もし、特車二課に凄い人がいたら…   作:シャト6

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第12話

あれから、何とか香貫花の機嫌を直した俺は、昨日考えていた事を話す。

 

「はい。それでは今から私達もそちらに向かいますので」

 

さて、後は相手が乗ってくれるかどうかだな。

 

山崎「上手くいきますかね?」

 

「どうですかね?ですが、おそらく乗ってくるでしょう」

 

香貫花「それじゃあ、ひとまず御神木に向かいましょう」

 

そして俺達は、御神木目指して出発する。因みに香貫花には、今度デートするという約束で手を打ってもらった。進んでいくと、昨日見た暴走族とガンボルギーニのレイバーが道を塞いでいた。

 

「そこのレイバー、道を開けてください」

 

『まだ懲りんのか!これ以上罰当たりな事をすると死人が出るぞ!こっから先に通す訳にはいかん!大人しく村から出ていけ!!』

 

やっぱりそうくるか。なら仕方ない。

 

「野明さん、準備をお願いします。ひろみさん、宜しくお願いします」

 

『『了解』』

 

そして俺の指示で、レイバーをデッキアップさせる。

 

野明「あのねぇ、大人しくするのはそっちでしょうが」

 

『おっとデッケェ!』

 

「チィ!2対1だ!行くぞぉ!!」

 

すると暴走族の男が、田んぼを耕す機械を回転させる。

 

『こ、これ!無茶するな!』

 

「今更後に引けるか!!」

 

野明「こんのぉ!!」

 

野明が攻撃するが、男は素早く動き回避する。

 

「日本の田んぼは狭いからよぉ、このレイバーは小回りが効く様に作ってあんだぜ♪」

 

野明「このぉ…」

 

香貫花「野明!後ろよ!!」

 

後ろにいるもう1台が近づく。

 

『ワシらは無益な争いを好まん!頼むから帰ってくれ、あたたたた』

 

ガンボルギーニはバランスを崩しそうになるが、踏ん張って何とか倒れなかった。

 

香貫花「流石はイタリア製ね。足回りのセッティングはスゴいわ」

 

野明「感心してる場合じゃないって!」

 

そして野明は、2台から距離をとる。だが、田んぼは柔らかく足がめり込む。

 

野明「あっちゃ、ヤバイ。地面が柔らかくて思うように動けないよ」

 

するとその隙をつかれ、ガンボルギーニがアルフォンスを後ろから羽交い締めにする。

 

「まずいですね」

 

俺は、隊長から許可を貰った物を取りに行く事にする。

 

「香貫花さん。少しの間ここをお願いします」

 

香貫花「えっ!?」

 

そして俺はすぐにレイバーキャリアに、例の物を取りに行く。

 

「そうかいそうかい。なら容赦しねぇぞ!」

 

男はゆっくりとアルフォンスに近づく。

 

野明「怒ったぞぉ!!」

 

野明は怒り、リボルバーを抜こうとする。

 

「野明さん、ストップです」

 

俺は刀を持って、野明と男の間に立つ。

 

「な、なんだおめぇ」

 

野明「翼さん!?」

 

「これ以上抵抗するなら、私が相手になりますよ」

 

「おめぇがか?アハハハ!人にレイバーが止めれるか!!」

 

男は俺の言葉を無視し、腕を振り上げる。

 

「聞いてくれませんか。なら…でやぁ!!」

 

俺は素早く刀を抜き、レイバーの背後に回った。

 

「…なんでぇ、結局何もねぇじゃねぇか」

 

男は笑いながら俺の方に向く。俺は刀をゆっくりと鞘におさめる。

 

「鼻唄三丁…矢筈斬り!!」

 

そう言うと、男のレイバーの腕と田んぼを耕す機械部分を切り落とした。

 

『え…ええええええええええええええ!!!!!!』

 

ま、当然そんな反応になるよな。

 

「それで…まだやりますか?」

 

『お願い!お願いだからもう止めて!』

 

すると、ピンク色のガンボルギーニが割り込んできた。

 

『こやつらに、おもほり様を切らせる訳にはいかねぇ!』

 

『もう乱暴な事は止めて!バチが当たるのはお祖父ちゃん達の方よ』

 

「だ、だども…」

 

『どうしてやるなら、私を倒してからにしてちょうだい!』

 

野明「ちょっと待って!特車二課第二小隊の名に懸けて、そんな事はさせない!」

 

『えっ』

 

「と、特車二課第二小隊~!?」

 

『ど、どうしたんじゃ?』

 

俺達の事を聞いた瞬間、男と女は驚きの顔になる。じいさんだけは知らないみたいだな。

 

「オラ、警察のレイバー隊っていくつもあると思ってたから、まさかよりによってなぁ。第二小隊っていやぁ、街の中でもやたら目ったら撃ちまくるって有名なとこだべ!」

 

