ソードアート・レジェンド   作:にゃはっふー

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フェイタルバレット終了

 それは彼の特集を組む記者によるインタビューだった。

 

「えっ、彼についてですか? そうですね、頼れる人とは思いますけど、あまり前に出たがらない人だよね」

 

「ああ、空気に同化、するって言うか、時々話の中心から離れるのがうまいと言うか。だけどスコードロンの活動に関してはちゃんとしてるんだよな」

 

 光剣使いのキリトと、アスナはそう言いながら、うまく言葉にはできないようだった。

 

「えっと、キリトじゃなくってテイルね。彼は、まあキリトとよく似てるな~とは思うわね、無茶するところとか」

 

「はい、決断したらそれを譲らないところとかですね。助けられることが多いですけど、ひやひやすることが多いです」

 

「そうですね、頼まれたことも意外と断らない人ですね」

 

 リズベットとシリカ、リーファはそう言う。

 

 リーファはよく現在は彼しか持たない《アルティメットファイバーガン》、略してUFGを使い、共に空を飛ぶとのこと。

 

 シリカとはピナと言う幼い竜によくエサをあげたりしている模様、実家で飼い猫がいる為、よくその話をするらしい。

 

「テイル、彼はよく穴場の料理店を紹介してくれて、よく彼に紹介してもらった店に行きます」

 

「ああ私も行ったよ~。テイル、ああいうところよく知ってるよね」

 

「なんていうか、彼、トレジャーハンターの才能があると思うんだ。この前のクエストも、初見であんな隠し通路見つけるし」

 

「ああそれ、ほんと、よく気づいたよね~」

 

 プレミア、ストレア、フィリア、レインがそう話しながら、彼はダンジョン攻略が得意であり、よく隠しトラップなど、隠されたものを見つける才能があるらしい。

 

「彼奴は、いつかでかいことをする奴って、オレ様は思ってた。まさかランキング1位を取るなんて、幸運のニュービーとか言われてた日が懐かしいぜ」

 

 だがいつかまた対決し、彼が持つアファシスを相棒にするとバザルト・ジョーは答えている。

 

「テイル? うん、ボクはいつか彼と剣で戦いたい。銃の世界で言うことじゃないけどね。いまは逃げないよう、どうすればいいか悩んでるんだ」

 

 キリト、キリコと同じ、光剣使いのユウキ。彼女やキリコのこともあり、現在GGOで光剣使いが流行り出す。ただ使いどころが銃よりも難しいと言う声が多数あり。

 

「彼のこと? そうね、狙撃じゃ負ける気はしないわ。まあ、いつかは白黒はっきりさせたいわ」

 

 そう言いながら、相棒の銃を持つ彼女は、少しだけ憎々し気に語る。

 

「そうね~、彼は人たらしね。私もデイジーちゃんもそれで捕まったの」

 

「はい、そうですね。マスターのことが大事ですが、あの人のことも考える時間が増えています」

 

「………デイジーちゃんがそう言うのなら、少し頑張りましょうか?」

 

「な、なんのことですマスター!?」

 

 彼女のアファシスデイジーはそう言い、ツェリスカはそうコメントした。

 

「彼奴? 彼奴はもうあたしより強い、それは認める。だけど絶対、ぜっっったい、いつかあたしが一番を取る。彼はあたしの目標ですっ」

 

 クレハはそう明るく言い、その当人はと言えば、

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

「はーい、みんな~。そろそろ時間だよ~」

 

「わ、わたし、自分のことじゃないのに緊張しますっ」

 

「はは、シリカがこれじゃ、本人もう固まってるんじゃない?」

 

 リズの言葉に、容易に想像できるため、全員が苦笑する。

 

「しかし、彼が《MMOストリーム》に出演か」

 

「反省を促すにはうってつけね」

 

「あんたら、自分の罪が軽くなったと思って無い?」

 

「えっ、だっ、ダメなのかっ」

 

「諦めなさい、私は諦めた」

 

 そして番組が始まり、簡単な流れからすぐにゲストが呼ばれる。

 

『《SBCフリューゲル》最速攻略スコードロンリーダーにして、第三回《BoB》優勝者っ。数々の話題騒然のプレイヤーとそのアファシスさんです、どうぞ』

 

『どうも、テイルです』

 

『アファシスタイプXナンバー00こと、マスター登録名ヒカリ、皆さんからレイちゃんと呼ばれてますっ。みんなーーー見てますかーーー!』

 

 カメラに向かって頷くテイルと、元気に反応するヒカリ。

 

「おっ、始まった始まった」

 

