ボンクレーが『ときメモ2』の世界に転生したようです   作:越後屋大輔

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夏休み中の子供からみた親の話、大人になると夏休みの感覚ってなくなりますよね。
ルカの役は当初、仗助か鬼灯か忍にしようかで散々悩みました。


第17話衣音のある夏休みの1日

 高校生活最後の夏休みがやってきた、陸上部の方は大した戦果も上げられないまま引退して後は受験を残すだけだ。

 そんな夏休み中のある日の事、図書館で勉強してからの帰り道で仕事を終えて帰宅途中の親父を見つけた。締まりのないニタニタした笑顔を浮かべた小太りなオッサンと一緒に並んで歩いている、それにしても不気味な(ツラ)したオッサンだな、しかも夕方でも暑いこんな季節に全身黒ずくめだし。

 

 ~純一郎視点~

 仕事帰り、最寄り駅で電車を降りて自宅へ向かう俺に1人の男が声をかけてきた。見た目は如何にも胡散臭いが人間を外見で判断しちゃいけないと一応話だけ聞く事にした、すると男は

 「それじゃこの先に私のいきつけの店があります、ご馳走しますのでご一緒しましょう」そして案内されたバー[魔の巣]に連れてこられた俺。

 「改めまして、私こういう者です」カウンター席で名刺を受けとる、そこには[心のスキマお埋めします・セールスマン、喪黒福造]差し出された名刺にはそう記されていた。

 「あなた、今の生活にご不満はありませんか?」そう問うてきた喪黒に俺は

 「特にはないな、平凡だがそれなりに幸せに暮らしてる」

 「しかし本当は少々退屈なさってるんじゃありませんか?」言われてみればそんな気がしないでもない。

 「どうです?ここらで人生に新たなるスパイスを加えようとは思いませんか?」

 「少し考えさせてもらえるか?」

 「勿論です、では明日もう一度お会いしましょう」

 

 ~衣音視点に戻る~

 「遅いっ!連絡も寄越さないで何処ほっつき歩いてんの(怒)」母さんは角でも生えてきそうなくらい腹を立ててたが日付が変わる時間に親父は酔って帰ってきた、ナゼか忍さんと賢さんと一緒に……。

 

 ~忍視点~

 その晩あちしが自分の店、Sunnylightを閉めようとしたら1人のお客が訪れた。

 「ゴメンなさい、今日はもう閉店の時間になります」詫びるあちしにその男は

 「俺は客じゃねぇ。アンタらの友人が性質(たち)の悪いのに騙されかけてるんでな、ピンチを知らせに来てやっただけだ」男に案内されながら忍はスマホを取り出すと賢に連絡をとり訳を話して合流する。

 

 ~視点なし~

 時は前後して純一郎と喪黒が出会った翌日の夜、昨日と同じ場所で再会した2人。そして再び魔の巣にて酒を交わす、やがて喪黒はこんな話を切り出す。

 「ところで穂刈さん、あなた今の奥様とご結婚される以前にお付き合いしていた女性がいましたね」

 「ああ。それが何か?」普通ならこの男がナゼ知ってる?と警戒するモノだが程よく酔いが回っていたせいか、純一郎は思考が鈍くなっていた。

 「もしその彼女と再会したらもう一度あの頃の気持ちに火が付いたりしませんか?」

 「その心配はない、現に2年前の秋に友人を介して再会したがそんな気にはならなかった」

 「そうですか、しかし彼女があなたとお付き合いしていた頃の若い姿で現れたらどうです?」

 「へっ?」あまりに奇妙な発言にすっ頓狂な声をあげる純一郎、いくら酔っていてもそんな事はありえないと思えるくらいの判断力はまだある。

 「あり得ん、そんな事不可能だろう」とはいうもののその口調には僅かに期待感が隠っている、それを聞き逃す喪黒福造ではなかった。

 「それがある得るんです、どうです?昔のままの彼女とアバンチュールな一時を……」

 「成る程、面白ぇ話だな。俺も一口乗せてもらえないか?」2人の会話に割って入ってきた1人の青年がいた。喪黒は新たなカモを得たと言わんばかりに締まりのない笑顔を更にニタニタさせながら

 「勿論です、してあなたのご不満は?」

 「そうだな」一拍おいた青年はその表情を険しく変化させ、目の回りを黒くしてこう言い放つ。

 「手前ぇの面がご不満だ」それまで男の側に潜んでカウンターに座っていた別の2人の男が席を立つと

 「そうだな、不満は解消しないとな」

 「コイツが純を不幸のドン底に落とそうとしてるのね」藤崎忍と高坂賢、共に純一郎とは20数年来の親友である。3人で喪黒を囲むと

 「ストームブリンガー‼」

 「爆撃白鳥(ボンバルディエ)アラベスク‼」

 「ゴラゴラゴラゴラゴラゴラーッ‼」

 「アン!ドゥ!オラァ‼」2人がかりで喪黒に攻撃をかまし徹底的に痛め付けた。元々闘いには不慣れな喪黒福造は抵抗する術もないままボッコボコにされて命からがら逃げ出す、ふと周りを見渡すと魔の巣のバーマスターも純の危機を知らせにきた男も姿をくらませていた。

 

 「何だったんだ一体?」呆気にとられる純一郎に対して忍と賢は目配せをすると

 「まあいいじゃない、それよりあちしの店で呑み直しましょ」

 「あ、ああそれがいい。ホレ行こうぜ純」その後純一郎にしこたま呑ませて眠らせると小声で会話する。

 「結局アイツ何者だったんだ?」

 「あちしも知らないわよ、でもどっかで見た気もするのよね」忍は長女の蛍がまだ小さい頃に異世界旅行したのを思い出していたがそこに居合わせなかった賢にはその事は伏せておいた。

 「まあ純が助かったから良しとするか」

 「そうね、2人で純を担いで家まで送って行きましょ」

 

 久し振りにこっちの世界に帰っていたルカは相変わらずのチート能力で喪黒福造の企みに気付いた、しかも喪黒が被害者として白羽の矢を立てたのが己れの親友越後屋大輔が何かと世話になっている藤崎忍の友人らしい。早速適当な人間に化けてSunnylightへ向かい忍に事情を話す、自ら出向いて直接喪黒を殴り倒そうとも考えたが彼が以前交わした神々との契約では無闇にこちらの人間に制裁を与える事は出来ないのだ。

 「フゥーッ、何とか片づいたな」ルカはそうひとりごちると、觔斗雲に乗って現在暮らす更なる別の異世界へ帰っていった。

 

 




あまり青春モノっぽくない……
!Σ( ̄□ ̄;)次回軌道修正します。
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