ソードアート・レジェンド   作:にゃはっふー

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フィールド攻略。

アスナ「それじゃ、夜のフィールド探索に行きましょう」

数分後。

アスナ「無理無理無理無理無理っ、わたしは夜はフィールド出ませんっ」

テイル「回復役が抜けたいま、チームが脳筋と言われても仕方ない状態に」

リズベット「前々からよ、前々から」

リーファ「一応、魔法は使えるんですけどね………」

キリト「………」

魔物の肝などのアイテムをストレージに仕舞う剣士がいた。


第48話・様々なミニイベント

 最初のアイテムが献上されたことはプレイヤー全員に広まり、そのアイテム名や謁見の様子の情報が出回る。

 

 俺ことキリトはみんなの代表としてアルゴから情報を買っていたところだ。

 

「んじゃま、オレっちが知るのはこんなところだゼ」

 

 謁見の間でアイテムを渡す際、本当に渡しますかとYES/NOウインドウが現れた。

 

 姫自身がそれを受け取りに現れたが、ベールで顔を隠した衣装で素顔がうっすらとしか見えないらしい。

 

 王様では無く姫様が受け取りに前に出たようだ。宝石は姫様の下で光り輝き、静かに光が無くなって宝石として彼女の手元に。

 

 礼金らしいことは起きなかったが、異世界人である自分たちに感謝として施設の設定が変わることを話す。これはすでに値段設定やアイテム、別のフィールドの情報などがあげられるだろう。

 

「まあ、王道なRPGかな?」

 

 ただ本当に渡すかどうかで選択肢が出たのが少し気にはなる。そこも少し考え物だ。実は渡してはいけないなんて設定もありがちだがあり得る。まあまずは秘宝が無いと話にならない。

 

 とりあえず次のフィールドの情報を買いつつ、次の冒険に備える。

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

「猫拾った」

 

「だめですマスターっ、ほいほい動物を拾ってきて」

 

 そう言いつつ、猫を撫でたそうにするヒカリとユウキ。だが懐の猫は怯えているのか奥に引っ込んだ。

 

 そうこうしていると、キリトが来て情報を照らし合わせる。色々な情報屋での情報で信憑性を確認して考える。

 

「他のフィールドだけど、火山地帯んとこはそろそろ募集するかもしれないぜ。参加するなら慣れるためにフィールドに出た方がよさそうだ」

 

「最後の所は古い遺跡よ。ただかなり入り組んでていまのところ誰も向かってないわ」

 

 クラインとリズの言葉を聞きながら、次はどうするか考える。

 

 シリカは少し恥ずかしそうにピナを抱きかかえていた。

 

「ううっ、次の攻略戦も映像撮られるんでしょうか? 少し恥ずかしいです」

 

「ウチの子が楽しそうにしてたな~」

 

 猫を懐に思い出すのは公開された映像。さすが最初のボス攻略戦、ほとんどのプレイヤーが見ているだろう。話をしながらこの世界の料理をみんなが楽しんだ。

 

「デイジー、この子を頼む」

 

「はい分かりました、お任せください」

 

 デイジーに猫を渡しておき、冒険に出る準備に移る。次はボス攻略戦の募集が始まることを想定して火山地帯のフィールド。

 

 リズから武器を受け取る中、剣を握りしめて、

 

「ん」

 

 その握った剣を何度も振るう。その様子にリズは呆れながら、

 

「気付いた?」

 

「レインが来てたのか?」

 

 それに全員がん?と顔を上げて、リズは面白そうにニヤニヤしながら言う。

 

「参加できないけど時間ができたからって、こっちに来てね~。あんたの剣が無いって知って、急いで打ったのよ」

 

「そうか。なにかお礼しないとな」

 

 フィリアたちもなにか興味津々にこちらを見る。レインがわざわざ時間を割いて作ってくれた剣がどうかしたのだろうか?

 

 ヒカリは急に懐きだすし、ユウキもなにか対抗するようになついてくる。猫が増えた。

 

 キリトも訳が分からず、クラインは自分だけがどうして一人なんだと訳が分からないこと呟いている。

 

 こんなんで攻略戦は大丈夫なのだろうか?