「テイルの野郎、普通に出てるじゃねぇか」

 

 攻略の話、大会の話。あまり詳しく話せられないところは避けながらも、ヒカリの暴走を止めていた。

 

「………なにか予想よりもまともな受け答えね~」

 

「テイル、彼奴すでに脳内会議で話しかけられる話と、話題になること全て前もって予習してるッ。きっとそう、そうに決まってる!」

 

 クレハの言葉に、仲間たち全員が少し苦笑する。

 

「ま、まあ、イツキや事件のこともあるから、仕方ないんじゃないか?」

 

「そうですけど~」

 

「あたしたちは、彼奴の普段見せない戸惑う姿見に来てるのよっ。なんかしてよインタビューっ」

 

「リズ、それはそれでどうかな?」

 

 そのようにがやがや言うが、何名かは顔色が悪いことに気づく。十分きついようだ。

 

『それでは次に………スコードロンメンバーに関してですが』

 

「えっ、ああ、この前の」

 

「この前?」

 

「この前ってなんだ?」

 

 エギルとクラインが首をかしげ、全員がえっと言う顔になる。

 

「なにって、インタビューがあったじゃないですか。ほら、いましてます」

 

「俺らされてないぞっ」

 

 その話を聞き、キリトたちは首をかしげた。

 

 トッププレイヤーだからか、アスナの際側にいたキリト含め、インタビューされた。

 

 中には関係なさそうな人もいるが………

 

「なんでバザルト・ジョーはいて、俺らは」

 

「バザルト・ジョーさんは、私たちのあと、インタビューの記者に話しかけてたと記憶してます」

 

「それって押しかけなんじゃ」

 

 プレミアの言葉にそう思いながら、メンバーのインタビューが終わり、

 

『それでそれで聞きますが、ぶっちゃけ、誰と付き合ってるんですか』

 

 

 

 その時、全メンバー並び、テイルも顔が固まる。

 

 

 

『えっ、マスター? 誰かとお付き合いしてるんですか』

 

 ヒカリがキョトンとして、しばし思考した後、ニヤリと笑う。

 

 あの時、死銃(デスガン)を挑発した謎のダンス(本人が言うにはギラヒムをイメージしたと言っていた)をした時の顔だ。

 

『まず一言、アスナはキリトの彼女だ。彼女だけは無いです』

 

 息を吹き返してそう告げた。

 

「な、なななななななっ」

 

「なに言ってるんだテイルゥゥゥゥゥゥ」

 

 被弾したキリトとアスナが絶叫し、テレビの奥では、

 

『光剣使いのキリトさんとアスナさんはそう言ったご関係なんですかっ。そうなんですね!』

 

『はい』

 

 そこだけ生き生きと答える辺り、彼が息を吹き返したと言える。

 

 だがそこで終わらない。

 

『インタビュー以外にも、キリコさんと言う、シノンさんと同じ大会参加者とお知り合いのようですが、彼女たちとはいったいどのような関係です?』

 

『? キリコは』

 

『ヒカリ、少し待って。色々待って』

 

 すぐに側により口を押える。顔色は変わっていないがそれはいけないと焦っていた。

 

「テイルナイスよく止めてくれたっ」

 

 キリトが公開処刑を免れる中、ヒカリの口を押えるテイル。

 

 だが、

 

『ですがマスター、仲間の皆さんはほとんどはキリ』

 

 

 

 その時、ウワアァァァァァァァァァァァァァァとキリトのホームで絶叫が響き渡る。

 

 

 

「えっ、なに、どうし」

 

「どうしたじゃないお兄ちゃんっ、ヒカリちゃんやめてえぇぇぇぇそれ以上はっ」

 

「早くっ、彼らをログアウトさせてえぇぇぇぇぇぇ」

 

「まっ、待ってくださいっ、テイルさんはログアウトしても、レイちゃんは残りますっ」

 

「ナイステイルっ、そのまま止めてええええ」

 

 フィリアの叫びに、ストレアとプレミアは気にしていない。

 

 そしてレイン、クレハだけは血の気が引きながら見ていた。

 

『ともかく、うちのメンバーで色恋話はキリトとアスナしかオープンじゃないです』

 

「そこも違うッ!」

 

「やーーーめーーーてーーー」

 

「? パパたちはなにを顔を真っ赤に叫んでいるんですか?」

 

「ユイちゃん、とりあえず、そっとしておいてあげてくれ」

 

 クラインがそう言う中、テレビの中はいまだその手の話題を聞き出そうとしている。

 

『いえいえ、そう言えばとある情報屋さんのお話では、ツェリスカさんのアファシスさんや、黒髪の小さな少女さんと仲良く歩いていると情報が』

 

