ボンクレーが『ときメモ2』の世界に転生したようです 作:越後屋大輔
お正月も終わり新学期を向かえてからあちしは例の
バレンタインも近い2月になると男子達がソワソワし始める、チョコを貰えるのかどうかみんな心配なのね。純は硬派気取って
「フン、下らん」とか某野菜王子みたいなセリフ吐いてたけど。匠のアホは主に先輩女子に甘えてゲットするらしいわね、相変わらず女の腐ったような奴ね。まああちしには関係ないイベントよ、オカマだしね。
部活の帰り道、途中まで一緒だった光ちゃんと駅の近くで別れたあちしのお腹が鳴る。確か今夜は父が出張、母が同窓会で家にいないのよね、弟も友達のトコにお泊まりするっていうし晩ごはんどうしようかしら?辺りを見回すとちょうど定食屋があるわ、ここで済ませちゃいましょ。入り口に近づくと1人の女子があちしの前を通りすぎて店の中へ入っていった、アレ
「いらっしゃいませ!」さっきの娘じゃないの、お客じゃなくてここでバイトしているのね。
「あ、そのジャージ。ひびきの生?」彼女から尋ねられた、別に隠す事じゃないから正直に答える。
「オウ。俺、1年1組で陸上部の藤崎忍」
「ボクは1年4組の一文字茜、学校の後、いつもここでバイトしてるの」互いに自己紹介してあちしは注文する。
「焼肉定食をライス大盛りで」誰よ、オカマなのにガッツリしたモン食うのかなんて邪推してんのは?いいでしょ、オカマが何食べたって。それにスポーツしているとお腹が減るのよ!
大盛り焼肉定食を平らげて自宅に帰ったあちしは寝る前に変身能力を確認する、最近じゃこれがすっかり習慣になっちゃったわ。我ながら趣味悪いわよね、さっき定食屋で一文字さんから定食のプレートを受け取った時軽く指先が触れ合った。彼女を思い浮かべて右手を頬に当てる、あくまで実験よ。
「やっぱり自分でたてた仮説通りね」あちしの姿は一文字さんに変化していた。
バレンタイン2日前の土曜日、部活の自主練から帰ってくると母が電話で誰かと話していた。
「アラ、今帰ってきたわ、ええそっちに行かせるから。それじゃ」母は電話を切ると
「忍ちゃん、詩織ちゃんからよ。向こうの藤崎家まで行ってきてくれない?」
「別にいいけど、何の用なの?」
「今夜、兄さんもお義姉さんも留守になるそうなんだけど詩織ちゃん1人にするのも心配だから一晩泊まりに来てほしいんですって」なるほど、あちしなら詩織ちゃんに手も出さないし護衛にもなるし適任って訳ね。詩織ちゃんの家に着くと詩織ちゃんが出迎えてくれた、そしてリビングに通される。
「ゴメンなさい。両親が変な事頼んじゃって」
「構わないわよ、詩織ちゃんはあちしにとっても大事な従姉妹だしね」
「それともう一つ、実はね…」話によると詩織ちゃんの友達が公人に好意を持っているそうで彼女は詩織ちゃんの部屋にスタンバイ済み、今から公人を呼び出すらしいわ。あちしにも立ち合ってほしいとか、呆れてモノが言えないわ。公人はアンタが好きなのよ、そこへ違う女の子紹介って何考えてるの?その娘には悪いけど諦めてもらいましょ。何かいい方法ないかしら?
詩織ちゃんの部屋に通されたあちしは例の友達と引き合わされた。
「この人、私の従兄弟で忍君」流石に呼び方変えたわね。
「この娘は中学からの友達で美樹原
「あ、あの…」ナニよはっきり喋りなさいよ!イラッとしたところを詩織ちゃんに宥められる
「この娘人一倍恥ずかしがりやなのよ、特に初対面だと上手く話せないの」そうはいってもねぇ、これじゃ公人に会わせても無駄に終わるんじゃないかしら?
「それで?どうやって公人に会わせるつもりだ?」第3者がいるので男言葉で詩織ちゃんに尋ねる。
「今は公人君、家にいるハズだから電話で来るように伝えるわ」この時あちしは例の能力の使い方を思い付いていた。お手洗いを借りるフリをして1人になると
「キャアァー!」詩織ちゃんが気絶しちゃったわ、あちしコモドオオトカゲになってるんだけどこの娘は平気みたい。意外に根性座っているわね、アホらしいから元に戻るわ。