ボンクレーが『ときメモ2』の世界に転生したようです   作:越後屋大輔

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今回はショートシリーズをお送りする予定になってます、琴子の主人公回も久し振りです。


琴子と歌舞伎 前編

 ~忍視点~

 大学3年のある日、バイト先で休憩に入ったあちしの携帯にメールが入った。

 「歌舞伎の観覧券が四枚手に入ったの、あなた達2人ともう1人誰か来られないかしら?」水無月琴子からだった。琴子と歌舞伎は分かるけど…他に誘う人いなかったの?あの娘友達いないのかしら?尤も一般的に歌舞伎を見たがる大学生はあまりいないわよね、勿論日本中探せばそれなりに存在しているでしょうけど少なくとも琴子の周辺にそれらしき人はいないみたいね。

 

 琴子のメールを読み終えるとすぐに光ちゃんから電話がかかってきた。

 「忍ちゃん、琴子からのメール見た?」

 「ええ見たわよ、どうかしたの?」

 「私さぁ、ちょうど同じ日に大学対抗のマラソン大会があるからそっちは行けないんだよね」そうなの?じゃ応援しに行かないとね、琴子には悪いけど1人で観劇してもらいましょ。

 「それは流石に可哀想だよ、代わりに一緒に観に行ってくれる人いないかなあ?」光ちゃんに相談されちゃ無下にできないわね、とりあえず古式さんを誘ってみようかしら?

 

 バイト先が閉店して古式さんに歌舞伎を観に行かないかと誘ったわ、そしたら急に真っ赤な顔になった。

 「友達に誘われたんだけどあちしが都合つかなくてね、チケット勿体ないから誰か代わりに行ってくれないかと思ったのよ」そう説明するとちょっぴり残念そうな表情を見せた。それでも

 「私も歌舞伎は一度拝見したきりでしたからいい機会かもしれませんねぇ、当日はお世話になります」あン?あちしは行かないって言ったじゃない、誰のお世話になるのよ?とにかくまずは1人確保したわ。

 

 次の日はバイトが昼までだったから以前光ちゃんが教育実習でお世話になったもえぎ高校に足を伸ばしたわ。2人目の候補はここにいる、ちょうど授業がそろそろ校門から出てくるハズよ。

 「ハァーイ、アリスちゃん」あちしが目を付けた2人目はイギリスからの留学生、アリス・カータレットちゃん。今は同じ高校に通う友達の家にホームステイしているらしいわ、この娘かなりの親日家だそうだからきっと歌舞伎も好きかと思って声をかける事にしたの。

 アリスちゃんとそのお友達を連れて最寄りのマッ○へ入り事情を説明する。

 「……という訳よ、予定がなかったらお願いできるかしら?」

 「カブキ……日本の伝統…」目を輝かせるアリスちゃん、そんなに喜んでくれるならあちしも声をかけた甲斐があるってモンね。

 「アリス、知らない人ばっかりで大丈夫なんですか?!」この妙に焦りまくりのコケシ人間は大宮忍ちゃんというアリスちゃんのホームステイ先の娘、偶然にもあちしと同じ名前なのよね。

 「平気だよシノ、私もう子供じゃないんだよ」高校生じゃ大人とも言えないけどね、とあちしは言いかけたセリフを呑み込み琴子が指定した待ち合わせ場所を伝えると一足先にマッ○を後にした。しかしあの赤毛の娘がコーヒーの他にアイスにアップルパイ、マッ○シェイクまで平らげたのはビックリしたわ。そりゃ最初から奢るつもりだったけどちょっとは遠慮しなさいよ、お財布がピンチに陥ったわ。

 

 ~視点なし~

 忍はその夜に光に会って歌舞伎を観に行くメンバーが揃ったと伝える、聞いた光の顔が一瞬曇った。

 「何か不安なの?」

 「アリスちゃんが一緒なんだよね、琴子が怒らなきゃいいけど……」

 「そうね。琴子に外人、ドラキュラに十字架、カエルに蛇、ド○えも○にネズミ、キ○肉マ○に牛乳、サラリーマンにリストラ宣告……」

 「途中から分かんないし、最後の生々しすぎるよ(呆)」

 「冗談はさておき、光ちゃんの関係者なんだから琴子も文句言えないわよ」意味深に微笑む忍だった。

 

 ~琴子視点~

 そして歌舞伎の講演日に私は駅前広場で忍君に紹介された人達を待っていた、今回集まる顔ぶれは今まで会った事ない人ばっかりだけど予め携帯に写真が転送されているので行き違いの心配はない。待ち合わせの時間になると件の人達が三人、向こうも写真で私を確認しながら近づいてきた。

 

 「古式ゆかりと申します、本日はよろしくお願いいたします」話した事はないけどこの女性は知っている、学業の傍ら忍君と同じ喫茶店で働いている人だったわね。

 「アリス・カータレットです、人生初の歌舞伎楽しみにしてます」この娘は確か光が教育実習受けた高校に留学している英国人よね、やけに流暢な日本語話すじゃないの。そしてもう1人は……

 「虹村億泰だ、歌舞伎とかよく分かんねえけど忍に頼まれてよぉ。ま、俺はいねえモンだと思ってくれて構わねえぜ」何かガラの悪そうな男ね、忍君ったら他に当てはなかったのかしら?

 多少不安は残るものの、とりあえずこの四人で歌舞伎を観る事になった。座席は三階、比較的格安だけど舞台全体が見渡せるわりといい場所よ。そこに四人並んで座る。この人達の事は頭の隅に追いやって久し振りの歌舞伎を楽しむとしましょう。

 

 




歌舞伎が始まってからを書くと長くなりすぎると思うのでそこは次回に。
ゆかり、アリスは未だしも億泰と歌舞伎って……私は何を考えてるのでしょうか?
(知らん‼)
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