そんな中不穏な出来事と関わることになる。
ラストバトルがついに………
現実世界、我が家に送られてきた物を見て、物凄く疲れた顔をした。
それはナーヴギア。まさかまたこれをかぶるのかと思うと、憂鬱になる。
(だけどこれで、この件は
そう、ある確証から関係無いことは分かっている。
なら何が目的で、俺の住所やメールが送れた?
その謎も考え、これでログインするしかない。
「リンクスタート」
こうして俺は、死の空間へとログインした。
◇◆◇◆◇
「! マスター……。ここはどこなのです」
そこはGGOではなく、別のフィールド。多少似ている程度の空間。
アイテムなどを即座に確認するが、GGOのアイテムなどが使える。
(前もって準備状態でよかった)
そう思いながら、ヒカリの方も確認していると、気配を感じ振り返る。
「えっ……どうして」
そこにいたのはクレハであり、戸惑う顔のクレハは、本人だろう。
「どうしてあんたがここにいるのっ!?」
「それはこっちのセリフだ」
そう会話しながらメニューを操作、ログアウト画面を見るが、それはできない。
「ログアウト不可、本当にデスゲームを再現してるのか」
「どうやらそのようね~」
その声に振り返ると、ツェリスカがそこにいた。
デイジーは外に連れて行かないように設定していたからいないらしいが、彼女もここにログインしたらしい。
頭が痛くなりながら、周りを見渡す。
「それより貴方達二人とも」
「
「イツキ」
今度はイツキも現れて、話を纏めると、住所が知られていて、そこにナーヴギアが送られてきたらしい。
仲間を標的にすると言う脅しの中、全員の話を聞き終えて、
「ともかく話は分かった、全員はどこかに隠れていてくれ。あとは俺が探索する」
「待ってテイルっ、なにを勝手」
「死んでほしくないッ、黙っていてくれ」
「! なによそれ……」
ショックを受けた顔をされるが、最優先することだってある。
悪いが子供の我が儘なんか聞いていられない。
「クレハ、死んだらどうなるか分かっているだろ。君になにかあったら、おばさんたちに顔向けできない」
「………」
だがクレハはどこか諦めたように、ただ静かに、
「そうね、悲しんてくれる人はいるかもしれない。だけど、あたしが突然死んで、困る人なんて、きっといない」
「………」
「お父さんやお母さんだって、お姉ちゃんがいれば……。あたしはね、そん」
「ふざけるなッ!!」
クレハはその言葉に驚きながら、だが俺は収まらない。
「おばさんたちがお姉さんがいればいい? そんなわけないだろッ」
「テイル、さん」
「自分がこの世にいらない子でも思ったか? ふざけたことを言うなッ」
驚かる中、クレハの頭を撫でながら、ただはっきり言う。
「バカなことを言うなよ、おばさんたち言ってたんだ。引っ越しの際、クレハを巻き込んで、あの子に負担が無いか、母さんたちに相談しに、家に来てたんだぞ」
「えっ……。うそ、だって」
戸惑うだろう。俺自身これは話すべきは、どうすればいいか分からずじまいだが、いま言わなくてどうするか。
「引っ越しは、お姉さんが頑張って、それを実らせるからしたんだ。だけどその所為でクレハを知らない土地に連れて行くから、俺の家に置くことも考えたらしい」
「………」
「だけどしなかった、それはお前と別れるのは嫌だからだ」
「そん、そんな話、あた、あたし聞いて」
「いま言った」
それに涙がポロポロ流れる中、頭を撫でる。
これならもっと早く言え俺。
過去の俺に対して殺意を抱きつつ、すぐに落ち着いて考える。
「ツェリスカ、イツキ、悪いが二人を頼む。俺は奥を調べて来る」
「待ちなさい、あなた一人だけにすることはできないわ」
「そうだよ、ここでの単独行動は危険だよ」
ツェリスカは静かに前に出て、静かに銃を構える。
「貴方たちは私が必ず守る……、私にはその義務がある」
「義務?」