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

 剣を大切にしながら情報を集める。今回も攻略戦は難しいだろう。

 

 この前みたいに混合チームになる。そう思いながら火山地帯を探索しつつ、町のクエストもこなして遊ぶプレイヤーたちを見る。

 

 町を探索する中、猫、仮名シロと名付けたこの子は俺以外には懐いていない。

 

 懐に仕舞って顔を少し出すこの子と町を歩き、色々情報集めながらクエストをこなす。そうしていると、

 

「ん」

 

「テイルっ」

 

「ここにいたのか」

 

「ごきげんよう」

 

 ゼロ、ティア、プレミアが買い食いしていてこちらに近づく。

 

 ゼロはプレミア、ティアのバックデータなのだろう。プレミアにそっくり瓜二つだ。

 

 ティアは銀色の髪の、プレミアと瓜二つだがいまは大人になり、大剣を背負っている。

 

 こちらを見るなり、なにか鬼気迫るようすで近づきシロに手を伸ばす。

 

「って、どうした」

 

「どうしたじゃない。なんで猫を懐に仕舞う」

 

「ここが定位置だから」

 

「………」

 

「テイル、ずるいです。猫だけを抱きしめないでください」

 

 ゼロが真顔でそう言う。どうもこの子、なにか色々勘違いしている。

 

 俺の本妻になりたいとか愛人とか。誰が教えたか知ったときはキリトたちと共に八つ裂きにしました。

 

 ヒカリとユウキのように構ってほしいのだろう。猫に嫉妬しないでほしい。

 

 二人が両腕に絡みつきながら町を歩く。プレミアはキリトを探しに出向き、なぜか男性プレイヤーから殺気を感じた。

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

「あーダメそうだな」

 

「そうだな。募集かけられたら行ける気がするが………」

 

 クラインとキリトが話し合う中、アスナたち女性チームがいつの間にか集まりの場になった店に戻ってきた。

 

「あれ? キリト君たちも休憩?」

 

「あっ、ああアスナ」

 

「うんにゃ、次の方針を決めかねているんだ」

 

 どうもいまALOプレイヤーチームがかなり先行していて、もしかしたらそのままボスアタックする可能性がある。

 

 女性たちもそれを聞き、ユウキはう~とうなった。

 

「ここまで来たら、全部の攻略戦に出たいけど無理そうなのか~」

 

「残念だけど、こればかりはね。遺跡の方はどうなんですか?」

 

「まだそっちは探索は進んでない。いまさっきプレミアたちもこの世界に来るようになったから、メンバーも」

 

「レインも参加できそうだって言ってたわよ」

 

「えっと、そうなると………」

 

 アスナがメンバーを頭に浮かべると、フルメンバーで。

 

 キリト、アスナ、クライン、エギル、シリカ、リズベット、リーファ、フィリア、ストレア。

 

 シノン、ユウキ、プレミア、ティア、テイル、レイン、クレハ。

 

「レイちゃんは外すと16人だね」

 

「ああ、セブンも来られるらしい。テイルから連絡が来たんだって。なんでも久々にお姉ちゃんとゲームがしたいって」

 

 それを聞き、女性メンバーが顔を見合わせて考え込む。

 

「ど、どうしたんだよ」

 

「ううん、少し彼。テイル君の女性関係がね」

 

「テイルさんはその、ねえ………」

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

「まず思うんだけど、シノのん、テイルさんってどうなの?」

 

「いきなりなによ………」

 

 女性メンバーだけの女子会状態であり、ストレアがにまにましながら、最近話題になるテイルの事情を嬉しそうに聞きたそうにしていた。

 

 そこにはアルゴもいて、少しばかりシノンは呆れる。

 

「彼奴の女性関係なら、まあ、居候の身だから分かる範囲だけよ」

 

「うんうんっ」

 

 アスナもノリノリであり、シノンは少しだけ彼に悪い気がしながら、

 

「モテてる。本人が気付いていないだけでね」

 

 それに離れた位置にいるクレハがびくりと反応。フィリアたちはそれを見守りながら話を聞く。

 

 ちなみにヒカリはユウキと共に遊びに出掛け、デイジーは買い物。

 

 本人はプレミアたちと買い食いと連絡が来ていた。

 

「大学からの連絡で友人関係は普通と思うわね。浅くも無く深くも無く、知り合いと言えば知り合いって言う人がいそうだけど、女性からのアプローチがあるみたい」

 

「あんた誰からそんなこと聞いてるの?」

 

 リズの質問にシノンはしれっと、

 

