この世界の設定説明で長くなるのですぐに彼らにプレイさせられない。すまないキリト。
ではでは、ソードアート・オンラインのゼルダ伝説序章です。どうぞ。
現実世界リンクスタートする準備に入る。その前の事前準備に時間がかかりまくった。
ヒカリをまずトレードでクレハに譲渡する話だが………
「マスター………わたしを捨てるのですか……」
それから物凄く大変だった。
バザルト・ジョーが無駄に現れ、ツェリスカも現れて銃撃戦が始まる。
その後の情報でプライベート・ピクシー並びアファシスはフレンド登録、ギルド並びスコードロンメンバーが連れて行けるらしい。
向こうではPKは推奨されず、誤射などのダメは発生するが、プレイヤーからアイテムがドロップされることは無い。ちなみにアイテムトレード機能も一部を除き不可能とされる。
これによりクレハに頼めばヒカリを連れて行けるので、ツェリスカからデイジーもお願いと頼まれた。向こうならデイジーはドロップされる危険性が無い為、安心できるとのこと。
アイテムトレードが可能なのは、仮想世界ゼルダの伝説内で手に入れたアイテムのみ。回復系とバフが上がるアイテム以外、換金アイテムのみだ。
他は全ゲーム対応の家具系のアイテム。それと一部のレアアイテム。これはドロップ獲得したアバターのゲームによって種類が変わる。
データなどを考えて、かなり手の込んだ内容ではある。このゼルダの伝説にログイン対応するゲームが少ないとはいえ、各ゲームのアイテムデータを管理するのはかなりのものだろう。
「古い人間には分からないな」
最後にボス攻略戦。これは撮影されてのちのち放送されるらしい。
ボス攻略もかなり大規模であり、その辺りのルールはALOと同じ七パーティー。攻略戦に参加するプレイヤーが少ない場合、弱体化されるとのこと。キリトとユウキはフルメンバーでボスと戦いと言っていた。
全ての情報を確認し、冷蔵庫からミルクを取り出し一気飲みした。
詩乃の部屋と化した部屋を見る。彼女はGGOかにログインして入るので、すでにログインしている頃だろう。
我が家の猫はログインするときは追い出されるが、隙を見ては中に入り、すぐ側で丸くなる。いまも虎視眈々と部屋の前で入るタイミングを狙っている。
このまま部屋に戻り、俺は仮想世界へと入り込む。リンク先はSA:Oにした。
「リンクスタート」
◇◆◇◆◇
まずはALOからのログインであり、妖精たちの世界で、俺のログハウスへと向かう。
「キリト」
「やっほー」
俺ことキリト、アスナ、シリカ、リズ、リーファ、ユウキがそこにいて、俺はクラインたちがいないことに気づく。
「フィリア、ストレア、クライン、エギルはプレミアたちを連れて来るらしいぜ」
「彼らはテイルのように人間でログインか」
「ティアも来られたら来るらしい。レインたちはどうだろう?」
レインは現実での仕事もあり分からず、セブンは今回運営側であり、分からないとのこと。
ルクスも最近できた友達のこともあり、分からないらしい。
ツェリスカは完全に仕事に追われて無理とのこと。かなりさめさめ泣いていた。ゼルダの伝説にて、アバター衣装が大盤振る舞い。デイジーに着せたい洋服が大量にあり、リストアップも澄ませている。
「はい、みんなの武器よ。受け取って」
リズから整備された武器類を受け取る。俺は伝説級武器のレジェンダリーウェポンの《エクスキャリバー》と共に武器を始め背負う。
「テイルはSA:Oね。弓矢とかあるから、妖精で来ると思ったわ」
「俺も気になって連絡したら、剣でいいってさ。レインの武器も向こうが最新って話だし」
「………彼、ちゃんと分かってるのかしら」
「クレハさんたちのことを見ると、分かっていない気がします」
「他人の子とは言えないけど、なんでこう、ね………」
アスナたちが集まって、なにか俺を見てはため息をつく。
「武器は一通り上げていたなテイル」
使わないがメイスとかも。ただ扱いなれているのは刀剣類であり、盾は片手に無いと落ち着かない。あと弓らしい。
攻撃魔法も覚えるが、範囲系とかサポート系とか覚えることは多数あるが攻撃一点だったな。
「しかしユイ。今回のような別ジャンルゲームを仮想世界で繋げる、これってできることなのか?」
ピクシーで浮いているユイちゃんに、俺は多くのプレイヤーが疑問に思うことを聞いてみた。ユイは少しだけ考え込むと、
