もし、特車二課に凄い人がいたら…   作:シャト6

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第20話

「今日もいい天気ですね…寒いですけど」

 

遊馬「へ…へ…ヘックシュン‼」

 

俺達は今、北海道札幌に来ている。何故かというと、札幌雪祭りの接合設営協力の為借り出されている。

 

野明「つまり宣伝?」

 

遊馬「サービス。ボランティア。なんと読んでも同じだけどな。この札幌雪祭りにおける、特車二課の接合設営協力をマスコミのレイバー隊へのイメージ。ひいては警察のイメージの好転に繋げたいんじゃないか?ま、点数稼ぎだな…早い話が」

 

香貫花「でも…」

 

遊馬「なんだよ?」

 

香貫花「本当にそれだけかしら?それだけで、首都圏を第一小隊のみに任せたりしないはずよ?」

 

山崎「他に何かあるんでしょうか?」

 

「どうでしょう。香貫花さんの言う通り、何かあるかも知れませんし、遊馬さんの言う通りただの点数稼ぎ…イメージアップだけかも知れません。どちらも有り得そうなので、なんとも言えませんが」

 

すると、雪祭りの作業をしてる1人が、レイバーに乗りながらこっちに来た。

 

『あんたらレイバー隊さんだろ?暇だったら手伝ってくれんねぇかね?あっちの人は、快く引き受けてくれたんだけっども』

 

指差してる方を見ると、太田機が設営の準備を手伝っていた。

 

進士「変なところで物好きなんだからもう…」

 

こうして、俺達は設営の準備を手伝う事になったのだった。

 

太田「ぬおおおおおおお‼‼?」

 

すると突然太田機がバランスを崩しそうになっていた。

 

野明「太田さん!」

 

助けに行く野明だが、そのまま巻き込まれ滑って行き、作られた雪の建物を壊した。

 

「あちゃ〜…」

 

こりゃ謝らなきゃいけないな。

 

「はぁ…太田さん、野明さん、後ひろみさん。すみませんが一緒に来て下さい。香貫花さん、少しここお願いしますね」

 

香貫花「OK」

 

俺は取り敢えず元に戻ってきたレイバー2機から2人を降ろし、責任者の所に向かった。

 

「失礼します。特車二課第二小隊の直江翼と申します!この度は、ウチの隊員が、大切な雪原物を壊して申し訳ございません!」

 

俺は責任者の前で土下座をする。それを見た太田や野明、ひろみは驚いたが、同じ様に土下座をする。

 

「いや…その…あ、頭を上げてください!」

 

そう言われ俺達は土下座を止め立ち上がる。

 

翼「この度は、私の監督不行届のせいで、皆様に大変なご迷惑を…」

 

「ま、まあ確かにそうだけんども、あんたらがしっかりと謝罪してくれたらもう十分だ。逆にこっちが申し訳ねぇきがするだよ」

 

「いえ、こちらが全て悪いのでして…」

 

「もう気にしちゃいねぇよ。けど、流石にもう手伝いはいい」

 

翼「はい。本当に申し訳ありませんでした」

 

『申し訳ありませんでした!』

 

翼「もうこの様な事が起きないよう、注意させていただきます。失礼しました!」

 

『失礼しました!』

 

そして俺達は、香貫花達の所に戻る。

 

翼「……」

 

「「「……」」」

 

帰り道の道中、誰も話さない。いや、話せないんだろうな。

 

進士「あ、お帰りなさい。どうでした?」

 

翼「ええ。なんとか許してもらえました」

 

進士「そうですか」

 

野明「あの!」

 

翼「……」

 

野明「翼さん…私達のせいで、翼さんに土下座までさせちゃって…本当にすみませんでした‼」

 

太田「自分も!自分も…本当に申し訳ないと思ってます‼」

 

大田は俺の前で土下座をする。それを見た遊馬や進士は驚いていた。

 

翼「…頭を上げてください。反省したなら次に活かしてください。失敗しても、次にしっかり活かせればいいんです。ミスは取り戻せます。今回の事、キチンと考えて今後行動してください。いいですね?」

 

「「は、はい!」」

 

太田と野明は、俺に敬礼した。

 

太田「しかし、どこのどいつだ!レイバーの足元にシートなど投げ込む不届き者は!公務執行妨害だ!犯罪者だぞ‼それを何故誰も捕らえんかった‼‼

 

遊馬「アンタが倒れた騒ぎで、それどころじゃないと言っとろうが‼」

 

太田「ぐっ…だ、大体何が悲しゅうてこんな地の果てでガキみたいに、雪や氷と弄れねばならんのだ」

 

その言葉に、作業してる作業員が全員太田を見る。アイツ…ほんとに反省してんのか?

