IS学園の劣等生   作:人斬り抜刀斎

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第16話

突然大きな衝撃が走ったアリーナ

そこに煙がもうもうと立ち込める。

そして徐々に煙が晴れていくとそこには黒い物体が姿を現した。

「な・・・何だ? 何が起こって・・・」

「一夏! 試合は中止よ! すぐにピットに戻って!!」

「一夏 逃げてっ!」

「お前はどうするんだよ!?」

「あたしが時間を稼ぐから早く!」

「あたしがって・・「女を置いてそんなことできるか!」

「馬鹿!アンタの方が弱いんだからしょうがないでしょうがっ」

鈴が自分が囮になるから先に逃げろと言うも、一夏が反論し口論していると白式のハイパーセンサーがアラートを飛ばす。

『所属不明のISと確認 ロックされています』

「あぶねえっ!!」

と不明機からの攻撃をかわす一夏と鈴そして不明機から距離を取って行く。

 

----観客席----

試合開始後しばらくして達也はモニタールームを出て観客席に行ったそこで偶然にも更識楯無と隣り合わせの席になったのだ。ただでさえこの人は警戒する人なのに偶然にもなってしまったのだ。

「な、何だ?」

「織斑先生 聞こえますか?」

『聞こえている 更識 お前今何処にいる?』

「観客席です 達也君も一緒に居ます」

『司波もいるのか なら都合が良い お前達は生徒達の避難をしろ、現在適断シールドがレベル4に設定され 全ての扉がロックされている こちらからは救助に向かう事も生徒達をアリーナの外へ避難させる事も出来ない』

「「分かりました」」

『それと司波』

「はい?」

『生徒の避難が完了したらお前はあの不明機の対処をしろ』

「了解」

「じゃあ 達也君準備をして」

「はい その前に一夏達にこの事を報告させてください」

「わかったわ なるべく早くね」

楯無は言って 観客席の状況を見て作業に掛かった。

達也はなるべく早く終わらせる為に一夏達に通信を繋げる。

「一夏、鈴聞こえるか?」

『達也か』

『達也』

『達也 お前専用機が整備不良じゃなかったのか?』

「あれは嘘だ』

『嘘!?』

「あぁ、鈴がクラス対抗戦でお前と戦いからクラス代表を代わってくれと頼んで来たんだ」

『そうだったのか』

『そ、そうよ。てか、元はと言えばアンタが原因なんだから』

『何でだよ?』

「一夏 10分だ。10分間奴の足止めを頼むこっちの避難が完了したら俺もそっちに行くそれまで持ち堪えくれ」

『分かった』

そう言って通信を切り更識会長のところに向かう。

「達也君 一夏君達の報告終わったの」

「はい」

「じゃあ 早速みんなの避難を開始するわよ」

楯無は可憐な立ち振舞いで生徒達の避難をする。その姿は生徒会長に相応しく達也の世界の七草会長、十文字会頭、渡辺委員長と言った第一高校の三巨頭と重なて見える。

しかし----

「ちょっとなんで扉が開かないのよ!?」

「開けてよ!ここから出してよ」

「なんで開かないのよ」

人だかり所で悲鳴が上がる。

「嫌!早く出してよ!」

「痛いわね!押さないでよ」

「貴女こそ押さないでよ」

「苦しいわね!」

益々生徒達は混乱し逃げ場を失った生徒達がパニック状態になった。

(マズイ事になったわね)

と内心で状況が最悪なのを悟るも良い打開策が見つからない。何かいい方法はないかと考えている時だった。一人の女子生徒が焦りながらこっちに向かって走って来た。恐怖、不安、焦りで精神に異常をした視線が達也の方に向いており、一目で正常でないわかる。女子生徒は達也の側まで来ると胸ぐらを掴んで

「ねえ、あなた、魔法使いなんでしょ?なら何とかしてよ。どうにかして魔法で扉を開けてよ!!」

大勢の生徒達に注意を向けていた楯無はその生徒の行動に気付くのが遅れてしまい。それが言葉が引き金になり

「そ、そうよ!男なんだから、私達女の為に働きなさいよ」

「魔法で早く扉を開けてよ」

「あなた専用機持ちでしょ」

「それに今戦っている男だってどうせ直ぐにやられるわ!早く私達を助けなさいよ!」

一ヶ所で上がった感情の爆発は、あっという間に周囲の生徒に広がりそして『男』『魔法使えるんだから』『専用機持ち』と言う理由で、達也に詰め寄る生徒が数人見受けられる。女尊男卑の思考に染まった生徒達だろう。

混乱状態、とてもじゃないが手に負える状況ではなかった。

その時

 

「貴女達いい加減にしなさい!!」

 

と言い放たれた一言で、恐慌状態に陥っていた生徒達が静まる。

楯無は周囲の生徒達を睨みつけた。

「女性が男性よりも偉いからだから助けなさい?今はそんな言ってる場合じゃないでしょう。非常事態が起きたからと言って直ぐにパニックになって他人任せ、責任の押し付け合いをするなんて偉い偉くないの前にあなた達は人間として間違っているわ」