「できる、と思います。ALOはカーディナルシステムの劣化コピーであり、残りのゲームはザ・シードが元になっています」
「大元の基礎が同じってことか」
「はい。ですがそれでも大型サーバーがいくつも無い限り、データ処理などの問題が目立ちます。今回のような場合はおそらく、いくつも大型サーバーを使用していると思います」
「そんなことをしてこのゲーム、儲かるのか?」
「今回のイベントは、ティアさんたちの世界のようなテスト目的である可能性が高いと思われます。運営の方はそう言った分野の方々が名乗り出ていますね」
「セブンもだったな」
そんな会話をしてから、この大型イベントの会場とも言える転移門へと向かい、向こうでみんなと会うことにした。
したのだが………
◇◆◇◆◇
綺麗な湖が広がり、白亜の城がそびえる城下町。
町の施設がたくさんあり、さまざまなアバターも含めて歩くさまよりも………
「な、長かった………」
「初日だからかな? かなり並んだね………」
「キャッチコピーは異世界の門でしたね。100人のプレイヤーを一斉転送する門がいくつもあったのに、三時間も並びました………」
キリト、アスナ、シリカの順でここに来るまでにへとへとになる。
フィールドはまだ開かれていない。いまは町の探索だが、他ゲームのプレイヤーと知り合いの場合、まずは彼女たちと会わなければいけない。そうしていると、
「おーいキリト~」
「マスターっ」
クラインとヒカリの声が向こうの、オープンカフェのようなたまり場からして、すぐに見ると、全員がそこにいた。
「よお、いまクレハたちと合流したところだ」
「もう無茶苦茶並んだし、転移にも時間がかかるって。これは行き来がかなり厳しいわ~」
彼らの会話を聞きながら、すぐに次の人が来ることもあり、急いで移動して合流する。
「へえ……、キリトは
クレハがマジマジと見る中で、ログインできる全員がこうして揃う。
さすがにティアは今回来られなかったことを話しながら店に入る。ともかく、
「確か、パーティー登録だっけ。ここでのフレンド登録って」
「うんっ、そうすれば他のゲームアバターでも、そのキャラクターの居場所とか、メッセージを飛ばせるよ」
「それにはわたしたちアファシスの居場所や、ピクシーのサポートも受けられるようになります」
フィリアの言葉にストレアは頷き、デイジーも説明の補足をする。
全員がウインドウを開き、操作してカフェの周りを見渡す。
「しっかし、ある意味壮観だなあ……」
「ああ。いろんなゲームのアバターが一か所ってのは、混沌としてるな」
クラインとエギルの言葉に銃を担ぐ者、妖精。そして純粋な人間がいる。
他のゲームアバターも入れれば確かに混沌とした光景であり、この世界のNPCは、
「いらっしゃいませ、ごゆっくりどうぞ~」
「ほら、飲み物来たわよ~」
リズの言葉に店員さんを見ると、耳がとがっていて妖精のようであり、綺麗な外人の風貌から、日本人のように黒髪だったりと………
「なあ、君の知る世界観と同じなのか?」
「ああ。全く同じだ。これでハイリアとかハイラルとかのワード出たら間違いない」
「そうなの。あ、ミケを部屋に入れてないわよね? あの子気が付くと足元や顔の真横で丸まってるんだけど」
キリトの問いかけに答えつつ、シノンの苦情は仕方ないのであきらめてほしい。
「ともかくまずはイベントが始まる前に情報集めだな。他のプレイヤーもそうみたいだし、この世界の世界観って奴を確かめようぜ」
「異議なし」
「分かったわ」
こうして各々が好きに、とはいえソロ行動は控えて見て回る。ちなみにテイルはキリトとシノンで見て回ることにしていた。
◇◆◇◆◇
「こんにちは、少しいいですか」
それは近衛兵士の格好をした人。すぐに敬礼のポーズをしながら受け答えした。
「はい、異世界の方ですね。私はハイリア兵士の一人です、なにか御用でありますか?」
「ハイリアってのが、この国の名前か」
「いえ。ハイリアが人種ですね。ハイラル人は国籍を指しますので、この国はハイラル王国、これがこの国の名前です」
なんかよく分からん設定が付いていた。そして分かるのはこの国にはシーカー族を初めとした種族が住んでいる話を聞く。
詳しい話を聞く限り、いまこの国は未曾有の危機にさらされている。これは予言として国王が事前に知り、異世界の来客が来ることは知れ渡っている。
