今日も特に出動もなく、のんびりとした日々を送ってる俺達第2小隊。と思ってると、隊長に召集された。
後藤「というわけで、お出掛けしましょ。なんかご質問は?」
野明「は~い隊長!何処へ何しにお出掛けするのか、分かりません」
後藤「言わなきゃダメ?」
「当たり前です」
遊馬「なに訳の分かんない事言ってるんですか!」
言わなきゃダメって。当然でしょうが。
後藤「大体が訳の分からん事件なんだなぁ、これが。未確認の巨大生物が林の中を彷徨いてるとかいないとか」
頭をかきながらそう答える隊長。
遊馬「もしかしてそれって、怪獣ですか」
香貫花「レイバーを誤認したのよ」
進士「いや、着ぐるみを着けたレイバーという線もありますね」
太田「あるか!んなもの」
野明「その怪獣は空を飛びますか?」
香貫花「レイバーよ」
遊馬「生物並みの動きをするなんて、まだ開発途上だぜ」
香貫花「レイバーサイズの陸上生物なんて、絶滅してるわ」
野明「あっ!ねぇ、象は?」
それぞれが色々と妄想を口にする。随分と色々出るね。
太田「んなもん、行ってふん捕まえてみりゃすぐ分かるこっちゃろうが」
後藤「そうね」
「それじゃあ出発しましょうか」
そして俺達は、その現場へと向かったのだった。現場に到着した俺達は、早速イングラムを起動させる。
「ほほぉ、来ましたな。これが本庁自慢のお荷物ですか」
後藤「落ちこぼれ、寄せ集め、はみ出し者、金食い虫、ムダ飯食らいの…ま~、色々言われながらも何とか元気だ、自慢のお荷物です。んで、状況は?」
「確かに、何かいるんですよ。あれ見て」
地方の警察の人の目先を見る。そこには、何かで破壊された車があった。
後藤「…いますか?やっぱり」
「います」
そして早速指示を出そうとした隊長だが、警察の人に止められる。聞けばその生物を生け捕りにしてほしいそうだ。
「はぁ…何を考えているんでしょうね。役場の人は」
太田『あ、ああ、あ…隊長!指示はまだですか!!』
太田は太田で、さっさと出撃したいみたいだな。
野明「えっと、目標と対峙した場合の手順は…1、スピーカーで投降を呼び掛ける。2、格闘体制。ほんでもって警棒を間接部にねじ込んで」
山崎「泉さん、それは人間の乗ったレイバーを相手にした手順ですよ」
野明「あっそうか。でも、怪物を相手にした場合なんて、マニュアルに載ってないよね?」
「そうですね。普段は人やAIを相手にしますからね。イングラムが有利なのは、そのスピードで他を上回っているからです」
遊馬「が、相手が生き物だとすると…苦戦するかも知れんなぁ。うんうん」
何故か嬉しそうな声を出す遊馬。
野明「何嬉しそうに言ってんだよ」
遊馬「レイバー対巨大生物。血が騒がんか♪」
「遊馬さん、程々にしてくださいね」
遊馬「けど、作戦を立てても2号機パイロットがあいつだしなぁ」
太田『隊長!まだですか!!』
香貫花「ま、精々頑張りなさい」
ガックリしながら、遊馬は自分が指揮する2号機の指揮車に乗り込んだ。
「野明さん、今回は私が指示をします」
野明「は、はい!」
「そんなに固くならなくていいですよ。私も今回が野明さんと組む初めての任務です。ですので、力を抜いて下さい」
俺は頭を撫でながら野明をリラックスさせる。
野明「あっ…///」
少し顔が赤く見えるけど…気のせいだよな?
香貫花「……」バキバキバキッ
山崎「ヒ、ヒィィィ!!」
後ろを見ると、香貫花が持ってた通信機を握り潰していた。…俺、もしかしてまたやった?
「そ、それでは時間までゆっくりしてて下さい」
慌てて撫でてた手を頭から離す。
野明「あっ…」
そんなシュンって顔しないで!心が痛いですから!!俺は逃げるように、ひろみのいる場所に向かった。
「…生きた心地がしません」
山崎「僕もです」
「すみません」
山崎「気にしないで下さい」
「私、日本に帰って来て気が休まる日がありませんよ。本当に隊長やシゲさん達の言う通り、いつか刺されるかも知れませんね」
山崎「あ、あはは…」
その言葉に、流石のひろみも苦笑いしていた。
カンカンカンカン!
