ソードアート・レジェンド   作:にゃはっふー

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シノンと一緒にクエストするテイル。

ただその場所は、つい習慣のように狩っていたガーディアンエネミーがいる場所の先でした。

それではどうぞ。


第29話・シノンと共に

「少し無謀だったかしら」

 

「さあ?」

 

 所々に出て来るエネミーを狙撃、または斬り倒して、先に進む。

 

 シノンが一人、クエストを受けに出向こうとしていたため、共に同行する。

 

 そう言えばここではあのガーディアンっぽいエネミーが出るので満足していたが、この先は確認していない。

 

 シノンがクエストを受ける理由は一つ、強力な狙撃銃をドロップするエネミーがこの先に出るらしい。

 

 だが、

 

「どんなクエストなのかしら?」

 

 そう、まだ情報が少ないクエストのため、どんな内容か分からない。それが不安でならない。

 

 ガーディアンが周りに出るエリアのダンジョンかクエスト。

 

 嫌な予感がひしひしする。

 

「………」

 

 そう思っていたが、当たりだった。

 

 まさか貯水湖のように、巨大な水が張られた場所、周りは岩壁に囲まれた場所があった。

 

 そしてその真ん中、大量の水に囲まれたそこに………

 

『パワオオオオ』

 

 うなり声を上げる、巨大な像の機械がそこにいた。

 

 左右から滝のように水を流し、鼻からも水を流し続けるそれは象。

 

 あまりにもでかすぎて、建物のように見える動くダンジョン。

 

 少なくても俺にはそう見えた。

 

「これは、討伐かしら? おそらく受理するタイプじゃないと思うけど、あんなバカでかいエネミーを倒せるとは思えない」

 

「………ともかく周りを確認しよう」

 

 俺は水の神獣『ヴァ・ルッタ』を見下ろしながらそう言った。

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

「まず鼻以外から、計四か所から水が噴き出していて、近づくには泳ぐか」

 

「無理よ。水の中じゃ、浸かり続けるとHPが減る。かなり深いと思うから、その前に持たない。乗り物は」

 

「少し待ってくれ」

 

 彼は狙撃銃のスコープを取り出して、下りられそうな岸を見つけながら、その側に何かないか、見てみると、

 

「モーターボートがある。ただ下りるのには時間がかかるのと速い方、どっちがいい?」

 

 その質問にはすぐに分からないが、速い方がいいためそちらを選ぶ。

 

 少しだけ後で後悔するが………

 

 まず下りられる岸の崖上に移動して、ロープを取り出す。

 

「シノン抱き着け」

 

「………あなた、やっぱりキリトやクラインみたいに」

 

「いやここから下りる。俺一人ならな」

 

 そう言えば、彼はこういうのが得意だった。現実でなにしてるのかしら?

 

 つまり崖を無理矢理下りる彼にしがみつき、私も下りるのね。

 

 少し数名の仲間の顔が過るが、彼はこういうことでイベントをスキップしている。

 

 まだ出回っていない情報だが、時間がかかるほど、他の、それも大手のスコードロンがこのクエスト攻略に乗り出すだろう。

 

 それを考え、彼女らには悪いが彼に抱き着き、ロープで身体を固定する。

 

「下りるぞ」

 

「ええ」

 

 固定する際、向かい合うようにしたのは、

 

「シノン、もしもサーチみたいな光が向けられたら教えてくれ、すぐに安全地帯に移動する」

 

「分かったわ」

 

 象の目が時々、赤いライトのように崖を照らす。あれがもし索敵なら、触れるべきでは無い。

 

 最初抱き合う状態にしてロープで固定して、彼はすぐに下り始めた。

 

 苔らしきものが見えたりにするが、彼は楽々と下りて行き、

 

「そのまま、右からサーチ。少し待って」

 

 指示をしながら、じょじょに下りて行き、下の岸に下りて、ロープを外す。

 

 草陰などを使いながら、水辺付近を確認すると、

 

「同じような乗り物があるな」

 

「水が噴き出しているせいで、象がどんなものか分からないわね。さすがにエネミー? にしては大きすぎるわ」

 

「………水が噴き出しているところに石みたいなものがある」

 

「? そうね」

 

 紫色に光る石。そこから絶えず水は流れ出る。

 

「あそこを射撃で壊せれば、水の噴射が止まれば、少なくても象の全貌が分かるはず」

 

 彼は険しい顔でそう言いながら、それに納得して、静かに、

 

「なら私が狙撃するから、運転お願いできるかしら?」

 

「ああ、ビークルはこの前の大会で一通り操作したからできる。了解」

 

 そして見つからないように進もうとしたら、

 

「なにあれ」

 

「っ!?」

 

 崖の上、そこから数人のプレイヤーが現れた。

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

「居たぞっ」

 

「情報通り物凄いでかいエネミーらしい奴だ!!」

 