「私はザスカーの人間として、貴方たちを守る義務。それがある」
「ザスカーの人間なのか」
「驚いた……、ってきりどこかの女スパイかと思っていたよ」
イツキの驚き、俺も驚く。
ザスカー、つまりGGO運営に関わる人間。
ツェリスカはプログラマーで、イベントなどのことには関わっていない立場らしい。
「だけどザスカーの人間として、私はあなたたちを」
「ツェリスカ」
その言葉を遮り、静かに先を促す。
「それはこの件に、ザスカーの人間がこの事件に関わりがあると思っているのか」
「………ええ」
「そうか、もし
だからツェリスカは思いつめているのか。
だが、
「興味無い、四人はここにいててくれ。邪魔だ」
悪いがここは冷たく切り捨てる。
時間さえあれば、この先はどうにかなるんだ。
「っ!?」
「ちょっとっ、邪魔って。テイルさんだって、HPゲージが無くなれば」
「死ぬだろう、そんなの二年間の間そうだった。いまさら確認する必要もない」
「二年間……、ちょっと待ってくれっ」
「それって、貴方まさか」
「SAO
「母さんたちが君たちに言うはずないだろ。余計な心配かけると分かり切っているのに」
「そう、なの……」
「驚きです………」
全員に驚かれる中、静かに全員にくぎを刺す。
「ともかくソロで死ぬかも知れない日々なんて、もう心が慣れてる。みんなはここにいて、自分の身を守っててくれ、俺は奥でログアウト方法を探す」
「だけど、そうと分かっても君だけにする理由は無いよ」
「そうね、だからと言って、貴方だけに危険なことをさせるつもりはないわ」
頭が痛くなる。
「正直に言う、俺はソロの方が戦いやすい。邪魔だ、ここにいろ」
そう強く言うが、その時、服の袖を二つの手が握る。
「マスター……」
「テイル……さん」
ヒカリとクレハ、二人がこちらを見る。
頭を盛大にかき、ため息を吐く。
「分かった、後ろにいてくれ……」
こうして奥に進む。
◇◆◇◆◇
エネミーが配置されていて、どうにか倒す中、おかしいことに気づく。
(ここの敵はオリジナルがあるが、GGOで出るエネミーみたいだ。そして)
静かに待つ。
時間を、静かに待つしかない。
「正直、きついわね」
「だけど、
「ともかく、ログアウト方法を探さないと」
そんな会話をしているその時だ。
『―――アファ―――シス――――さ―――』
「っ!! 来たか」
「!?」
『応答―――して――――アファシス――――ーさん』
「これって、ユイちゃんの声?」
突然聞こえ出す声にみんな戸惑うが、俺とヒカリだけは逆転の一手にすぐに反応した。
「ああ、待ってた。アファシス、急いで通話機能を開いてくれ」
その言葉にヒカリは回線を開く。
『アファシスさん、ようやく見つかりました! ご無事で何よりですね』
「変なところに転送されてしまったようなのです! マスターたちもログアウトできません!」
『それは仕方ありません、アファシスさんたちがいる場所はGGOではありません』
それにツェリスカたちが驚くが、
「だろうな、ナーヴギアに仕掛けでもあったんだろう」
『ナーヴギア? どうしてそんなものを……えっ、パパ、はい』
「パパ? キリトくんがなぜ!? 彼はいま大会に」
イツキと共に、クレハたちも驚くが、そちらは、
「大会はいま調整前に緊急があり、延期になっているはずだ。犯人がキリトたちと俺たちを離すだろうから、知り合いに頼んでずらしてもらった」
「それって」
「七色博士、彼女とも知り合いなんだ。キリトたち関係で」
それに周りが驚く中、キリトがこの空間に現れた。
「キリトさんっ」
「キリトくん」
「テイル、君って奴は……、少しばかり遠回り過ぎるだろ」
「仕方ない、キリトたちに直接連絡したらバレる」
そう言われ、二人は驚いていた。
「テイル、キリトさんに脅迫メールのこと伝えたの」
