カイジョウロンパ~新たな希望と絶望   作:妃沖薊

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なんだか人数少なくってキリが悪くなってしまいました…
でもあのお方が登場しそうです


プロローグ・その4

≪食堂≫

 

 

保健室の隣の部屋は長机が2つと合計16個の椅子が置いてある部屋だった

 

机の上に調味料が置いてあるし食堂っぽいか?

 

塩・胡椒・醤油・酢・ラー油…

 

なんでデスソースまであるんだ?

 

 

虚「ここは…食堂か?

さっきの予言は食堂と厨房ってことじゃないか?」

 

如「あぁ、そういう事か。

それなら確かに"次の部屋で1人と2人"だね。」

 

八「つまりここには…。」

 

 

食堂を見回すとメニュー表の近くに黒と黄緑が基調のヘッドホンを付けた男がいた

 

着ているのは白の学ランでインナーがYシャツではなく緑色のハイネック

 

髪は栗毛の短髪で前髪をいくつかのピンで左右対称に留めている

 

顔だけ見ると女っぽいな

 

 

?「あ、あの…初めまして…ですよね…?」

 

如「うん、私は如月 輪廻だよ。

【超高校級のネイルアーティスト】、よろしくね。」

 

八「俺は【超高校級の助っ人】の八森 剣助。」

 

虚「虚木 炉だ。」

 

逆「えぇっと…ぼ、僕は…逆佐 由(さかさ ゆかり)…【超高校級の作曲家】です…。

あの…取り柄とか無いけど…仲良くして下さい…。」

 

 

【超高校級の作曲家】

   逆佐 由(さかさ ゆかり)

 

 

逆佐は俺達に指を組んで祈る様なポーズをしながら自己紹介をした

 

俺達より逆佐の方が背が低めだからか自然に上目遣いになる

 

学ラン着てるから男だってわかるけどこれ普段着によっては…

 

 

如「逆佐君って…女の子っぽいね…。

上目遣いにそのポーズ…女子力高い…負けそう…。」

 

逆「えぇ…!?そ…そんな事…!

だだだだって如月さん…その…すっごく可愛いし…肩書も【超高校級のネイルアーティスト】なんでしょ…?

ネイルって女の子らしいし…制服もリボンとか可愛いし…"夢の世界で君に捧ぐ"のヒロインの春ちゃんみたいで…その…。」

 

如「"夢の世界で君に捧ぐ"!?"ユメキミ"!?

それって週末の朝5時からにも関わらず視聴率が18パーセントの人気アニメの!?

逆佐君ってアニメ観るの!?」

 

逆「観るっていうか…そのアニメの主題歌の作曲したから…。

関係者さん達からアニメグッズ結構貰うんだ…。」

 

八「主題歌ってダウンロード数で7週間トップだった、アニメのキャラの"雪色 みるく"が歌ってるっていう"ミルクプリン・キッス"?」

 

 

一時期学校で流行って教室で振り付けありで踊ってるヤツいたな

 

何故か先生も加わって1時間目が潰れたっけ

 

 

逆「うん、それ。

作詞は別の人がやったんだけど…曲が凄くいいって誉められたんだ。

それ以前はネットで作曲したものを流してたんだけど…それ以降作曲を依頼してもらえることが多くなったんだ。」

 

如「私も聞いたよ!"ミルクプリン・キッス"!

甘ーい感じと滑らかな曲調がすっごく聴きやすくってすぐ覚えられたんだ!

カラオケで良く歌った!」

 

逆「あ…ありがとう…嬉しいよ…!」

 

虚「…話についていけない…。」

 

八「あ、虚木はアニメとか観なさそうだもんな。

かくいう俺もあんまり観ないけど。

悪い逆佐、俺達挨拶回りの途中だからさ。」

 

逆「う、ううん…お話聞いてくれてありがとう…。

あの…今厨房でお菓子作ってる人達がいるから…挨拶した方が…。」

 

八「やっぱり中にいるのか、ありがとな。」

 

如「逆佐君!また後でね!」

 

 

そう言って俺達は逆佐の後ろにあった扉の方に行った

 

 

――――――――――

 

 

≪厨房≫

 

 

扉の中に入ると凄く広い厨房だった

 

大型冷蔵庫が3台もあって、他にも大量の果物や野菜の貯蔵室、豚・牛・鳥以外にも様々な種類の肉のある保管庫、魚の生簀にも数十匹の魚が泳いでいる

 

これなら暫く暮らすとしても食料には困らないな

 

…まぁ、学校なんだし暮らすってことは無いと思うけど

 

食料の豊富さに驚いていると奥の方から高校生らしい2人が歩いてきた

 

1人は女で…なんかジャラジャラした女だった

 

頭にも首にも指にも腰にもアクセサリーが大量に付いてる

 

統一しているのかフワフワモコモコの物が多い

 

制服も赤地に白のチェックのスカートと白いブラウスはまとも

 

なのにピンク色のセーターはサイズが完全に大きいのかかなり短いスカートがほぼ隠れてるし、袖先からは中指の先しか見えない

 

いわゆる萌え袖…ってやつか?