 

香貫花「日本人って変な物が好きなのね」

 

香貫花の言葉に、今度は野明達も向く。いい加減にしろよ…

 

翼「香貫花・クランシー巡査部長。太田功巡査。俺の前に正座して下さい」

 

太田「なっ!」

 

香貫花「どうして?」

 

翼「いいから…正座しろと言ってんだろうが‼‼‼

 

『!?』

 

俺の言葉に全員が驚き、太田と香貫花は俺の前で雪の上だが正座する。冷たい?そんなの関係あるか。

 

翼「太田功!」

 

太田「は、はい!」

 

翼「テメェさっきの話聞いてねぇのか!ああ!!」

 

俺は太田の耳を引っ張りそう言う。

 

太田「い、痛い!痛い‼」

 

「痛くしてんだよ!テメェさっきの話聞いてねぇのか!周りに迷惑かけてかなその上『ガキみたいに雪や氷と弄れねばならんのだ』?失礼にも程があんだろうが!札幌雪祭りはな、北海道に住む人達にとっては伝統行事なんだよ!それを失礼な事を言いやがって…香貫花・クランシー!」

 

香貫花「!!」

 

翼「日本人は変な物が好きって言ったな?だったらそっちはどうなんだ?そっちの国では当たり前と思う事も、俺達からしたら変な物だ。それをこの作業現場を見て良き言えたな?ええ?」

 

香貫花「…悪かったわ」

 

翼「『悪かったわ』じゃねぇんだよ‼そんな事を言うとは俺も呆れたわ。お前の婆ちゃんは、絶対にそんな事言わないぞ!

 

香貫花「…sorry」

 

翼「sorry じゃないんだよ!謝るなら最初から言うな!分かったな!」

 

「「…はい」」

 

翼「暫くそのまま正座してろ!!

 

俺はそう言い残し、作業員達に頭を下げる。

 

翼「度々ウチの隊員がご迷惑をかけて申し訳ありませんでした」

 

「い、いや…俺達が言いたい事、アンタが言ってくれたから」

 

翼「いえ」

 

「アンタがああ言ってくれたおかげで、俺達も改めてこの祭りを誇れる気持ちができた。なあお前等!」

 

「ああそうだ!」

 

「その通りだ!」

 

「雪祭りは、俺達道民の誇りだ!」

 

「おし!作業再開だ!!」

 

『おおっ!』

 

そして作業員達は、再び作業に戻った。

 

後藤「いったい何事?」

 

翼「あ、隊長」

 

いつの間にか後藤が戻ってきていた。

 

後藤「ところで、太田と香貫花、なんで正座してんの?しかも雪の上で」

 

進士「じ、実は…」

 

進士が事情を説明する。

 

後藤「あ〜、そういう事。怒らせちゃったのね…直江を」

 

そう言うと後藤は、俺を除いた全員を集め話をする。もちろん、太田と香貫花は正座したままだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

後藤「正直に聞くけど…怖かった?」

 

俺の言葉に、泉達は全員が頷いた。太田と香貫花に限っては、涙目で頷いている。

 

後藤「でしょうね。昔俺や南雲さん、シゲさんもアイツに怒られた事あるが、流石の俺も肝が冷えたね。南雲さんやシゲさんなんて、泣きながら謝ってたからねぇ」

 

遊馬「あの南雲隊長が…」

 

野明「だよね。だって、香貫花だって泣いちゃってるし。私も面と向かって言われたら泣いてるかも…」

 

後藤「ま、南雲さんや香貫花の場合は、それ以外の理由もあるけどね」

 

進士「理由…ですか?」

 

後藤「そっ」

 

野明(あ〜分かるかも。少し前の私じゃ分からなかったけど、今ならはっきりと分かる。好きな人に、あんな風に怒られたらショックだもんね)

 

泉だけは、その理由が分かったみたいだな。ったく、罪づくりな奴だねぇ。お前さんもさ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翼「…話終わったのか?」

 

隊長だけ俺の所に来たので素で話す。

 

後藤「うん。まあ、今回は彼奴等にとってもいい薬になったんじゃないの?」

 

翼「…まあ、流石に俺も頭に血が登りすぎた。まだまだ冷静にならないとな」

 

後藤「それ以上冷静になられちゃ、こっちが困るっての。吸う?」

 

隊長は自分の煙草を一本俺に渡す。

 

翼「ありがたく…スゥ…ハァ〜」

 

後藤「けど、相変わらず罪づくりな男だね〜。お前さんは」

 

翼「あん?」

 

後藤「しのぶさんや香貫花だけじゃなく、泉までねぇ」

 

翼「好きでそうなったんじゃねぇよ」

 

後藤「まぁいいけどね。けど、俺はお前だからしのぶさんを任せたんだからな」

 

翼「それについては、渡米する前から耳にタコができるくらい聞いたよ」

 

後藤「ならいいけどね」

 

そんな話をしてると、遠くの方で爆発音が聞こえ黒煙があがった。俺達は急いで現場に急行した。

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