ソードアート・レジェンド   作:にゃはっふー

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アスナ「ニュースヘットラインです。本日の情報は、VRゲーム超コラボイベントである『ゼルダの伝説』が見事プレイヤーたちにより攻略されました」

リーファ「プレイヤーたちはこれに歓声を上げ、いまだ町はお祭り騒ぎ。最後の一撃を決めたのは、秘宝を手に入れた勇者であるプレイヤーさん。見事魔王との一騎打ちに勝利。ゲームをクリアーしました」

アスナ「その後、彼は姫様であるゼルダ姫と共に町を回り、お互い仲睦まじい、プレイヤーの中にはNPCとプレイヤーのカップルと言う話がある模様。詳細は不明です」


そーどあーと・れじぇんどおふらいん

アスナ「皆さんこんにちは。そーどあーと・おふらいんの時間です。司会のアスナです」

 

リーファ「同じく司会のリーファです」

 

キリト「解説のキリトです」

 

アスナ「この番組は、今回、超コラボイベントである『ゼルダの伝説』を初め、数多くのVRゲームでその名を轟かせる謎のプレイヤーを、皆さんと共に迫る番組です」

 

リーファ「それでは、今回のゲストであるプレイヤーをご紹介いたします。どうぞ♪」

 

 ……………

 

リーファ「えっ、えっと………どうぞっ!」

 

 ……………

 

キリト「えっ? どうしたクライン?」

 

アスナ「きっ、緊急速報ですっ。現在ゲストである謎のプレイヤーテイルは、番組出演を直前でそのことに気づき逃亡っ! 現在GGO内で、GGOプレイヤーたちに包囲されながら逃亡中。いま現地映像はいります」

 

キリト「なにしてるんだ彼奴っ!?」

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

シリカ『こっ、こちら現場のシリカですっ! 現在GGOプレイヤーたちに緊急クエストで、皆さんテイルさんの捕縛に参加中。テイルさんは《アルティメットファイバーガン》、略してUFGを利用し、巧みにステージを縦横無尽に移動。現在はフィールドで発見したビークルに乗り、現在雪原地帯を走っておりますっ!』

 

シノン『逃がすなっ! 現実の肉体はすでに押さえているわ。そのままHPを0にして捕まえなさいっ!』

 

テイル『敵しかいないっ! だが、番組なんか出てたまるかッ!!』

 

シリカ『げっ、現場からは以上ですっ!』

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

キリト「いきなりどうするんだっ!? このままスタートしていいのかよ!?」

 

アスナ「えっ、えっと。とりあえず落ち着こう。まずは、このコーナーです」

 

『謎のプレイヤー、テイルの実体』

 

キリト「本人いないところでこの話か……」

 

アスナ「彼のことはSAOから謎が多いわよね」

 

リーファ「一緒に戦って分かるのは、頼もしい仲間ですね」

 

アスナ「ええ。剣を初め、両手剣、槍に投擲武器。色々な武器を使えるわよね」

 

キリト「ああ。ALOも魔法使ったりしていて、彼の基本ステータスはバランス型らしい」

 

アスナ「ああうん。必要に応じてアクセサリーとかで底上げしているんだよね」

 

キリト「本職じゃないけど、メイジのいない俺たちのパーティーじゃ助かってるな」

 

リーファ「タンク、アタッカーも得意分野。苦手なポジションってヒーラーでしたっけ?」

 

キリト「戦闘はやっぱり前衛が得意分野だよな。高いプレイヤースキルで足りない速さを補う。敏捷をメインで伸ばす俺と互角なんだよな」

 

アスナ「SAOはソロプレイヤーで、他のプレイヤーと一切交流は無かったみたいだね。同じギルドのレインさんを初め、関わる人はごく限られていたみたい」

 

リーファ「GGOじゃメインアームで光剣とスナイパーライフル、アサルト二刀流。プレイヤースキルで隠密スキルの代わりに、プレイヤーに静かに近づいたり、狙い撃ったり簡単にやるんですもんね」

 

キリト「なにげにプレイヤースキルの高さは、俺たちの中で一番だろう………(体験なんていうものがあるんだから当然だろうけど)」

 

リーファ「ああ♪ 後テイルさんがいると、リアルラックが高くなるんですよね♪ この前、一緒に買い物行った時、レアアイテムがショップに並んでたんです♪」

 

キリト「なっ、なんだってっ!? 今度彼奴と掘り出し物巡りするか………」

 

アスナ「っ!? ここで緊急速報ですっ! ついにGGO内でテイル氏が追い詰められたようです。GGO内で話題のスコードロンやチームに囲まれ、プラズマグレネードの雨あられ。スナイパーライフルを使用し、空中でグレネードを爆発させると言う離れ業を使うも、弾切れを起こして逃亡。ついに茂みの中に隠れていたところ、ピナ氏に発見され確保されました」

