ボンクレーが『ときメモ2』の世界に転生したようです   作:越後屋大輔

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第6話共に歩む二人(最終回)

 甲子園で優勝後、賢達三年生は野球部を引退した。それまで練習浸けだった毎日が一気に暇になる、当然楓子も同様だった。これを機に今までの分を取り戻すかのようにデートを重ねる二人、この日もショッピング街を歩いているとあの四ツ谷甲二が藤崎忍と喧嘩しているところに遭遇した。二年前の恨みが沸々と再燃する賢、しかも四ツ谷は凶器まで持ち出している。

 「あのチビ先輩、ぶっとばしてやる!ストームブリンガー‼」自力でラリアートを食らわして○ッター2の○リル○ームの如く、竜巻を発生させて四ツ谷を空高く舞い上がらせる。これで少しは他の先輩達の弔いになったハズだと胸を撫で下ろす賢、当時の野球部OBは死んだ訳ではないのだが。

 

 夏休み後半、賢には大学や企業にプロ野球リーグから結構なスカウトが来たのだがそれらを全て断った。甲子園の試合が終わったと同時に自分の野球人生にもケリをつけたのだ、周りからは

 「勿体ない!プロになればいいのに」とか色々言われたが賢には修学旅行で得たあの奇妙な能力(ちから)の事が気になっていた。何よりプロになったらあの能力に頼る卑怯者になりそうな自分が嫌だったのだ、楓子にも相談してプロの道に進むのは止めるべきと結論を出した。尚、この能力の存在は家族にも明かしていない。彼女以外で知ってるのは、修学旅行で知り合った同じ能力を持っている東方仗助らだけだ。

 

 ひびきの市で行われる花火大会が今年も開催される、賢は楓子を呼び出して一緒に行こうと誘う。

 「勿論O.K.!エヘヘ」電話越しで楓子の喜ぶ声を聞いて自然とニヤニヤしてしまう賢が心配になる父、寛太郎と母、霧江。兄の邦彦、妹、梢の家族一同がいた。

 

 三年目の文化祭、今年は部活毎じゃなくクラス出展になったので去年のように無断欠席は出来ない。

 「今年は一緒に過ごせないか」と諦めていたら楓子から電話がきた。

 「今年は私がズル休みするね」かくして今年はひびきの高校での文化祭デートとなる、賢はクラス出展の小物屋の店番があるので終わる時間に落ち合う事になっていた。途中で忍が血相を変えて飛び込んできた以外特にトラブルもなく、店番が済んだ賢は楓子と二人っきりになりデートを楽しんだ。幸い忍にしかバレていないし、その忍は口をつぐむと約束してくれた。

 

 二年連続で大晦日の晩に初日の出を見に行った二人は元日から影響している去年と同じサ店で軽く朝食を摂る。

 「そういや去年はここで藤崎達に会ったっけ?」

 「今年はいないのかな?」ひびきの市に戻ると帰り道がてら神社に参拝する。

 「ギャーッ!また大凶よぉ!これで三年連続だわぁ!」絶叫する忍の声が聞こえた。因みに賢も楓子もカミングアウトされていたので忍がオカマの異性愛者であるのは知っている、駆けつけると賢は忍をしばき倒す。

 「神社でデケー声だしてんじゃねぇよ、お前ぇは‼」

 「そんなの神様に言ってよ、あちし初詣の度に大凶当たってんのよ」

 「知るか!大方、罰当たりなマネしてんだろ!」

 「ドキッ‼」

 「イヤ、身に覚えあんのかよ…」

 「佐倉さん?」陽ノ下光が、こちらに気づいた。

 「陽ノ下さん、晴れ着綺麗だね」

 「エヘヘ、ありがとう。さっき忍君にも誉められちゃった♪」四人で雑談した後、それぞれの帰途につく。

 「そういや佐倉さん、今年は晴れ着じゃないよな」何気なく賢が呟くと楓子は返事もしないで黙ってる。

 「どうかした?」

 「あのね…その…『佐倉さん』じゃなくてお互いそろそろ名前で呼び合いたいな」

 「わ、分かった。楓子」緊張しながら初めて下の名前で呼ぶ。

 「ナーニ、賢?キャー恥ずかしい」自分で切り出しておきながら真っ赤な顔を両手で隠して蹲る楓子、賢はそっと手を差しのべて

 「最初はしょうがないさ、少しずつ慣れていこうぜ」

 「ウン!あのね賢…」

 「どうした…楓子?」

 

 「❤大好きだよっ‼❤」楓子は思いっきり賢に抱きついて賢もしっかり抱き返した。

 

 ここで二人の物語はおしまい。後は本編及び未来編を読んで察して下さい。

 

 

 

 

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