「我らマシンガンの餌食にするにはもってこいの相手」

 

「皆の衆、さあ」

 

「撃て撃て撃て撃て撃ってえええええええええっ」

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

 

 彼らは私たちの努力を無駄にするように一斉にマシンガンを放つ。当たる当たらない考えずに。

 

 妨害も考えたが、彼らの射撃に、場の雰囲気が一気に変わった。

 

 象が怒るように鼻から水を出すのを止め、辺りにアラームのように光が照らされる。

 

「まずい俺たちも見つかった」

 

 それに反応するように、氷のようなものが作り出される。

 

 氷のブロックやトゲ付きの鉄球がマシンガンバカへと降り注ぐ中、

 

「まずい」

 

「急ぐわよっ」

 

 急いでボートに乗り込み、それに湖の上を走り出す。

 

 彼が《アンチマテリアル・ライフル》を取り出し、速射することによりいくつか破壊する中、私はそれを片手でしたのに驚く。

 

 両手持ち必須のそれを取り出した拍子にやり遂げた彼のプレイヤースキルに驚く中、それでもやることは変わらない。

 

「このまま狙撃するわ」

 

「ああ」

 

 ここで時間は掛けられない。一周の間に全て私が狙撃しなければいけない。

 

 氷ブロックの隙間を狙い澄まして、撃つ。

 

「スゥ」

 

 一撃当たると、大ダメージのように象がうなる。

 

 どうやらこれがここの攻略方法らしい。

 

「スゥ………」

 

 鼻はどうやら対象外。なら四か所の水が噴き出す場所を撃てばいい。

 

 冷静に、彼の運転の中安心して、撃つ。

 

 そして全て撃ち抜くと、

 

『ブオオオオオ………』

 

 象が僅かに沈み、侵入口のような場所が見えた。

 

 彼はすぐさまそこへと向かい、私たちは象へと侵入する。

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

 象はあり得ないほど大きかったけど、まさかダンジョンだった。

 

 とはいえダンジョンだ、なにが起こるか分からない。

 

 私たちの目の前、物陰に隠れながら、奥へと進む。

 

「戦闘が始まったら俺が囮をするから、シノンは狙撃を」

 

「ねえ」

 

 その時、私が話しかけて、彼は少し止まる。

 

「どうした?」

 

「あなたはどうして戦うの」

 

 初めはなんのことだと言う顔、彼は表情から分かりやすい。

 

「それは」

 

「わたしはSAOの頃と、いまの頃の話を聞いてるの」

 

「………」

 

 その瞬間、彼から光が消えた気がした。

 

 彼は強い、キリトのような、謎の強さを持っている。

 

 それはいつもおかしなときに姿を見せていた。

 

「SAOは、俺は誰にも死んでほしくないし、死にたくないから。いまは楽しむため、GGOはヒカリのためだ」

 

 ヒカリ、レイちゃんのためと、誰かのため。

 

 彼が本気で強くなるのは、

 

「誰かのため」

 

 そう呟き、私は彼の強さを少しだけ知った気がする。

 

 いまの彼はきっと誰よりも頼もしい仲間だ。

 

 誰かの為に強くなった………

 

「………貴方の強さは、誰かの為に得た力なの」

 

「それ、っ!?」

 

 その時、なにかが私に飛来する。

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

 トカゲを大きく、恐竜みたいなエネミーが、口からよだれを流しながら、咆哮を上げた。

 

「シノン」

 

「平気っ、だけど動けない………ねばねばして」

 

「ちっ」

 

 すぐにライフルを連射しながら走り、タゲを引き受けて撃ち続ける。

 

「カースガノンじゃなくてよかったが」

 

 そう思いながらガンガン撃つと、水がせり上がらないかとひやひやしながら戦う。

 

 シノンも糸のような粘膜で拘束された位置から狙撃し出す。

 

 狙撃して、エネミーにダメが入るのを確認していると、

 

「!?」

 

 今度は酸みたいに、溶ける音が聞こえる液体を吐きやがる。これならカースガノンの方が幾分かマシだな。

 

 そう思いながら速射し続けていると、そろそろ弾薬が切れる。

 

「ラスト」

 

 一発を撃ち終えた瞬間、ついに悲鳴を上げて、それは横たわる。

 

「やった……?」

 

 シノンの声が響く中、次の瞬間それが凍り付く。

 

 部屋の入り口が塞がれ、水が部屋の中に入ってくる。

 

「シノンっ」

 

 急いでシノンの下に行くと、シノンも慌てて抜け出ようとすると、簡単に出て来た。

 

 ただ、

 

「!?」

 

「なっ!?」

 

 スーツが溶かされたのか、そのおかげですんなり抜け出たんだろう。

 

 インナー姿で現れたシノンは、顔を真っ赤にし、猫のようにキッと睨む。

 

