ソードアート・レジェンド   作:にゃはっふー

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現実世界でアクロバティックな動きをして、かなり身体にがたつきがある彼。

テイル「歳だな」

シノン「精神的な意味よね?」

そんな感じで特典を逃さず手に入れています。


第39話・ゲームの裏

 それはまた夜遅くであり、イベント場所がユーザーに発表された。できれば寝てたいが、今度は肉なのだ。

 

 バイクを走らせ、入り口付近にクラインたちがいる。

 

「クライン、それにギルドメンバーか」

 

「おうテイル、お前さんか」

 

「どうした、イベントはこの先だろ」

 

 いまだ入り口付近にいるクラインたち、指定された場所はその先のはずだ。

 

 それには髪をかき乱しながら、困惑した顔で答える。

 

「いやな、まだメンバーが全員そろって無いんだわ」

 

 そう言われれば、一人足りない。遅れているのだろうか?

 

「そうか、悪いが俺がもらえる特典は肉なんだ。ポイントはもらうぜ」

 

「ちえ、しゃーねー。お前さん、こっちでもおかしなくらい化け物じみた動きするんだもんな。それでも、少しはいいとこ残しておいてくれよ」

 

 それに手を上げ返事をし、先に進む。

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

「………」

 

 携帯端末をいじりながら、時間を潰す。

 

 そんな中、

 

「テイルさん」

 

「アスナか」

 

 少し遅い時間なのだが、彼女も駆けつけられたようで、顔を上げる。

 

「キリトとクラインは?」

 

「今日は彼は来られないようですね。クラインさんの方はまだメンバーが来ないようで」

 

「もうすぐなんだが」

 

 そう言っていたら、時間が差し掛かり、スマホをしまう。

 

 そしてバトルが始まる。今度はヒポグリフのようなもので、それに隣のアスナを見る。

 

「あれも《アインクラッド》の」

 

「はい、戦闘パターンは知ってます」

 

 そういうアスナの指示の下、ユーザーたちも動く中、合わせる。

 

 そんな指示を聞いて動くだけの作業の中、俺は別のことを考えていた。

 

(風林火山のメンバーが来ない)

 

 あの様子では残りのメンバーが来ないのだろうか?

 

 しかしなぜまた《アインクラッド》のボスと言う事態、そのパターンまで同じのようで、アスナの指示が完全に敵を捕らえていた。

 

 さすがにおかしいと思うが、どうなのだろう?

 

(とはいえいまは、肉か)

 

 斬撃を加える中、静かに相手のHPを削る。

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

「終わりましたね」

 

「ああ」

 

 辺りを見渡し、クラインたちを探す。

 

「クラインたち、結局来なかったな」

 

「はい……、来られなかった人を待ってたのかな?」

 

「ともかく遅いし、キリトがいないのなら送るよ。君になにかあれば、あの子が悲しむからな」

 

 それにアスナがありがとうございますと返事をされ、ここ最近のユウキの話をする。

 

「ALOにも顔を出せたら出してくださいね。あの子、ギルドの活動で頑張って、そっちにログインしてるので」

 

 スリーピングナイツは結局解散はせず、会える時会って遊ぶようになる。

 

 全員が快調に治療が進んでいて、俺は頷く。

 

 一応は時間は作っている。それで会えないのなら、現実で会えばいい。

 

「しっかし、歳かな? 疲れが取れない………」

 

「いえ……、あなたの年齢で歳云々はおかしいと思いますよ」

 

 そんな話をしながら、彼女を送り、家に帰る。

 

 結局クラインたちとは最後まで会わなかった。

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

「ごきげんよう」

 

「テイル~」

 

 プレミア、ストレアを初め、GGOにフィリアとレインもホームにいる。

 

 紅茶を出す中、やはり話はここ最近のVRゲームの状況と、SAO事件の書籍だ。

 

「『俺が二本目の剣を抜けば立っていられるやつはいない』って、こんなセリフ、キリトなら言わないなあ~」

 

「うん、他も少し大げさだよ。そもそも、縁の下の仲間たち(ブラウニー)についても、テイルのことが一切合切、名目のところにもないなんて」

 

 どうやら登場人物として、キャラネームとギルド名が記載されているらしい。規模の多いギルドは、活躍したプレイヤーか幹部くらい。

 

 俺はただ最後に出て、それまでは金を稼いでいただけ。記載される理由は無いのが本音だが、レインはかなり不満そうだ。

 

「俺はただ、エネミーを倒してただけだ。ボス戦も、ラストしかいなかった」

 

 そう言うが、レインはお気に召さないらしく、機嫌が悪い顔で睨んでくる。

 

 縁の下の仲間たち(ブラウニー)は、プレイヤーを支えたギルドとして大きく書かれているらしい。

 

「だけど私たちは貴方に支えられたと思う。本当に支えていたのは」

 

 俺だと言いたいのだろうか?

