俺達は今日、各警備部が集まって行われてる柔道大会に出場している。
遊馬「あ~あ!折角の非番の日に、こんな大会に出なきゃならんとは」
後藤「仕方ないだろう。第1小隊は出動中だから、暇な俺達に回ってきたってことだ。諦めろ」
遊馬「あ~あ!じゃん拳で勝ったひろみちゃんが羨ましいよ」
出場人数は5人の為、男が6人いる第2小隊はじゃんけんで勝った者が出なくていい事になり、見事ひろみが勝ったのだ。で、先鋒の進士と相手先斎藤との闘い。
後藤「もって3秒ってとこだな」
「ですね」
そして3秒で決着がついた。
「次鋒篠原!」
「何だよ、また白帯かよ。特車2課にはそんなのしかいないのかよ!」
「斎藤、手加減してやれよ。レイバー無しじゃ何にもできない連中なんだからよ」
「始め!」
そして篠原は、相手にロケット頭突きをする。
後藤「甘いな」
「ですね」
そして注意され、再び試合が始まったが、頭突きをやられた斎藤は、やり返すため篠原を押さえつけ、ギブアップしたと同時に首を捻らせた。
篠原「コケコッコ!」
「次、中堅太田!」
進士「太田さん…」
太田「情けない声を出すな!こうなったら俺が5人抜きして、借りを作ってやる!」
と息巻いていたが、1本背負いでやられた。
「瞬殺じゃん」
「副将直江!」
「出番ですか」
俺の出番が回ってきて、斎藤と向かい合う。
斎藤「このぉ!」
「はぁっ!!」
と、気合いを入れて闘いを始める時、隊長が持ってた通信機に連絡が入った。聞くと、出動中の第1小隊から応援の要請があった。大会の途中だが、俺達第二小隊は会場を後にし、現場に向かった。すると、2号機の進士から連絡が入る。
進士『隊長!太田さんが』
後藤『どした?』
進士『えっと、足首を捻挫したみたいで』
後藤『足首を捻挫した!?』
進士『さっきの試合で投げられた時に。遊馬さんも喉を痛めたらしく声が』
後藤『ったくもぉ、こんな時になぁ』
進士『2号機搭乗、指揮共に不能。どうしましょう』
後藤『はぁ…あ~直江、聞こえるか?』
「はい。聞こえます」
後藤『悪いけど、今回は泉の指揮は香貫花に任せて、お前は2号機に搭乗してくれ。泉、香貫花、聞こえたな?復唱は?』
野明『…了解』
香貫花『Yes,sir!』
「了解です」
そして俺は2号機に乗り込む。
直江「野明さん、今回は香貫花さんと組みますけど、いつも通りに行けば大丈夫ですからね」
野明『…はい』
あまり乗り気じゃないな。まぁ、普段から任務の時香貫花と衝突してるからなぁ。けど、今回はいい機会かも知れないな。
「さて…進士さん、基本は私が動きますから、周囲の事を教えてくださいね」
進士『わ、分かりました』
「初めての指揮ですけど、出来るだけ此方もフォローしますので、緊張せずに行きましょう」
進士『は、はい』
そして、基本は1号機をメインに、2号機は1号機のフォローする形になる。
進士『直江さん、今隊長が犯人に対して話し合っています。そして、泉さんが裏側に回って犯人の隙を伺ってます』
「分かりました。ですけど、進士さんしっかりと周囲の事を教えていただいて、ありがとうございます」
進士『そんな…』
少し嬉しそうな声を出す進士。この人も普段から大変だからなぁ。そして、1号機が犯人に捕まってた老人を湯船に落とし、犯人が乗ってるレイバーを抑える。だが、犯人も抵抗し銭湯から道路に出てきた。
香貫花『泉巡査!銃を足に撃って相手の動きを止めなさい!』
しかし野明は、銃を取り出さず電磁警棒で相手をする。犯人も銭湯の煙突を引っこ抜き対抗するが、あまりの重さに、そのまま倒れそうになる。
「まずい!!」
俺は急いで煙突を支える。
「野明さん!今の内に犯人をコックピットから出してください。いくらイングラムでも、この重さはいつまでも耐えられません!」
野明『りょ、了解!!』
そして野明は、犯人をコックピットから出し、俺はそれを確認して急いで煙突から離れた。
「ふぅ」
進士『大丈夫ですか?直江さん!』
「ええ、私は大丈夫です。ですが、2号機の足の動力部が壊れましたね。だいぶ無理させたみたいです」
進士『そうですか。直江さんが無事なら良かったです』
「心配していただいてありがとうございます」
