◆◇
「マスターは楽しいことをしているに違いないですっ、わたしも連れて行ってください!!」
「だから違うって、ソロで狩りだよ。まあ、ヒカリを連れて行かなかったのは悪かったよ」
頭をなでなでされ嬉しそうにしているが、そう言えばと、
「マスターはどういったエネミーを狩っていたのです?」
「………確認はしてないな」
アイテムストレージから色々確認して、色々あることを確認しながら、次は別のフィールドに出られるように準備か。
しかし確認しつつ、少し羽目を外しすぎたなと思った。
ガーディアン、彼らから《古代のコア》を手に入れる日々の懐かしさにおかしなテンションになったのは反省だな。
後でキリトにスコードロンとかにも目を付けられ始めたことを伝えないといけない。
「そう言えばヒカリ」
「なんですマスター?」
「ステータスを上げるが、なにか持ちたい武器はあるか」
「マシンガンを二丁同時持ちして撃ってみたいです」
「なんでだ」
◇◆◇◆◇
新たなフィールドへ行くため、情報集めに翻弄する日々、それでも休まないといけない。
「ねえねえテイル~、デュエルしようよデュエル。光剣使えるんだから、実体剣がどうなのか知りたいからさ」
「マスターっ、アサルトライフル二丁持てるようになりましたっ。ぜひ弾丸が無くなるまで撃ってみたいです!!」
「まずユウキ、デュエルは疲れるからやりたくない。君絶対本気モードでやらない限り納得しないから。ヒカリ、なぜ攻略では無く撃つこと限定なの? 弾代が最近多いんだけど」
二人にそう言うが、えぇ~と言う様子に、アスナたちは苦笑する。
「モテモテですね、テイルさん」
「そうね、ユウキとテイルの剣技試合か。少し気になるな」
「クレハだってそう言うんだからさあ」
「キリトが目を輝かせているからやだ」
「な、なんで俺が参加しちゃいけないんだっ」
「キリトくん………」
そんな時、ダダダッと言う音と共に、クラインが現れた。
「テイルいるかっ」
「ん、ああいるが」
「おおテイル心の友よっ、いま暇か」
「暇でいま子供たちから遊びのさいそくされているが」
「ならそれを断って、男の一生の頼みを聞いてくれっ」
「クライン、なにか緊急なの?」
「おお緊急の緊急よっ」
それにヒカリとユウキが腕から離れ、キリトも真剣な顔になり、
「なにか緊急クエストか?」
「おおキリの字っ、お前ぇさんも手ぇ貸してくれっ。男だけのクエストなんだよ!」
「それは限定的なクエストね………」
「ともかく早く来てくれっ」
そう言われ、キリトと目を合わせ頷き、クラインについて行って………
後悔した。
◇◆◇◆◇
「それでオアシスエリアに来たが」
「テイルはスナイパーライフルで、なにさせたいんだ?」
「全く店があるって言うのによお」
三者三様、エギルまでいる中、クラインはへへっと嬉しそうだった。
「実はよ、これはある筋からの情報なんだが、男だけのパーティーしか起きないイベントで、砂漠の射撃らしいんだ」
「ふむふむ」
キリトが腕を組みながら聞き、俺はスナイパーライフルを確認している。
「どうも、かなり強い、ロボットエネミーで、その実、普通に倒すだけじゃだめなんだよ」
「条件付きか、それはどんな条件だ」
「どうも、目玉、レーザーが発射されるところをピンポイントで攻撃で倒す以外で倒すと、ポリゴン化せず、その場に倒れて、しばらくしたらHPが回復する。ってのを繰り返す」
「目玉か、最近狙いまくったから可能だ」
「へへっ、どんな理由かは知らねえがさすがだぜ。んで、そのエネミーを倒すと」
「倒すと」
「アファシスが手に入るって噂よっ!!」
