ソードアート・レジェンド   作:にゃはっふー

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第7話・絶剣

 病気が治るかもしれない。そう先生に言われた。

 

 ボクの病気が治るかもしれない手術、骨髄移植というものがあると聞かされる。

 

 そのお兄さんは、ある事件に巻き込まれ、しばらくして登録したらしい人。

 

 事件の時や登録で発覚して、それで手術可能。

 

 その人はボクの話を聞いて、すぐに話を聞きに来るらしい。

 

 その人は前向きに手術を、骨髄移植をしてくれる。

 

 だけど………

 

 ボクは手術を受けたくない………

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

『やあ』

 

 それは神様だった。

 

『まず安心してくれ、君は死んでない』

 

 それにホッとしながら、色々なことが走馬灯になる。

 

 時間が合わず、裏世界進出の乾杯にも参加できず、少し落ち込んでいた。

 

 それなのに死んだのなら、もうどうすればいいんだ俺の人生。

 

 だが神様は何のために?

 

『君の願いを、正しく叶えることができないことを伝えに来た』

 

 えっ………

 

 それに愕然となる。

 

『すまないが、君が結果を知れば、悲しむと思い、伝えに来た』

 

 そ、そんな………

 

『ユウキに家族はもういない、彼女は一人だ』

 

 それに愕然となる。それで生きていても、彼女は幸せか。

 

『だから、あなたに託したいの………』

 

 えっ。

 

 別の声を聞き、そして後ろを振り返る………

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

「………」

 

 ピピピピッと言う音と共に、目が覚める。

 

 朝日が差し込む中、俺は涙だけが流れた。

 

「………」

 

 なにができた。

 

 できなかった。意味が無かった………

 

「………ぁ………」

 

 その日俺は、何もする気が起きなかった………

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

 

「………」

 

「よ、よぉ~テイル? どしたのお前」

 

 ログインして裏世界攻略の中、エギルの店で、クラインが心配して話しかけてきた。

 

「………リアルがうまくいかなくてな」

 

 素材アイテムやらを渡しに来た。

 

 ここ最近そればかりだ。

 

「キリトたちは」

 

「いやユウキのギルド、《スリーピングナイツ》ってギルドの手伝いよ」

 

「そう………」

 

 それに俺はハッとなる。

 

 スリーピングナイツ、手伝い、ギルドの思い出作り。

 

 何があった。

 

 何かあったッ!!

 

 俺は思い出し、店を飛び出した。

 

「お、おいテイルっ!?」

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

 空を飛び、ウインドを開き、ここ最近発表されているクエストを確認する。

 

 思い出せ、確か思い出作りで、何か障害があった。

 

「そうだ」

 

 思い出作りは、ギルドによって阻まれたはずだ。

 

 その時、颯爽とアスナを助けに、キリトが仲間と共に駆けつける。

 

 今回もそうだろう。

 

 だが、

 

「だけどッ」

 

 だけど止まれるはずがないじゃないか。

 

 あの子は俺、SAOのテイルが、存分に遊べた相手。

 

 彼女には恩がある。

 

 それだけで終わらす気は無い。

 

 ホームページから情報を得て、俺は飛ぶ。

 

 その途中で、ユイちゃんからメッセージが届く。

 

『パパたちがシャムロックのギルドメンバーにイベントクリアを妨害されてピンチですっ、どうか助けに来てください!』

 

 そしてそのイベントの場所は、ユウキの思い出作りのための場所であると知る。

 

 なぜだろう、こんなに強く思うのは。

 

 俺は………

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

「はあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」

 

「くっ、やるな………だがここまでだっ」

 

「! しまったっ」

 

 その時、奥から大勢のシャムロック、ギルドメンバーがこちらに向かって走っているのが見えたキリト。

 

 他のスリーピングナイツのメンバーも、絶望してしまう。

 

「ふっはははは、弱小ギルドが、大手ギルドに歯向かった事、こう」

 

 

 

 その次の瞬間、何かが切り刻みながら、ギルドメンバーを吹き飛ばした。

 

 

 

「えっ………」

 

「はっ………」

 

「なっ………」

 

 そこにいた全員が驚き、戦闘が一度止まる。

 