「おばさん。テイルの母親」

 

 クレハががんっとテーブルに頭を叩き付けている。

 

「ちなみに彼、成績優秀将来安泰。お金も計画的に使うし家事ができる。私からVRの女性関係の話を聞く変わりに得た情報よ」

 

「………キリトガールズ。オネーサンからの進言なんだガ」

 

「だからキリトガールズってのやめてくれないかなっ」

 

「あたしたちはそんなんじゃありませんっ」

 

 リズとリーファからのクレームを言い渡し、それを静かに悟りを開きながら、

 

「いや正直どこの世界にこんな有力物件があるんだって話ダ。むしろなんで彼女がいないんダ?」

 

 アルゴの問いかけにシノンはある考えが浮かぶ。

 

 精神年齢がもう飛び越えていて、なによりSAO時代やそれよりも過酷な環境にいた。恋愛感情なぞ枯れ果てているのではないか?と。

 

 それに本人はヒカリやユウキ。二人のことを大切にしている。その時間を大切にしていることが、いまの彼が一番に考えているとは思う。

 

「彼のこと好きなのって」

 

「えっと、ルクスさん。レインさん。ティアさんにゼロさん。後はミファーさんとデイジーさん」

 

「あとはユイだよね♪」

 

「えっ!?」

 

 約一名を横目でちらちら見ながら言うシリカ。ユイの名前に食いつく母親。フィリアは静かに考え込む。

 

「こうしてみると、後半AIだね」

 

「テイルは仮想世界の住人にモテるっト」

 

 アルゴが情報を整理しながら、正直顔も良く成績優秀で彼女無しなのは不思議だが、

 

「趣味とか無いのカ?」

 

「家で猫の面倒見てたりしてる。あとは私の勉強見てくれたりかしら?」

 

 後は料理を手伝ったりできて、セブンからの頼まれごととか言って難しいことしていたりしてる。やはりその程度でありこの先どうなるか。

 

「キリトガールズはいまのうちだゼ?」

 

「だから」

 

「あたしたちは」

 

「そんなんじゃありませんっ」

 

 リズやシリカ、リーファはそう宣言しながらシノンは我関せず。

 

 ただ、少しだけ考える。

 

(彼は幼い頃前世の記憶を取り戻した。その後は鍛錬と言う形で仮想世界のような〝本物〟の世界で経験を積んだ)

 

 マグマが流れるフィールド。肌が凍り付くような雪原地域。

 

 確かに五感で感じ取るのは長く居たくないと思わせるほどリアルではあるが、それはリアルでは無い。それっぽくされているが、我慢できるよう調整された疑似空間。

 

 だけど彼は現実を体験した。

 

 思い出すのはファンタジーの世界でのゲームオーバー。他のプレイヤーの様子も思い出し、ゲームオーバーになる瞬間を思い出す。

 

 あの不愉快な感覚。だがそれはそう言うものとして作り出されているだけであり、現実では無いもの。

 

 だが彼は現実でこの世界を体験した。

 

 肌を凍らせる寒風の中を進み、喉を乾かす火山地帯を上る。

 

 もしかすれば想像を遥かに超える体験をしているのかもしれない。いやしていたのだろう。

 

 そしてなによりも、大勢の人間が死ぬ事件が起きる〝かも〟と言う情報。

 

(………やっぱり転生がお詫びだなんて嘘ね)

 

 少しだけゾッとするシノンは思い出す。猫を膝に乗せてぼーと過ごしたり、ユウキやヒカリを見守る様子の彼。

 

 あれは完全にプレッシャーから解放された反動だろう。あれが自分たちの感覚で誰かを好きになったりするのだろうか。

 

 正直不安になる。彼が一番親しいユウキは妹のようなものだし、彼自身そういう感覚を忘れてるだろう。

 

(ある意味ゼロやティアみたいに積極的にやらなきゃ、彼はずっと気づかずに見守ってそう)

 

 自分を含め、パーティーメンバー全員が庇護対象。それが彼の認識だろう。それに手を出すような男ではない。

 

 シノンが彼の未来を考え複雑な心境になる中でも、メンバーはわいわいと彼に対する評価を話し合っている。

 

 そんな時間を過ごし、フィールドを探索を開始した。




シノンが確実にテイルん家の妹か娘に。ユウキ? 彼女はすでに娘です。

それではお読みいただきありがとうございます。
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