「「「帰らせてもらう」」」
俺とキリトたちの声が重なり合って、お互い来た道を戻ろうとしたが、すぐさまクラインが服を掴む。
「まっ、ちょ、待ってくれよっ」
「クライン、君は彼にアファシス入手クエを手伝わせる気か?」
「んなことがバレたらヒカリが泣くどころの騒ぎじゃねえのは俺でも分かる」
「ああ、いいかクライン。信用ってのは、金に替えられない大事なもんだぞ」
「んなこと言ったって、オレだってオレだけのかわい子ちゃんが欲しいんだッ!!」
悲痛な叫び声に、僅かに沈黙が流れ、またあきれ果てた。
だがリスクが大きい。
狙えるは、クラインとキリト、エギルがタゲを取ってくれれば可能だろう。
だが現実問題成功した場合が、俺が、ヒカリ以外のアファシスを手に入れようとしたことがバレたら、
「マスター……わたしを捨てるんですか………」
「テイル、最低」
「しばらく見ない間にそんな」
ヒカリは泣きそうな顔、ユウキは見たことのないほど無感情、クレハは素になりリアクション。
「キリトくん、少し向こうでお話ししようか」
「お兄ちゃん、しばらくご飯作らないから」
「キリトさん………」
「やっていいことと悪いことがあるわよね」
「これだから男って」
ってなこと。幻聴のように怒られるビジョンがキリトの頭の中で流れる。
「ダメだっ、絶対にダメだテイル」
「俺も命は惜しい」
「男の友情をッ、オレの春の為にもッ」
「男の友情より女の恐怖の勝ちだ」
「じゃあなクライン、今回は縁が無かったんだ」
「そう言うことだ、あき……、なんだ?」
こうして帰ろうとしたとき、ゴゴゴゴゴっと言う音と共に、全員が身構えた。
砂漠と水の間に、巨大な機械が蜘蛛のように這い出て、その背には、
「人が入りそうなポット?」
「!? テイルあれはっ」
「ああ、ヒカリがいたポットに似てる。だからそんな噂か流れているのか?」
目玉みたいに紅い光が輝き、レーザーのようにラインが向けられる。
それだけでなく、ガトリング銃のようなものもうなり出し、かなり銃撃戦が必須の状況。
「おいッ」
「なんか明らかに大型パーティー用のが出てきちゃったじゃねえかッ」
エギル、キリトの文句も頷けるほどの、そんなエネミーに、クラインは笑顔だった。
「ははっ、クエストは始まったぜ。キリの字、ゲーマーとしてクエスト失敗は嫌だろ」
「ぐっ」
「テイル、スナイパーとしてサポート頼むぜ」
「覚えていろ」
キリトが光剣を構え、すぐにその場から速射しながら離れる。
「キリの字っ、なにがあっても攻撃すんなよっ」
「分かってるッ。くそっ」
戦闘よりこの後が怖い中、俺たちの戦闘が始まった。
◇◆◇◆◇
クラインたちは文字通り壁になりながら、どうにか勝てた。
ジュウウゥゥゥ………と言う音と共に、倒れ、巨大なポットがこぼれた。それ以外がポリゴンになる。
「やったのか?」
「テイルの速射と連射に助けられたな。目玉からレーザーって話だが、命中するとひるむし、ダウンもする。そのおかげで助かったが」
「回復アイテムが割に合うか」
「合うかよっ、クライン! この借りは大きいからなっ」
「へへっ、分かってるって。んじゃま、ポットの中身を見ようぜ」
弾代もかなり減り、クライン以外は念のためにポットから距離を取る。
「なあ、もしもだ。もしも狙撃手に、なんらかのポイントが入ってたら」
「実質テイルしか攻撃してないから、そりゃ」
もしも条件を満たしたプレイヤーがマスター認定されるのなら、それは、
「………俺がなにをしたんだ。違うんだユウキヒカリクレハ。あれ、レインもなんでいるの」