 中にはHPが0になり、倒されたプレイヤーが出る中………

 

 翻る蒼いコート。

 

 地面に突き刺さる、大剣。槍を背負い、持てるだけの装備を持って、一人の戦士が現れた。

 

「だ、誰だお前はッ!」

 

「シャムロックに、たった一人でたてついて、ただですむと」

 

 

 

「知るかあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ―――」

 

 

 

 それは沈黙や、物静かな口下手の青年から発した声にしては、大きな声。

 

 空間を震わせる意思と声に、数が多いシャムロックはひるむ。

 

「悪いが、ここから先は通行止めだ! これ以上先に行くのなら、消えてもらうッ」

 

 蒼いコートを翻して、片手剣を構え、サラマンダーの剣士が二つの間に現れる。

 

「おいっ、彼奴の持ってる武器っ」

 

「まさか、レア武器かっ!!?」

 

 驚く中で、それでも彼らは数の優位は消えない。

 

「いくら現れたところで、メイジっ」

 

 メイジ職のプレイヤーが魔法の詠唱に入る、だが、

 

「っ!?」

 

 瞬間、彼らの眉間が射貫かれた。

 

 剣士はいつの間にか弓矢を装備していて、瞬時に放たれたらしい。

 

「テイル、お前」

 

「ここは俺に任せて、先に行け!」

 

「くそぉぉぉぉぉぉぉぉぉ」

 

 向かってくる敵プレイヤーに、瞬時に剣を抜き、切り払い、喉元を貫き、切り払う。

 

 その瞬間的にプレイヤーを討つ姿に、全員が戦慄した。

 

「いまの動きなんだよっ」

 

「ただのプレイヤーじゃないぞ! ぜ、全員でかかれッ!!」

 

「………来いッ!」

 

 蒼い炎が舞い上がる。

 

 向かってくるプレイヤーが炎と変わり、様々な武器を巧みに変え、瞬時にHPを0にした。

 

 その中に、瞬間的に防御力が高いプレイヤーに、連撃が叩き込まれる。

 

「な、なんだあのスキルっ、まさか」

 

「OSSっ、オリジナルソードスキルっ!?」

 

 このゲームには、オリジナルのソードスキルを作るシステムがある。

 

 それにより、再現された、授けられた剣技だ。

 

 オリジナルソードスキル。その衝撃に彼のソードスキルの硬直が解ける隙を与えて、そして彼は一歩前へ乗り出す。

 

「おっらあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!」

 

 剣が発光し、交差するように突進して、周りを飲み込みながらプレイヤーを切り刻む。

 

 一気に隊列が壊され、その後も彼は隊列の中で暴れ狂う。

 

「ははっ、なんかすごい援軍を呼んだようだ」

 

「キリトくん、まさか」

 

「いや俺はそこまで知らなかったよ、あとで問いただそうぜ」

 

 そしてキリトたちは、いま対峙するシャムロックを見る。

 

 増援がたった一人に踏み散らされる様子に驚愕している好機を、キリトは見逃さない。

 

「さあ、ここを突破してっ、ボスに挑むぞ!」

 

 そして彼らをボス部屋に入れた後、一人の番人が守り通した。

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

「まったく、一人で片付けたわね………」

 

 シノンがそうぼやく中、レア武器を持つ仲間に愚痴る。

 

「ってかお前さん、物凄すぎだろこれ!」

 

「そうですよ、凄すぎです」

 

 シリカの問いかけに、静かに座り込む。

 

「隠してたわけじゃない、タンクとして活躍が多いから言う必要はなかったからだよ」

 

「OSS、オリジナルソードスキルは?」

 

「それは………やっぱり、そのな………」

 

 剣を振りながら、レア武器だが、もう使えそうにない。

 

 だいぶボロボロになり、ギリギリの戦いだった。

 

 攻撃をギリギリで避け、矢や投げ槍、剣技。

 

 持てるすべてを持って防衛し、クラインが自分の知り合い、ギルドを連れて防衛に来たり、仲間たちが駆けつけたりした。

 

「お前さんが血相変えて出て行って、心配したぞ」

 

「悪い……。そう言えば、どこかのギルドが、クエストにチャレンジするって聞いていて………」

 