故にこの世界の住人はプレイヤーに驚きつつも、異世界の人間と言うリアクションを取りながら、この事態がなぜ起きたか詳しい発表を待つばかりであるとのこと。
ちなみにミファーの都がくっついていると言う設定。
「で、どうなの?」
シノンは大会で着ていた衣装の姿で、町の様子を見ながら尋ねる。
「そのままかな? ハイラルとハイリアの違いは分からん。気にしたことは無い」
「まあその辺りは………、それ以外はそのままか」
「他に言いようがない。ってか、シリーズ物だからな………」
他人に聞かれないようにしながら、俺はゼルダシリーズについてまた詳しい話をする。
まずは始まり、黄金の三角形『トライフォース』と言うものがあって、それぞれ神様が関係していたはず。
知恵はヒロイン、力は魔王、勇気は勇者に授けられていて、魔王が神の領域に踏み込み、知恵と勇気のトライフォースを手に入れて世界を手に入れようとする。
それを勇気と知恵の者が倒すことから始まる話。
「始まるのか」
「ああ。魔王はその後、時代や舞台。パラレルワールド的なものも含めて蘇っては、勇者とヒロイン、と言うか世界そのものに復讐しようと蘇る。最新作のは確か、もう知能すら無い状態だったはずだぜ」
「そんなに続くのか………。少しやってみたいな」
「仮想世界じゃないぞ。まあゲーム好きの中じゃ、知らない奴の方が少ないと思うが」
ゲーマーなキリトは俺が元々いた世界のことを言うと、シノンが少しばかり鋭い目つきで睨む。
「どうしたシノン」
「………あなた、なんとも思わないの」
「? なんのことだ」
その様子に呆れ、少しのため息の共になんでもないわと言う。
ともかく情報を集めつつ、この世界の貨幣も仕入れられる。とはいえいまは元々持っているアイテムを換金するくらいか。
いくつか持っているのでその為に店に入ることにした。
◇◆◇◆◇
テイルが店に換金しに中に入る中、シノンが険しい顔で彼を見ていた。
「どうしたんだよいったい」
「あなた気づかないの? それともデリカシーが無いのかしら」
「それってどういう意味なんだ?」
それにため息を付き、静かに彼を見る。
「彼は前世、前の世界の記憶がある。ってことは、前の世界にだって家族がいるってことよね」
「あっ………」
「彼、前の世界とこの世界で割り切ってるけれど、
シノンの言う通りだ。
彼は確か不手際で死んだとか言われて、そして創作物に限りなく近い世界に転生させるって話を聞かされて転生した。
「不手際のお詫びみたいに聞こえるけど、それってお詫びでも何でもないわよね? SAO事件、デスゲームがもしかしたら起こるかも知れない世界になんか送られて、あなた、まともな神経で生きていられる?」
そんなことできるはずがない。
彼は詳しくは知らないが、多くの死者が出ると知る事件が起きる。それが分かっていたら………
「………そう言うことか」
まともじゃいられない。ナーヴギアやSAOが発売されると知ればなおのこと。
元の家族から別の家族に入れ替わって、大勢の死者が出るか不確かなこと言われて、そんな人生で平然と生きていられる自信が無い。
「けど、だから彼は勇者の力を」
「だから、そもそもそこがおかしいわよ。特典持たせてあげる。私にはそれら渡すんだからその事件をどうにかしろと言われてる気がするわよ」
「いや、けどそれは解決することも」
「そうよ、解決することも分かり切ってる。酷似した世界なんだから、もしも彼があんたで、あんたがなにもしなくてもクリアすることも理解して、よ」
それに俺は言葉を無くす。
彼はなにを思ってあの世界を生きて、戦っていたか。
鉛のような重みを感じる。
義務でもなくでも無く、それでも行動しなければ罪悪感に蝕まれるだろう。そんな人生を彼は生まれた瞬間から決定付けられた。
「私だったらその神様に、鉛玉を撃ち込むわよ」
そう言うシノンの言葉にそれでいまの、のんびりした彼はやはり反動なのだろう。
もう自分が知らない、事件が起きるか分からない普通の人生に、彼はようやく解放されたのだから………
細かいルールなど間違い無ければいいな。
キリトくんはきっと知らずにこの世界に来たら、フィールドでアイテム採取コンプリートでも目指すのだろうか。アスナは料理の腕を振るいそうだ。
それではお読みいただきありがとうございます。