 

リーファ「ピナナイスっ♪」

 

アスナ「それでは、スペシャルゲスト。テイルさんです。どうぞ♪」

 

テイル「痛いっ、ピナ突かないで。もうログインしたっ! 俺出演依頼、受けてないのに」

 

アスナ「では、ショートコーナーを挟み、次に進みましょう」

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

ユイ「『ゼルダの伝説』の舞台はイベント後、ソードアート・オリジンの一部のフィールドに転移門を設置。今後SA:O内で遊ぶことが可能になります。設定としては領主の娘であるミファーさんと、ゼルダ姫が仲が良くなり、国と領地での交流が始まるようです」

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

アスナ「というわけで、今現在、VRゲームで話題を掻っ攫うプレイヤー。テイルさんです」

 

テイル「………テイルです」

 

キリト「縄でぐるぐる巻きにされてピナを頭に乗せて………大変だな」

 

テイル「なら解放してくれ……大学でメールボックス確認して、いつもこの手の物で困ってるんだ」

 

キリト「すまない。俺も我が身が可愛いんだ………」

 

アスナ「それでは次のコーナーです」

 

『悩み相談コーナー』

 

キリト「プレイバックシーンは無いからな。このコーナーは長めにやります」

 

テイル「悩み相談って………俺、リアルでも多いんだが」

 

アスナ「そうなんですか?」

 

テイル「セブンからは何かの計算と書類の整理。クラインからは女子大学生の紹介して欲しいとか」

 

キリト「彼奴なにしてるんだよ………」

 

テイル「後、学生みんなの宿題だ。ここ全員を初め、ほんと全員から相談メールが来る。特にキリト」

 

キリト「い、いやだって。テイルからの説明は分かりやすいから、ついやばい時、頼るんだよ」

 

アスナ「あっははは……。では最初の相談者はこの方です」

 

侍大将『ここ最近、自分以外の男子仲間ばかりモテていて悲しいです。一人は彼女がいるのに女の子と仲が良いし、もう一人はふらふらしていてモテモテで。その上現実でそいつ、綺麗な女の人と飲んでてました。自分も彼女欲しいですっ!』

 

テイル「えっ? これってクラインか?」

 

キリト「彼奴なにしてるんだ………。っていうか、綺麗な人と飲んでたって?」

 

アスナ「わたしたちの中で大人って、テイルさんとエギルさんだけだよね?」

 

テイル「ん~………俺かな? 綺麗な女の、はっ!」

 

 カキンッ、シャキンッ、ザンッ!! バッキューン。

 

キリト「縄抜けして向かってくる短剣や狙撃を回避したっ!」

 

テイル「危なかった。っていうか最後っ! 狙撃ってシノンさん、まだ俺を見張ってるっ!?」

 

キリト「全て防いだ、だと………」

 

アスナ「ユウキと言うものがありながらなにしてるんですかテイルさんっ!! 罰も防ぐなんて」

 

テイル「待て待て。まず俺は酒は飲んでいないっ! ジュース、麦茶! 飲み会に行ってもその人はみんなの知っている人のリアルだ」

 

リーファ「リアルの大人の人って?」

 

テイル「ツェリスカだっ! 最近、仕事の所為でGGOにログインできないから、愚痴くらい聞くことはできるから誘ったん………はっ!?」

 

 カンッ、カキキキキキキ………、バッキュンキュンっ!! カッキーン。「ぎゃーっ!」「キリトおおぉぉぉぉぉぉ」。バーーンっ!!

 

テイル「はあはあ……なんで攻撃されたんですかっ!?」

 

アスナ「全部防いで、外から攻撃が降ってきたね」

 

リーファ「まあテイルさんだからね。もう、なんでテイルさん、そうふらふらしてるんですか?」

 

テイル「ふらふらってなんのことだよ? ともかくお酒飲むから、今度エギルの店でって話になってるから、クラインも呼ぶか」

 

アスナ「まあそれで問題ないですね。時間帯によっては、わたしたちも参加できそう」

 

キリト「それでは……次の人、どうぞ………」

 

闇妖精剣士『テイルは普段はなにをしていますか? リアルの事情が知りたいです』

 

テイル「ん? 物凄くまともなものだ」

 

キリト「ああ、物凄くまともだ。俺も気になるんだけど、テイルは普段はなにしてるんだ?」

 

テイル「普段? 平日は大学行って、家に帰る。時間によっては勉強して、日によっては家事の手伝い。シノンが家に居候になったから楽になったな」

 

