もし、特車二課に凄い人がいたら…   作:シャト6

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第21話

爆破現場に到着した俺達は、野次馬整理に取り掛かる。

 

遊馬「発火したのは、南雲隊長の情報通り、伏見の盗難レイバーの1体。時限装置が仕掛けられたまま放置されていたみたいです」

 

進士「同系のテントハウスに、また犯行声明が届いたそうです」

 

後藤「また…」

 

香貫花「はい。『我々はバビロンプロジェクトに鉄槌を』云々と、いつものパターンの様でしたが?」

 

遊馬「きっとマニュアルがあるんだぜ!【正しい革命の基礎知識】とか、【テロリストの一般用語集】とか、【君にも書ける犯行声明】ってやつ」

 

太田「く〜!不埒な奴ら目!」

 

進士「その不埒さからすれば、テロリスト達はもう一度、レイバーテロを雪祭り会場で起こすんじゃないでしょうか?」

 

翼「恐らくは」

 

後藤「レイバーはもう1体残っとる。使える物を余して、よしとする連中じゃない」

 

太田「クソ〜ッ!さっきのシートもテロリストの仕業じゃないだろうな?俺が雪像を潰して、ほくそ笑んでるんだ!」

 

翼「それはないと思いますよ。爆弾を仕掛けるくらいですし、シート如きでレイバーにあまりダメージが追わないやり方はしないと思いますよ」

 

太田「そ、そうですか…」

 

あらら。お灸が効きすぎたかな?ま、すぐにもとに戻るでしょうよ。

 

後藤「ま、これ以上ここにいても邪魔になるだけだし、交代しながら周囲の警戒してちょうだい」

 

『了解!』

 

そして俺達は再び、周囲の警戒にあたるのだった。野明はイングラムに登場して待機。ひろみはアルフォンスに上り周りを拭いていた。

 

山崎「ほら泉さん、あれ。バビロンの城ですね」

 

野明「バビロンプロジェクトやってる、新東京開発公団が出品協力したってやつ。今回の雪まつりの目玉だね」

 

こういう事はマメだよな〜。

 

「まて〜!この〜!」

 

後ろでは子供たちが楽しく雪遊びか。爆破以外は平和だね〜。

 

野明「だ〜れ〜!私のアルフォンスに何かぶつけたの‼」

 

そう言いながら突然振り返る。バカ!ひろみが肩に乗ってんだぞ‼

 

山崎「あああああああああ〜‼‼」

 

翼「何してんだ!」

 

香貫花「何してるの野明!」

 

野明「あ〜!ひろみちゃん‼‼」

 

翼(受け止める!)

 

そう思っていたが、ギリギリのところで野明がひろみの足を掴んで大事に至らなかった。心臓に悪いっての…

 

野明「ご、ごめんねひろみちゃん」

 

山崎「い、いえ…どうも…」

 

「野明?野明じゃないの?」

 

すると女性が野明に話し掛けた。

 

野明「…え〜!木山先輩‼」

 

どうやら野明の知り合いみたいだな。俺達は近くにある焼きトウモロコシを買って、ベンチに座りながら話す事にした。

 

翼「野明さんの高校時代のバスケ部の先輩なんですね」

 

野明「そう。でも驚いたよ。先輩が教育実習で札幌に来てたなんて」

 

木山「驚くのはこっちだよ。野明が東京で婦警さんになって、特車二課に配属されたってのは聞いたけど、よもや悪名高い第二小隊のレイバー隊員なったなんて。恐ろしい事って身近にあんのね〜」

 

「「恐ろしい…」」

 

悪名高いね。ま、俺達もないとは言わないが、8割近くは太田が原因なんだよな。けど、世間では俺達も含め第二小隊って括りだからな。マジで太田をどうにかせんとな〜…

 

木山「こっちでも有名だもの。関東一円に轟く第二小隊の猛威!高層ビル宙吊り事件とかホント?」

 

野明「う、うん…」

 

木山「あたしが実習中のクラスの子だけど、レイバー隊の出動に巻き込まれて、家を壊されて仕方なく北海道に移ってきたって子もいるし」

 

野明「もしかして先輩さっきの子?」

 

木山「うん。さとる君って言うんだけど、こっち来る前はかなりのレイバー好きだったんだけどね。その一件以来滅茶嫌いになっちゃって」

 

あ〜…これは完全に俺達が悪いな。

 

香貫花「まあ、憎さはあるでしょうね」

 

野明「でも…でも不可抗力だって…その場の状況だって…同仕様もない事だってあるんだよ!」

 

香貫花「本当にそう言い切れるかしらね?」

 

香貫花が振り向く方向を見る。そこには雪だるまを作った太田が、顔面部分にパンチをして破壊していた。まあそう思われるわな。トウモロコシを食べ終わった俺達は一旦解散する。だが、すぐに野明は先輩を追いかけて行った。

 

翼「何かあるな」

 

俺は後を追いかけて行く。

 

木山「ええ!?さとる君が!レイバーの足元にビニールシートを」

 

翼「何かあると思いましたが、そういう事でしたか」

 

野明「翼さん!それに香貫花!」

 

香貫花「フォワードとバックは一心同体よ?聞かせてもらう権利はあるはずよ?」

 

野明「でもさ、あの子そんなにあたし達の事嫌いなのかな?やっぱりあたし、信じたくないよ」

 

香貫花「以前のレイバー好きが今はレイバー嫌い。好きな物に裏切られて180度曲がってしまう。大人にもよくある話ね」

 

野明「……」

 

木山「野明。私さとる君を見つけて直接話を聞いてみたいの。それまで黙っててくれる?」

 

野明「えっ?…うん、誰にも言わないよ」

 

翼「この話はひろみさんを除いたこのメンバーだけに留めておきます。ですが、もし万が一同じ様な事があれば…分かりますよね?」

 

木山「…はい」

 

俺は真剣な表情で、野明の先輩の木山にそう言う。

 

翼「分かりました。後は、必ず私達に謝りにこさせて下さい。駄目なことは駄目と、きちんと教えなければいけないので」

 

木山「分かりました」

 

そして~木山は帰っていった。そして夜になり、俺達は雪まつり会場の近くにある民宿山本館に泊まる事となった。なったんだが…

 

翼「…後藤隊長」

 

後藤「どしたの直江。そんな怖い顔をしちゃって」

 

翼「そんな顔にもなりますよ。なんで自分が野明さんと香貫花さんと同じ部屋なんですか!」

 

そう。後藤から渡された部屋割りを見ると、部屋は2部屋しか取ってなく、男子部屋は後藤、遊馬、ひろみ、太田、進士となっている。そして女子部屋に何故か俺が割り振られている。

 

後藤「しょ〜がないでしょ〜に。予算的に二部屋しか取れなかったんだからさ」

 

翼「だからって…」

 

後藤「部屋もそこまで広くないんだよ。直江を除いた連中でいっぱいいっぱいなの。だからね、香貫花と泉に誰可そっちで寝かしてやれって言ったら、真っ先にお前さんの名前が出たって訳」

 

翼「……」

 

後藤「別に大丈夫でしょうに。前にお前等3人同じ部屋で寝たんでしょうに」

 

翼「いや…寝ましたけど…」

 

後藤「だったら大丈夫でしょう。んじゃ、明日も早いんだからさっさと寝る寝る」

 

そう言って後藤は部屋に入っていった。

 

翼「…マジかよ」

 

俺は諦めて、香貫花と野明がいる部屋に向かうのだった。

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