もし、特車二課に凄い人がいたら…   作:シャト6

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第14話

酒田に到着した俺達は、野明がお土産を買いたいと言い、土産売り場に来ている。そして野明は自分及び皆へのお土産を買い、俺も適当にぶらつく。香貫花は高畑と一緒に、食堂で飯を食ってる。ま、俺だと警戒されるから香貫花に任せたんだがな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

香貫花side

 

 

香貫花「すみません」

 

高畑「なにかね?」

 

香貫花「新幹線で一緒だった人達は?」

 

高畑「部下達は新潟で列車を降り、別途に酒田入りして、既に配置についている。我々の仕事は、隠密を持ってヨシとするからな」

 

別途で酒田入りね。翼に頼まれて、この高畑って人の話を聞いているけど。

 

『香貫花さん、すみませんが私の代わりにあの男の話を聞いてもらっていいですか?私だと警戒して話をしなさそうなので』

 

香貫花『分かったわ』

 

って感じで引き受けたけど…何かご褒美を貰えばよかったわ。

 

香貫花「ですが、私達かなり目立っている感じがするんですが」

 

今現在、私達は私服ではなく出動時に着ている制服姿だ。

 

高畑「目立たせているのだ。意図的に」

 

香貫花「意図的に…ですか」

 

高畑「そうだ。君達にわざわざ来てもらったのは他でもない。その姿で、その制服で、その行動で、レイバー隊がこの酒田に来ている事を満天化に知らしめる為だ。ドシュカを奪取せんとする彼等の陰謀に対して、我々が行動を起こしたことを宣言するためだ」

 

香貫花「彼等?」

 

ドシュカを狙っているのは、海の家だけではないのね。

 

高畑「そう。ドシュカを狙っているのは海の家だけではない。海の家がその事を知っていた事自体、情報が広範囲にわたって漏洩していた事の証だ!各国の情報部がこれを黙って見てる筈はない!君達は既に、完璧にマークされているよ」

 

近くまで顔を近づけた高畑が離れる。ウザいわね。

 

高畑「見たまえ。店内にいるソビエト船員、

そのほとんどがKGB(カーゲーベー)だ」

 

高畑は、目線でKGBの連中を教えてくれる。

 

高畑「それだけではない。向こうのテーブルで味噌ラーメンを啜っているイギリス人。あれはSASだ。今正面に到着したアメリカ人観光客の一団、全員がCIAの工作員だ。あのアベックは、那東の現地連絡員。道路を横切ったのはモザドのスパイ犬。そして今、泉巡査にハタハタの干物を渡した婆さんは、中国人民武装警察弁務隊の暗殺者だ」

 

香貫花「……」

 

これはまた、随分と凄い人達に囲まれてるわね。けど、鋭い情報ね。

 

高畑「疲れたろう。今日はもう休みたまえ。宿は手配した」

 

そう言うと高畑は、予約した宿の場所を書いたメモを置き、その場を去っていった。

 

香貫花「…後で翼に教えないと」

 

私は密かに録音してた録音機を停止させた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は香貫花と野明と合流し、高畑が用意した宿に向かった。

 

「いらっしゃいませ」

 

「すみません。高畑が予約した者ですが」

 

「はいはい。お聞きしております。三名様1部屋でご予約を承っております」

 

野明「ええっ!?」

 

「相部屋…ですか?」

 

野明「なんかの間違いじゃありません?お婆さん」

 

「東京の高畑様から予約を頂いておりますが?一泊二日朝食付き三名様。直江 翼様に泉野 明様に香貫花・クランシー様」

 

野明「あ、ちょ…」

 

泉じゃなく、泉野と呼ばれ転けそうになる野明。

 

野明「あの、今からもう1部屋お願いできません?」

 

「さっきまで空いてたんだけど、丁度飛び込みのお客さんがあってねぇ。いいじゃないですか。一晩くらい泊まっちゃいなさいよ♪」

 

ニヤニヤしながら話す婆さん。絶対なんか勘違いしてるわ。このババア

 

「…満室なら仕方ありませんね」

 

香貫花「そうね。それに、私は別にいいわよ。前も似たような事あったじゃないの」

 

野明「それは…そうだけど」

 

香貫花は鍵を貰い、先に宿泊する部屋に向かった。

 

「大丈夫ですか野明さん」

 

野明「は、はい///」

 

「どうしても嫌でしたら、私は何処かで時間を潰しますけど?」

 

