ボンクレーが『ときメモ2』の世界に転生したようです   作:越後屋大輔

112 / 282
本編ボツネタその2、けいおん!原作でもロミジュリの話があったのでこちらもクロスオーバーしました。
芝居パートの略称
ロ→ロメオ
ジ→ジュリエッタ
モ→モンテギュー伯(ロメオの父)
キ→キュピレット伯(ジュリエッタの父)
一→一休さん
神→ロレンス神父
※追伸、「もう一つのstoneocean」編は作者がこれ以上続ける自信がないので勝手ながら連載中止にさせていただきます。


光とけいおん!外伝 ロメオとジュリエッタ

 時は14世紀、イタリアの都市ヴェローナの支配者層は皇帝フリードヴィッヒ2世に従う皇帝派と大教皇グレゴリウス9世を戴く教皇派に二分され熾烈な争いを続けていた。そんな折、教皇派のモンテギュー伯の一人息子のロメオは気晴らしに忍び込んだキュピレットのパーティーで出会ったジュリエッタに一目惚れしてしまった。

 

 「とまあ、これが物語の導入部ね。みんなが知ってる話だから今更ネタバレも何もないけど、結局二人は心中するわ」かつて忍と光が同棲していた家は結婚した今もそのまま夫婦の新居になっている。唯、澪、律、紬を始め桜ヶ丘女子高校の生徒達がそこに集結していた。去年の文化祭から一年、今年は軽音部の4人は同じクラスになり顧問の光も彼女達の担任に就任している。この日は休日だが高校生活最後の文化祭の打ち合わせにクラス一同でやって来た、出展内容は演劇で『ロメオとジュリエッタ』を披露するのは既にHRで決定しているので細かい部分を話し合うつもりだ。

光「そういえばさ、私達が高3の時も『ロメオとジュリエッタ』のお芝居をしたクラスあったよね」

忍「そうね、確か琴子や彩ちゃんのクラスだったわ。でもあれは違うんじゃない?」

律「違うって?」

光「クロスオーバー物だったの、『一休さん』と」

和(何をどうクロスオーバーしたらそうなるの…?)

唯「面白そう、私達もそれやろう!」

忍「アンタ本気で言ってんの?」一瞬呆れた表情を見せた忍だがふいに律と目が合うと

忍「アラ、ぴったりな主演女優がいるじゃない。一休さん役で」

律「おい、ちょっと待て」目の回りを黒くして忍に突っ込む律、クラスメートの何人かが必死に笑いを堪えている。

紬「じゃ律っちゃんが一休さん役に決定ね、後の配役もここで決めましょ」

 「「「「さんせ~い!」」」」クラス全員満場一致で律が一休さんを演じる事になった。

律「コラーッ勝手に決めんなあ(怒)!」律本人の抵抗も虚しく話はドンドン先に進んでいく。

律「ヒカちゃ~ん、コイツらに何か言ってやってくれぇ!」

光「慌てない慌てない。一休み一休み」

律「リアル一休さんいらねぇー!」

忍「イヤ、アニメ版よ。リアルな一休禅師はそんなの言ってないわ」

律「細けぇな、このオカマ!」

澪(光先生もノリやすくなったな…)

 

 「と、いう訳で『一休とんち話~ロメオとジュリエッタ~』が桜ヶ丘女子高で再演される事になったのよ」忍はSunnylightに訪れた片桐彩子に報告する。彼女は現在日本で個展を開いていて、今はこの日の展示の終了した時間だった。

 「That's Fantastic!それは是非見たいわね、けど私その前にパリに戻らなきゃならいの。残念だわ」

 「BD-Rくらい郵送してあげるわよ、住所知ってるし」歓談の時を過ごした二人。一方、光は琴子に電話でこの件を伝えた。

 「私、あの劇にいい思い出ないのよね」電話越しで顔が見えないものの、琴子が苦笑いしているのを光は何となく察した。

 (そういや琴子って片桐さんの事が苦手だったんだよね)琴子曰く話が通じないらしい、これは光でなくても分かるだろう。

 

