「今日もいい天気ですね…寒いですけど」
遊馬「へ…へ…ヘックシュン‼」
俺達は今、北海道札幌に来ている。何故かというと、札幌雪祭りの接合設営協力の為借り出されている。
野明「つまり宣伝?」
遊馬「サービス。ボランティア。なんと読んでも同じだけどな。この札幌雪祭りにおける、特車二課の接合設営協力をマスコミのレイバー隊へのイメージ。ひいては警察のイメージの好転に繋げたいんじゃないか?ま、点数稼ぎだな…早い話が」
香貫花「でも…」
遊馬「なんだよ?」
香貫花「本当にそれだけかしら?それだけで、首都圏を第一小隊のみに任せたりしないはずよ?」
山崎「他に何かあるんでしょうか?」
「どうでしょう。香貫花さんの言う通り、何かあるかも知れませんし、遊馬さんの言う通りただの点数稼ぎ…イメージアップだけかも知れません。どちらも有り得そうなので、なんとも言えませんが」
すると、雪祭りの作業をしてる1人が、レイバーに乗りながらこっちに来た。
『あんたらレイバー隊さんだろ?暇だったら手伝ってくれんねぇかね?あっちの人は、快く引き受けてくれたんだけっども』
指差してる方を見ると、太田機が設営の準備を手伝っていた。
進士「変なところで物好きなんだからもう…」
こうして、俺達は設営の準備を手伝う事になったのだった。
太田「ぬおおおおおおお‼‼?」
すると突然太田機がバランスを崩しそうになっていた。
野明「太田さん!」
助けに行く野明だが、そのまま巻き込まれ滑って行き、作られた雪の建物を壊した。
「あちゃ〜…」
こりゃ謝らなきゃいけないな。
「はぁ…太田さん、野明さん、後ひろみさん。すみませんが一緒に来て下さい。香貫花さん、少しここお願いしますね」
香貫花「OK」
俺は取り敢えず元に戻ってきたレイバー2機から2人を降ろし、責任者の所に向かった。
「失礼します。特車二課第二小隊の直江翼と申します!この度は、ウチの隊員が、大切な雪原物を壊して申し訳ございません!」
俺は責任者の前で土下座をする。それを見た太田や野明、ひろみは驚いたが、同じ様に土下座をする。
「いや…その…あ、頭を上げてください!」
そう言われ俺達は土下座を止め立ち上がる。
翼「この度は、私の監督不行届のせいで、皆様に大変なご迷惑を…」
「ま、まあ確かにそうだけんども、あんたらがしっかりと謝罪してくれたらもう十分だ。逆にこっちが申し訳ねぇきがするだよ」
「いえ、こちらが全て悪いのでして…」
「もう気にしちゃいねぇよ。けど、流石にもう手伝いはいい」
翼「はい。本当に申し訳ありませんでした」
『申し訳ありませんでした!』
翼「もうこの様な事が起きないよう、注意させていただきます。失礼しました!」
『失礼しました!』
そして俺達は、香貫花達の所に戻る。
翼「……」
「「「……」」」
帰り道の道中、誰も話さない。いや、話せないんだろうな。
進士「あ、お帰りなさい。どうでした?」
翼「ええ。なんとか許してもらえました」
進士「そうですか」
野明「あの!」
翼「……」
野明「翼さん…私達のせいで、翼さんに土下座までさせちゃって…本当にすみませんでした‼」
太田「自分も!自分も…本当に申し訳ないと思ってます‼」
大田は俺の前で土下座をする。それを見た遊馬や進士は驚いていた。
翼「…頭を上げてください。反省したなら次に活かしてください。失敗しても、次にしっかり活かせればいいんです。ミスは取り戻せます。今回の事、キチンと考えて今後行動してください。いいですね?」
「「は、はい!」」
太田と野明は、俺に敬礼した。
太田「しかし、どこのどいつだ!レイバーの足元にシートなど投げ込む不届き者は!公務執行妨害だ!犯罪者だぞ‼それを何故誰も捕らえんかった‼‼」
遊馬「アンタが倒れた騒ぎで、それどころじゃないと言っとろうが‼」
太田「ぐっ…だ、大体何が悲しゅうてこんな地の果てでガキみたいに、雪や氷と弄れねばならんのだ」
その言葉に、作業してる作業員が全員太田を見る。アイツ…ほんとに反省してんのか?