野明「だ、大丈夫でしゅ!」

 

でしゅって…ホントに大丈夫かよ。

 

野明「だ、大丈夫…香貫花もいるんだ。それに、翼さんなら…」ボソボソ

 

何やらブツブツ言ってるが、気にしないでおこう。そして部屋に行き、各自風呂に入る。俺を含めた全員浴衣に着替えてのんびりする。

 

香貫花「フフッ♪」

 

で、香貫花は横になってる俺の頭を自分の膝に置いていている。

 

「香貫花さん、そろそろ休みましょうか」

 

香貫花「もう少しいいじゃない」

 

「それでもです。もうすぐ野明さんも戻ってきますし」

 

香貫花「あら?別に大丈夫よ。どうせあの子も同じことしたいと思ってる筈よ」

 

「そんなわけないじゃないですか」

 

いきなりなに言い出すかよ思えば。野明はそんなこと思ってねぇだろうよ。

 

野明「た、ただいま~///」

 

ほんのり顔を赤くした野明が戻ってきた。流石に風呂上がりだから色っぽく見えるな。

 

「お帰りなさい、野明さん」

 

香貫花「もう戻ってきたのね」

 

野明「えっ?」

 

香貫花「何でもないわ」

 

「そろそろ休みましょうか」

 

そして俺達は布団に入る。並び順は、香貫花、俺、野明だ。何故真ん中なの?暫く寝てると、俺の布団の中に違和感を感じる。捲ると、香貫花と何故か野明までいた。

 

(いや、香貫花は何となく分かるが、何で野明まで俺の布団にいんだよ)

 

すると、野明はゆっくりと目を開けた。

 

「野明さん」

 

野明「あ、あはは…」

 

「何故私の布団に?」

 

野明「えっと…それは…」

 

モジモジしながら、野明は何かを伝えようとしてる。なんだ?

 

野明「その…」

 

香貫花「焦れったいわね」

 

「「!?」」

 

すると、横で寝てたはずの香貫花が声をかけてきた。

 

野明「か、香貫花!?」

 

「起きてたんですか」

 

香貫花「まぁね。誰かさんがさっさと言わないから、我慢できなくなってね」

 

野明「///」

 

香貫花の言葉に、野明は更に顔を赤くする。

 

香貫花「ハァ…翼、此方で一緒に寝ましょう」

 

香貫花はそう言うと、俺の手を引っ張る。

 

野明「だ、駄目!」

 

すると反対側を野明が引っ張る。

 

「の、野明さん!?」

 

野明「翼さん!私…翼さんの事が好きです!!」

 

覚悟を決めたかのように、俺に告白してきた野明。すると、それを聞いた香貫花はニヤリと笑った。

 

「えっと…」

 

野明「最初は、ただ優しくてアルフォンスの事を話しても笑わないところが気になってたんです。でも、香貫花や南雲隊長といるとき、胸が苦しくなったり、悔しかったりしたんです」

 

「「……」」

 

野明の言葉を、俺と香貫花は黙って聞いてる。

 

野明「だから、香貫花や南雲隊長に負けたくないって思って」

 

「…野明さん、私は」

 

野明「分かってるの。翼さんが香貫花や南雲隊長、そして他の人の告白を受けてないの。でも、どうしても私の気持ちを伝えたかったんだ」

 

「……」

 

俺は野明に近づき、頭を撫でてやる。

 

野明「翼さん」

 

「野明さん、貴方の告白はとても嬉しく思います。ですが知っての通り、私は正直言いまして、隣にいる香貫花さんを始めとして、色々な方からその様な事を素敵なお言葉を頂いています」

 

野明「別にいいです!これから、私の気持ちを翼さんにぶつけていきますから♪」

 

香貫花「フフッ♪ライバルが出現かしら?」

 

「香貫花さん」

 

コイツ…野明をけしかけやがったな。

 

野明「香貫花、もう私は我慢しないよ!」

 

香貫花「望むところよ!」

 

互いに握手をする。やれやれ。

 

野明「それじゃあ」

 

香貫花「そうね」

 

すると2人は、そのまま俺の布団に入ってくる。

 

「…何故私の布団に入ってくるんですか?」

 

香貫花「一緒に寝たいからよ」

 

野明「そうそう♪」

 

「いや、ですから」

 

香貫花「問答」

 

野明「無用」

 

そして俺は、2人の間に引きずり込まれるのであった。

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