ボンクレーが『ときメモ2』の世界に転生したようです   作:越後屋大輔

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第3話スタンドと修学旅行

 実は何気に女子人気の高い賢、その為付き合っていると噂になった楓子は密かにイジメを受けていた。両親がそれを知った時、ちょうど新居への引っ越しとタイミングが重なったので小学生の弟達と一緒に楓子も転校させたのだ。もし転校したくないといえばそれも叶っただろうが、もし全て明らかになったら賢だけじゃなく野球部の皆にも迷惑がかかるかもしれない。それなら自分が静かに消えよう、楓子は涙を呑んで転校を選んだ。

 「せめて高坂君に『好き』って言いたかったな」それだけが心残りだった。

 

 転校初日、同じクラスに藤崎詩織がいた。彼女には去年、偶然出会っている。街中で彼女と一緒にいた藤崎忍から従姉妹だと紹介されていたのだ、詩織が間に入ってくれたのでこのクラスにもすぐに馴染めそうな気がした。新学期のHRが終わると詩織から彼女の家へ招かれた、会わせたい人がいると言う。

 誘われるままやって来ると

 「詩織ぃー、電話よぉ!」誰かが大声で詩織を呼ぶ、二十歳くらいの綺麗なお姉さんだ。

 「お姉ちゃんってばもう!そんなに声を張り上げなくても聞こえるわよ。あ、もしもし忍ちゃん?ええ、そうよ。相変わらず勘が鋭いのね、じゃ待ってるわね」

 「藤崎さん、今の電話、藤崎君?」

 「ややこしいから名前でいいわよ、私も楓子って呼んでいいかな?」

 「勿論!」二人が打ち解けたのはあっと言う間だった、

 「楓子ちゃん♪」

 「あの…お邪魔します」虹野紗希と美樹原(めぐみ)も詩織の家にきた。彼女達とも詩織と同じ日に出会っていて特に紗希とは同じ運動部のマネージャー同士で気が合って、よく連絡をとっていた。

 「しっのぶちゃん♪」再び沙織の声が響く、忍がついたようだ。

 「ヨッ、詩織ちゃん」男モードで登場した忍、後ろには賢がいた。楓子と互いにキョトンとした顔を見合わせる。

 「佐倉さん?」

 「高坂君?」かくして二人は無事、再会を果たした。

 

 「で、そのイジメてた娘って誰なのよ?」その日の夜、電話で詩織から事情を聞いた忍が尋ねる。

 「誰とは言わなかったわ、きっと報復を怖がっているのよ。忍ちゃんなら調べられるんじゃない?」

 「そうね、それっぽいのに当たってみるわ」忍は蜘蛛に化けて賢に横恋慕していた女子数人を観察、楓子をイジメていたのが呆気なく判明してコッソリ爆裂山校長に証拠をつきつける。案の定、彼女達はタップリお説教をもらい停学処分となった。しかも

 「俺は佐倉さんを迫害した君達を絶対に許さない」賢から冷たくそう告げられた。好きな相手に嫌われるという、ある意味最大の拷問を食らったのである。

 

 修学旅行が近づいてきた。あの一件以来忍と賢はスッカリ仲良くなり、穂刈純一郎とも交友するようになった。匠と同じ班になったのは気に入らないが忍の口添えもあって、そこは妥協する事にした。

 「きら高はひびきの(ウチ)と行き先も日程も同じだからさ、当日お前と佐倉さんが一緒に過ごせるように手配してやるぜ」

 「スマン藤崎、恩に着る」

 「気にすんなって」

 

 そして修学旅行三日目、班別行動になると藤崎に先導されて楓子と待ち合わせた神社に向かう。詩織達が楓子を連れて先にきていた、みんなに礼を言ってその後楓子と色々みて回って過ごす。

 

 人混みの中で別の学校から修学旅行できていた学生達とぶつかる、一人は今時珍しいリーゼント頭だった。

 「お、悪ぃ」リーゼントの隣を歩いていた頭頂部以外を刈り上げた男子が賢に謝ってきた。見た目は時代錯誤な不良だが根はまともな人間のようだ、賢も手を振って詫びを返す。

 「いや、こっちこそ」と同時に首に違和感を感じる賢、楓子は悲鳴を上げさっきの学生達の顔から血の気が引く。

 「オイ!君大丈夫か?」彼らの内、一番小柄な男子が賢の安否を気遣う。

 「あ、ああ何ともない」違和感のあった首の部分を押さえながら返事をする賢。

 「なぁ、これって」

 「間違いねえ、例の'矢'だ」足下に一本の矢が転がり落ちていた、賢はこれに刺されたらしい、痛みは全く無かったが。

 「俺は大丈夫、佐倉さん行こう。あ、そうだ君達…え~と」

 「杜王町、ぶどうが丘高校の東方仗助」

 「同じく虹村億泰」

 「広瀬康一です」

 「ひびきの高校の高坂賢だ」

 「きらめき高校、佐倉楓子です」自己紹介し合ってるところを一人の女子高生に襲われた、美人だが不気味な笑顔を浮かべていて却って恐い。

 「よう、姉ちゃん何してくれやがんだ、名乗れや」億泰が挑発するも表情を全く崩さず

 「ウチは藤乃静留。ホンマは男になんぞ用はありませんねや、ほしいのはあんさんらの『チャイルド』どすえ」話し方からみて地元民か。

 「ハァ?何言ってんだお前?」

 「ほな、チャイルドはチャイルドで貰い受けましょか。清姫」静留の背からヤマタノオロチを彷彿させる怪物が現れた。

 「何だよ、あのバケモンは」

 「殺るってんなら女でも容赦はしねぇぜ!クレイジーダイアモンド‼」丈助もその背から鎧の戦士を登場させる、しかし

 「何や?何にもあらへんやん」静留には見えないらしい、一方楓子を避難させた賢は妙な声を聞いた。

 「私は貴方のスタンド『Stormbringer』。貴方と共にあり貴方と共に闘います」声のした後ろを振り返ると丈助のモノとよく似た人型が背に浮かんでいる、賢は覚悟を決めた。

 「仗助、加勢させろ!行くぜ!ストームブリンガー!」

 「ドォララララララララララ‼」

 「ゴォララララララララララ‼」清姫にラッシュを浴びせる二体のスタンド、ストームブリンガーは激しく回転して横向きの竜巻と化し清姫を雲散霧消する。最強のチャイルドと誉れの高い清姫は、ほぼなす術なく敗れた。

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