「待て俺は」

 

「いいからそのコートを寄こしなさいッ」

 

 そう言われ急いで渡す中で水がせり上がり、シノンを抱き上げ、足場へと移動する。

 

「ちょ」

 

 恥ずかしそうなシノンが視界に入るが、いまはそんなこと言っていられない。

 

「あんた、後で覚えてなさいよ………」

 

 ごめんなさい。

 

 そして悲鳴のような雄たけびと共に、それが姿を現す。

 

 モーションどころか形態すら変えて、第二形態は、

 

(カースガノンっ)

 

 水のカースガノンのようなそれが現れ、仕方なくシノンの前に立ち、剣を構える。

 

「これは」

 

「シノンは引き続き狙撃、俺は」

 

 悲鳴が響くと、無数の氷ブロックが現れ、これを破壊する。

 

「くっ」

 

「まだいけるっ、てかやらなきゃいけないッ」

 

 その時、レーザーが放たれたが、

 

「いまなら」

 

 そのレーザー攻撃。キリトたちからどうすれば反射できるか散々聞かれたが、フォトンの刃が受け止め、実体刃が後ろから押して反射できているようだ。

 

 少なくとも俺はそう言う感覚で、キリトが試しにレーザーでやったらしい。

 

 受け止められたが重すぎて、そのまま当たってHPゲージが無くなった。

 

 気が付かなかったが俺はフォトンでレーザーを受け止め、実態と共に反射したようだ。

 

 それでひるむ瞬間、水の飛び込み急いで近づき斬り込む。

 

 狙撃とそれの繰り返しの中、かなり疲労する。

 

 それでも、

 

「シノンッ」

 

 その叫び声と共に、銃声が響き渡った。

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

 シノンの狙撃が確実に弱点を射貫き、ポリゴンに変わる。

 

 すぐに確認し終え、シノンの元に戻った。

 

「シノン」

 

「……勝ったのね……。まだ頭が切り替わらないけど」

 

 ふらふらした様子のシノン。狙撃はかなり集中するからな。

 

 ふらついたとき、身体を支える。普段なら何か言って離れるが、そのまま身体を預けて来る。

 

「ごめんなさい、いまは少しきつい」

 

「別にいい」

 

「………けど後で殺す」

 

 沈黙の間、コートがはだけ、インナーが見えていた。それを直すときにそう言われ、俺はまた殺されるらしい。

 

 着替えないのだろうか、替えが無いのか、かなり疲れた顔でも舌打ちした。

 

「………そうだ、ボスのドロップ。確認しないと」

 

 そのままウインドを開き、メニューから確認し出す。

 

 俺も見える位置の中、シオンは気にせずに確認。それは、

 

「《アンチマテリアルライフル》、ウルティマラティオ・ヘカートⅡ。うそ……」

 

 まさか日本サーバーに十も無い数少ない銃がまた手に入るとは、少しばかり怖いな。

 

 シノンは震える声で名前を呟き、具現化する項目をタッチする。

 

「ちょ」

 

 待てと言う前に実行し、ふらつく身体で重量がある狙撃銃を持とうとするが、できずに倒れかけ支えるため、持ち上げた。

 

「ご、ごめんなさい」

 

「いや……」

 

 狙撃銃とシノンを支えながら、シノンは狙撃銃を見る。

 

「あなたのリアルラックのおかげね」

 

「そうか」

 

 そう言って俺はシノンと狙撃銃を支える。

 

「ごめんなさい、まだ頭が」

 

「気にするな。助けがあれば駆けつける」

 

「そう……ね………。その時はまた頼らせてもらうわ」

 

 シオンにしては素直にそう呟く。よほど疲れているようである。

 

 だが、だからこそ本音なのだろう。

 

「ああ……、!」

 

「足音」

 

 何名かの音と銃声が聞こえる。まさか別にエネミーでも出たのだろうか?

 

「まずい、シノン少しごめん」

 

「わっ」

 

 シノンをお姫様だっこ、狙撃銃は担ぎ、急いでその場から立ち去る。

 

 ここから出るのにどこか別の入り口が無いか見ると、転移装置が出現していてそれで出ることにした。

 

「ちょ、待ってっ」

 

「いまの俺もまずいんだ」

 

 銃弾もだいぶ使ったし、集中もし過ぎた。

 

 剣使いだが、そろそろ休みたいのが本音だ。

 

「だからってこれ、誰かに見られたら、もうっ」

 

 顔を真っ赤にしながら、シノンを連れていく。コートだけだから恥ずかしいのか? まあ見られたらダメだなうん。

 

 こうして俺たちは狙撃銃を手に入れ、水の神獣と言われるようになるダンジョンを後にした。




ちなみに色々奢って、許しを得ました。

その後時たまにここに来るようになったのは別の話。

それではお読みいただきありがとうございます。
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