もし、特車二課に凄い人がいたら…   作:シャト6

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第15話

布団の中に引きずり込まれかけた俺だが、丁度いいタイミングでウチの隊長から電話が来た。俺はさっさと部屋を出て、受け付けにある電話の所に向かった。

 

「もしもし?」

 

後藤『直江か?どうだそっちは』

 

「ま、まぁなんとかって感じですね」

 

言えるわけねぇだろうがよ。野明と香貫花に襲われかけたなんてよ。

 

後藤『何とかってなによ何とかって』

 

この野郎…俺は回りに野明達がいないことを確認した。

 

「何でもいいだろうがよ。で、こんな時間にあんたから電話が来たって事は、連中について何か分かったんだろ?わざわざひろみとかを使って調べてよ」

 

後藤『電話だからって、急に話し方変えないでよ。ビックリするでしょうに』

 

「テメェがびっくりするたまかよ。で、結果は?」

 

後藤『俺一応隊長なのよ?君のさ。ま、いいけど。結果なんだが、やっぱりあちらさん何か裏があるわ。わざわざ公安1課が出張ってきたから、念のために調べさせたら、あの高畑っておっさんな、ありゃそうとうな食わせモンだぞ。公安部外事1課って言えば、ソ連関係の情報関係が専門だろ?それが何で海の家の件で出張ってきのか、妙だと思ってる調べさせたんだがな』

 

「なるほど。観光気分にさせて、その間に何かしてても俺達の責任になるって事か」

 

後藤『そういうことだ』

 

「…あのおっさん、1度本気で絞めるか」

 

後藤『止しなさいって。後処理とか大変だから。で、山崎をそっちに向かわせたから、到着したら合流してくれ』

 

「了解。直ぐに出れるよう準備しておく」

 

そして電話を切り、先程の内容を野明達に伝える。

 

「皆さん、直ぐに出撃準備をしてください」

 

野明「何かあったんですか?」

 

「先程後藤隊長からの連絡で、私達にこの仕事を持ってきた公安部ですが、どうやら私達をだしに使ったみたいなんですよ」

 

野明「えええええええ!!!!」

 

香貫花「うるさいわね。それで?」

 

「今ひろみさんがイングラムを持って此方に向かっています。それと合流し次第、あの人達が向かった港に向かいます」

 

「「了解!」」

 

んで、3時間後ひろみと合流した俺達は、あのおっさん達がいる港に向かった。

 

「上手く行きましたね課長」

 

「過激派によるレイバー強奪と見せかけて、その実態は幻のレイバーを手土産とした、KGB高級将校の亡命撃」

 

高畑「将校が分厚い装甲に閉じ籠ってああして待ってりゃ、地元の警察やマスコミがおっとり刀で駆け付けてくる。いくら最強を誇る各国の諜報員と言えども、その目の前で派手な真似はできんさ。我々は後で将校の身柄を引き取り、レイバーを回収して持ち帰る。諜報部の目を引き付けるダシに使われたとも知らず、せいぜい特車2課と海の家に感謝するさ」

 

「まさに完璧な計画」

 

「頭いい~」

 

『アハハハハハ!!』

 

んな間抜けな話してるな。だが、その余裕もそこまでだ。

 

「今です!」

 

香貫花『レイバー強奪並びに不正起動中の犯人に告ぐ。直ちに機体を放棄し投降せよ!此方警視庁警備部…』

 

野明『特車2課!』

 

高畑「なっ!?」

 

「人をダシに使うとは…あの時完璧に叩きのめしておくべきでしたね」

 

横から俺も刀を抜き、おっさん達に詰め寄る。

 

高畑「き、貴様!」

 

野明『本当に大丈夫なの?まさか、撃ってきたりしないよね?』

 

香貫花『軍用とはいえ、輸送中の機体よ。実弾なんか積んじゃいないわよ』

 

そんな話をしてると、赤いレイバーが此方を攻撃してきた。マジかよ!実弾積んでんのかよ!?流石に俺も予想外だ。

 

野明『いいっ!?』

 

高畑「や、止めろ!ストップ!ストップ!!撃ち方止めぃ!!」

 

香貫花『野明!遮蔽物の陰に隠れなさい!ドシュカの砲撃をまともに食らえば、98式のFRT装甲なんて紙同然よ!!』

 

野明『香貫花の嘘つき!!』

 

「野明さん!とにかく今はコンテナの陰に隠れて下さい!」

 

山崎『泉さん!直江さんの言う通りです!』

 

そして俺達は全員コンテナの陰に隠れた。

 

「ん~まずいですね」

 

高畑「当たり前だ!軍用レイバー相手に、98式が何の役に立つ!大人しく見物してればいいものを!貴様等がしゃしゃり出てきたせいで全部台無しだ!」

 

香貫花「知らないわよ!」

 

「香貫花さん、野明さんの指示は任せます。お願いできますか?」

 

香貫花「分かったわ」

 

俺に言われた香貫花は、急いで野明のサポートに向かった。

 

「さて……テメェ、いい加減にしろよ」

 

高畑「なっ…ぐあっ!!」

 

いい加減堪忍袋の尾が切れた。さっきから聞いてりゃ好き勝手言いやがって。

 

「さっきから全部俺達が悪いみたいな言い方だが、元々テメェ等がやったことだろうが。それを俺達が来たから台無しだ?ふざけんのも大概にしろよコラァ!!」

 

俺は刀を投げ捨て、おっさんを殴り出す。

 

 

ドカッ!

