ボンクレーが『ときメモ2』の世界に転生したようです   作:越後屋大輔

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本城様の「やはり俺の奇妙な転生は間違っている」のIFルートな話になります。


転入生

 ここは越後屋。藤崎忍と佐倉賢はたまにつるんでここへ来て呑んでいるが、今日は久し振りに会った東方仗助を交えて三人で訪れた。

 「焼き豆腐お願いね、後冷酒」

 「こっちはシーフードフライとビールくれ」

 「はい、しばらくお待ち下さい」熊実は既に隠居して今、厨房には大輔が立っている。かつての彼の仕事だった給仕をこなすのは新妻の白夜だ、その間仗助はほったらかしだったが運ばれてきた料理を摘まみながら忍が話を切り出した。

 「そういえば仗助、アンタらの関係者があのPS学園に編入学するらしいわね」

 「耳が早いな忍、千葉の総武高校にいた海老名姫菜って娘がスカウトされたんだ。何でも適正値?とやらが高いんだと」

 「ご両親もよく許したわね、あちしだったら娘達が行きたいと言っても反対するわ」

 「俺もだ。ウチは息子二人だが、やっぱり行かせたくはないな」互いに子を持つ父親同士、意見が一致する忍と賢。

 「父親ってのはそんなモンか?」既婚者だがまだ子供がいない仗助は実感がないのか、首を捻る。

 

 「来月からマリネラへ旅立つんでしょ、SPW財団からは何か支援するの?」

 「ああ、マリネラにコネができれば色々都合がいいしな。学費は元から免除されてるし学園にいる間は生活が保証されてるがそれとは別に小遣いを百万渡した、後学園にも寄付の名目で幾らか送っている」仗助は『幾らか』と言ったが、SPWのそれはおそらく半端な額ではない。少なくても一般的な一家の長である賢や忍の年収とは桁が10くらい違うだろう、二人はため息を吐いた。と思ったら

 「オーイ、この店で一番高い酒くれ」

 「請求は仗助に回しといてねん」二人して仗助に奢らせる気満々である、この辺は付き合いが長いせいか抜群のチームワークだ。

 「お~ま~え~ら~なぁ(怒)」

 

 さて、こちらはマリネラ空港に降りた海老名姫菜。PS学園には国王直属のタマネギ部隊が案内してくれるとの事、早速学園に着くと二人の教師が迎えにきていた。

 「俺が学年主任で2ーA担任の神隼人だ」40絡みの男性教師が名乗る。

 「私は2ー3担任の織斑千冬。海老名といったな、貴様には私のクラスに所属してもらう」こちらは20代半ば程の女性教師、いずれも威圧感の高い大人達に緊張と恐怖でガチガチになる姫菜。

 「よ、よろしくお願いします(何だか怖そうな先生方…)」

 

 引き続きタマネギの案内で学園内に設けられた国王の自室にやってきた、この部屋にはかの有名なパタリロ八世がいる。

 「君が海老名姫菜君か。お初にお目にかかる、僕がマリネラ国王パタリロ八世だ」どうみても10才くらいの肥満児な少年だが相手は一国の王、礼儀正しくお辞儀をして

 「日本から来た海老名姫菜です。陛下」

 「陛下は止めてくれ、王位は継いでいるが僕の事は殿下と呼んでほしい」

 「し、失礼しました殿下」

 「まあいい。学園内の案内は明日、誰かにさせるとして今日この後は学生寮でゆっくりしたまえ」

 「は、はい。お心遣い感謝します殿下」

 

 学生寮の自分に割り当てられた部屋に入る姫菜。確かここは全員二人部屋でルームメイトがいるときいているが今は室内に誰もいない、とりあえず使われた形跡のないベッドに座って寛いでいた、ドアをノックする音がして一人の女子が入ってきた。

 「貴女が転入生?私はルームメイトの更識(さらしき)(かんざし)、二年四組よ」

 「うっ、よりによってメガネキャラが被った…」

 「あ、これ伊達だから。そうそう、パタリロ殿下から貴女に学園を案内するよう頼まれてるの」姫菜は簪とPS学園を見て回る事になった、部屋をでるといきなり絶世の美少女に出くわした。

 「簪、その娘が転入生ね。わたくしはエトランジュ・ド・マリネール、よろしくお願いしますわ」

 「え、お、王族の方?」

 「それはお気になさらず。王位継承権はありませんからエトランジュと気楽にお呼び下さいな」

 「じゃエトランジュ、よろしく」

 「こちらこそ」挨拶を交わしたエトランジュと別れて学食に向かう、その途中でいわゆる男子同士の恋人達がチラホラといるのに気づいた。

 「ねえ簪、あれって」

 「自国からの生徒ね、殿下の知り合いの影響であの手の人が結構多いのよ」気分悪いよね、と言葉を繋ごうとした簪だが姫菜が鼻血を噴き出しているのを見て目が点になる。

 「ハァハァ、ここは天国ですか?」腐女子の本性丸出しの姫菜に

 (誰かと相部屋代えてもらおっかなぁ…)と落胆する簪だった。

 

 学食でも姫菜の妄想は止まらない。

 「おい一夏、あいつだぜ。例のSPWの関係者って奴」

 「そっか、幸太は幹部の人と面識があったんだよな」

 「オオ、メガネ美少女来たーっ!」

 「ウチのクラスに来ないかなぁ?」

 「今までにいない清楚系だよな」一年一組の男子生徒パトリック・ブラウン、ハンス・ラサコフ、ティーノ・ヴェルチの通称バカトリオと織斑一夏、昔ある事件で仗助と知り合った三組の神幸太だ。

 「あのおバカさん達は放っておいて…幸太に一夏、昼食?」簪は笑顔で一夏と幸太と会話する

 「美少年と筋肉男子、ハァハァ」簪に肘鉄を食らう姫菜。

 「変な事言うと怒るよ、幸太は私が…」言いかけたところに

 「あ?呼んだか簪」幸太が丼に山盛りのご飯をかっこみながら尋ねてくる。

 「ううん、何でもない」顔を赤くしてオロオロする簪は姫菜を引っ張って移動していく、バカトリオは

 「幸太も相当、唐変木だよなぁ」と顔を付き合わせて語り合った。

 

 

 

 

 

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