ボンクレーが『ときメモ2』の世界に転生したようです 作:越後屋大輔
「しかしホントに田舎だな」れんげのスタンドも名前が決まり、メガノイドがこの村に現れた事も万丈に伝えた東方仗助は宮内母が淹れてくれたお茶を飲んでようやく人心地ついた。
「フーッ、何かドッと疲れたわね」縁側に出てきた藤崎忍が仗助の隣に座る、彼も緑茶の入った湯飲みを手にしていた。
「茶っていやあ忍、お前ぇ近々カフェ
「ええ。資金も貯まったし来年中にはオープン予定よ」先程の騒動から打って変わりまったりとした雰囲気で会話する2人、宮内家の庭にタヌキが顔を出した。
「具、いたん?」れんげがタヌキに話しかける、一旦家の中にとって返すとペット用の器に野菜を丸のまま入れて戻ってきた。
「食べるん」言われるままエサに手、もとい口をつけるタヌキ。
「なんだお前ぇのペットか?」仗助が尋ねると頷くれんげ、一穂がお盆に乗せた急須を持って現れて嘆息する。
「ホントは野性なんだけどねぇ」
「餌付けされちゃったのね」忍が半ば呆れたように呟く。
「ま、別に自然破壊している訳じゃなし。いいんじゃねぇの、名前とか付けてんのか?」
「具」
「ちょっと待て、
「そんなノリノリじゃなくていいんよ」れんげは冷めた目で告げる、恥ずかしいのを必死で誤魔化そうとしていたら
「あ、もしもし億泰君?今さぁ仗助が……」慌てて忍から携帯を取り上げる。
「言い触らしてんじゃねーよ‼」
「何よ、面白かったのに」ギャイギャイ言い合う2人に
「しのぶんも描いてあげるん、目ぇ幾つくらい描いてほしいん?」
「2つでいいわよ」
「遠慮しなくてもいいん、いっぱいつけてあげるのん」
「ちょ…っ止めてよ!」れんげを制止しようと忍が手を伸ばすと腕から目が浮き出てきた。
「あちし本人に目ぇ描かないでちょーだい!」
「へぇー、スタンドで人体に絵を描く事もできんのか」仗助は感心しているが
「ブクブク……」スタンドも見えなければ事情が今一つ理解できてない一穂はその場で気絶してしまった。
「たでーまー」誰かが帰ってきた。
「ここまだ家族がいたの?」忍が目を覚ました一穂に問う、その一穂は
「いい?れんちょん、普段スタンドはなるべく使っちゃダメだから」とれんげを説得していた。折しも年末、縁側は冷えてきたのでみんな炬燵に入っている。
「あ~普段東京に下宿してあっちの高校に通ってる妹がね、れんげには姉だけど」
「それくらい分かるわよ、微妙に年齢離れてるのね」
「そんなのこちらの勝手だろ」やや複雑な家庭の事情を持つ仗助はさりげなくフォローする、因みに忍は両親に2才下の弟がいる珍しくない家庭の出である。
「あっお客さん?」
「そう千葉からね、ちゃんとご挨拶しな」宮内家の次女ひかげは忍と仗助に頭を下げて名乗るとれんげにドヤ顔を向ける。
「ふふん、実は今日乗っちゃったんだよね。新幹線……ってヤツ?」
れ「?!あの長いヤツ?!」
ひ「そう、あの長いヤツ‼」
「電車は大体長いだろ」一穂の突っ込みにも気づかず盛り上がる妹達。
れ「ウチ新幹線ごっこやりたいーん、台車でジュース持って来る人ー」
ひ「おうやれやれ」
れ「ゴロゴロー、ジュースはいりませんかー?ピーマン汁~、小松菜汁~、ホウレン草汁~」
ひ「全部青汁じゃねえか」
「新幹線でも結構時間かかったんね、退屈じゃなかった?」一穂に聞かれたひかげは
「まあ、新幹線から外見てたら退屈しなかったけどね」おのぼりさんにいがちな都会人気取りで鼻高々だ。
「しのぶん達も新幹線で来たん?」れんげが目を輝かせて忍に聞くと
「新幹線なんて乗ってきてないわよ」そのセリフに一瞬勝ち誇った顔をするひかげ。
「ああ、自家用機で来たからな」仗助が続ける。
(じ、自家用機?)
(こんな田舎にくるのにわざわざ?)固まる姉達にれんげはキョトンとしながら
「じかよーきって何なん?」
「仗助の家が飛行機持ってるのよ、それにあちしも便乗してきたの」
「おウチに飛行機!」やっと状況を理解してビックリするれんげ。
「隣の部屋でゆっくり飛行機の話するん!」れんげに手を引っ張られて移動させられる忍と仗助、取り残された一穂とひかげ。
ひ「姉ちゃん!」
一「ん?」
ひ「東方さんと結婚しよう、今すぐしよう!」
一「勝手に私の縁談進めんな、欲にまみれてんねこの娘は」
翌日、当初の予定通り忍と仗助は帰る事になった、仗助は去り際にれんげの頭を撫でてこう言った
「正月に俺ん家に来い、お年玉用意しといてやっから」
「どこだか知らないん」
「あちしのトコ来なさい、連れてってあげるわよ」
「じゃ私が保護者で……」言いかけたひかげにチョップを食らわす一穂。
「スマンねぇ、この娘自分がお年玉欲しいモンだから」苦笑いして詫びる一穂、そして2人はSPW財団所有のチャーター機に乗って帰っていった。
あさましいひかげ(そういえばこのキャラも演じてるのは福圓さんです)。