 

バキッ!

 

ドスッ!

 

ボコッ!

 

 

 

 

 

高畑「ガッ!グハッ!!グエッ!!」

 

「おいこら、誰が気絶していいって言った?あん?まだ寝るには早すぎるぞコラァ!!

 

高畑「も…もう…やめ…」

 

「何がもう止めてだ。俺はいいがな、香貫花達は折角の非番なのに、テメェの身勝手な行動で、こんな場所まで来てるんだよ。その上こいつらを騙しやがって。香貫花達が許しても俺はテメェを許さねぇ!!」

 

顔面ボコボコになったおっさんの胸ぐらを掴み持ち上げる。

 

山崎「直江さん!」

 

するとひろみが俺を羽交い締めにする。

 

「…離せひろみ。口で言って分からねぇ奴には、こうするのが一番だ」

 

山崎「ダメです!確かにこの人達が、僕達を騙したことはいけません。ですが!これ以上傷付ければ、直江さんが悪者になってしまいます!!」

 

「……」

 

山崎「そうなったら、泉さんや香貫花さん、それに南雲隊長が悲しみます!!」

 

「…分かったよ」

 

俺はおっさんの胸ぐらを離す。

 

高畑「あ…あぁ…」

 

「ひろみに感謝するんだな。こいつが止めなきゃ、俺は本気でテメェを殺すつもりだっからよ」

 

睨みつけると、おっさんは泡を吹いて気絶した。ったく、んなになるなら最初からすんなよな。

 

「悪かったなひろみ。面倒をかけて」

 

山崎「い、いえ。それより…」

 

「あっ?」

 

山崎「直江さん…口調が」

 

「ああ。この口調が素だよ。ウチの連中…俺を含めて普段があんな感じで話すんだが、身内かもっとも信頼できる相手にだけは…スゥ…フーッ。この口調で話すんだよ」

 

俺はタバコを吸いながらひろみに説明する。

 

「ま、俺の場合は酔った時とキレたときにも出るがな。酔った時の確率は低いがな。そして、この口調を全て把握しているのは後藤…ウチの隊長だけだ。ま、しのぶの奴はキレたときにしか出ねぇって半分嘘言ってるがな」

 

山崎「そう…ですか」

 

「ああ」

 

野明『……逮捕する!』

 

「おっと、向こうも終わったみたいだな」

 

山崎「そう…みたいですね」

 

そして俺は、外してた眼鏡をかける。

 

「それでは、私達も行きましょうか。ひろみさん」

 

かけた俺は、普段使っている口調でひろみに話し掛けたのだった。こうして、地元の警察も現れ、公安部の連中とドシュカに乗ってた将校と犬走を捕まえ、特車2課に戻ったのであった。

 

後藤「お疲れさん」

 

「ホントですよ」

 

後藤「ま、今回の件であの男は左遷、地方に飛ばされたらしいよ」

 

香貫花「当然ですね」

 

後藤「けどねぇ、少し気になったんだけど」

 

野明「何がです?」

 

後藤「あの高畑っておっさん…何であんなに顔腫らしてたの?」

 

おっさんの顔面が腫れ上がってた事に、後藤は俺を見ながら言う。

 

野明「そういえばそうだね」

 

香貫花「何でかしら?」

 

野明「翼さん何か知ってます?」

 

「さぁ?」

 

野明「ひろみちゃんは?」

 

山崎「えっ!?ぼぼ、僕も知りませんね」

 

野明「そっか」

 

香貫花「……」

 

その言葉を聞いた野明は、残念そうな表情をする。香貫花の奴は、何となく気づいてる感じがするがな。

 

後藤「ま、別にいいけどさ。とにかくお疲れさん。ゆっくり休んでくれ」

 

そう言われ、俺達は隊長室を出ていく。

 

 

後藤「あ、そうだ。頼んだハタハタは?」

 

…あ、そう言えば後藤に頼まれてたハタハタ、間違っておやっさん達の土産と一緒に渡しちまった。今頃鍋でグツグツ煮えてるだろうな。

 

「…スミマセン。買ってきてたんですが、お土産はまとめてシゲさん達に渡したので、今頃下の鍋の中かと…」

 

後藤「ハ、ハタハタ~…」

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