「落ち着けっ、希望を持つんだテイル!」
「アスナ俺はそんなつもりじゃないんだッ!!」
俺たちが絶望に落ちていると、
「うおおぉぉぉぉぉぉぉ」
叫び声を上げるクライン。それに全員が首を捻って、様子を見る。
「クライン、どうした」
「どうしたもこうしたもっ、絶世の美女ってのはこのことかよッ!?」
「? アファシスじゃない?」
そしてポットの中身を見てみると、
「ブッ」
「おまっ、これって」
「水着グラビアの本……しかも大量?」
「すげえぜ………、絶世の美女の記録を守るって話だったからアファシスだと思ったが、実際は昔の水着のカタログだ。しかも映像付きのもあるぜッ」
ハイテンションで見ているクライン。その様子に、
「………なんだこれ」
「なんか、どっと疲れた」
「まあなんだ……絶世の美女は合ってるってことなんだろうが………」
「うっおおぉぉぉぉ、この子物凄く好みだぜっ。人間か?」
「アンドロイドです」
その時、俺とキリトだけ世界が止まった気がした。
ここにいないはずの、俺の大切なアファシスの声が響いた気がしたのだ。
「キリト、俺はいま振り返りたくない」
「ききき、きぐ、奇遇だな。俺もいま振り返りたくない」
「二人とも、現実を見るんだ」
静かに振り返ると、無感情な顔でこちらを見るユウキが目に入る。
土下座した。
クレハとヒカリもしっかり入る中、俺はすぐさま土下座。
する瞬間、シリカが悲しそうな顔をしてキリトを見て、リーファ、リズ、シノンもいる。
もちろん………
「キリトくん………、こんなクエストに物凄くお熱だね?」
「違うんだアスナこれはクラインに騙されて」
「騙されて、アンドロイドの水着カタログなんか取りに出たの? そうなの」
「心ッ配して来てみたらっ、まさかしばらく会わないうちに、こんな………」
「最低です二人とも」
「二人とも………そんな」
「これだから男って、テイルもキリトたちに感化され過ぎよっ」
「同感ね」
「マスター、マスターは女の人の水着写真が欲しいんですか?」
そしてチャカと、安全装置が外れる音が聞こえた。
「待て、いま俺たちパーティーだろ?」
「いまは違うよキリトくん………」
「キリト、潔く散ろう」
「君も諦めないでくれっ、エギルっ、なんでお前だけそこに」
「いやすまない」
エギルだけ安全な場所にいて、ユウキが光剣を持ってじりじり近づく。
ヒカリはアサルトライフル高速弾を構え、クレハが、
「大丈夫、レイちゃんドロップしたらすぐ返すから」
「ああ、そのいかがわしいアイテムは全部捨てるから安心して」
「ちょっ、待ってくれ!! これは俺たちが汗の涙で手に入れた大事な」
「黙れクラインッ」
「リーファ、アスナ待ってくれっ。リズ、シノンも、わざわざラインを出して狙わないで。シリカ頼む話を」
「それじゃ、先にグロッケンに帰っていてね。すぐに帰るから」
「テイル、ボクいっぱい話したいことがあるんだ」
「マスターっ、ばりばり撃ちますね!」
「覚悟は良い」
「「良くないっ」」
だが銃声が鳴り響き、逃げ出すこともできる。だができない。
テイルはここで初めて、GGOのフィールドに倒れた。
ヒカリはドロップしなかった。そのかわりに今回の報酬は全て捨てられたため、実質なにも得られず、男衆だけでこのフィールドを攻略することになったのであった………
クレハ「さてと、テイルはなにドロップしたのかしら?」
ヒカリ「ネジです」
ユウキ「なんでネジなんだろう?」
アスナ「レイちゃん、このゴミを壊したいから手伝って」
エギル「帰ったら酷いことになるなこりゃ………」
お読みいただき、ありがとうございます。