「もしかしてって思ったのね、それでこれってあんたは」

 

 シノンが呆れながら、俺は黙り込む。

 

 仲間たちには悪いが、こう言いまわすしかない。ギルドはどこがは知らないが、シャムロックに変わっていて、俺はどうにか間に合ったようだ。

 

 多くのレア武器がダメになったが、後悔は無い。

 

「………」

 

 ともかく、いまはこれで防衛成功した。

 

 そんな話をしながら、やっと一息つく。

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

「………」

 

 あの後、なぜかキリトたちと連絡がつかない。

 

「ボスは倒したんだよな?」

 

「だと思うが、だが連絡が無いのはどういうことだろう」

 

 疑問に思う中、誰かが店に入ってくる。それは、

 

「あれ、あなたは」

 

「すいません、連絡がついていないと思いまして」

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

 エギルの店で、とあるプレイヤーが訪ねてきた。

 

 彼女は、

 

「私はスリーピングナイツの一人、シウネーと申します」

 

「シウネーさん、ボス戦はどうなったんですか」

 

「それは、皆さんのおかげで勝利を収めることができました」

 

「そうですが、ですけど」

 

「はい………」

 

 そしてしばらく考え込むが、意を決して、シウネーさんはスリーピングナイツのメンバーのことを教えてくれる。

 

 それは重病患者たちの集まりだと言う事。

 

 そして、ここ最近、治療のことなど考えて、解散する。

 

 そのことがあり、自分たちがここにいた証の為、今回のクエストだ。

 

「確かクエストクリアの証で、名前がゲームの石碑に刻まれる。だっけか?」

 

「はい、他のギルドメンバーと組むと、リーダーだけですが、一組で攻略すれば、メンバー全員の名前が残ります」

 

「そして、ユウキ、あの子は」

 

 アスナは解散するギルドと知りながらも、仲間に入りたいと言う意思で、側に近づこうとした。

 

 だがユウキはそれを拒んでしまう。

 

「ここ最近、あの子は少し。なにか思い悩んでいる様子で」

 

「病気が悪くなったりですか」

 

「それは分かりません、ですけど、ここ最近、みんな集中して治療すれば治る話は、最近出始めてます」

 

 それに俺は驚いた。彼らのその後は、ただの記憶の為、思い出せなかったが、そんな偶然あるのか?

 

 神様が、手を貸してくれたのだろうか。そうしなきゃいけなかったのか、いまは分からない。

 

「………ユウキはどうですか」

 

「それは………そう言えば」

 

 話を聞くと、ユウキは最近、自分の病気のことを話していない。

 

「なにかあったのでしょうか」

 

「悪くなる話という訳は」

 

「それはない………」

 

 その時、何か思いついた顔になる。

 

 彼女から詳しい話を聞くと、ユウキには姉がいた。

 

 いた、なのだ。

 

 自分と同じ病気で、双子の姉がいた。

 

 俺の願いは届かなかったのだ。

 

 いまのユウキは一人で闘病生活している。

 

 ユウキが何を抱えているか分からない。現実で会うことできない。

 

「………ユウキとはちゃんと話さないとな」

 

 キリト、アスナが先だろう。

 

 俺に………会う資格は無い。

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

 それから少しして、ユウキと仲直りできた。

 

 私はユウキからマザーズ・ロザリオを受け取り、スリーピングナイツのみんながやってくる。

 

 そして、

 

「みんな、聞いてほしいんだ」

 

 全員が集まる中、ユウキは自分のことを話しだす。

 

 スリーピングナイトと、私たち。

 

 その中に、炎のように荒れ狂った彼もいる。

 

 実は特殊な手術方法で、仮想世界に意識をフルダイブし、身体をその間治すという、簡単な説明をスリーピングナイツのみんなと共に、私たちに説明してくれた。

 

 そして、

 

「実はね、最近になってボクと骨髄移植できる、ドナー登録者さんが現れたんだ」

 

「それって!」

 

「うん、もしかすればボクの病気、治るかもしれないんだ」

 

「それならユウキっ」

 

「受けるべきですよリーダー!」

 

「俺らだって治るために離れたりするんですよ、リーダーも治るために受けるべきです」

 