 

髪も完全に染めているパステルピンクで胸元くらいまであるであろう長さの髪を緩く三つ編みにしている

 

前髪も長いのか全て向かって左側に流してデコレーションされた髪留めで留めている

 

もう1人の男の方は…一言で言えば執事服だな

 

絵に描いたようなグレーのタキシードに革靴

 

眼鏡・モノクルはかけていないけどメッチャ似合いそう

 

髪はうっすい金髪、プラチナブロンドとでも言うのか?

 

短髪のウルフカット、前髪もヘアスプレーで固めているのか右:左で8:2に綺麗に分かれている

 

そこまでは良い、そこまでは完全に普通の執事だ

 

けど…右側の前頭部に巻き付けているっぽい懐中時計はツッコミ待ちなのか?

 

カチカチいってるし本物で動いてるみたいだが…

 

普通は時間を見る為に腰とかの見える場所に付けるんじゃないのか?

 

 

?「あれれ~?新人さんかな~?

ミィナに挨拶がおっそいんじゃないの~?

鈍足過ぎ~、カメさんでも目指してるの~?」

 

?「初対面の方々にいきなり喧嘩を売らないで下さい。

貴女様の尻拭いなど御免ですからね。

喧嘩なんかしたことも無いクセに口ばかりが達者におなりになって…。

巻き込まれるこちらの身にもなって頂きたいものですよまったく…。」

 

 

な…なんか今までの奴等に比べて色んな意味で付き合いにくそうだな…

 

 

巳「まあいいや、ミィナは寛大だし~。

あ、ミィナはミィナだよ~。

巳堂谷 美稲(みどうだに みいな)、【超高校級のブロガー】だよ~。

ミィナとクラスメートになれるんだから光栄に思ってね~?」

 

 

【超高校級のブロガー】

   巳堂谷 美稲(みどうだに みいな)

 

 

巳「名乗ったんだからそっちも名乗れし~。」

 

八「あ…ああ…悪い…。

俺は八森 剣助、【超高校級の助っ人】だ。」

 

虚「虚木 炉、【超高校級の研究者】。」

 

如「えっと…【超高校級のネイルアーティスト】の如月 輪廻で…。」

 

巳「うっそあんたが【超高校級のネイラー】?」

 

 

如月が名乗ると巳堂谷は凄いスピードで如月に近付いた

 

いきなり近付かれたことに驚いた如月は1歩後退った

 

 

如「ネイラーじゃなくってネイルアーティストなんだけど…?」

 

巳「どうでもいいしそんな事。

つーかミィナあんたに予約入れようとしたら5年待ちとかありえないんだけど。

本人ここにいんだからやってよ。」

 

如「あの、いや、その…。

そういう事例作っちゃうと顧客の信用にかかわるというか…。」

 

巳「は?なにそれ。

5年待ちとかありえないからやれって言ってるの。

ミィナの言葉分ってる?日本語分かる?

顧客信用が何?社会的に抹消されたいの?

態々あんたみたいなトロくってモッサい奴にミィナが直々に頼んでるんだからミィナのためにスケジュール開けんのが常識でしょ?

信用失うのと行き場失うのどっちが良いの?」

 

 

巳堂谷は如月に掴み掛って詰め寄った

 

これが…【超高校級のブロガー】の巳堂谷 美稲…

 

噂には聞いてたけど本当だったんだな…別名【超高校級の自己中】

 

巳堂谷は世間では超有名なジュエリー企業の令嬢で、しかもその企業の広報部の最高責任者を務めている

 

そのブログの評判を買われて父親である代表取締役に頼まれてやり始めたらしいがそれが大成功

 

ブログ効果もあって売り上げ・店舗・スポンサーさえも増えたらしい

 