『そうよ。第二小隊が通った後には、ペンペン草も生えないって言うわ』

 

香貫花「……」

 

野明「そ、そんなぁ…」

 

「まぁ、ほとんどの原因は太田さんですけどね」

 

噂の原因の大半は太田の事だが、世間からしたら第二小隊ってくくりだしな。分けられてるとは思わんだろうに。

 

「駄目だぁ。相手が悪ィ」

 

『あ~、悔しいのぅ』

 

香貫花「……」

 

野明「……」

 

野明と香貫花だけは、自分達も同じ様に思われていた事にショックを受けていた。そして、この騒動を起こした事を聞くため、御神木の横にあるテントで話を聞く。

 

「日本がアメリカと戦争をしとった頃の事じゃ。村中の金銀を徴収する命令が出てのぉ。村中でありったけの物を提供した。ところが、集めた物を引き渡す前に、戦争は終わってしもうた。そこでワシ、それと先代の村長と神主が結託し、どさくさに紛れてあのケヤキの根本に隠してしまったのじゃ」

 

「何故その様な事を?」

 

「気の迷いじゃ。返しそびれてしまっての。その後村長、神主も相次いで病死した。この事を知っておるのはワシ1人なって、ワシは決心したんじゃ。村長と神主の名誉の為にも、この秘密は守り通そうとな」

 

「おい!おらそったら事まできいてねぇぞ!」

 

「今度の道路工事の話が出た時に、ワシはこっそりと掘り返して、別の場所に埋め直そうとしたんじゃが、それを駐在に見られてなぁ。だが、駐在がレイバーを鬼と間違えてくれたんで、全てを祟りのせいににしてしまおうと」

 

「1人じゃ無理だと思って、小遣い銭で俺を買収したんだな!きったねぇ!」

 

香貫花「買収された貴方が、偉そうに言うんじゃないわよ!」

 

「ストーップ!ストップ!」

 

すると、外から声が聞こえた。

 

「お祖父ちゃん…私、その事知ってた」

 

「なんじゃと!?」

 

孫の突然の告白に、じいさんは驚き立ち上がる。

 

「その話は、お祖母ちゃんから聞いてたの。あの木は、大昔から村を見守ってきた大切な木なんだって。お祖父ちゃんがやって来た事は悪い事だけど、ケヤキや村にとっては寧ろその方がいいって言ってたわ。だから私、今まで黙ってたの。あのケヤキの木を、何とか助けてあげることは出来ませんか」

 

山崎「…直江さん」

 

女とひろみは、俺の方を見る。

 

「…分かりました」

 

そして俺は立ち上がり、外に出て神主に話しかける。

 

「すみません」

 

神主「何ですかな?」

 

「神主さんは山をお持ちですか?」

 

神主「山ですか?ええあります。あちらです」

 

すると神社のがある山を指差す。

 

神主「社の裏がそうです」

 

「分かりました。野明さん、聞こえますか?」

 

俺は神主から確認を取り、野明に話しかける。

 

野明『ねぇねぇ、何か見つかったの?』

 

香貫花「後で教えるわよ」

 

「野明さん、その木持ち上げられそうですか?」

 

野明『これ?…多分』

 

「なら、その木を今から神社の裏側にある山に移植します」

 

神主「なんと!?」

 

山崎「泉さん!僕からもお願いします!」

 

香貫花「これだけ立派なケヤキの木を切るのは惜しいわ」

 

「私も手伝います!」

 

すると野明が中から上に出て顔を出す。

 

野明「なんだか分かんないけど、ケヤキを移植するのには賛成だよ」

 

そしてアルフォンスがケヤキの木を持ち上げ、女が乗ってたピンク色のレイバーも手伝う。そして2台は神社目指して歩いていった。

 

香貫花「だけど、貴方のレイバーとお爺さんのレイバーは分かるわ。だけど、彼女のレイバーはなにかしら?」

 

「ああ、体が弱いからなひろみちゃんは」

 

「ひろみ…ちゃん」

 

男に教えられた名前を聞いて、俺と香貫花はひろみを見るのだった。ま、取り合えずこれで事件は解決っと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

香貫花「ところで、貴方は一体何者なの」

 

「何者とは?」

 

野明「だって、刀でレイバーの腕とかを斬るなんてさ」

 

山崎「驚きましたよ」

 

「ああ、あれですか?あれくらいなら、ウチの家族なら誰でも出来ますよ」

 

「「「…はい?」」」

 

「ですから、私を含めた祖父、祖母、母、父は素手でレイバーと戦えますよ?」

 

野明「うそ…」

 

香貫花「あり得ないわ」

 

山崎「あわわわ」

 

「私達家族は、力が強すぎるので、警察が開発したこの刀を使って制御してるんですよ」

 

「「「……」」」

 

俺の言葉に、全員が黙っていたのだった。

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