もし、特車二課に凄い人がいたら…   作:シャト6

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第9話

俺達は今日、各警備部が集まって行われてる柔道大会に出場している。

 

遊馬「あ~あ!折角の非番の日に、こんな大会に出なきゃならんとは」

 

後藤「仕方ないだろう。第1小隊は出動中だから、暇な俺達に回ってきたってことだ。諦めろ」

 

遊馬「あ~あ!じゃん拳で勝ったひろみちゃんが羨ましいよ」

 

出場人数は5人の為、男が6人いる第2小隊はじゃんけんで勝った者が出なくていい事になり、見事ひろみが勝ったのだ。で、先鋒の進士と相手先斎藤との闘い。

 

後藤「もって3秒ってとこだな」

 

「ですね」

 

そして3秒で決着がついた。

 

「次鋒篠原!」

 

「何だよ、また白帯かよ。特車2課にはそんなのしかいないのかよ!」

 

「斎藤、手加減してやれよ。レイバー無しじゃ何にもできない連中なんだからよ」

 

「始め!」

 

そして篠原は、相手にロケット頭突きをする。

 

後藤「甘いな」

 

「ですね」

 

そして注意され、再び試合が始まったが、頭突きをやられた斎藤は、やり返すため篠原を押さえつけ、ギブアップしたと同時に首を捻らせた。

 

篠原「コケコッコ!」

 

「次、中堅太田!」

 

進士「太田さん…」

 

太田「情けない声を出すな!こうなったら俺が5人抜きして、借りを作ってやる!」

 

と息巻いていたが、1本背負いでやられた。

 

「瞬殺じゃん」

 

「副将直江!」

 

「出番ですか」

 

俺の出番が回ってきて、斎藤と向かい合う。

 

斎藤「このぉ!」

 

「はぁっ!!」

 

と、気合いを入れて闘いを始める時、隊長が持ってた通信機に連絡が入った。聞くと、出動中の第1小隊から応援の要請があった。大会の途中だが、俺達第二小隊は会場を後にし、現場に向かった。すると、2号機の進士から連絡が入る。

 

進士『隊長!太田さんが』

 

後藤『どした?』

 

進士『えっと、足首を捻挫したみたいで』

 

後藤『足首を捻挫した!?』

 

進士『さっきの試合で投げられた時に。遊馬さんも喉を痛めたらしく声が』

 

後藤『ったくもぉ、こんな時になぁ』

 

進士『2号機搭乗、指揮共に不能。どうしましょう』

 

後藤『はぁ…あ~直江、聞こえるか?』

 

「はい。聞こえます」

 

後藤『悪いけど、今回は泉の指揮は香貫花に任せて、お前は2号機に搭乗してくれ。泉、香貫花、聞こえたな?復唱は?』

 

野明『…了解』

 

香貫花『Yes,sir!』

 

「了解です」

 

そして俺は2号機に乗り込む。

 

直江「野明さん、今回は香貫花さんと組みますけど、いつも通りに行けば大丈夫ですからね」

 

野明『…はい』

 

あまり乗り気じゃないな。まぁ、普段から任務の時香貫花と衝突してるからなぁ。けど、今回はいい機会かも知れないな。

 

「さて…進士さん、基本は私が動きますから、周囲の事を教えてくださいね」

 

進士『わ、分かりました』

 

「初めての指揮ですけど、出来るだけ此方もフォローしますので、緊張せずに行きましょう」

 

進士『は、はい』

 

そして、基本は1号機をメインに、2号機は1号機のフォローする形になる。

 

進士『直江さん、今隊長が犯人に対して話し合っています。そして、泉さんが裏側に回って犯人の隙を伺ってます』

 

「分かりました。ですけど、進士さんしっかりと周囲の事を教えていただいて、ありがとうございます」

 

進士『そんな…』

 

少し嬉しそうな声を出す進士。この人も普段から大変だからなぁ。そして、1号機が犯人に捕まってた老人を湯船に落とし、犯人が乗ってるレイバーを抑える。だが、犯人も抵抗し銭湯から道路に出てきた。

 

香貫花『泉巡査!銃を足に撃って相手の動きを止めなさい!』

 

しかし野明は、銃を取り出さず電磁警棒で相手をする。犯人も銭湯の煙突を引っこ抜き対抗するが、あまりの重さに、そのまま倒れそうになる。

 

「まずい!!」

 

俺は急いで煙突を支える。

 

「野明さん!今の内に犯人をコックピットから出してください。いくらイングラムでも、この重さはいつまでも耐えられません!」

 

