ボンクレーが『ときメモ2』の世界に転生したようです 作:越後屋大輔
クレイグ国はローゼスシティにある
実はカルロス、以前匠にある依頼をした事がある。その際ローゼスシティまで足を運んでもらったので今回はいつぞやのお礼も兼ねて、ツバメの常連でもある従妹に連れられ自らハーパータウンへ赴いた。
「
待ち合わせた場所はいつも通りツバメの店内、だが今回は営業を終えた時間に訪れる事になっていた。
「ソフィアさん、カルロスさんいらっしゃいませ」恭しく挨拶する匠と
「いらっしゃいなのなー!」今日も元気いっぱいのニャーチに出迎えられるソフィアとカルロス、そして
「初めまして、匠さんの友人のシノブ・フジサキよ。お2人の事は手紙で知らされているわ」
「ソフィア・マリメイドよ、女だてらに銀行家をしているわ。よろしく」
「ソフィアの従兄のカルロスだ、ローゼスシティの迎賓館で館主をやっている」互いに自己紹介すると匠はマリメイドの2人に席を勧める、忍は匠とニャーチを同じ席に座らせると1人キッチンに立つ。
「今日はタクミさんがお料理しないの?」その様子に?顔になったソフィアが疑問を口にする。
「ええ、お2人に営業時間後に来ていただいたのもその為です。彼も故郷でお店をやっているので今夜のおもてなしを務めてくれます」
「忍さんもごしゅじんと同じくらいお料理上手なのなっ、きっとビックリするのなぁーっ」ニャーチが心底ワクワクしているのを感じたソフィアとカルロスはそれ以上は追求しなかった。
前菜にだされたのはカリカリに焼かれた
「マイスブレッドのカナッペよ、ペミエントで作ったマッサをソースにどうぞ」
「ウム、ペミエントの持つ甘味とコクが塩気と相まって中々に旨い」
「ペミエントにこういう食べ方があるなんて意外だわ、マイスブレッドにスゴく合う」次にスモーク
「ああ、せっかくのお料理が」落胆するソフィアだがカルロスはある事に気づく。
「オヤ?」結構派手に
「……これは一体?」顔を上げると匠とニャーチが今にも吹き出しそうになるのを必死に堪えていた。
「プッ、アハハハッ。もう我慢できないのなっ、面白かったのなーっ」とうとうニャーチがお腹を抱えて大笑いし始めた。
「タ、タクミ殿!」
「これは大変失礼しました」慌ててカルロスに詫びを入れる匠を忍が制する。
「いいのよ、あちしが企んだ事だもの」
「イヤ、驚いただけで腹を立ててる訳じゃない。しかしどうもカラクリが見えんのだが……」
「これは本物の料理じゃないのよ、あちしらの地元で『食品サンプル』って呼ばれる蝋細工よ」
「え?これが蝋?!」目を丸くしてビックリするソフィア。
「はい、飲食店の入り口に並べてその店でどんな料理をだせるかをアピールする為の飾り物です」
「匠さんからローゼスシティの体験談を聞いて思い付いたのよ」匠がカルロスに見せられた迎賓館の伝統……メインの料理を目の前でぶちまけた後、本物を改めて提供する。私達の世界でも過去には王族が来賓を迎える時等に行われたパフォーマンスである、尤も忍も目の当たりにした経験はないが。
「あの時は廃棄する食材を使用されてましたね、その事を忍さんに話したんです」
「それでちょっとした意趣返しをしようとあちしが提案したのよ、これなら本当にムダがないでしょ?」
「確かに。しかしよくできてますな」
「今回はあちしが自分で作ったの、色合いや質感を出すのに苦労したわ」かっ○橋で購入しようとも考えたが結局自ら作る事にした忍、現在では合成樹脂を使うのが一般的だが個人で扱うには何かと手間がかかるので昔ながらの蝋で制作した。
「シノブさんこれ、私達にも作れないかしら?」ソフィアが目を輝かせて尋ねる、これはいい商売になると彼女の勘が告げている。
「まあ、蝋細工職人を手配すれば不可能じゃないわね。でもあちしはそんなに長くこの土地にいられないから指導はできないわよ」
「書面で充分よ、タクミさんと手紙のやり取りはなさってるんでしょ。そのついででいいわ」
「そういう事なら(茜ちゃんにも相談しないとね)」
時間は少し遡り、ソフィア達がツバメに到着した頃。光と蛍は穂刈一家やルナとハーパータウンの観光へ繰り出していた。
「「♪おーててーつーなーいでー♪」」蛍と衣音はそれぞれルナの手を取りご機嫌に街を散策する、その後ろを親達は微笑ましく見つめながら進んでいく。
「よぉ、ルナ」中年の男女、おそらく夫婦であろう2人連れがルナの目の前に立ちはだかる。
「ごしゅじーっん、電信がきてるのな」ニャーチから知らされて電信を見た匠が顔面蒼白になる。
「どうしたの、匠さん?」
「ルナちゃんの叔父夫婦が脱獄したそうです!」
さあ、どう解決しよう?
((((;゜Д゜)))