 

 正直俺だけが資金や資材を集めていたわけでは無い。集められたそれらを公平に、または管理したのは彼らだから、自分は文句の言葉は無い。

 

「彼、ギルマスたちは俺が集めた素材を資金やアイテムに変えて、他のギルドとの繋がりを保ったりしていた。それとギルドを保ってる仕事もしてたんだ。俺はとやかく言う権利は無いよ」

 

「それは、そうだけど……」

 

 レインは沈みながら、書籍なんだから気にするなと言いたい。

 

 ストレアはデータ化されたそれを読み、ヒカリは、

 

「マスターが活躍してないなんておかしいです! メールを出して抗議します」

 

「やめなさい」

 

 そう言い、うがーとか言うヒカリを止める。

 

 止めていると、俺宛ての通話が入った。

 

「セブンからか」

 

「えっ、はっ!?」

 

 姉が驚きながらこちらを見ているとき、通話を開く。

 

『プリヴィエート、久しぶりに時間ができたわ』

 

「七色っ、どうしてあんたがテイルと」

 

『あれ? お姉ちゃんもいるの』

 

 そう言われ、通話を全員にも聞こえるようにしておく。

 

 セブンとは現実でもよく会話する。この前の事件もあり、連絡はよくしていた。

 

『こちらとしても、あなたとは仲良くしておきたかったから』

 

「ど、どういう意味なのかな~」

 

 フィリアたちがにやにやしているが、ヒカリとデイジーだけはこちらを睨む。なにをしたというのだろうか。

 

 プレミアもティアに報告をとか言うし。なにがなんだか分からない。

 

『それより、そちらはどう? 変わったことは無い?』

 

「それは」

 

 一瞬ためらったが、調べればわかることだ。それだけ公になりつつある。

 

 ここ最近の《オーディナル・スケール》にて起きる。SAOのボスを伝えた。

 

 最初はセブンも首をかしげたが、アスナの指示のもとでの戦い。向こうのパターンが分かっていたところで、怪訝な声が響き渡る。

 

『それホント?』

 

「ああ、アスナが言う通りのパターンで攻撃してきた」

 

『どういうこと? ALOやSA:Oならともかく、なんでARの世界でそんなこと』

 

 戸惑うセブンの言葉を聞きながら、ストレアも少し考える。

 

「ユイはなにか言ってた?」

 

「キリトたちからは、まあ連絡はしてるのはシノンだから。彼女から聞くよ」

 

「そっか、シノンはいまテイルの家にお世話になってたね」

 

 フィリアが思い出しながら、シノンのいまのリアル事情を思い出す。

 

 事件のこともあり、両親が刑事であること、警察関係者や大人な問題に対処するのにかなり強いのは知られている。なにより俺が一応、クラインやエギルの次に年上なのだ。

 

 それの話の中、元々の連絡はなんなのか聞く。

 

『ああうん、実はARの歌姫って言われてる、ユナについて』

 

「あれか? ルクスが言っていた」

 

「………はい?」

 

 気のせいか視線が何人かから突き刺さる。

 

 なぜかそれをとやかく言うと、時間が遅れそうなのでそのまま話を続けた。

 

『彼女のコンサートチケット、私も手に入れたの。まあ普通のお客としてね、お姉ちゃんも交えて一緒に行こうと』

 

「ああそれなら、俺は自分の分がある。ゲームの特典で」

 

「あっ、それは私も持ってる。SAO帰還者学校の生徒なら無料で」

 

 フィリアはそう言い、ストレアたちはいいなと言う。

 

「セブン、せっかくだから誰のかオーグマーの中にストレアやヒカリのことを連れて行けないか?」

 

『この前の貴方のプログラムを利用すれば可能よ』

 

「プログラム?」

 

「キリトだけが、VR空間から現実見る方法を考えている訳じゃないさ」

 

 ユイちゃんや、ユウキの為に、そう言った物を作ったキリト。こちらも作った。

 

 ちなみにアファシスも他のゲームに連れて行けないか、色々話したりしている。

 

『まあそれなら向こうで会いましょう。お姉ちゃんも後で話そうとしてたけど』

 

「せっかくだから行くわ。同業者としても、ユナのコンサートは気になるもん」

 

 そんな会話の中、少しばかり思い出す。

 

「マスター? どうしましたか」

 

「いや、少しな」

 

 ルクスにも行くとは言っていたが、ユナ、か………

 

 俺はその言葉と共にあるプレイヤーを思い出す。彼女、あの世界の歌姫を。

 

「………」

 