そして、特車2課に戻り榊さんとシゲに整備を頼むのだった。そして帰ろうとした時に、隊長から第二小隊の連中と飲みに行くと言われ、俺には是非とも参加して、野明と香貫花の仲を取り持ってほしいと言われた。やれやれ…イングラムトラブルの次は、ウチの1号機の連中か。そして、1号機のメンツ、俺、香貫花、野明、ひろみと固められ、向こうの屋台には2号機連中、遊馬、太田、進士がいる。因みに席順は、香貫花、俺、隊長、野明、ひろみとなっている。
野明「まぁ隊長の奢りだって言うから、過剰な期待はしませんでしたけど」
香貫花「隊長、この席の趣旨を説明していただけませんか?」
後藤「まぁ、いつもよく働いてくれている部下に対して、俺から細やかな感謝の気持ちを込めてだなぁ」
香貫花「職務ですから、取り分け感謝していただく必要はありません」
まだ機嫌が悪いな香貫花の奴。
後藤「まぁそう言わずに、何でもいいから楽しくやれや。言いたい事を言い、喚きたい事を喚き、食って飲んでパッとやれパッと!んじゃ、俺はちょっと野暮用があるからさ。直江、後は頼んだぞ」
隊長はそう言い残して、遊馬の屋台に行ってしまった。あの人、こんな状況を俺に押し付けやがって!!
「悪い、少し用を足してくる」
山崎「あ、僕も行きます」
そして俺とひろみは、少しだけ屋台から離れる。
「はぁ…」
山崎「大変ですね」
「本当にあの人は…」
山崎「出来るだけ僕も協力しますよ」
「ありがとうございます。取り合えず戻りましょうか」
そして俺達は戻り、取り合えず酒を飲んでいく。野明は凄いピッチで飲んでいく。
野明「プハッ!あれ?どうしたの?」
香貫花「別に。ただ、見事な飲みっぷりだと思って」
野明「実家が酒屋だし、何時も父さんの相手してたから。ンフフ~、お酒にはちょっとだけ自信があるんだ♪」
香貫花「そう」
それを聞いた香貫花も、酒をイッキ飲みする。
野明「へ~!香貫花もやるじゃない」
山崎「あの、ちょっとピッチが早すぎませんか」
野明「まだまだこれからだよぉ。おじさんもう一杯」
香貫花「私も」
「あいよ!そっちの2人は?」
「私も下さい」
山崎「僕はお酒飲めないんです」
ひろみ以外は酒を注がれる。
野明「私はねぇ、がんもとゲソ巻き」
香貫花「は、はんぺん!」
「大根とちくわとこんにゃくを」
山崎「僕は昆布と巾着で」
そして野明が酒をイッキすると、負けじと香貫花も対抗する。
「「お代わり!」」
2人のピッチが更に上がっていく。一応俺も合わせて飲んでいく。
山崎「直江さん、大丈夫ですか?」
「大丈夫ですよ。ひろみさんは無理せず、水や別のを飲んで下さい。おでんも美味しいですよ」
山崎「は、はぁ…」
この事は俺が全部引き受けるとして、関係ないひろみには楽しく飲んで食ったりしてほしいからな。そして、俺達は一升瓶2本空けた。
野明「ウップ~」
山崎「泉さん、そんな飲んで大丈夫?」
野明「らいじょうぶらって♪このくらい」
と言いつつ、野明はフラつく。
「ほら野明さん」
俺は野明を起こす。
山崎「ちゃんおでんも食べないと。お酒ばっかりってのは、体に毒ですよ」
野明「キャハハハ!ひろみちゃんお母さんみたい♪」
香貫花「どうして…そんなに楽しそうなの?」
山崎「香貫花さん…」
香貫花の奴も酔ってるな。
野明「何で?どうして?楽しくないの?それはねぇ、お酒が足りないのよ。おじちゃん、もう一杯!」
香貫花「…One more please」
「あ、おじさん、私にももう一杯下さい」
「あいよ」
山崎「直江さん」
「大丈夫ですよひろみさん」
俺はひろみに安心させる用に言う。
山崎「で、ですけど、直江さんも泉さんや香貫花さんくらい飲んでますよね」
「安心して下さい。ひろみさんには説明しておきますけど、私が酔った時は、口調が変わりますから。その時は、酔ったと思って下さい」
山崎「は、はぁ」
「そしてですね」
俺は、最も大事な事を言う。
「そうなった時は、絶対に私の近くにはいないで下さい。女性は大丈夫ですけれど、男性に対してひどいことをするみたいなので」
山崎「ええっ…」
「普段は私と言いますけど、私から俺に変わったら離れてくださいね」
山崎「わ、分かりました…」
俺の真剣な表情に、ひろみは必死に頷くのだった。そこから更に飲み、酒の臭いにやられたひろみ、そして何故か店の店主も寝てしまった。何で?