しかし巳堂谷には過激派のファンがいて、それに巳堂谷の自己中さも相まって巳堂谷のアンチや巳堂谷に危害を加える奴に対して異常とも言える制裁を与えているらしい

 

聞いた話の例では巳堂谷のブログに批判的な書き込みをした奴が後日会社をクビになって、更に詐欺かなんかに引っかかったのか借金も背負わされて家を奪われて路頭に迷ったとか…

 

そんなことになっても警察も買収されてるのか報復が怖いのか取り調べもできないらしい

 

更に巳堂谷は超有名企業の令嬢だ、揉み消されているだろう

 

地位と名声と富とファンを持った独裁者の最たる例だな

 

 

如「え、えっと、えっと…。」

 

八「おい、やめ…!」

 

?「お止め下さい美稲様。」

 

 

俺が巳堂谷を止めようとすると執事が腕で俺を制した後巳堂谷にストップをかけた

 

 

巳「はい?何ロイズ。」

 

?「初日から敵を作らないで下さいと先程も再三申し上げた筈ですよ?

貴方様の脳は鶏以下ですか?虫以下なのですか?

貴方様に仕えている私の人格も疑われるのですよ?

それに貴女様は専属のネイリストも雇っていらっしゃるではありませんか。

無駄遣いをするなとお父上様からもキツく言われているでしょう。

お金を溝に捨てるような真似はお止め下さい。」

 

 

…それだと如月に頼むのが溝に捨てるような真似だって言ってるんじゃ…

 

というかあの巳堂谷にそんな言い方して大丈夫かこの執事…!?

 

 

巳「…ロイズが言うならしょうがないかな~?

その失礼な対応許してあげるんだから感謝してよね~?」

 

如「え…あ…はい…ありがとう…ございます…?」

 

ロ「はぁ…まったく…あぁ、申し遅れました。

私はロイズ・フェアトラークと申します。

こちらの愚嬢(おじょうさま)に仕えております、どうぞお見知りおきを。」

 

 

【超高校級の執事】

   ロイズ・フェアトラーク

 

 

ロ「私は見てわかって当然だとは思いますが【超高校級の執事】の名を頂戴致しております。

美稲様の執事として雇われておりますが御用がおありでしたらお申し付け下さい。」

 

巳「はぁ?ロイズはミィナの執事でしょ?」

 

ロ「貴女様直々の雇用の執事ではなく貴女様のお父上様が私を雇用して貴女様に仕えるように言われているのです。

その内容も『美稲様、及び美稲様の周りの方々の身の回りのお世話』で承っております。

おそらくお父上様も貴女様のその歪み過ぎて270度くらい捻じ曲がった性格を考慮して私にその様に仰ったのでしょう。

美稲様が孤立しないようにお気を回されたのでしょう。

簡潔に纏めますと…『美稲様に真面なご友人を作ってその歪みに歪み切った性格を修正して来い。』…と言う事ですよ。」

 

 

こ…この執事…毒舌の域を超えてないか!?

 

喋ってる事殆ど巳堂谷のディスりなんだけど!?

 

で…でもそんな大企業の取締役に雇われるって事はその実績は本物なんだろうな…

 

 

巳「うぅ~…!

気分悪い!あんた達さっさと出てって!

ミィナはロイズの美味しいお菓子食べるから!

フンっだ!!」

 

 

巳堂谷は機嫌が最悪になったのか奥にズカズカと早足で引っ込んでしまった

 

ロイズも俺達に一礼して巳堂谷の後を追った

 

…俺達も次に行くか

 

 

――――――――――

 

 

≪2Fへの階段前≫

 

 

食堂を出て奥に向かうと鉄格子が下ろされていた

 

シャッターみたいな物でカードキーを読み込むことで開く仕組みみたいだ

 

その鉄格子の奥には階段が見える

 

2Fに行く為の階段みたいだ

 

 

八「2階には…行けないか…。」

 

如「えっと…。

1階には…玄関ホール・倉庫・保健室・食堂・厨房・教室が2つ・体育館・中庭に行くホール・中庭・寄宿舎・ゲーセン・そしてこの階段…だね。」

 

虚「対して希望ヶ峰には…。

教室が2つ・視聴覚室・購買部・玄関ホール・保健室・体育館・そして階段と寄宿舎への入り口があった筈だ。

寄宿舎も中庭には無く直接入口が繋がっていて、その中に食堂も大浴場もコインランドリーもあったらしい。」

 

八「聞く限り…希望ヶ峰学園には程遠いな…。」

 

?「その話…本当?」

 

 