 また鉛のような黒い闇を思い出しながら、その空気を払う為に、紅茶とケーキを出した。

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

「ユナのコンサートなら、私もみんなで行くわよ。クラインも乗り気でね」

 

 翌日の家でそんな話を聞く、ストレアをユイちゃん方法で連れていくことも話して、フィリアが連れていくと話す。

 

 そんな話の中、朝食の準備がされていた。ミケが自分の席と言わんばかりに詩乃の膝に居座る。

 

 いまは現実世界の我が家。母親はキッチンに居て、父さんは新聞を読んでいた。

 

「父さん、少し聞きたいけど、SAOのデータはいま、七色博士たち、よくて政府が厳重管理してるんだよな」

 

「………お前がそんな話をするときは決まって事件だ、交換で話してやる」

 

 難しい顔でそう言う。まさか情報があるのか?

 

 父親から、細かいデータはいまだサーバーと共に政府が管理している。

 

 一般人がそうそう真似はできないが、ある程度研究者などはその存在を知っているらしい。

 

 こちらも交換で《オーディナル・スケール》にSAOのボスエネミーが出ていることを伝えた。

 

「………まったく、そちらは部署が違うが、調べておく」

 

 お互い、また妙な事件が起きる。そんな気がしているようだ。

 

「ありがとう」

 

「また事件に首突っ込むの?」

 

 詩乃からにらまれる中、仕方ないと呟く。

 

「キリトが首を突っ込む前に、ある程度把握しておきたい」

 

「問題児」

 

「………」

 

「いいから突っ立ってないでどきなさいっ、ご飯よご飯っ」

 

「ほら、あんたも自分のご飯食べに行きなさい」

 

「にゃ」

 

 母親からそう言われ、詩乃から下りるよう言われたミケは下りてご飯へと向かう。

 

 ともかく飯を食って、少し様子を見に行くか。

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

 バイクで、イベント跡地を巡る中、地図で位置を確認する。

 

「………これだけじゃ分からないな」

 

 オーグマーで辺りを確認する中、気配がした。

 

 すぐ振り返ると、そこにフードをかぶる少女がいる。

 

「君は」

 

「………」

 

 その時懇願するようにこちらを見る。

 

 口だけが動き探してと動かし、どこかを指で指す。

 

 そちらを振り返り、すぐに少女に振り返ると、そこには誰もいない。

 

 オーグマーを外しても周りを見るが、これでもいない。

 

 すぐに人が消えたところから、彼女はオーグマーで見せたデータなのだろうか?

 

「………探すか」

 

 まずはその方角を記録し、地図を広げる。一直線だけでは探せないが、覚えておかないと、

 

「ん」

 

 スマホが鳴り、メールが来る。

 

 キリトからクラインと連絡がつかないらしい。

 

 俺もクラインに連絡してみたが繋がらず、ともかくその場から指さされた方へと調べ出した。

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

 色々調べるが、ともかく円形に辺りを見らべたりしている。

 

 時間が夜になり、メールを確認していると、シノンからメールが来た。

 

『ごめんなさい   貴方に連絡するよう言われてたけど、少し忘れてたわ。オーディナル・スケールのイベント会場が分かったの。どうも《アインクラッド》の出現位置近くにある場所と重なるようで、今度の場所は』

 

 そう言われメールを確認し、場所がSAOと重なるとは、ますますおかしな話だ。

 

 言われた場所に行こうとしたとき、電話が入る。

 

「もしもし」

 

『おお悪い、俺だエギル』

 

「エギル、どうした」

 

『お前さんも知ってるだろうが、クラインについてだ』

 

 どうも怪我で入院しているらしい。それに聞き驚く。

 

 骨を折り、イベント中に何かあったらしい。

 

『お前も気を付けろ、もうキリトには連絡しているから』

 

「ああ分かった」

 

 そして電話を切り、バイクに、

 

「!」

 

 その時、フードの少女が目の前にいる。

 

「何を探してほしい」

 

 驚き、すぐに我に返り、彼女の頼みを聞く。

 

 なぜ聞こうとするか、なぜ?

 

(俺はなんでこの子の願いを聞こうとしている?)

 

 そう疑問に思う中、また指さす方角を確認して、地図に記録する。

 

「お願い」

 

 そう彼女から言われた。

 

 それに、俺は、

 

「できる限りはする」

 

 その言葉を聞いて、少し驚き、微笑んだ。

 

「そこだけは変わってないんだね」

 

 そう言って姿を消えた。

 

 いまの言い方、まるで俺を知っているようだった。

 

「ともかく方角を確認して、イベントか」

 

 イベントは予想的中したように、言われた場所であると後で知った………




彼女は彼の前にも現れます。

だけど彼はすぐに思い出せません。それほどまでに代わり映えしない考えで、同じことをし続けたから。

それでは、お読みいただきありがとうございます。
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