ボンクレーが『ときメモ2』の世界に転生したようです 作:越後屋大輔
SPW財団の後継者筆頭候補の東方仗助(24才)はここの住人と知り合いだという友人の藤崎忍の案内である田舎の村に訪れていた。
「仗助、アンタこの村どうしようっての?まさか財団で辺り一帯買い取って村人追い出す気じゃないでしょうね?」
「んな事ぁしねぇよ!例の'弓と矢'の事は知ってるだろ」
「ええ。賢をスタンド使いにしたってヤツよね、それがこの村と何の関係があるのよ?」
「誰かが矢をこの村に放ったらしい」
「マジで?それじゃこの村にスタンド使いが誕生したって事?」
「まだハッキリと決まった訳じゃねぇがな、弓矢は見つけ次第回収して刺された人間を見極めなきゃなんねえ」
「で、賢に案内を頼んだらあちしに白羽の矢が立ったって事ね、矢の話だけに」
「今は笑えねえな」
「笑わすつもりは毛頭ないわよ」
村に着いた二人はこの日一夜の宿を借りる宮内家の夫人に挨拶する。
「どうもすみません、お世話になります」
「いいのよぉ、この辺はホテルも旅館もないしねぇ」宮内家夫人は若い男性二人、しかもどちらもイケメンなので頬が緩みっぱなしである。
「じゃかずちゃん呼んでくる?」宮内家長女でこの村の分校教師で忍の知り合いの一人、宮内一穂の事である。
「忍さん、久し振り。光は元気?」
「ええ、変わりないわ、アンタも相変わらず起きてんだか寝てんだか分かんない顔してるわね」
「イヤァ、それ程でもぉ」
「そのネタもう別の子がやってるわよ」一穂と忍がバカな会話をしていると
「しのぶん!遊びに来たん?」以前預かった事ある一穂の妹、れんげが飛び出してきた。
「こんにちはれんちょん、せっかくだけど遊びじゃないの。この村に大事な用があるのよ」
「そうなん?」ふとれんげは視線を忍から仗助に移す。
「ゴワンゴワンなん!」ハァッ?と言いたげな顔になる仗助。
「
「オイ、ゴワンゴワンってひょっとしてこのクレイジー・ダイヤモンドの事か?」れんげを見下ろし自らの背中を指し示す仗助。
「それなん!ウチもそのゴワンゴワン持ってるん!」
「はいれんちょーん、奥に行こうねぇ」一穂がれんげをこの場から引き下がらせようとしてのを仗助が止める。
「こいつが見えるって事は…お前、ひょっとして以前矢に刺されてないか?」
「何の話なん?」
「あちしは経験ないけど、それって痛くないんでしょ。じゃ気づかなくても別に不思議は…」刹那、爆風が宮内家を襲う。息つく間もなくメガノイドのソルジャーが現れて一穂やれんげを拘束しようとしたが
「クレイジー・ダイヤモンド‼ドララララララァー‼」仗助がソルジャーを蹴散らす。忍は一穂とれんげを脇に抱えてできるだけ遠くへ逃げる、やがて一対の弓矢を手にしたソルジャーが宮内家を立ち去ろうとする。
「逃がすかよ!」仗助は追うが既にクレイジー・ダイヤモンドの射程外に出てしまった、宮内家の人々を避難させた忍も合流する。
「チキショー‼」地団駄踏んで悔しがる仗助を宥める忍。
「まだ負けと決まった訳じゃないわ、落ち着きなさい!」携帯で誰かを呼び出す。
「もしもし唯ちゃん?こっちは一段落したわ、そっちに送り込んだれんちょん達を戻して」
「オイ忍、お前ぇ誰に電話してんだ?」
「平沢唯ちゃん、光ちゃんの教え子でアンタと同じスタンド使いよ。万丈さんから連絡受けてないの?」
「SPW本部なら聞いてるかもな、俺ァ今初めて知ったけどよ」そこへ突如空気以外何もないハズの空間かられんげが誰かの手に抱かれる形で現れた、続いて一穂と両親も同じように姿を見せる。
「なんだこりゃ?」
「唯ちゃんのスタンド『ファイヴ・ディメイション』よ、空間を越える能力があるらしいわ」
「し、死ぬかと思った。何なのあいつら?」普段はヌボーッとしている一穂も流石に顔から血の気が引いている、それでも目は開いてないが。
「人類絶滅を図ってるメガノイドだ、こんないな…イヤ自然の豊かな土地を襲うとはな」
「しかし、あいつら人ん家ボロボロにしてくれたねぇ」さっきの爆風で宮内家は派手に倒壊していた。
「この程度なら俺のクレイジー・ダイヤモンドで直せる」みるみる家が元通りになる様子にれんげと忍以外ボー然とする。
「ゴワンゴワン、スゴいんなー」
「そういえば話が途中だったわね。れんちょんも矢が刺さったの?」
「ウチ知らないん」やはりれんげ本人は自覚がないようだ。
「スタンドを持つ手段は例の弓矢だけとは限らねえ、俺の場合は遺伝っぽいしな」
「じゃ、ソルジャーが持ち逃げしたあの弓矢は?」
「あれ、ウチがゴワンゴワンで作ったん」
「マジかよ?」
「何でよ?」呆気に取られる仗助と忍。
「粘土弄ってたらゴワンゴワンがウチに手ぇ添えて来たん、そしたらあんなんが出来たのん」
調査の結果、矢が放たれたというのはデマだった事が判明した。
「どうもあのチビのスタンドが今回のデマを流したみたいだな、メガノイドの連中もそれに引っ掛かったらしい」
「つまりれんちょんのスタンド能力は有形無形に限らずありとあらゆる偽物を作れるモノなのね」
「そうだな、一応名付けとくか。本部のジジイ達に報告しなきゃなんねーし」ここまで仗助と会話した忍はれんげに
「れんちょん。ゴワンゴワン、じゃなくて…スタンドに名前付けてみる?」
「ウチ名付けるん!」しばらく首を捻るれんげだったが思い付いたらしく
「決めたん!偽物を掴ませたから『化け猫の皿』にするん!」目をパチクリさせる仗助、忍はれんげの肩に手をおくと
「れんちょん、ソルジャーは偽物の弓矢を持っていったのよね」
「それがどうかしたん?」
「あの落語は偽物を掴まされた話じゃなくて本物を安く買い叩こうとして失敗するってオチよ」
「ガーン‼」
「何にショック受けてんだよ?!だったら俺が付けてやる、ちょっと待ってろ。う~ん」今度は仗助が頭を抱える。
「C&Cファクトリー」さりげない忍の呟きを聞いた仗助は
「ン?悪くねえな、それ」
「Copy&Create、模倣品を創造する。ピッタリだと思わない?」
「オウ、じゃ決まりだな」
「ウチも賛成なーん」こうしてこの世界にまた新たなるスタンド使いが誕生した、後にれんげはこのC&Cファクトリーを駆使して大活躍するがそれはまた別の話。