実に正論だった。皆返す言葉も無いようだ。今更自分達のやった事を振り返る顔をするにしても気まずそうに顔を晒す者がいるも楯無は続けて言う

「それにね。アリーナを見て、今こうして貴女達が騒いでいる間も一夏君は戦ってくれているのよ!それでもさっきの様な事が言えるかしら」

爆発音がなるアリーナを指差しながら言う。

誰も反論出来なかったこれは完全に楯無の方が正しかったのだ。

「ハァ やれやれ」

達也は溜め息を吐いて歩き出す達也。

「達也君どこ行くの?」

楯無の問い掛けに立ち止まり振り返る達也。

「ここは俺がやるしかありません」

 

----アリーナ----

「うおー」

謎のISに斬りかかったがその攻撃は敢え無く躱された

「一夏っ 馬鹿!」

「ちゃんと狙いなさいよ!」

「狙ってるつーの」

とダメ出しを受けて居る一夏。

「鈴 あとエネルギーはどのくらい残ってる?」

「180ってところね」

とエネルギー残高を確認する。

一方の達也

「凄いわね」

と薫子が呟く

 

それは楯無も同様である。今ここにいる生徒達皆がきっと同じ気持ちになった。 目の前で起こっているその光景に唖然とする。

 

システムクラック用にIS学園のセキュリティシステムにアクセスしてあるキーボードを打つ達也。そしてその速さも規格外過ぎるのだ。さっきまでキーボードを打っていた整備科のエースの黛薫子と布仏虚も目を丸くしている。

「彼 結構規格外ですねお嬢様」

「たっちゃん。司波くんて、本当一体に何者なの・・」

「 ただの魔法使いだけじゃ無さそうね」

思わず『規格外』の扇子を広げて苦笑いをする。魔法が使える事は入学前に知って驚いたけどシステム操作まで精通しているのは予想外だった。

 

薫子や虚達二人より数倍も早く的確な操作でシステムプログラムの奥へ奥へと入り込み、厳重にもかけられたカウンタープロテクトを次々と難なくクリアして行く。

 

多数の生徒達が見守る中、達也が言い放つ。

 

「システム解除完了」

 

バシュンと閉ざされていた扉が解放されたのだ。

(何て早さなの。達也君が作業に取り掛かってそんなに経って無いのに。薫子ちゃんや虚ちゃん達整備科のエース二人が挑んでも解除出来なかったあの厳重なプロテクトをたった一人で、しかも数秒で・・)

呆気に取られている楯無達を差し置いて、本校に避難して行く生徒達を達也は無表情で眺める。

「助かったわ!感謝するわ!」

「ありがとう。一応お礼は言っておくわ」

「あの、ありがとうね」

達也に感謝の言葉を述べて去って行く生徒を達也は一礼する。

取り敢えずこれで生徒達の安全が確保出来たわけだ。

「ありがとうね、達也君」

「いえ 礼には及びません」

と言い達也はアリーナに向かって行く。

達也がアリーナに向かって走っていると

『一夏 男なら・・・男なら そのくらいの敵に勝てなくて何とする!』

箒の声がアリーナに響き渡る。

見ると箒が放送室の窓から身を乗り出しマイクを使って叫んでいた。

あまりにも予想外な出来事に達也、一夏、鈴の三人は戸惑う。すると不明機が箒に向け銃口を箒のいる放送室に向ける。

「逃げろ!箒!!」

慌てて箒のいる放送室に向かったが・・

 

バシューッ

 

一夏が放送室に着く前にレーザーが発射されてしまった。

「マズイ」

もうダメだ間に合わないと誰もが諦めかけたその時・・

 

ビューン!

 

「「「!?」」」

突然ISから放たれたレーザーが消えたのだ。一夏が周囲を見渡すと観客席の方で達也が『トライデント』を展開していたのだ。そう達也は即座にトライデントを纏いシルバーホーンを展開して分解魔法『雲散霧消』を発動しレーザーを搔き消したのだ。

「達也!」

『達也か 済まない助かった』

「ああ 気にするな」

「一夏 織斑先生からの指示だここからは俺がやる」

「千冬姉が、わ、わかった」

そして達也は精霊の眼『エレメンタルサイト』で不明機を見る。

(生命反応が無い!するとこのISは無人機か ならあの魔法を使うか)

「一夏、鈴お前達は下がれ。少し強力な魔法を使う」

「「わかった(わ)」」

一夏と鈴が後ろに下がり達也は少銃型CADを展開し無人機に照準を合わせる。そして

「ヘビィ・メタル・バースト 発動」

 

バーンッ

 

達也はリーナの戦略級魔法の『ヘビィ・メタル・バースト』を発動するそれは爆心地点から全方位かにプラズマ放射する系統魔法。

そして無人機に命中すると無人機の機体からプラズマを流れそして大きく爆発し辺りに爆風と大きな煙が立ち込める。

 

「な、なんて威力なのよ」

「すげぇ」

『なんて奴だ・・』

三人とも呆気に取られていた。

 

「無人機の破壊を確認 任務完了」

と達也は言う。

 




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