「遠回りにね。メッセを飛ばすんじゃなく、俺たちに直接、しかも大会が緊急延期になったタイミングでね」
「……それはどんな方法だい」
イツキが静かに聞く中で、通話の中、一人の男が喋る。
『このオレ様だっ』
「バザルト・ジョーっ!? それって」
『まったくよお、アファシスちゃんから手紙をもらったと思ったら、厄介ごとの頼み事なんてな』
だが気分を害したより、頼られて喜んでいる様子で安心した。
ヒカリは、もとい頼んでもいないのにバザルト・ジョーはヒカリが外に出ると必ず接触する。
まず七色、セブンに頼み、《BoB》の大会をギリギリで遅れるようにして、キリトたちが自分の異変に気付かないことを避けた。
ヒカリが外に出たとき、向こうから接触したとき、手紙を渡すようにしていた。自分もまた外に出歩いていたことも考え、ヒカリより自分を探ると考えたのだ。
ヒカリも手紙程度ならバザルト・ジョーとよくやっているため、いまさらしたところでおかしくない。
「向こうは彼が関係ない人物を巻き込むとは思わなかっただろう」
「結果、ヒカリがいなくなったことに気づいたキリトたちは、ユイちゃんや七色博士たちに協力を頼んで、こうして探し当てる」
「君はそこまで考えて動いたわけか」
「ここまで来れば、後は現実でここの場所が分かるはず。そうすればここがどこか分かるはず」
そう言い終えたとき、
「………なら、僕が説明するよ」
そう呟き、いつの間にか自然に、距離を取っていたイツキ。
「ここはデス・ゲームエリア、GGOとは似て非なる世界さ。テイルくん、クレハくん、ツェリスカくんたちは、ナーヴギアを装着している。
その言葉を聞きながら、答えをすぐに導き出す。
「そのナーヴギアには仕掛けがあってね、ログインすると自動的にここに転送されるというわけさ。詳しくはパイソンくんに聞いてくれ、僕はプログラムには詳しくないし、実は、長話はあまり好きじゃないんだ」
「イツキ……」
あまり考えたくはないが、
「まさか君がこんな手を使うなんて、どこでそんな手段を取ると決めたんだい?」
「……この事件が
「それは」
「奴は用意なんてしない、したとしてもこちらに要求することではない。条件で指示を脅してでもした時点で、この事件は
「そう、か……。キミがSAO
そう言いながら、彼は何かメニューを開いていた。
「そう、キミがプレイヤーから英雄になったように、僕も、魔王になったというわけさ。クレハとツェリスカが来たのは誤算だったな……、たいていの人間は、自分より大事なものはないから」
「イツキ………」
「だけど、キミは必ずここに来ると思っていた。僕とキミで命をかけて証明してみせるつもりだった。まさかキミは、先輩だったとは思わなかったよ」
「証明?」
「僕とキミの絆を。キミには僕しかいないことを」
「絆って、俺たちが仲間。ってだけじゃだめだったのか」
「………キミは僕を許さないだろう。僕はキミを、仲間を裏切ったのだから。キミとはもう」
そう言い、静かに首を振り、ウインドを操作した。
「いいや、やめておこう。魔王は魔王らしき、最後まで役目を全て全うするべきだ」
でかいエネミーが現れる。ここのラスボスと言わんばかりのそれを取り出す。
「キミも英雄らしく、その力を持って僕を断罪するがいい。魔王を倒さないと、このゲームは終わらないよ」
◇◆◇◆◇
「キリトはクレハたちと共に下がれっ」
「だけど」
「クレハたちはもうギリギリだっ、三人を守ってくれ!」
そう言い、テイルはライフルを構えて、走りながらタゲを取る。
キリトはそれを見ながら、イツキはフィールドを区切る壁で守られているのを確認して、前に出ようとしたクレハを止めた。
「待ってくださいっ、テイルも、彼奴だってもう」
「だからこそ、彼奴の頼みを断れない」
「もう少し待ってくださいっ、あと少しで回復スキルが使えます!」
「その前にテイルが」
「なら、手数があればいいんだろう?」
