今さらですが、…はキャラ視点の入れ換えで、ーはそのままのキャラ、そして過去の回想シーンに移行する場合はー ー ーか… … …です。
窓から見える海、抑えられてはいるが聞こえるエンジンの音。あの時、あの時から変わった。あのことから…
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「父さん、海が見えるよ」
「そうだな古門。お、見てみろ。日本が小さくなっていくぞ」
「うわー!!」
俺にとってはじめて見る景色、自分の故郷が離れ小さくなっていくのを見ながら、今から行く見たこともない場所に胸を踊らせながら俺と父親は飛行機に乗っていた。
「父さん、フランスへ着いたらどこへいこうかな?」
「とかいってお前もう決まってるんだろ?わかった、父さんがお前の考えを当ててやろう」
父はにやにやしながら勝負を仕掛けてきた。
「それじゃあせーので」
「わかった」
俺は少し息を吸い込んだ。
「「せーの」」
「「カフェ!!」」
お互い顔を合わせ、父は俺を俺は父の方を指で指しながら言った。
「本当にお前はじじくさいなぁ。誰に似たんだか」
「父さんでしょ?俺がコーヒー好きなのも、ほとんど父さんの影響だし。むしろさっきの答えも父さんが行きたかった所じゃないの?」
「バレたか」
小さく笑う父の顔を見ながら俺も笑った。
『機長の笹塚です。快適な空の旅へようこそ。皆様が安心できるフライトをつとめさせていただきます。それではよき旅を』
機内のアナウンスが流れ、俺の心はこれ以上ないくらいにワクワクしていた。その時までは…
バンバンー
自分たちの後方から耳に響く破裂音が聞こえると、俺の嬉しさのドキドキが恐怖の方へと向かっていった。
「おい!機長、何が快適な旅だよ。俺がもっと快適な旅を乗客にプレゼントしてやるよ」
一人の大柄な男が立ち上がり、銃を持ちながら前方の操縦室の方向へ走った。
「きゃあああ!!」
俺はその時見てしまった。自分達の乗っていた席の最後尾の席に座っていた人全員が、体から血を流し死んでいたのだった。
そしてその周りには、3人の武装した男がいた。
『君達何を…グフォ!!』
『機長!!』
『皆様はじめまして、どうも自殺旅行へ、ただいまより、地獄へ向かいたいと思います。これから強い、とても強い揺れが生じるのでご注意ください』
バンバンー
機内アナウンスから発砲音が聞こえ、それと同時に強い揺れが生じた。
身体全体が揺れ、自分の視点さえもさだまらず、機内からは叫び声と泣き声、そして機内に響く笑い声が響き渡った。
俺が初めて死んだ日、そうそれは、飛行機のハイジャックによる無理心中だった。
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「うっ…」
身体が重い…、熱い、父さん…助けて。
ガシャンーガシャンー
「おい、古門返事をするんだ!古門!」
「と…さん」
俺の意識が少しずつ鮮明になってくる。
「ここは…」
辺りを見渡す。大きく散らばる金属の板、辺りを埋め尽くす炎、何かが焦げた匂い。俺の周囲は地獄とかし、そして俺は何故か地面の上に倒れていた。
「ごめんな、ごめんな…」
俺は父親に抱き締められるような形になっていた。
俺はその時に違和感を感じた。
身体に傷が無いことに。
「いいかよく聞け、父さんとお前は亜人だ」
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「そこからは俺と父親が追われる身になった」
俺が最初に死亡した経緯に、その場は静まり返った。
「古門くんは今何歳だったかな?」
「23です」
「ということは8年前、あ、思い出した。確か、フランス行きの飛行機事故、確かハイジャックで過去史上最悪といわれた事件があったような。でも確かその事件生存者がいなかったような」
こちらでも同じ事件が起きていたようだな。ということは、かなり密接した平行世界なのかもしれないな。
「古門くん、君の世界とこの世界についてどう考える?」
マスターが問いかけてきた。
「俺はこの世界と俺が元いた世界が並列した世界だと強く感じました。似通った事件、事故、歴史、通貨、そして亜人種の存在がこのことを断言できると思います」
「ちょっと待ってください店長、この世界と元いた世界?」
「彼は元々この世界には存在するものではないということだよ。薫香ちゃん」
まだ現状で起きてることは俺にとっても不可解なことだ。ただ俺が言えるのは
「俺の元いた世界では、喰種と同じように、亜人もまた世界から拒絶されていた。俺も、俺の父親も、世界に何度も殺された。だが、俺は人間を嫌わなかった。俺の、俺の家族の味を喜ぶ人間の笑顔が俺をそうさせていた。そして俺はこの世界で大切な人に出会った。そして人間と共存を望むマスターのような喰種とも関わりが持てた。俺は亜人種と人間との共存を望みます」
俺の道は決まった。あの世界のようにしないために、俺がこの世界を変える。
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やはり彼は面白い、彼なら私達とも早く溶け込めるだろう。
「古門くん、全員にコーヒーをいれてくれないか?君の味を、君の進んできた道を」
「マスターが言うのなら」
彼はカウンターから更衣室の方へと向かった。そして少しすると戻り、手にはバッグを持っていた。そのバッグから取り出したのは、しっかりとした瓶に入ったコーヒーの豆だった。
「それは?」
「俺の前いた世界の所持していたものの一つです。高級なものとは少し違いますが、俺が父親と共につくりあげた傑作品をつくるさいに必要なものです」
そう言うと、私に道具の使用を確認し、作業を始めた。
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「4人分出来上がりました」
カウンターに並べられたコーヒー、匂いは今までに見てきたコーヒーではないのが、自分の中の感覚でわかっていた。
「では…」
「待ってください」
古門くんが手でまだ飲んではいけないというジェスチャーをした。
「このコーヒーはまず、少し湯気を鼻で吸ってから飲んでください。」
私達は古門くんの言った通りコーヒーの香りを鼻にため、そのままコーヒーを口にした。
ゴクンッ
なんと懐かしい雰囲気だろうか、どこかで感じたことのある暖かみ、この暖かさはただの暖かさではない。コーヒーの中から発せられる香りや味がこうも感じさせる…
『あなた』
その声に私は目を見開いた。私の目の前は一人の子供を抱き抱えた女性と永遠に続いている白い世界が広がっていた。
「憂那…」
『この子は私とあなたの子供、私達の大切な宝物。あなたなら幸せに出来るわ。だって私はこんなにも幸せなんだから』
その言葉を最後に、私の視界は暗転した。私はゆっくりと目を開くと、頬に涙が流れているのがわかった。
「これが君の本当のコーヒーか、なんて優しい、愛のある味だろうか」
「このコーヒーは、『メモリー』と言われていて、作法を踏むと自分の一番大切な形が見えるものです。この現象は俺にもわかりませんが、これはこのコーヒーでしかだせないものです」
他の三人の顔を見た。まだ三人は目を閉じていたが、頬には涙がつたっていた。
彼らも私のような思い出が見えているのだろう。
「君は私達と同じ苦しみを味わってきたのだろう。そうでなければこの思い出の大切さはわからないだろう」
「俺は喰種がこの世界でどのような扱いを受けているかについてはわかりません。だが、俺の感覚から俺達と同じ苦しい道を歩んできているのはわかります」
「そうか、君の過去も辛かったのだろう。今日はありがとう、改めてよろしく頼むよ、古門くん」
私は強く彼の手を握った。
彼はまだ若い。だが、彼の道は喰種より過酷なものだったのだろう。この店もより良い店にしなければな、なぁ、憂那…