野明「まだ起きてる?」
香貫花「起きてるわよ」
今現在、2人は俺にもたれながら話している。
野明「ねぇ、前から1度聞いてみようと思ってたんだけど」
香貫花「なに?」
野明「香貫花って、1人で日本に来てさ、寂しいとかアメリカにいる誰かに会いたいとかさぁ、そういうないの?」
香貫花「……」
野明「えっ?」
香貫花「Grand ma」
野明「グランマ?お祖母ちゃん!お祖母ちゃんかぁ。今頃どうしてるかなぁ?」
「野明さん」
俺は泣き出す香貫花をあやしながら、野明に話をする。
野明「ん?」
「香貫花さん…いや、香貫花は幼い頃からお祖母ちゃんに育てられたんだよ。そして、両親は亡くなってて、お祖母ちゃんが母親変わりなんだ」
野明「…そうだったんだ」
俺はそのまま眠った香貫花の頭を撫でながら、野明に説明した。
「普段はキッチリとしてるけど、異国の地に1人ってのは、寂しいものだ。それに、言いたくねぇがいつか婆ちゃんもいなくなる。そうなれば香貫花は正真正銘天涯孤独になる。だから、少しでも気が紛れればって思ってんだよ」
野明「そうだよねぇ」
酒を飲みながら香貫花を見る野明。
野明「香貫花の事は分かったけど、翼さんそんな風に話せるんだねぇ」
「まぁな」
野明「エヘヘ~♪私だけの秘密だねぇ♪」
そして野明も俺の胸で眠り始めた。
「やれやれ。飲み辛いったらありゃしない」
と言いつつ、俺の顔は笑っていた。
「さて、あの人が来るまで飲んでるか」
俺は一升瓶から酒を注ぎ、隊長が来るのを待った。
後藤「よく寝ちゃって」
「お疲れさん」
後藤「おう。悪いね、押し付けちゃってさ」
「ホントにそう思ってんだか」
後藤「ハハハ…」
「どうせ向こうじゃまともに飲めなかったんだろ?どうだ?」
後藤「そだね。飲ませてもらうか」
後藤も横に座り、酒を注ぐ。
後藤「それにしても、モテる男は辛いね」
「少し飲み食いがしんどいが、本人達が寝れてるなら構わないさ」
後藤「そうか。けど、久々に聞いたな。その喋り方」
「ま、酒も
後藤「俺としては、普段からそんな話し方にしてほしいんだけどね。楽だから」
「ングング…そういう訳にはいかないだろ。あんた以外は、俺の口調はあれで通ってるんだからよ」
後藤「大変だねぇ」
「確かにな。けど、こうやってあんたと2人で話すのも久々だし、たまには元の口調に戻すのもいいだろ?」
後藤「しのぶさんを含めた連中が知ったら、さぞや驚くだろうな。特に女性陣は」
「どうだかな。逆に呆れるかも知れねぇな」
そして再び酒を飲むのだった。因みに、野明と俺と後藤、そして酒を飲んでないひろみ以外全員が二日酔いになり、そんな中出動したのは当然の話だった。