弾丸が無数放たれ、それに振り返る。
「ジョーっ」
「アファシスちゃんのため、ここでお前さんに倒れちゃ困るんだよ!」
「私たちもいるよ~」
「あんたって奴は、一人で全部背負って!」
ストレアとレインも銃を乱射する中、アルゴを含め、全員がいて、シリカとアスナが回復スキルを使う。
「これならいけるよねテイルっ」
「ユウキ、おうっ」
「なら俺もいく!」
キリトもすぐに走り出し、シノンが狙撃する中、斬り込む三人。
「ともかく、この人数なら一気に肩が付くっ。悪いが戦闘パターンが変わるよりも早く、次のゲージを飛ばす!」
それに弾幕が張られ、エネミーの攻撃で、フィールドにレーザーを放つ道具が配置された瞬間、火力で破壊する。
そんな中、エネミーの口に、エネルギーが集まっていた。
「キリトっ、飛ぶ!」
「分かったっ」
二人の剣士が走る中、黒の剣士を足場に高く跳び、自分に向けて、レーザーが放たれたが、
「スウ」
そのタイミングは知った。
フォトンの刃が受け止め、実体がある刃が後ろから押し、そのまま跳ね返す。
空高く飛び上がり、レーザーを受けダウンするエネミー。
「これもオマケよ」
シノンが顔面へと狙撃し、仲間たちも集中する中、
弾丸が尽きると共に剣へと切り替え、その顔に剣を突き刺す。
「デッエェェェェェェェェイアァァァァァ」
そのままただ斬り払い、着地する瞬間、彼を足場に黒の剣士が飛ぶ。
「アァァァァァァァァァ」
今度は彼の剣撃を受け、ゲージが消し飛ぶ。
「集中」
「砲火!」
二人の攻撃にリロードし終えた全員が、一斉に弾丸を放ち、ゲージは無くなり、エネミーはポリゴンに変わる。
そのまま落ちて来る剣を拾い、構えなおした………
◇◆◇◆◇
「ははは、まさかあれを倒すとはね。テイル、キミは英雄だ。銃を手に困難を斬り拓き、英雄の名を確固たるものにした」
「イツキ……」
「絆で結ばれた仲間たちと共に奇跡を起こし、凶悪なドラゴンを倒し、そして魔王すら滅ぼすだろう。ずるいな……、英雄ご一行は。魔王にも仲間がいたっていいと思うんだけどね」
銃を構える中、俺は光剣を見るが、
「イツキ、お前もナーヴギアをつけてるんだろっ。このまま戦えば」
HPが0になり、脳破壊シークエンスが発動する。
だが、
「それが、僕の望みだよ」
そう言い発砲する中、UFGで避けながら、アイテムストレージから銃を取り出す。光剣などでは威力がありすぎる。
瞬間出てきた銃に、バカバカしいほどお似合いだった。
乾いた銃声が鳴り響く。
向かい合うイツキと俺。イツキは、
「くっ……これは」
「まさかこいつに助けられるとはな」
「っ!?」
イツキの銃を撃ち落としたのは、イツキからもらった銃だ。
「はは……、まさかそれに邪魔されるなんて。キミが持つ武器なら、銃だけ撃っても、僕を殺すこともできただろうに」
そう言いながら、けして動きは見逃さない。
「お前のHPなら、あと一発は耐えられる。ここで終わりだイツキ」
「君は人を殺さないのかい? 僕を、仲間を裏切った僕を」
「許さないが、バカバカしい。人を殺す殺さないでしか物事を決めないでほしいな。もう一度若くして死ぬなんてごめんだ」
「………君は」
「俺はお前を殺さない、俺は殺さない強さを求めたからここにいる。これからも、俺は誰かの命を奪わずに、勇者なんてならない。俺は俺、勇者なんて求めない」
そう言い終えたとき、辺りの空間が警報を鳴らし、この世界が終わりを告げた。
「まいったな、時間切れか……」
「………」
「それじゃ、また会いに行くよ。仮想世界か現実世界か分からないけど」
そう言って、イツキが消えていく。
「だって、まだ聞いてないからさ。キミが仮想世界に来た理由を……」
こうしてログアウトし、一つの事件が終わりを告げた………
終わる? まだ終わってません。まだ事件が残っていますから。
では、お読みいただきありがとうございます。