野明『りょ、了解!!』

 

そして野明は、犯人をコックピットから出し、俺はそれを確認して急いで煙突から離れた。

 

「ふぅ」

 

進士『大丈夫ですか?直江さん!』

 

「ええ、私は大丈夫です。ですが、2号機の足の動力部が壊れましたね。だいぶ無理させたみたいです」

 

進士『そうですか。直江さんが無事なら良かったです』

 

「心配していただいてありがとうございます」

 

そして、特車2課に戻り榊さんとシゲに整備を頼むのだった。そして帰ろうとした時に、隊長から第二小隊の連中と飲みに行くと言われ、俺には是非とも参加して、野明と香貫花の仲を取り持ってほしいと言われた。やれやれ…イングラムトラブルの次は、ウチの1号機の連中か。そして、1号機のメンツ、俺、香貫花、野明、ひろみと固められ、向こうの屋台には2号機連中、遊馬、太田、進士がいる。因みに席順は、香貫花、俺、隊長、野明、ひろみとなっている。

 

野明「まぁ隊長の奢りだって言うから、過剰な期待はしませんでしたけど」

 

香貫花「隊長、この席の趣旨を説明していただけませんか?」

 

後藤「まぁ、いつもよく働いてくれている部下に対して、俺から細やかな感謝の気持ちを込めてだなぁ」

 

香貫花「職務ですから、取り分け感謝していただく必要はありません」

 

まだ機嫌が悪いな香貫花の奴。

 

後藤「まぁそう言わずに、何でもいいから楽しくやれや。言いたい事を言い、喚きたい事を喚き、食って飲んでパッとやれパッと!んじゃ、俺はちょっと野暮用があるからさ。直江、後は頼んだぞ」

 

隊長はそう言い残して、遊馬の屋台に行ってしまった。あの人、こんな状況を俺に押し付けやがって!!

 

「悪い、少し用を足してくる」

 

山崎「あ、僕も行きます」

 

そして俺とひろみは、少しだけ屋台から離れる。

 

「はぁ…」

 

山崎「大変ですね」

 

「本当にあの人は…」

 

山崎「出来るだけ僕も協力しますよ」

 

「ありがとうございます。取り合えず戻りましょうか」

 

そして俺達は戻り、取り合えず酒を飲んでいく。野明は凄いピッチで飲んでいく。

 

野明「プハッ!あれ?どうしたの?」

 

香貫花「別に。ただ、見事な飲みっぷりだと思って」

 

野明「実家が酒屋だし、何時も父さんの相手してたから。ンフフ~、お酒にはちょっとだけ自信があるんだ♪」

 

香貫花「そう」

 

それを聞いた香貫花も、酒をイッキ飲みする。

 

野明「へ~!香貫花もやるじゃない」

 

山崎「あの、ちょっとピッチが早すぎませんか」

 

野明「まだまだこれからだよぉ。おじさんもう一杯」

 

香貫花「私も」

 

「あいよ!そっちの2人は?」

 

「私も下さい」

 

山崎「僕はお酒飲めないんです」

 

ひろみ以外は酒を注がれる。

 

野明「私はねぇ、がんもとゲソ巻き」

 

香貫花「は、はんぺん!」

 

「大根とちくわとこんにゃくを」

 

山崎「僕は昆布と巾着で」

 

そして野明が酒をイッキすると、負けじと香貫花も対抗する。

 

「「お代わり!」」

 

2人のピッチが更に上がっていく。一応俺も合わせて飲んでいく。

 

山崎「直江さん、大丈夫ですか?」

 

「大丈夫ですよ。ひろみさんは無理せず、水や別のを飲んで下さい。おでんも美味しいですよ」

 

山崎「は、はぁ…」

 

この事は俺が全部引き受けるとして、関係ないひろみには楽しく飲んで食ったりしてほしいからな。そして、俺達は一升瓶2本空けた。

 

野明「ウップ~」

 

山崎「泉さん、そんな飲んで大丈夫?」

 

野明「らいじょうぶらって♪このくらい」

 

と言いつつ、野明はフラつく。

 

「ほら野明さん」

 

俺は野明を起こす。

 

山崎「ちゃんおでんも食べないと。お酒ばっかりってのは、体に毒ですよ」

 

野明「キャハハハ!ひろみちゃんお母さんみたい♪」

 

香貫花「どうして…そんなに楽しそうなの?」

 

山崎「香貫花さん…」

 

香貫花の奴も酔ってるな。

 

野明「何で?どうして?楽しくないの?それはねぇ、お酒が足りないのよ。おじちゃん、もう一杯!」

 