香貫花「日本人って変な物が好きなのね」
香貫花の言葉に、今度は野明達も向く。いい加減にしろよ…
翼「香貫花・クランシー巡査部長。太田功巡査。俺の前に正座して下さい」
太田「なっ!」
香貫花「どうして?」
翼「いいから…正座しろと言ってんだろうが‼‼‼」
『!?』
俺の言葉に全員が驚き、太田と香貫花は俺の前で雪の上だが正座する。冷たい?そんなの関係あるか。
翼「太田功!」
太田「は、はい!」
翼「テメェさっきの話聞いてねぇのか!ああ!!」
俺は太田の耳を引っ張りそう言う。
太田「い、痛い!痛い‼」
翼「痛くしてんだよ!テメェさっきの話聞いてねぇのか!周りに迷惑かけてかなその上『ガキみたいに雪や氷と弄れねばならんのだ』?失礼にも程があんだろうが!札幌雪祭りはな、北海道に住む人達にとっては伝統行事なんだよ!それを失礼な事を言いやがって…香貫花・クランシー!」
香貫花「!!」
翼「日本人は変な物が好きって言ったな?だったらそっちはどうなんだ?そっちの国では当たり前と思う事も、俺達からしたら変な物だ。それをこの作業現場を見て良き言えたな?ええ?」
香貫花「…悪かったわ」
翼「『悪かったわ』じゃねぇんだよ‼そんな事を言うとは俺も呆れたわ。お前の婆ちゃんは、絶対にそんな事言わないぞ!」
香貫花「…sorry」
翼「sorry じゃないんだよ!謝るなら最初から言うな!分かったな!」
「「…はい」」
翼「暫くそのまま正座してろ!!」
俺はそう言い残し、作業員達に頭を下げる。
翼「度々ウチの隊員がご迷惑をかけて申し訳ありませんでした」
「い、いや…俺達が言いたい事、アンタが言ってくれたから」
翼「いえ」
「アンタがああ言ってくれたおかげで、俺達も改めてこの祭りを誇れる気持ちができた。なあお前等!」
「ああそうだ!」
「その通りだ!」
「雪祭りは、俺達道民の誇りだ!」
「おし!作業再開だ!!」
『おおっ!』
そして作業員達は、再び作業に戻った。
後藤「いったい何事?」
翼「あ、隊長」
いつの間にか後藤が戻ってきていた。
後藤「ところで、太田と香貫花、なんで正座してんの?しかも雪の上で」
進士「じ、実は…」
進士が事情を説明する。
後藤「あ〜、そういう事。怒らせちゃったのね…直江を」
そう言うと後藤は、俺を除いた全員を集め話をする。もちろん、太田と香貫花は正座したままだ。
後藤「正直に聞くけど…怖かった?」
俺の言葉に、泉達は全員が頷いた。太田と香貫花に限っては、涙目で頷いている。
後藤「でしょうね。昔俺や南雲さん、シゲさんもアイツに怒られた事あるが、流石の俺も肝が冷えたね。南雲さんやシゲさんなんて、泣きながら謝ってたからねぇ」
遊馬「あの南雲隊長が…」
野明「だよね。だって、香貫花だって泣いちゃってるし。私も面と向かって言われたら泣いてるかも…」
後藤「ま、南雲さんや香貫花の場合は、それ以外の理由もあるけどね」
進士「理由…ですか?」
後藤「そっ」
野明(あ〜分かるかも。少し前の私じゃ分からなかったけど、今ならはっきりと分かる。好きな人に、あんな風に怒られたらショックだもんね)
泉だけは、その理由が分かったみたいだな。ったく、罪づくりな奴だねぇ。お前さんもさ。
翼「…話終わったのか?」
隊長だけ俺の所に来たので素で話す。
後藤「うん。まあ、今回は彼奴等にとってもいい薬になったんじゃないの?」
翼「…まあ、流石に俺も頭に血が登りすぎた。まだまだ冷静にならないとな」
後藤「それ以上冷静になられちゃ、こっちが困るっての。吸う?」
隊長は自分の煙草を一本俺に渡す。
翼「ありがたく…スゥ…ハァ〜」
後藤「けど、相変わらず罪づくりな男だね〜。お前さんは」
翼「あん?」
後藤「しのぶさんや香貫花だけじゃなく、泉までねぇ」
翼「好きでそうなったんじゃねぇよ」
後藤「まぁいいけどね。けど、俺はお前だからしのぶさんを任せたんだからな」
翼「それについては、渡米する前から耳にタコができるくらい聞いたよ」
後藤「ならいいけどね」
そんな話をしてると、遠くの方で爆発音が聞こえ黒煙があがった。俺達は急いで現場に急行した。