アスナ「そうですか」

 

テイル「昔からバイトはしてない。ただ物を買ったりはあまりしてないから、子供の頃から金はある。最近はセブンから書類の整頓とか、プログラムの手伝いしてる」

 

リーファ「テイルさん無駄使いはしないですもんね」

 

テイル「GGOじゃヒカリとホームがあるから、椅子とかの家具を買ったりする。現実ではバイクとかに金は回している。それでもあまり使用しないな」

 

キリト「休日はなにしてるんだ?」

 

テイル「ユウキの見舞い、レインのイベント。キリトたちとの付き合いじゃ勉強見たりする。もしくは飼い猫と共に縁側で時間を過ごす」

 

リーファ「時々テイルさん、年寄りみたいですね」

 

テイル(中身はかなり過酷な環境過ごしたからな………)

 

アスナ「趣味はゲームですが健全に過ごして、友人関係も問題無し。バイトなどの収入あり………これは次の質問に繋がりそうです」

 

キリト「次? それでは次の相談です」

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

ユイ「テイルさんのテイルは、tailの尻尾を意味するものでなく、tale、物語と言う意味です。それを気付いた方から、物語の剣士など、異名が変わる時が多いです。スペル間違えていないか心配………えっ? そこまで読まなくていい? 分かりました?」

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

アスナ「それでは最後の相談です」

 

代弁する者『テイルと言うプレイヤーは多くの女性プレイヤーと仲が良いようですが、誰が好みですか? 母もとい、私どもは心配しています。はっきりして欲しいです』

 

テイル「母さんっ!? なんで本編と全く関係が無い母親が出て来るっ!」

 

キリト「とんでもないな………」

 

リーファ「相談相手についてはいまはいいとして、実際はどうなんですか?」

 

テイル「どうって……俺、まだ大学生だし、別段焦ることでもないんじゃ。相手になる子はいないし」

 

キリト「女性目線からして、テイルはどうなんだ?」

 

アスナ、リーファ「「えっ?」」

 

アスナ「家事ができて、経済面もしっかりしている。友人関係も良好で、勉学もしっかりしている」

 

リーファ「趣味に無駄にお金をつぎ込む人じゃなく、顔も良く、運動神経も良い」

 

アスナ「テイルさん、誰かいないんですか? むしろいないことが不思議です」

 

テイル「はっきり言うな………。少し前まで、こうやって話したりできる人間じゃないし、良好的な関係はVRゲーム関係しかいない」

 

アスナ「あっ、ここで相談者から追加メールです。どうぞ」

 

相談者『1・レインちゃん。2・ユウキちゃん。3・クレハちゃん。誰だ息子よ』

 

テイル「もう隠す気も無いなっ! なんでこの三人なんだ?」

 

キリト「三人ともテイルと仲が良いけど、実際どうなんだ」

 

テイル「んなわけあるか。レインはただの友達、ユウキは俺にとって大切な子。クレハちゃんは妹みたいなものだ。他の子もだいたいそんなものだし、恋人になるなんて絶対に………はっ!」

 

キリト「嫌な予感っ!」

 

「あーーー」「ぎゃーーーー」「なん」「でっ!」「俺だけ」「あああああああ――」

 

テイル「はあはあ………弾丸に剣に手裏剣のようなメールに魔法。キリトが盾になってくれなきゃ危なかったぜ」

 

キリト「た、盾になったつもりは、ない……がくっ」

 

アスナ「キリト君邪魔しないでっ! テイルさんっ! ユウキと言う者がありながら、どうしてそうふらふらしてるんですか!」

 

テイル「なに言ってるんだか分からない」

 

リーファ「テイルさん。女性問題に鈍感なところ除けば、完璧超人なんですけどね」

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

アスナ「残念ながらお別れの時間が近づいてきましたっ!」

 

テイル「キリト、大丈夫か?」

 

キリト「なんで俺が………」

 

アスナ「テイルさん、最後に、本当に恋人はいないんですか?」

 

テイル「いないよ。そもそもそんなの、考えたことは無い。いまはユウキが大事だし、あの子が大切だから、時間はVRか見舞い。そっちに割きたい」

 

アスナ「うう~。まあそういうことにしておきます」

 

リーファ「いまはみんなのお兄ちゃんってことですね」

 

キリト「ああ。頼りにしてるぜテイル」

 

テイル「ああ」

 

アスナ「それでは皆さん」

 

全員『お読みいただき、ありがとうございます~』




『………まずい、詩乃ちゃんからの好感度が酷い。これはどうにかしないと………』

 そして手を叩き、あることを思いついた。

『任せてくれ。君が転生してよかったと思うようにするから』

 そして光が当たりを照らし出した………

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