ボンクレーが『ときメモ2』の世界に転生したようです   作:越後屋大輔

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第7話正体!

 その日の放課後、吹奏楽部顧問のさわ子を連れて四人のいる音楽室に来た光。

 「それで、テープはこれ一本だけかしら?」

 「他にですか?見かけてはいませんが」脅すような口振りのさわ子に対して、光はあっけらかんと答える。

 「やっぱり、山中先生だったんですね」律がいつになく物々しい口調で確認するとさわ子はその場にへたれ込んだ。

 「そう。あれは八年前、私ここの生徒だったの!」いきなり自分の過去を語りだした。

 

 ~回想シーン~

 さわ子「○○君、好きです!」

 (当時16才)

 ○○君「ゴメン。俺もっとワイルドな()が好きなんだ…」

 さわ子(そう。ならなるわ、もっとワイルドに…ワイルドに…もっとワイルドに)そしてワイルドになったさわ子に○○君の反応は

 ○○君「…さわ子、やり過ぎ」

 ~回想シーン終わり~

 結果、振られたのであった。

 

 「じゃあギター弾けるんですね、ちょっと弾いてみて下さい」律が唯のギターを手渡す、すると

 「(このレスポールの重み、マホガニーの香り。そう、これ!これなのよ)しゃーねーなぁ!」

 ((目付き変わった?))何かに取り憑かれたかのように見事なギターテクニックを聞かせるさわ子。

 「早弾き?!」

 「タッピング?!」

 「歯ギター?!」

 「ああ、私のギターが…(泣)」

 「オメェラ!音楽ナメてんじゃねぇぞ‼」

 「「「「スミマセン‼」」」」部員四人が一斉に土下座する中、光だけは

 「山中先生、それ頂き物なので歯をたてるのはちょっと…」目の回りを黒くしていた。

 「ア、アレ?陽ノ下先生怒ってます?」忽ち正気に戻った、音楽室は何となく険悪なムードに包まれる。

 「せ、先生方!ケーキ食べませんか?」どういうつもりか紬は二人にケーキを差し出した。逆効果と思われたがさわ子と光の答えは

 「「いただきます!」」

 (((いただくんかい!)))唯、律、澪は心中で突っ込んだ。

 

 「そうよ、あの頃の黒歴史を封印して教師になったの。その後はお淑やかなキャラで通そうと決めていたのに…」みんなでケーキを食べながら、尚もうちひしがれるさわ子に律はいつになく物々しい口調で

 「先生、顔を上げて下さい」

 「田井中さん…」だが次の瞬間、コロッと態度を変えて

 「バラされたくなかったら吹奏楽部の時間、少し下さい」ニヤリ、不敵な笑みを浮かべる。

 「律っちゃん!逞しい娘‼」バシッ!唯が叫ぶと同時に光の脳天チョップが律を襲う。

 「痛ってーよ、光ちゃん!」

 「先生を脅すんじゃありません‼山中先生、お気になさらず。私達誰にも言いませんから」さわ子に優しく告げる光だったが

 「お前ら、何を騒いどるんだ?」学年主任の堀込先生が音楽室の前を通りがかる。

 「ぶ、文化祭についての話し合いです」さわ子が慌てて取り繕うが

 「フォークを持ったままじゃ説得力ないぞ」完全に扱い慣れている雰囲気の堀込先生だった。

 「あの…山中先生?」光が何かを言いたげに声をかける。

 「あの先生には正体バレてんの?」律が聞きづらい事をあっさり切り出した。

 「堀込先生は当時の担任だったのよぉ!」全員が

 「あ~なるほどねぇ」と得心しながらもシラケてしまった。

 

 その後、ちゃんとした?交渉が行われて吹奏楽部の最後の時間を少し貰える事になった。今の軽音部はレパートリー自体殆どないのでスタンバイ込みで15分もあれば充分だった、さわ子だけでなく吹奏楽部員のみんなにも紬のケーキを配って納得してもらった。文化祭まで後、一週間である。

 

 

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