ボンクレーが『ときメモ2』の世界に転生したようです   作:越後屋大輔

165 / 282
第8話本番!

 文化祭にむけて本格的に練習を始めた軽音部の四人だったが重大な問題を抱えるハメになった、ボーカルに決まった唯がギターを弾きながら歌う事ができないのだ。

 「仕方ないわね、ここは軽音部OGの私が一肌脱ごうじゃない!」個人レッスンをするというさわ子に連れて行かれる唯。光の頭には荷馬車に乗って売りに出される子牛の歌が響いた、その日から唯はしばらく部室にこなかった。

 

 そして文化祭前日になり久し振りにみんなの前に姿を現した。

 「みんな!特訓の甲斐あって唯ちゃんは歌いながらギターを弾けるようになったわよぉ」さわ子が自慢気に手をヒラヒラさせて唯を披露する、その間唯は一言も発していない。

 「それじゃ例の曲行ってみよう」律のフリで弾き語りを始める唯。

 「♪ぎみをみでるどいづもバードどぎどぎ♪」光、律、澪、紬はズッこける。

 さわ子「イヤァ、練習させ過ぎちゃった」テヘペロ

   唯「声枯れちゃった」テヘペロ

 「ダメじゃん」律は脱力するも

 「こうなりゃ作詩した澪が歌うしかないな」と悪魔の微笑みを澪に向ける。

 「イヤーッ!」逃げ出そうとする澪を全員で捕まえる。

 「だったら律が歌え!(半泣)」赤い顔で涙目になり訴える澪に律は

 「そしたらドラムはどうすんだ?」

 「私がやるから!」

 「じゃベースは?」

 「それも私がやるから!」パニクってるせいか、言ってる事が滅茶苦茶である。

 「秋山さん、少し落ち着いて。琴吹さんお茶淹れてあげて」紬が淹れたお茶を澪に差し出す光、飲み干した澪はいくらか落ち着いたようだ。

 「さてと、何て事してるんですか?山中先生」光は額に青筋を浮かべてさわ子を睨みつける、完全に怒っていた。一応先輩教師でありながら、光の形相にビビりまくるさわ子。

 「この件は校長先生にも報告します!」

 「陽ノ下先生!お願い、それだけは許してぇ~」今度はさわ子が半泣きで光にすがり付く、この日からさわ子は軽音部に『ダメ教師』のレッテルを貼られた。

 

 その後光と軽音部が話し合って、いくらなんでも唯の声が一日で元通りにはならないだろうとの判断して今回に限り澪がボーカルをとる事に決まった。

 

 文化祭当日、軽音部は割りと出番が早いのでクラス出展は後で手伝う事になった。律が部室前までやって来ると中には既に澪がいて発生練習をしていた、いつもみたいに早速からかってやろうと部室の戸を開けようとしたが何か思うところがあったのか戸に掛けかけた手を放し光や唯、紬と合流するまで壁にもたれて静かに澪の声を聞いて待っていた。

 

 いよいよ本番が近づいてきて最後の音合わせを終わらせた四人。

 「じゃみんな講堂に行こっか」光が四人と一緒に必要機材を台車に乗せて運搬の準備をしていたら、さわ子が何かを抱えて部室にやってきた。

 「何しにきたんですか?」昨日の一件もあり若干ムッとした光が尋ねると

 「不本意ながら軽音部に関わった以上、協力してあげたいと思ってね」と前置きをして

 「ジャジャーン!ステージ衣装作ってきましたぁ」かつて軽音部で率いていたデスメタルバンドの衣装も担当だったさわ子、服飾が趣味で今回も四人にゴスロリ衣装を用意していた。

 「いりません!」澪は即答する、しかし他の三人は喜んで袖を通していた。

 「何でこんな格好しなきゃならないんだーっ!」

 「着替えてから突っ込まなくても…まあみんながイヤなら私も突っぱねるけど」光もさわ子が憎い訳でもないし、三対一ならと抵抗する澪を説得した。

 

 そして遂に軽音部の初ステージの幕が上がった。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。