すると突然鐘の音が辺りに響き渡る。
「出たぞ~!出た~!!」
今度は別の場所のにわとり小屋が襲われたそうだ。にわとり…
香貫花「にわとりを襲ったって事は」
「肉食の可能性が高いですね」
後藤「あ~、今から指示を出す。2号機は林の中に入り、謎の生物を見つけてくれ。1号機は、俺と一緒に役員の人達と道路から林に入る道の前で待機だ」
『了解!』
そして俺達は、指示された場所に行き行動を開始する。
「ふん捕まえたらもう、ただじゃおかねぇだ!」
「おめぇ達褌絞め直せ!」
香貫花「隊長、目標が山を下りてきた場合、やはりここに来ると思われますか?」
後藤「来ると思うよ。どうだ山崎?」
山崎「そうですねぇ。生き物なら、障害物のないところを来る可能性は高いと思われます」
「そうですね。それに本当にレイバー並みの大きさなら、木が繁ってる場所より道沿いに来るでしょう」
後藤「暗くなる前に何とかしたいなぁ」
そんな話をしている俺達。とにかく、2号機が上手くしてくれることを願うだけだな。すると銃声音が響き渡る。
後藤「…鳴ったな」
進士「6発全部撃ったって事は、きっと1発も当たってませんね」
後藤「うん」
すると2号機指揮車から通信が入る。
遊馬『此方2号指揮車、目標がそっちに向かってます。後、少しオマケがあったんで、そっちを処理してから下ります』
後藤「オマケ?」
遊馬『はい。取り合えず通信終わります』
2号指揮車からの通信が切れる。
後藤「全員定置に着け。来るぞ!」
「では野明さん、行きましょうか」
野明『了解!』
そして俺と香貫花も、1号指揮車に乗り込み山の中に入っていく。
香貫花『野明!目標を外に出すんじゃないわよ!』
そして奥に進んでいくと、熱源センサーが反応する。
「目標接近してます。200、150、100、50…来ますよ!」
野明『了解!』
そして謎の生物を捕まえようとした瞬間、1号機…アルフォンスの頭を台にして飛び越えていった。
香貫花「何やってるの野明!」
「大丈夫ですか?」
野明『おのれぇ…ちゃんと捕まりなさ~い!!』
香貫花「そんな言葉が通じる筈ないでしょ!」
「まぁまぁ。とにかく追い掛けましょう」
野明の後を俺達も追い掛ける。すると隊長から通信が入る。
後藤『目標、元来た道を退散。繰り返す、目標、元来た道を退散』
「さぁ野明さん、次こそ捕まえましょう」
野明『了解!』
謎の生物とかち合った瞬間、林の中に身を潜めた。
野明『どっか行っちゃった。何処だ?何処だ』
香貫花「落ち着きなさい。追い込まれて相手も殺気立ってるわ」
回りを確認しながら警戒する。
「…!野明さん、左です!!」
野明『!?』
俺の言葉で左を向く。するとそこから謎の生物が飛び出てきた。
野明『何度も同じ手を…食らうかぁ!!』
アルフォンスは謎の生物をともえ投げし、馬乗りになる。
香貫花「野明!電磁警棒を使うのよ!」
「キャイイイン!!」
そして生物は気絶した。
「お見事です野明さん。無事任務完了です」
野明『許さん…さっきはよくも、私の大事なパトちゃんを足蹴りしたなぁ!!こ~の~!このこのこの!!』
野明は、先程の足蹴りに怒っており、未だに生物に攻撃してた。
香貫花「やれやれ」
太田『うおおおおおおお!!』
すると今度は、木を担いで来た2号機がやって来た。
太田『泉!俺にもやらせろ~!このヤロ~!』
野明『お、太田さん!?ダメ!これ以上やったら死んじゃうよ!』
太田『何だと貴様!』
そして今度は、何故か太田と野明が取っ組み合いになった。
香貫花「いい加減にしなさい!!」
「……」
流石にこれ以上は不味いな。仕方ない…
「…太田功巡査」
俺は低い声で太田に話しかける。
『!?』
太田『な、何でありますか』
「謎の生物は、泉野明巡査が捕まえました。ですので、それ以上の攻撃は必要ないと思いますけど?」
太田『で、ですが…』
「何か…文句でもありますか?太田功巡査」
太田『い、いえ!失礼しました!』
「でしたら、1号機と一緒にその生物を下まで運んで下さいね」
『りょ、了解』
そして2機は、生物を持ち上げて下まで運んでいった。
「では香貫花さん、私達も行きましょうか」
香貫花「オ、All right」
何故か香貫花も怯えていた。何でだ?そして下に行き生物を渡して、イングラムをした。
後藤「怪物は、山の向こうにある、某製薬会社の研究所にいた実験動物だそうだ。予想以上の成長を遂げてしまって手に余るんで、殺してしまおうとして、逃げ出したと言うんだなぁ」
遊馬「で、捕獲の為にレイバーを繰り出した」
香貫花「返り討ちにあったレイバーをこっそり回収したのも彼らね」
後藤「まぁ…内密に処理しようとしたんだろうがな」
太田「迷惑な話だぜ全く」
野明「隊長、あの生き物殺されちゃうんですか?」
香貫花「貴方ねぇ、自分であれだけ痛め付けておいて、今更何言ってるの」
野明の言葉に香貫花は呆れていた。
野明「けど…あの子に罪はないじゃない。動物園に寄付するとか、小学校で飼うとか」
香貫花「でも…あれは一体何だったのかしら?」
太田「熊だ、熊」
香貫花「あら?猫科に見えたわ」
山崎「えっ、モグラじゃないんですか?」
進士「てっきり、巨大なネズミだと思ってましたけど」
野明「妖怪ゲウケゲン」
遊馬「アホ…ジャイアントブラックパンダという線はどうだ?」
太田「んなもんがいるか」
遊馬「だから、連中が作ったんだよ!」
野明「だったらゲウケゲンでもいいじゃないか」
相変わらず色々と出てくるね。
後藤「はいはい、皆帰るよ」
『は~い!』
「な、なんなんだこったら人達は」
「すみません。ウチの連中個性が強くて」
そして俺達は、特車2課に向けて出発した。
『おお牧場は緑♪草の海風が吹く♪おお牧場は緑♪良く茂ったものだ♪』
何故か皆で帰りながら《おお牧場はみどり》を全員で合唱していた。特に驚いたのが、隊長と香貫花も一緒に歌ってたのだった。