「ハッ、待って、その情報待って」

 

 キリトが我に返り、その話を聞き、ユイを見る。彼女は可愛らしく首をかしげた。

 

「なにそれ聞いてない、テイルさんなにしてるの。ユイちゃんっ!?」

 

「えっ、テイルさんと町のお散歩ですけど……。なにかダメなんですか?」

 

「ダメって、だってその」

 

「ダメだ、テイルがもし狼になったらどうするっ」

 

「テイルさんは物語の綴りでテイルで、狼さんじゃありません。英語名もウルフですよパパ♪」

 

「そうじゃなくって」

 

 画面の中も外も騒がしい中、テイルも言葉を選んでいる。

 

『その子はそういうのではなく、えっと』

 

『? ユイはキリトとアスナの』

 

『ヒカリ待って! そこはストップッ』

 

「やめてえぇぇぇぇ、テイルさんっ、レイちゃんを止めてえぇぇぇぇぇ」

 

 結局特ダネと言う顔で聞いてくる彼らの言葉巧みとヒカリの暴走を止めつつ、色恋はノーコメントを貫くのだった。

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

 砂漠地帯、スコードロンとしての活動で、とある噂、砂漠の中、雷鳴と砂嵐と共に現れるラクダ型移動ダンジョンへと挑む。

 

 移動ダンジョンかは、俺とシノンで知っていたから、そう判断した。

 

(『雷の神獣ヴァ・ナボリス』、少しばかり過剰戦力過ぎるがこれくらいでいいだろう)

 

 そうあの存在へと挑むことを考えつつ、キリト、シノン、俺と言うパーティーは別のポイントで待つ。

 

「なあ」

 

「? どうした」

 

 それは突然だった。いや、少し兆しはあった。

 

 ただそれはいままでズルズル引きずっただけか。

 

「教えてくれないか、君のこと」

 

 キリトがそう静かに話しかけてきた。

 

「俺のこと」

 

「いや、正直に聞く。『もう一度若くして死ぬなんてごめんだ』、この言葉ってどういう意味だ?」

 

「………」

 

 シノンが僅かにスコープを覗くのをやめてこちらを見る。

 

 静かに黙り込む中、静かに耳を叩く。インカムを確認し、繋がっていない事を確認した。

 

「………大学に行く時、憂鬱な気分だ。正直孤立はしてないが、人付き合いは苦手でな、行くのかいやだなとか考えてた時、車が俺に激突したらしい。あんま覚えてないんだ」

 

「それは」

 

「………気が付くと白い空間で、俺は死んだとか言われた」

 

「………」

 

 キリトは何も言わず、シノンも何も言わず聞く。

 

 そしてそこで俺は、生まれ変わる世界に、デスゲームがあるかもしれない世界であり、仮想世界で一人の病魔に苦しむ少女が頑張って生きた世界だと言われた。

 

「正直いまじゃよく分からないな、その時に特別に三つの願いを叶えてあげると言われた」

 

 だから望んだ。デスゲームの被害者を無くしてほしい、少女の家族を救ってほしいと、

 

「だけど願いは、自殺者や、外側からの行動で死ぬことの回避。そして少女は少女だけしか救ってくれなかったな」

 

「………それは」

 

「しかも、自殺者を止めたければ、自分がデスゲーム世界へ行かなければ叶えられないとも言われた。だから次に望んだのは、勇者の力。あるゲームの主人公の力だ」

 

「勇者、君は」

 

 なぜ勇者を求めたか分からない。確か仮想世界に通じそうな自力な力で思いついたはず?

 

「その勇者の物語は知っているが、ゲームの中の物語。俺は五歳の頃はっきり記憶を取り戻して、その日から夢を見る」

 

「夢?」

 

「勇者がまるで実在したかのような感覚での、追体験。精神世界での鍛錬だ。習得を望んだんだからいいんだけど、まあ何度も自分はなにしてるんだと思ったな」

 

 飛竜など空を飛ぶ敵と対峙して落ちたとき、血を何度も吐いた。

 

 海中の敵で、何度も意識が飛びかける。

 

 倒し方はゲームで知っていた、だが殺されると言う恐怖は無かった。

 

 おかしくなるほど敵を倒した。ここでの死は本当の死と、魂の隅から隅まで叩きこまれる日々。

 

「ソードアート・オンライン、SAOが始まる前から君は」

 

「命のやり取りをしてた、まあ夢だ。死なないさ、死ななかった、死ぬことだけは無かった。ただ死んだ体験が延々と続くだけだ(・・・・・・・・・・・)

