ボンクレーが『ときメモ2』の世界に転生したようです   作:越後屋大輔

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第12話バレた!

 お手洗いで変身を解いたあちし、再び詩織ちゃんの部屋に戻ろうとしたら美樹原さんとかち合っちゃった!

 「み、見た?」

 「あ、あの…見ちゃいました」オーマイガーッ!

 「あの、私、誰にも言いませんからっ!」詩織ちゃん家を飛び出そうとする美樹原さんを

 「ちょっと待ちなさいよ!」普段使いの言葉で美樹原さんをひき止めるあちし、1つバレたら2つも一緒よ。2人で詩織ちゃんをベッドに運んであちし達はお互いに腹を割って話し合った、公人が詩織ちゃんの事が好きな事、あちしがオカマな事など口止めした上で全部告白した。その他にも話をした、彼女は大の動物好きで爬虫類も範疇内になるそう。自宅でも犬を飼っていると聞いた、それと意外な事に大のホラー好きらしいわ。

 「まあ、そういう訳よ。公人の事は諦めろとは言わないわ、チャンスがないとは限らないし」

 「はい。あの…」

 「ナニよ?」

 「これからお友達になってもらえますか?」

 「アラ、勿論OKよ」目を覚ました詩織ちゃんは仲良く打ち解けてるあちし達を見て不思議そうな顔をしていた。

 

 そしてバレンタイン当日、あちしはある作戦を決行する事にしたわ。まずは匠の後をつけて1人の女子からチョコを貰う現場を押さえる、すかさず相手とは別の女子に変身してその場に姿を現して

 「酷いっ!匠君、私以外からチョコは貰わないって言ったのに!」適当な言いがかりをつけてやったわ。匠の奴、目が泳ぎまくってる、ホントにそう言ってたみたいね。

 「ネェ、どういう事?」案の定相手の女子の額に青筋が浮かんでいる、そして匠の顔に紅い花が咲く。いい気味だわ、ガーハッハッハッ。

 

 アラ、純じゃない?あんな人気(ひとけ)のない裏庭に駆け出してどうしたのかしら?後を追っていくあちし。追い付いた先で純はやたら息を荒くしていた、こいつの体力からすれば大した距離を走った訳でもないのに。

 「オイ!純、どうしたんだ?」問いただすと純は興奮冷めやらぬ様子で

 「忍か、聞いてくれよ。俺、女の子に…チ、チョコを、チョコを貰っちまったあ!」

 「そうか、良かったな」全く驚かせないでよね、何事かと思ったわよ。

 「う、うう、ウオォーっ!」絶叫して再びどこかへと走り去る純、ホントに女子への耐性ないのね。

 

 帰り際、あちしも義理チョコを幾つか貰ったわ。光ちゃん、水無月さん、美帆ちゃん、美幸ちゃん、美緒ちゃんから合計5つ。あちしってワリと人気者かもね、家に帰ってくると弟がこの世の終わりみたいな顔をして沈んでいた。

 「アンタ何暗い顔してんのよ?」あちしが呆れていると

 「俺、今年もチョコ1つも貰えなかった(泣)」ナニよ下らない、そんな事でいちいち落ち込んでんじゃないわよ。

 「そりゃ兄貴はいらないかも知れないけどって!何だよそれ?」あちしが持ち帰ったチョコを見て半狂乱になる弟。

 「何でだよ、何でオカマの兄貴がそんなにモテんだよぉ」

 「いちいちうるさい子ね、でもアンタにはあげないわよ!」最近じゃ女子同士でもチョコを交換するらしいし。そういう意味じゃあちしが貰ったっておかしくないわよね、弟には一欠片だって分けてやらない。

 「忍ちゃ~ん、電話よぉ。男の子から❤」何で我が母はそんなに嬉しそうなのよ?電話の相手は公人だった。

 「忍、聞いてくれよ。伊集院の奴がさぁ」なんでもアイツ、トラックいっぱいのチョコを貰っていたのが苛立たしくて恨めしいとあちしに愚痴をこぼしていた。あのね、アンタも奴の事そこまで言えた義理じゃないのよ。自分が結構モテてるのに気づいてないのかしら?ホントに鈍感なんだから。

 

 それから2週間程経った3月初旬。今度は町がホワイトデー1色に包まれる中、あちしは美緒ちゃんにバレないように図書室からお菓子作りの本を3、4冊借りて帰途に着く。実はコッソリお返し用のお菓子を手作りしてチョコをくれた娘達みんなビック([注釈1])リさせるつもりよ、美緒ちゃんにも貰ってるから知られたくないのよね。でも本だけじゃ不安だから助っ人を呼ぶ事にしたわ。

 「ボクがキミとお菓子を?ウン、いいよ」あちしが連絡したのは茜ちゃん。アレ以来彼女のバイト先の定食屋にちょくちょく通う内に仲良くなったのよ、休日に家に呼んでお菓子作りを教えてもらう事にしたわ。

 

 そして休日、茜ちゃんが我が家に来た。ナゼかガッカリしていた母は無視して、彼女の胸元を見つめニタニタしていた弟は蹴っ飛ばしたわ。キッチンに入ると茜ちゃんがあちしに謝ってきた。

 「そういえばチョコあげてなかったね」普段バイトが忙しそうだし都合が付かなかったか忘れていたか、どっちにしろそこは仕方ないわよね、別に怒っちゃいないわ。

 「そんなに気ぃ使うなよ、その代わり今日はよろしくな」

 「ウン!」茜ちゃん指導でホワイトデーのお菓子作りは上手くいった、そして当日あちしの手作りお菓子ビックリ作戦は大成功だったわ。あ、そうそう純はチョコをくれた娘にお返しする為にあちしに付き添いを頼んできた。大の男が情けないわよ、幻滅されなきゃいいけど。匠は結局かなり貰ったそうだけどお返しにかかる費用に泣いてた、

 「純、忍。頼む!金貸してくれ」手を合わせてあちしらに無心したけど当然断ったわ。精々不誠実な男のレッテルを貼られなさい。

 

 

 




[注釈1]いわゆるサプライズですね。
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