 やがて文化祭当日、唯達3年2組の演劇『一休とんち話~ロメオとジュリエッタ~』が幕を開ける。

 

 

ジ「神父様、ロメオのいない人生なんて私には考えられません。この思い叶わなければ命など無用の長物でしかない!」

神「まあお待ちなさい、ジュリエッタ嬢。早まってはなりませぬ、ちょうど東方より大変知恵がある巡礼の者が客分として当教会に滞在している。一休殿!」

一「話は聞きました、ロレンス様。この一休、及ばずながら協力しましょう」まだ年端のいかぬ巡礼僧は床に腰を降ろし足を奇妙な形に組むと(東方の作法らしい)剃髪した頭に指を当てて回転させると瞳を閉じて瞑想を始めた、やがて目を開くとロレンス神父に何やら耳打ちをする。

 

ロ「ああ、ジュリエッタ。この美酒によりいざ、共に冥府へと旅立たん」

ジ「この世で叶わぬ恋ならばせめて天国で結ばれましょう」まさに毒入りのワインを呑んで寄り添って倒れる二人、ロレンス神父から連絡を受けたモンテギュー伯が駆けつけ変わり果てたロメオの姿に涙を流す。その後ろからキュピレット伯も息を切らして教会にやって来た、教会にそびえるキリストの像の影から顔を出した一休は両伯爵を嗜める。

一「お二人の諍いも理解はできます、しかしその為に若い方々は自らの命を絶ってしまわれました。貴方がたは取り返しのつかない事をしてしまったのです」尤もらしく語る一休。

モ「すまなかったロメオ、お前の気持ちも知らないで…」

キ「私もだ、勝手に他の男に嫁がせようなどと。モンテギュー伯よ、今更だが両家の諍いを解消しよう」

モ「ああ、神の元へ召されたこの二人を祝福しようではないか」

一「本心からおっしゃってますか?」

モ「無論だ!」

一「今は神の御前ですよ、それでも誓えると言えますか?」

キ「当然だろう!」

一「ではロメオさん、ジュリエッタさん、もういいですよぉ」一休が声をかけるとムクリと起き上がるロメオとジュリエッタ。

モ「こ、これは一体?」

一「死のうとまで思い詰めていた彼らに私が結婚を認めさせるからと協力していただきました」

モ「し、しかし…」

一「あれぇ?それとも神の御前で嘘をつかれたのですか?」

キ「で、では貴様はどうなんだ?二人は死んだとハッキリ言ったではないか!貴様とて神の御前で嘘をついているではないか!」しかし一休はあっけらかんとこう答える。

 「ええ。ですから、神の後ろ(・・)にいます」一休はさっきからずっとキリスト像の陰にいるので『神の御前』で嘘をついた訳ではない、怒り心頭な両伯をスルーしてロレンスが飛び込んで叫んだ。

 「ロメオ殿、ジュリエッタ嬢。枢機卿から正式な結婚許可証が頂けましたぞ」歯噛みして悔しがる両家の父親達、しかしこれでもう二人に手出しは出来ない。こうしてロメオとジュリエッタはいつまでも幸せに暮らしましたとさ、めでたしめでたし。

 

 桜ヶ丘女子高校3年2組のクラス出展が終わった、生徒達はみんな満足仕切った笑顔を見せる。ただ一人、律を除いて。

唯「落ち込む事ないよ、律ちゃん」

澪「そうだぞ、観客のみんな律に拍手喝采だったじゃないか」

紬「律ちゃんこそこのクラスのMVPよ」

律「誉められても嬉しくねぇー(泣)」尚、今回の文化祭の直後に光は妊娠が発覚。現3年生が卒業すると同時に産休に入る、そして忍から送られたBD-Rをみた彩子は大爆笑して琴子は頭痛を覚えたそうだ。

 

 

 

  

 

 




律って袈裟姿が似合いそうな気がしませんか?
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。