 

 そうだ、勇者は死ななかったが、俺は死んだ。

 

 だが再トライを許されていただけである。

 

「SAOが始まる頃には、もう覚悟はできてた。だけどあのゲームがデスゲーム化しないことだけは祈ってたんだが、すぐにログアウトボタンを確認してないのに気づいても冷静だった」

 

 その後は宣告される前に0にならないように見て回り、言われた通り自殺者が出ないようする切っ掛けになるように行動した。

 

「それが縁の下の仲間たち(ブラウニー)なのか」

 

「ああ、彼らの意見が通るようにきっかけになった。正直彼らの主張や思惑なんてどうでもよかった、願い通り死のうとする奴を止めることができるならどうでもいい」

 

 どんな声で俺は言っているか分からない。

 

「あとはゲームクリアだが、それはまあ、知ってた。誰が、どうやって、かは知らないが、クリアされることだけは知ってたから、その日をただ待つだけのつもりだった」

 

「君は」

 

 キリトは青ざめた顔でこちらを見る。

 

 

 

「君にとってのデスゲームは何年間続いてたんだ」

 

 

 

 ………

 

 勘が良いよなキリトは。

 

「さあ、五歳からボス戦をやらされたり、ザコ敵と戦わされたから、もう分からない」

 

「………」

 

 精神的年齢が何歳か分からない。

 

 ただ言えるのは、SAO内での出来事を冷静に受け入れて、冷静に対処できるくらいは鍛えられたとしか言えない。

 

「だからさ、俺はビーターやベータテスターよりも優遇されてる」

 

「違う……、そんなはずない。五歳の頃からデスゲーム体験をさせられて、そんな」

 

違わない(・・・・)。あの世界において、俺は確かに優遇されていた。だからバカげた方法で狩りをし、アイテムや資金集めができたんだ」

 

 乾いた風が俺たちの間に吹いた。

 

 俺は静かに笑う。

 

 笑うしかない。

 

「そう思わなきゃやってらない人生だった」

 

「………」

 

「SAOを始める頃には、漠然としなきゃいけないと言う意味すら無くなっていた。もう生まれる前から俺はデスゲームを始めてたんだよキリト」

 

 その言葉に、なにも言わない。言えないのだろう………

 

「………君は」

 

 そして重々しく、静かに聞く。

 

「どうしていまもゲームを続けられる………」

 

 その答えはある。

 

「遊びたいからさ、仮想世界を」

 

 それにびっくりしたように目を見開いた。

 

「これはな、レインたち、縁の下の仲間たち(ブラウニー)の仲間が装備をくれたから、最後のバトル、ユウキと戦ったから。最後の最後であの世界にいたんだユウキは」

 

「それは」

 

「あのバトルがさあ……、楽しかった。すげえよこの世界、前の世界じゃフィクションでしか無かった技術がふんだんに使われた世界だって、ユウキと戦って分かった」

 

 そしてなにより、

 

「嬉しかった、最後とはいえ、みんながくれた、みんなの力が詰まった装備に身を包んだあの日が、一番楽しいと思えた」

 

「………」

 

「だからなキリト、お前には礼があるんだ。返せないほどの」

 

「えっ……」

 

 

 

「俺をあの時、呼び止めてくれてありがとう。《黒の剣士》」

 

 

 

 その言葉を聞いたとき、キリトの頬を伝う涙が流れた。

 

「泣くなよ」

 

「いや、だって」

 

「もういいだろ、信じる信じないはそっちに任せる。ともかく俺は二度目の人生は楽しむと決めた。元大学生のおかげで、二度目は楽できたし、身体鍛えたりもしたしな」

 

 キリトは静かに黙り込むと、インカムに連絡が入る………

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

 それは悲鳴のような雄たけびと共に斬りかかる。

 

 素早く、弾が当たらない中、ユウキ、キリトが前に出ていた。

 

 盾と剣を巧みに使うそれに、二人は斬りかかる。

 

 それと共に、狙撃使いであるシノンとテイルが撃ち払う。

 

「一気に畳みかけるぜキリトっ」

 

「おうっ」

 

 その瞬間、二人の光剣使いがその速さに対応し出し、一気に斬り込む。

 

 乾いた疾風が吹き抜ける銃の世界。二人の剣士は最後の闇を斬り払った………




勇者で無い勇者は、黒の剣士と邂逅し、やっとこの世界に根を下ろした。

次は最終章、オーディナル・スケール。

現実と仮想の間で、彼はその力でなにを為すか、お楽しみに。

それではお読みいただきありがとうございます。
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