香貫花「…One more please」

 

「あ、おじさん、私にももう一杯下さい」

 

「あいよ」

 

山崎「直江さん」

 

「大丈夫ですよひろみさん」

 

俺はひろみに安心させる用に言う。

 

山崎「で、ですけど、直江さんも泉さんや香貫花さんくらい飲んでますよね」

 

「安心して下さい。ひろみさんには説明しておきますけど、私が酔った時は、口調が変わりますから。その時は、酔ったと思って下さい」

 

山崎「は、はぁ」

 

「そしてですね」

 

俺は、最も大事な事を言う。

 

「そうなった時は、絶対に私の近くにはいないで下さい。女性は大丈夫ですけれど、男性に対してひどいことをするみたいなので」

 

山崎「ええっ…」

 

「普段は私と言いますけど、私から俺に変わったら離れてくださいね」

 

山崎「わ、分かりました…」

 

俺の真剣な表情に、ひろみは必死に頷くのだった。そこから更に飲み、酒の臭いにやられたひろみ、そして何故か店の店主も寝てしまった。何で?

 

野明「まだ起きてる?」

 

香貫花「起きてるわよ」

 

今現在、2人は俺にもたれながら話している。

 

野明「ねぇ、前から1度聞いてみようと思ってたんだけど」

 

香貫花「なに?」

 

野明「香貫花って、1人で日本に来てさ、寂しいとかアメリカにいる誰かに会いたいとかさぁ、そういうないの?」

 

香貫花「……」

 

野明「えっ?」

 

香貫花「Grand ma」

 

野明「グランマ?お祖母ちゃん!お祖母ちゃんかぁ。今頃どうしてるかなぁ?」

 

「野明さん」

 

俺は泣き出す香貫花をあやしながら、野明に話をする。

 

野明「ん?」

 

「香貫花さん…いや、香貫花は幼い頃からお祖母ちゃんに育てられたんだよ。そして、両親は亡くなってて、お祖母ちゃんが母親変わりなんだ」

 

野明「…そうだったんだ」

 

俺はそのまま眠った香貫花の頭を撫でながら、野明に説明した。

 

「普段はキッチリとしてるけど、異国の地に1人ってのは、寂しいものだ。それに、言いたくねぇがいつか婆ちゃんもいなくなる。そうなれば香貫花は正真正銘天涯孤独になる。だから、少しでも気が紛れればって思ってんだよ」

 

野明「そうだよねぇ」

 

酒を飲みながら香貫花を見る野明。

 

野明「香貫花の事は分かったけど、翼さんそんな風に話せるんだねぇ」

 

「まぁな」

 

野明「エヘヘ~♪私だけの秘密だねぇ♪」

 

そして野明も俺の胸で眠り始めた。

 

「やれやれ。飲み辛いったらありゃしない」

 

と言いつつ、俺の顔は笑っていた。

 

「さて、あの人が来るまで飲んでるか」

 

俺は一升瓶から酒を注ぎ、隊長が来るのを待った。

 

後藤「よく寝ちゃって」

 

「お疲れさん」

 

後藤「おう。悪いね、押し付けちゃってさ」

 

「ホントにそう思ってんだか」

 

後藤「ハハハ…」

 

「どうせ向こうじゃまともに飲めなかったんだろ?どうだ?」

 

後藤「そだね。飲ませてもらうか」

 

後藤も横に座り、酒を注ぐ。

 

後藤「それにしても、モテる男は辛いね」

 

「少し飲み食いがしんどいが、本人達が寝れてるなら構わないさ」

 

後藤「そうか。けど、久々に聞いたな。その喋り方」

 

「ま、酒もこいつら(野明と香貫花)に合わせて飲んでたからな。少し位は酔ったかもな」

 

後藤「俺としては、普段からそんな話し方にしてほしいんだけどね。楽だから」

 

「ングング…そういう訳にはいかないだろ。あんた以外は、俺の口調はあれで通ってるんだからよ」

 

後藤「大変だねぇ」

 

「確かにな。けど、こうやってあんたと2人で話すのも久々だし、たまには元の口調に戻すのもいいだろ?」

 

後藤「しのぶさんを含めた連中が知ったら、さぞや驚くだろうな。特に女性陣は」

 

「どうだかな。逆に呆れるかも知れねぇな」

 

そして再び酒を飲むのだった。因みに、野明と俺と後藤、そして酒を飲んでないひろみ以外全員が二日酔いになり、そんな中出動したのは当然の話だった。

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