俺達が話していると後ろから声を掛けられた

 

振り返るといたのは男子高校生

 

普通の黒の学ランと運動靴に茶色のパーカーを着ている

 

手元にはまた茶色のファインダーを持っていて利き手らしい左手にはシャーペンが握られている

 

髪は茶髪の短髪で白いニットキャップを被っている

 

眼鏡も掛けてるし…THE・文系男子って感じだ

 

 

虚「俺の母親から聞いた話だ。

おそらく情報は正しい。」

 

?「そうなんだね…僕も可笑しいと思ってたんだ。

確かに入学前に貰った案内にも内部の見取り図が載ってたけど…改装したとかじゃないんだね?」

 

八「そうそう変えたりしないって紅潮も言ってたし…その可能性は低いんじゃないか?」

 

「だとしたらここは別の学校…?

でも態々ここまで…いや姉妹校ってことも…?

でも姉妹校があるなんて…ネットにもパンフにも…。

新設された…?いや何の連絡の無しに…?」

 

 

なんかブツブツ言い出したな

 

手元のファインダーにも書き出してるし

 

考え事を纏めるのに時間がかかるタイプなのか…?

 

 

菅「ブツブツ…ブツブツ…あっ!ゴメン!!

えっと!いきなり出てきて誰だって話だよね!?

僕は菅井 正義(すがい まさよし)!【超高校級の図書委員】だよ!」

 

 

【超高校級の図書委員】

   菅井 正義(すがい まさよし)

 

 

…え?菅井?

 

 

八「あのさ…菅井って…優小に1年から3年まで通ってたか?」

 

菅「え?通ってたよ?

もしかして…同級生だった?」

 

八「クラスは違かったけどな。

すっごい噂になってたんだよ。

絵本から図鑑・小説・漫画までどんな本でも読んでた奴がいるって。」

 

如「そうなの?

私がそのくらいの頃は絵本ぐらいしか見なかったな…。」

 

虚「様々な本の保存方法や手入れ方法を熟知していて、更に年間に読む本の数は800を超えると言われている完全な本の虫。

その本に関する知能の膨大さから【超高校級の図書委員】と呼ばれている…だったか。」

 

菅「好きこそ物の上手なれって言うけど僕のは正にそれだよ。

父さんが作家で母さんが絵本作家だったっていう環境もあるし、運動が苦手だった僕は自然と本を読むようになったんだ。

だから超高校級になるのは予想外だったけど本で何か認められるとは思ってた。」

 

如「私もそんな感じ!

私の叔母さんがネイルサロンやってたからそれに影響されてって感じだもん!

あ、私は【超高校級のネイルアーティスト】の如月 輪廻だよ!」

 

虚「俺は【超高校級の研究者】の虚木 炉だ。」

 

八「俺は八森 剣助。

【超高校級の助っ人】で…"何でも屋"って言えばわかるか?」

 

菅「え…?

"何でも屋"って…あれ…でも…ん…?」

 

八「ん?どうした?」

 

菅「んん…いや…何でもないよ。」

 

 

そんな風に話していると…

 

 

キーンコーンカーンコーン…

 

 

近くにあったモニターが点き、そこから音…というか声が聞こえてきた

 

 

ビー…ザザザ…ジジ…

『えー…マイクテス、マイクテス。

オマエラ!大変長らくお待たせいたしました!

これから私立獲命(かくめい)学園の入学式を行います!

まったく…自己紹介にどんだけ尺使ってるんだよ…。

というわけでオマエラは至急体育館に集合して下さい!

至急体育館に集合してください!

大事な事だから2回言ったからね!

これで来なかったらボク怒るからね!

ハリーハリー!急ぐんだよ!』

プツンッ

 

 

何だろう…この場に合わない雰囲気の声なのに…

 

この声に…何故か恐怖を感じるのは…

 

 

如「えっと…これって行った方が良いんだよ…ね?」

 

虚「…ここでジッとしていても仕方がない。

今はあの放送に従おう。」

 

八「そう…だな…。」

 

 

俺達は不安な気持ちに駆られながらも体育館に向かった

 

大丈夫…大丈夫…

 

きっと…気のせいだ…




登場しましたね!…え?声しか出てない?
(姿が)登場しそうとは言ってませんよ?

…はいごめんなさい投稿が遅れそうで書けませんでした
というかいつも深夜に投稿してたから厳密にいえば十分遅刻なんですけどね…

次でプロローグを終わらせるつもりです
人物紹介してから本編に入ります

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