 そんな話の中、ユウキは僅かに身体を震わす。

 

「ごめん、怖いんだボク」

 

「手術が怖いの」

 

「それもある、けど、その人に迷惑をかけるんじゃないかって」

 

「ユウキ」

 

「その人、病院から連絡を受けたら、説明を聞きに来てくれた人だけど。怖いんだ、自分の病気に巻き込むのが」

 

 そう言うユウキ、いまそのことで、かなり先生と話しているらしい。

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

 気のせいか、どこかで聞いた話だ。

 

「………」

 

 そう、聞いた話だ。

 

 今朝も親と共に、受ける子が決心したらすぐに受けないとねとか話して、

 

「手術は一応するから、体力作りのために肉食いなさい」

 

 とか母親に、熊肉とか食わされたっけ。

 

 ………ははっ………

 

 だからあんな夢を見たのか………

 

「ユウキ」

 

「? テイル?」

 

「………手術を受けよう、ユウキ」

 

「………ボクは」

 

 沈む顔をするユウキへ、俺は一歩踏む出す。

 

「俺はお前を救いたい」

 

「テイル?」

 

「お前を助けたい」

 

 そう言って、ユウキの手を握る。

 

「………『神様は、私たちに耐えることのできない苦しみをお与えにならない』」

 

 その時、ユウキの目が見開き、俺は静かに抱きしめる。

 

「ドナー登録で、ある患者に手術拒否されたけど、準備だけはお願いしますと言われてから、変な夢を見たんだ」

 

 これで変な奴として見られたっていい。

 

「それ………って」

 

 涙目で聞き返すユウキに、その涙をぬぐいながら、

 

「夢の中で、親子が出てきた。妹を、娘をお願いしますって……」

 

「そ、んな、けど、あの言葉は」

 

 首を振り否定しそうになるが、その手を握りしめながら伝える。

 

「ユウキ、俺とお前が出会ったのは、神様が出会わしてくれたからだ………」

 

「そんな、けど、だけど、テイルが?」

 

 首を振りながら、それでも静かに話しかける。

 

「俺は夢の中で出会った親子の願いを、お前を救いたいと言う願いを叶えたい」

 

「てい、る………」

 

 涙を流す少女と共に、俺は俺の願いを、みんなの願いを叶える。

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

 翌日、透明なガラスを隔て、一人の少女と青年が向かい合う。

 

 その側に両親もいて、ユウキ、彼女と向かい合う。

 

『テイル、なんだよね?』

 

「ああ、リアルネームと同じだったんだな。ユウキ」

 

 いまユウキは仮想世界にアクセスし、そこからスピーカー越しに話をしている。

 

 母さんと父さんは医師の先生と、詳しい日程などの話をしていた。

 

「お前だと知った以上、無理してでも受けるよ………」

 

『………けど』

 

「俺は手術をいつ受けてもいいようにって、母親に毎度肉類食わされたり、野菜食わされたりしてな。さすがにマグロの目玉は飽きた」

 

『どんな食事情!!?』

 

「ウチは自分より他人のことばかり考えるんだよ」

 

 そんな話をしながら、透明な壁に手をかける。

 

「ユウキ、治ろう」

 

『………テイル』

 

「………俺の、俺の名前は―――」

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

 ボクらの手術は滞りなく進み、成功。

 

 テイルや、テイルのご両親、アスナも駆けつけてくれてました。

 

 そしてボクはその日、夢を見た。

 

「っ!? 姉ちゃん………。それに」

 

 二人と出会い、ボクはテイルが会わせてくれたと聞いてから、いっぱい、いっぱい話し合った。

 

 全てが終わり、時間が来るまで、ボクは夢を見続けた………

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

 こうしてユウキ、紺野木綿季の手術が終わり、俺はぼーとしていた。

 

 これからログインとかどうするかとか、色々考えていると母親が、

 

「木綿季ちゃん引き取るかもしれないからね」

 

「はい?」

 

 そう唐突に言われた………

 

 本気、なのかな。少し不安だ………




彼の願いを変えて、少しでも良くなるようにとかえられた願いです。

後書きもここで、お読みいただきありがとうございます。
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